No.17 SLOPPY JOE



       さて今回は、メニューNo.17 『SLOPPY JOE』です。すろっぴーじょー?なんだか呑気で大食いなアメ
      リカ人のニックネーム
みたいな料理名ですが、アーム・ジョーみたいなものなんでしょうか。
       ちょっと調べてみると、スロッピージョーとはハンバーガーの一種で、ミートパテではなく濃いめのミートソー
      スをバンズに挟みこんだもの
だそうです。アメリカではファストフードというかB級グルメに属する食べ物で、
      のメニューを考案したバーの名前がSLOPPY JOEだった事から、そのまま料理名になったとの事。ちなみ
      にネイティブの発音ですが、スロッピースラッピーが混ざった様な感じだそうです。
       また、SLOPPYには『だらしない』という意味があり、なんとなくそのバーの雰囲気や、普通のハンバーガー
      の様にどっしりしていないミートソースっぽい様子が想像できますね。日本で言えば・・・もんじゃ焼きが戦闘
      糧食として採用されたような感じ
でしょうか。
       そういう意味では、MREのチャレンジ精神というかノールールっぷりが頼もしいなあ。外野から試食させて
      もらう立場から言えば、いいぞもっとやれ的に応援したい気分であります。
       それにしてもハンバーガー形式という事は、以前試食したVEGGIE BURGERと同様に2枚のスナックブ
      レッドで挟むのかな?等と思いつつパッケージを開封しますが、スナックブレッドは一枚だけ。うーん。とりあ
      えずレトルトを加熱剤にセットして、水を注ぎます。




【内容】
1:SLOPPY JOE    2:スナックブレッド
3:粉末グレープドリンク    4:チョコケーキ
5:ナッツレーズンミックス    6:チーズスプレッド
7:アクセサリーパケット    8:スプーン
9:ホットビバレージバッグ    10:加水式加熱剤










【アクセサリーパケット内容】
1:粉末クリーム    2:ウェットティッシュ    3:塩
4:粉末コーヒー    5:トイレットペーパー
6:砂糖    7:粒ガム    8:マッチ    9:タバスコ












       レトルトを温めている間に、まずはBEVERAGE POWDER GRAPEをスタンバイ。粉末のグレープドリ
      ンクですね。パッケージにはCARBOHYDRATE ELECTROLYTEとありますが、糖質と・・・あと電解質?
      恐らく従来の粉末飲料にスポーツドリンクっぽい機能を加えていると思われます。とりあえず説明書きの通り
      に、12オンス(約360cc)の冷水で溶かしましょう。
       なるほど、確かにグレープドリンクっぽい色合いですが、なんというかコバルトとかカドミウム等の化学物質
      を連想させる、ちょっとヤバそうな見た目。まあMREではよくある事なので、気にせず死因いや試飲してみま
      す。

       うーん、毒々しい見た目とは裏腹に、意外と飲みやすいグレープ味。ただ、あとくちがややケミカルチック
      ところが、やっぱりスポーツドリンクっぽいかも。これまでの粉末グレープドリンクからワンステップ進化したと
      言えますが、単純な味覚で言えばちょっと微妙だなあ。普通のコカコーラとコカコーラゼロの関係に近い様な
      気がします。
       続いてはNUT RAISUN MIX。以前試食した事のある、レーズン入りのミックスナッツです。炒ったナッツ
      類が香ばしく、余計な味付けを避けて単純に干しただけのレーズンも実に素朴でいい塩梅。手軽に食べる事
      ができる行動食としても、また夜のバーボンの友としてもばっちりですね(笑)。

       こちらはもうお馴染みの、CHEESE SPREAD WITH JALAPENOS。これ、美味しいんですよねえ。
      塩っぱさと辛さが効いていて、一口食べるとしゃっきりと目が覚める感じ。彼がいれば、少々アレな糧食が来
      ても何とかなる・・・という、味覚的解毒剤とでも言うべき安心感があります。
       そしてこのハラペーニョチーズスプレッドが、WHEAT SNACK BREADと相性ばっちり。押入れの隅っ
      この湿った埃みたいな独特の匂い
がありますが、ハラペーニョチーズスプレッドが持つクセが、上手にそれ
      を消し飛ばしてくれています。
       とは言え、このスナックブレッドの変な匂い、私個人的には結構好きなんですよね。子供の頃に田舎のばー
      ちゃんの家の押入れの中に作った秘密基地の匂い
といいますか・・・。

