No.14 SPICY PENNE PASTA



        さて今回は、メニューNo.14『SPICY PENNE PASTA』です。ペンネとは細い円筒状の生地を斜めに
       カットしたパスタの一種
で、ソースとの絡みがよく先っぽのツンツンした食感が楽しめる事から、日本でも人
       気がありますね。トマトの酸味と唐辛子の辛味を効かせたアラビアータ風の他、クリーム系のソースとの相
       性もよく、今回の試食はとても楽しみにしていたのでした。
        まあ長期保存のレトルトのパスタなので、期待しすぎて最初からあまりハードルを上げるのはMREには
       ちょっと可哀想な気がしますが、最近のベジタリアンメニューは以前に比べるとぐっと美味しくなっている
       で、ワクワクしながらパッケージを開封します。


 





【内容】
1:PENNE PASTA WITH VEGETABLES CLUMBLES IN
SPICY TOMATO SAUCE
   2:粉末ドリンク
3:パウンドケーキ   4:ピーナッツバター
5:クラッカー   6:レーズン   
7:アクセサリーパケット   8:スプーン
9:ホットビバレージバッグ   10:加水式加熱剤
11:シーズニング





【アクセサリーパケット内容】
1:粉末ドリンク   2:粒ガム   3:ウェットティッシュ
4:トイレットペーパー   5:塩   6:マッチ














        加水式加熱剤がメインのレトルトを温めている間に、まずは粉末ドリンクから用意します。一つ目は、今
       回初のお目見えとなるTROPICAL PUNCH FLAVORED。12オンス(約360cc)の冷水で溶かすと、実に
       アメリカンな色合いの体に悪そうな液体
が出来上がりです。それにしても凄いなこの色・・・。何をもってトロ
       ピカルなのか
正直よく分かりませんが、とりあえず一口飲んでみましょう。
        うーん、何と言うかこの缶詰のサクランボみたいな味・・・?かなりはっきりと甘いので、イチゴ味のカキ氷
       を溶かして飲んでるみたいな感じ
です。でもアメリカ人って、こういうのが好きそうだなあ。


        美味いか不味いかと聞かれると、正直不味いと言わざるを得ないのですが、美味しくはないが面白い
       いうか、この駄菓子屋テイスト丸出しの突き抜けていい加減な個性は、ちょっと捨て難い気もしますね。
        もう一品の粉末ドリンクは、MRE定番のAPPLE DRINK。こちらは意外とちゃんとしたりんごジュースに
       なっていて、結構好きなんですよね。パッケージの指示通り、6オンス(約180cc)の水で作りました。


        続いてLemon poppyseed pound cake。あ、これ久しぶりだなあ。あいかわらずのキツい甘さですが、
       バターの濃厚な香りとレモンの爽やかさがよく合って、意外と美味しく感じます。ポピーシード(芥子の種)特
       有のプチプチした食感も楽しく、今回は粉末ドリンクも充実しているのでパクパク頂けました。


        そして定番のPEANUTS BUTTER。ねっとりべったりの極めて粘着質な口当たりで、いつも口の中で持
       て余してしまうのですが、これまた定番中の定番であるCRACKERSとの相性が素晴らしく、何だかんだで
       食べきってしまいました。酸味の強いレモンライムドリンクならもっと食べやすいと思いますが、トロピカル
       パンチとも結構合いますね。


        さて、そろそろメインのレトルトが温まって参りました。PENNE PASTA WITH VEGETABLES CLUMBLES
        IN SPICY TOMATO SAUCE
という、異様に長い名前のレトルトを開封。中からでろりんと出て来たトマトソ
       ースの異様な色合い
にちょっと不安になりますが、漂ってくる香りはなかなか美味しそう。長年レトルトパッ
       クの中に押し込められていたせいで、ペンネは少し潰れていますが、とりあえず一口食べてみましょう。
        ほう、これはなかなか。さすがにMRE安心印のトマトソース、今回も美味しいですよ。不自然な甘味が少
       し気になりますが、これはあえてこうしてあるのでしょうか。もう少し塩味と酸味を利かせた方が私的には好
       みですが、こういう一風変わったトマトソースもアリですね。


