メインのレトルトを加熱剤にセットし、まずは『チョコレートシェイク』から用意します。これは以前一度飲んだ事があり
ますが、やっぱり飲むのか、戦場でシェイクを…。パッケージを開封し、説明書きの通りに6オンス(約170ml)の水を注
ぎ、開封した口をしっかりと折り込んでから60秒間シェイクです。これがただの袋なので結構シェイクしにくく、ちょっと
気を緩めると部屋中にチョコシェイクがどばぁ、という事態も十分考えられるので、気合を入れてシェイクします。
出来上がったシェイクはかなり強烈なシロモノで、もうドロドロのヌルヌルです。甘さも脳天に馬場チョップを食らった
かのようで、やっぱり焼成前のクッキー生地かチョコ味の山芋擂り下ろしを飲んでいるみたい。甘いもの好きな人には
タマラナイかもしれませんが、私は辛くて辛くて泣きそうです。しっかり冷やした水を使えばまだマシだったかもしれませ
んが、うー、気持ち悪かった…。
軽いめまいを感じながら『スナックブレッド』を開封。じんわりとした穀物独特の甘さが、いきなり疲れ切ってしまった
舌に優しいなあ。最初食べた時は古い日本家屋の湿気たフスマを齧っている様な気分でしたが、慣れるとこれが不
思議に美味しく感じます。
『チーズスプレッド』。これがまたスナックブレッドによく合うんだよなあ…と思いながら開封すると、いつもはしっかり
と固まっているチーズが、今回は水分が分離してスクランブルエッグみたいになっていました。半分融けた様な状態
でちょっと心配ですが、ニオイはいつものチーズスプレッドです。やや怯みつつ、端っこをちょっとだけ齧ってみますが、
うん、特に問題ない味でした。
この分かりやすいはっきりした塩味と濃厚なチェダーチーズのコクが、ほのかな甘味のスナックブレッドに見事にマッ
チしています。梅干しで白ご飯を食べている様な安心感がありますね、このコンビは。
温めておいた『SPAGHETTI WITH MEAT AND SAUCE』を開封です。皿に空けると、トマトソースの何とも言えない
いい香りが鼻腔をくすぐります。トマト風味のMREは概ね当たりなので気が楽ですが、今回も期待できそう。まずは一
口。
うん、やっぱり美味しいなあ。牛挽肉のコクと旨味、トマトの爽やかな甘味と酸味が絶妙なバランスで、つくづく戦闘糧
食とは思えない出来栄えと言えます。肝心のスパゲティは2〜3センチほどのブツ切りで、10年前は一応アルデンテだっ
たのですが…と言った感じですが、これはまあご愛嬌でしょう。
肉自体はソースに旨みを出しきってしまった感がありますが、ゴロゴロの粗挽きなので食べ応えがあり、全体の中で
個としての役割を果たしつつもしっかりと自己主張をしています。
アクセサリーパケットのタバスコ様が黄土色に変色してしまっているのが不気味ですが、途中から振りかけるとソース
の味が更にキリッと引き締まり、美味しさがアップしました。さすがタバスコ様!MREの影の主役と言っても過言ではあ
りません。
最後は今回初めての『TOASTED CRACKER AND PEANUT BUTTER』とやらです。文字通り解釈すれば、クラッ
カーにピーナッツバターが塗ってあるのでしょう。とにかく開封して見ると、タンカラーの包装の中から民生品っぽい可
愛らしいスナック菓子が出て来ました。ナビスコリッツよりもひとまわり小さな、500円玉位のクラッカー2枚でピーナッツ
バターを挟んだお菓子が6つ入っていました。
いつもの鈍重なピーナッツバターを想像してちょっと怯みましたが、食べてみるとなかなかイケました。ピーナッツバ
ター自体もいつもより食べやすく、クラッカーの塩気が程良く唾液を分泌し、あの“口の中の水分が全部持って行かれ
る感”はありません。
ひとパックで結構なボリュームがあり、カロリーも十分。戦闘糧食向きの一品と言えますね。
メインの出来には満足です。トマトソースってレトルトの長期保存食品に向いてるんでしょうか。ドイツ軍戦闘糧食の
ハンバーグトマトソースも忘れられない美味でしたが、今回のスパゲティーミートソースもかなりいい線行ってます。タ
バスコはまあ個人のお好みですが、私は有った方が断然美味しいと思います。半分はそのままでトマトソースの優し
い旨味を、途中からはタバスコを足してキリッと引き締まった味を楽しむのが私のお勧めです。
メニュー全体の組み合わせも良かったですが、チョコシェイクが個人的にちょっときつかったなあ。粉末のオレンジ
ビバレッジかチェリービバレッジだったら満点に近かったのですが。
あとキャンディとチーズスプレッドの状態ですが、恐らく相当な高温の環境下で長時間保存されていたのでしょう。ま
あ、払い下げ戦闘糧食を食べていると、こういう事もままある、と言う事でしょう。
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