       さて、そろそろレトルトが温まって参りました。今回はアクセサリーパケットに入っていた粉末コーヒーを作る
      ため、ホットビバレージバッグに入れた水も一緒にセットしましたが、しっかり熱々になっています。
       まずは火傷に気をつけつつ、SLOPPY JOEを開封。中からは、いかにも重そうなミートソースがもたもた
      どぼどぼと出てきました。一口食べてみると、んん~、成程ミートソースですが、なんというかこの・・・ケチャッ
      プを思い切り煮詰めた感じ
だなあ。レトルトの紙箱には『BARBECUE SAUCE WITH BEEF』と書いて
      あるのですが、本当にケチャップそのものの味
       牛肉は6㎜BB弾サイズのものがどっさりと入っていて、食べ応えがあります。タマネギやグリーンチリ、セ
      ロリっぽい風味もありますが、このもったりとしたヘビーな甘酸っぱさは、ちょっと好き嫌いが分かれそう。私
      は悪くないと思うのですが。

       MREのトマトソースはハズレが無く、どれもいい味なのですが、ここまであからさまなケチャップ味は逆に
      新鮮だなあ。アメリカンなパパと坊やが、砂漠の真ん中のドライブインで山盛りのフライドポテトに瓶入りケチ
      ャップをどばどばかけている感じ
で、庶民的なアメリカンテイスト溢れるメニューなのかもしれません。
       また、このキツイ酸味が唾液の分泌を促すので、そのままではモサモサした食感のスナックブレッドがとて
      も食べやすくなるのも好印象ですね。イタリア人やフランス人が見れば鼻で笑いそうなケチャップ丸出し味で
      すが、
       「いやこれはこれで、きっとアメリカの味わいなんだよ。結構美味しいよ、ちょっと食べてみ?」
       と言わせて頂きましょう。

       ちなみにアクセサリーパケットにはタバスコ様が控えていらっしゃいました。確かにこの濃厚な甘酸っぱさ
      引き締めるには有効ですが、うーん、今回はこのままでいいかな。なんていうんでしょうねえ、久々に入ったや
      る気のない喫茶店のいい加減なスパゲティーナポリタンの味わいが、妙に懐かしく嬉しい感じ
。確かにタバス
      コ様のお力を借りる方が美味しく頂けそうですが、今回はあえてこのまま味わいます。
       最後はデザートのFUDGE BROWNIE。チョコ風味のケーキですが、これがかなり重苦しい甘さ。うううう、
      チョコ好きな方にはたまらない味わいでしょうけど、ちょっとこれはヘビーだなあ。不二家スコッチケーキ5個
      分をギュッと圧縮した様な味ですが、ほのかに洋酒の香りが効いていて、なんだかんだで最後まで食べてし
      まいました。粉末コーヒーのゆるい苦さにも助けられましたが、重くて甘い大人の味でした。

       不思議な懐かしさを感じさせるSLOPPY JOE、やや飛び道具っぽくはありますが、なかなか優秀な一品
      でした。しかしこのシンプルなケチャップ味、スナックブレッドと意外な位に相性が良くて驚きです。これならや
      っぱり、スナックブレッド2枚で挟んで食べたかった
なあ。一枚だけでは、同じく抜群の相性を誇るハラペーニ
      ョチーズスプレッドともモロにぶつかってしまいますし。うーん、どっちを取ればいいんだ・・・
       なんというか、これまで全然モテなかったのに、いきなり2人の女の子に告られた気分です。いや、俺一人
      しかいないし・・・嬉しいけど困ったぞ。出来れば3年ぐらい時期をずらして来てくれないかなあ(←最低)。
       重く甘く、大人の味を感じさせるデザートのお陰もあってか、人生ってうまくいかないよね・・・等と変な事を
      考えさせられたメニューでありました。




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