No.11 VEGETABLE LASAGNA



        さて今回は、メニューNo.11『VEGETABLE LASAGNA』です。これは菜食主義者用のベジタリアン
       メニュー
ですが、ベジタブル・・・ラサグナ?聞いた事のない料理名だなあ。ちょっと調べてみようかとも思
       いましたが、ここはあえて予備知識なしで試食する事に。事前にしっかり調べてから食べるのもいいです
       が、素姓の全く分からない相手と異種格闘技戦をやるようなワクワク感も、結構面白いんですよね。もっ
       とも、ちゃんと調べてから食べても「・・・何じゃこりゃ・・・」と言わざるを得ないメニューも、無いではないの
       ですが(笑)。
        パッケージを開封すると、例によって大量の食品類が出てきます。今回初めて見るものもあり、これは
       面白そう。


 





【内容】
1:VEGETABLE LASAGNA
2:MANGO PEACH APPLESAUCE
3:チョコレートヘイゼルナッツココア
4:バニラパウンドケーキ   5:クラッカー
6:ピーナッツバター   7:加水式加熱材
8:ホットビバレージバッグ
9:アクセサリーパケット   10:スプーン







【アクセサリーパケット内容】
1:粉末アイスティー   2:ウェットティッシュ
3:塩   4:マッチ   5:トイレットペーパー
6:粒ガム   7タバスコ












        まずはメインのレトルトを加熱材にセットし、飲み物から作ります。縦長のシェイク用パッケージに入っ
       ていたのは、今回初のお目見えとなるCHOCOLATE HAZELNUT COCOA。米軍のMREは普通のココ
       アも美味しいのですが、今回はヘーゼルナッツ入り。なんだか必要以上に濃厚そうだなあと心配しつつ、
       6オンス(約170cc)の冷水を入れてしっかりとチャックを閉じ、ぶんぶんとシェイクします。
        カップにあけると、見た目は普通のココアとそう変わらないなあ。一口飲んでみますが、んん?意外と
       さっぱりで美味しいですよ。
もっと濃厚でどろりとしたココアを想像していましたが、すっきりとしたこの味
       わいは、ココアと言うよりもチョコ味のスポーツドリンク(そんなのあるのかな?)の様であります。


        ヘーゼルナッツらしい風味はある様なない様な・・・ですが、気温が高い時期なら普通のココアよりも
       こっちの方が飲みやすいような気がします。
        続いてはもう一つの粉末飲料である、ICED TEA。こちらも同量の水で溶かしますが、うん、すっきり
       甘く爽やかに酸っぱい、いつもの安心のアイスティー。ニセモノ臭くはありますが、結構いけます。


        CRACKERSPEANUTBUTTER。クラッカーは相変わらずサクサクで、ほんのり甘い中にもきりっとし
       た塩味
が効いています。さっぱりしたココアとの相性もいい感じですね。
        ピーナッツバターもこの粘着質な味わいが相変わらずですが、軽やかな酸味のきいたアイスティーが
       あるので、いつもほど食べづらい事はありません。それでもこの、口の中に模型用のパテを突っ込まれ
       感じ・・・。
もうちょっと何とかならないのかなあ。


        お次はVANILLA POUND CAKE。こちらの甘さも相変わらずですが、バターの風味が濃厚で結構美
       味しい
です。口当たりはやや重いものの、これもアイスティーとの相性が抜群。ちょっと高級洋菓子っぽ
       い雰囲気
もあり、甘いもの好きな人には嬉しいでしょう。


        2つ入っていたレトルトの片方は、MANGO PEACH APPLESAUCE。ああ、以前試食したメニューに
       入っていた、美味しい果実のピュレですね。程よい甘さと突き抜けるような酸味がいいバランスで、これ
       も美味しいなあ。口の中を初夏の風が吹き抜けて行くような、とても爽やかな風味が楽しめます


        いやー、今回のメニューはなかなかいい感じだなあ。ピーナッツバターのべったりした口当たりとパウ
       ンドケーキ
のしつこい甘さを、飲み物とフルーツピュレの甘酸っぱさで見事に打ち消しています。次々と
       接近してくる対艦ミサイルを、一発も漏らさず撃ち落として見せた砲雷長のような気分
であります。
        さて、ここまでの快進撃が死亡フラグではない事を祈りつつ、十分に温まったメインのレトルトを開封
       します。初めて食べるLASAGNA、果たしてどのようなシロモノなのでしょう?
        開封したレトルトの中身を皿にあけると、んん〜?これは・・・トマトソースのパスタ?濃厚な完熟トマト
       ソースの香りが漂って美味しそうですが、正直言ってちょっと拍子抜け。未知のメニューに少し構えてい
       たぶん、肩の力が抜けてしまいましたね。


        まあ、パスタアルフレッドソースベジタブルチーズオムレツの様なエグいハズレくじに積極的に当た
       りたいとは思わないのですが、幽霊の正体見たり枯れ尾花・・・という感じでしょうか。
        しかしこのパスタ、なんだかやけにネジネジウネウネしてますね。真っ赤なトマトソースをまとっている
       ので、こう言っては何ですがターヘルアナトミア的というか、駿河城御前試合的な雰囲気がプンプン。
        虎眼先生が美容師みたいにお客様の頭をいじくり回しつつ、
        「木剣にてまともに当てれば、脳汁(しる)が漏れおる」
        と仰っていた事を思い出してしまいました。い、いくぅ。


        まあケチをつけるのは程々にして、まずは一口。うん、トマトソースそのものです。先の食品から甘酸
       っぱい系が続いていますが、しっかりと完熟させたトマトの旨味がどっしりと力強く、大地に蓄えたパワ
       ーを感じさせる重厚な甘酸っぱさ。かなり美味しいなあ。
        そしてこのトマトソース、妙な粘り気がありますね。他のメニューのトマトソースにはなかった、糸を引く
       様な不思議なこの粘り気。里芋っぽいような・・・と思いつつレトルト外箱の原材料表示を確認すると、
       ルメザンチーズ
が入っていました。なるほど、このどっしりした風味とほのかな粘りは、ソースに溶け込
       んだチーズだったのか。
        ベジタリアンメニューらしく野菜も充実しています。キドニービーンズは柔らかく食べごたえもあり、この
       茄子みたいなのはズッキーニですね。どれもトマトソースとの相性が素晴らしく、満足度が高いなあ。
        いやあ、最後まで飽きることなく食べきってしまいました。暑い日は付属のタバスコをかけるとさらに美
       味しくなる気がしますが、辛味なしでも十分満足のいく味わいでありました。


        肉や魚を使えないベジタリアンメニューですが、今回はそのハンデを上手く逆手にとって、見事な味に
       仕上げて来ました。菜食主義者でなくても、たまにはこういうスッキリ爽やか系の味もいいもんです。
        それにしてもラサグナってこういうものなのか・・・と思いつつなんとなく調べてみたら、ラザーニャの事
       だったんですね!

        しかしラザーニャを戦闘糧食にするとこうなるのか。昔『宇宙船サジタリウス』で見たのとは随分違うな
       あ・・・と思いつつ、いつの間にやら作品の主人公たちよりも年上世代になってしまった自分に気がつき、
       最後はなんだかよく分からない気分になってしまった試食でありました。




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