        ペンネは長さ40o、直径10oという標準的なサイズで、流石にアルデンテには程遠いものの、真ん中
       の穴ぼこにいい塩梅にトマトソースが絡んでいて美味しいなあ
。それにしても、3年以上前に製造されたパ
       スタ
をこうして美味しく頂いていますが、冷静に考えるとちょっと怖い気がします(笑)。
        時折ソースの中に見える細切れは、グリーンチリかな?辛味が実に爽やかで、甘味の強いトマトソース
       を要所要所で上手く引き締めています。
        そしてこのミンチ肉も結構な存在感があって・・・え?ミンチ肉?これベジタリアンメニューの筈なんです
       が・・・。慌てて紙箱に印刷された原材料表示を確認すると、肉類は入っていない模様です。ん?よく見る
       とSOY PROTEINとありますが、これはいわゆる畑のお肉ってやつでしょうか。


        そう思って食べてみると、確かに一見して肉の様で、その実肉にあらざる味わいだなあ。とは言え、何も
       言われなかったら普通に肉と思って食べてしまいそう。
ソースの出来がいいので上手く誤魔化された気も
       しますが、よく出来てるなあ、これ。
        ただ、食べ進んで行くと、やっぱりこの微妙な子供っぽい甘さが気になります。確かにトマトソースなんで
       すけど、どこかケチャップっぽいというか小学校の給食っぽいというか・・・。
        あ、そう言えばSEASONING BLENDがあったのを忘れていました。途中から振りかけてみましたが、な
       んだかこれお焼香みたいだなあ。思わず手を合わせそうになってしまいます。


        一口食べてみると、おお、なるほど。ちょっと甘みの強いトマトソースにスパイスの香りが加わり、いい感
       じで味の方向性が変わりました。
アクセサリーパケットにはもあるので、これをかけてもいいと思います
       が、私的にはこのシーズニングだけで十分軌道修正が決まった感じ。これなら最後まで飽きることなく食
       べ終える事が出来そうです。
        辛いもの好きな私としては、もっと辛さを追加できるタバスコ様の存在が欲しいところではありますが、
       体的なバランスで言うとこれ位が丁度いい
かも。疲れきって食欲が無い時でも、これならするっと胃の中に
       入って行きそうです。


        最後はRAISINS OSMOTIC。今回で2回目の試食ですが、この安物の昆布の佃煮みたいなツヤツヤテ
       カテカ感と、前日床にこぼした牛乳を拭いたままの真夏の雑巾みたいなアロマがちょっと・・・。甘味もかな
       り下品でしつこく、市販の安物干し葡萄を3倍濃縮して植物油を塗りたくったみたいな味わい。
        その分保存性カロリー的にはかなり優秀な戦闘糧食だと言えますが、この喉がひりひりする様なエグ
       い甘味
、ちょっと苦手だなあ・・・。スッキリした甘さのアップルドリンクの力を借りて、どうにか食べきる事が
       出来ました。


        やけに甘味の強いトマトソースには少し戸惑いましたが、その他の食品のバランスもいいですし、特に大
       きな失点が無い
と言う意味では、MREの入門編として丁度いいメニューだったと思います。私的にはピー
       ナッツバターではなくチーズスプレッドにして塩味のメリハリをつけたいところでしたが、それはそれで逆に
       ガチャガチャと纏まりのない味になるのかなあ。甘味は甘味で組み合わせた方が、メニュー全体のバラン
       スは取れるのかもしれませんね。
        大きな特徴のないちんまりと纏まったメニューでしたが、全24種類に及ぶMRE、こういう大人しい個性
       があってもいいと思いました。




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