No.7 MEATLOAF WITH GRAVY

    さて今回は、メニューNO.7『MEATLOAF WITH GRAVY』です。ミートローフとは、豚や牛のひき肉香味野菜
   混ぜ込み、長方形の型に入れてオーブンで焼き上げた肉料理であります。ぱっと見はカステラ風のハンバーグみたいな
   ものですね。一度にたくさん作る事が出来て見栄えもするので、アメリカのホームパーティーでは定番の家庭料理だそう
   です。
    今回はそこに定番のグレイビーソース(焼成時に出た肉汁で作ったソース)を加え、アメリカの伝統的なメニューになっ
   ています。自衛隊戦闘糧食U型で言えば、さば味噌煮とか鶏肉野菜煮にあたるメニューなのかな?
    パッケージを開封すると、今回もまあ出てくるわ出てくるわ、レトルト入りの紙箱2つを中心として、大量の食品類が詰
   め込まれていました。さっそく試食に移りましょう。



 






【内容】
1:MEATLOAF WITH BROWN ONION GRAVY
2:トッツィー・ロール   3:MASHED POTATOES
4:オートミールクッキー   5:粉末ドリンク(グレープ)
6:アクセサリーパケット   7:クラッカー
8:BUTTER BUDS   9:グレープゼリー
10:ピーナッツバター   11:BBQソース
12:ホットビバレージバッグ   13:加水式加熱剤
14:スプーン







【アクセサリーパケット内容】
1:粉末アイスティー    2:粒ガム
3:ウェットティッシュ    4:マッチ    5:塩
6:トイレットペーパー











    メインのレトルトを加熱剤にセットします。今回の試食は12月初旬に行っているので、暖かい飲み物を作るために水を
   入れたホットビバレージバッグ
も一緒に温める事に。
    先ずは粉末飲料のGRAPEから。薄青色の粉末12オンス(約340cc)の冷水で溶かすと、何ともケミカルな色合いの
   グレープドリンク
の出来上がり。暗青銅色とでも言うべきこの色合いが猛烈に毒々しいのですが、味はさっぱりしていて
   結構美味しいんですよね、これ。色んな意味ではっちゃけた味わいの多いMREの中では、このすっきり酸っぱい味わい
   が舌をリフレッシュさせてくれます。
量も十分あるので、ゴクゴクいけるのも嬉しいところです。


    次はMASHED POTATOES。小さなレトルトを開封すると、びたびたに湿ったオカラみたいなのが出て来ました。何故か
   わずかに台所用洗剤の様なニオイがしますが、一口食べてみると成程ジャガイモっぽい味がしますね。ほんの少しだけ
   塩味がついていますが、実にさっぱりとした味なので、ご飯感覚で主食として食べる事が出来そうです。


    続いてCRACKERS。毎度おなじみのサクサク&コナコナの口当たりは安心感があります。香ばしさも塩味も程々で、キ
   ツイ味わいが多いMRE食品群の中では一種の緩衝材的な役割を果たしてくれます。
    GRAPE JELLYは、相変わらずのエグイといってもいい強烈な甘さ。一口食べると頭がズキズキしてきそうですが、クラ
   ッカーの助けを借りて食べる事が出来ました。


    さて、そろそろメインのMEATLOAF WITH BROWN ONION GRAVYが温まってまいりました。火傷に気をつけながら
   開封すると、硬いレトルトの中から細長いミートローフが、たっぷりのグレイビーソースにまみれて出て来ました。ふわん
   と濃厚な香りも漂い、これは美味しそう。
    厚さ1pのミートローフは結構な存在感で、まるで温泉につかったおとっつあんの様。まずは一口頂きましょう。
    うん、みっしりと詰まった牛赤身肉の味わいがなかなかで、じんわりと効いてくるジューシーさもいい感じです。よく見る
   と野菜のコマ切れらしき断片がチラホラですが、ほぼ牛肉100%と言っても過言ではない密度を誇っています。
    ちなみに野菜はタマネギ、グリーンペッパー、トマトが入っている模様ですが、かなり細かく刻んであるので、どれがどれ
   とは分かりません。脂肪分は少なくややパサついた口当りながらも、濃厚なグレイビーソースのお陰で食べにくい事はあ
   りません。


    ここでBBQ SAUCEを加えてみましょう。あ、これもよく合いますね。バーベキューソース自体は、野菜とフルーツの甘酸
   っぱさを強調したとんかつソース風
なのですが、これはこれで美味しいなあ。正直、ミートローフとグレイビーソースだけで
   味は完成している
のですが、途中でちょっと味の方向性を変えてみる意味で、このソースはアリでしょう。2種類の味が楽
   しめて、ちょっとお得な気もします。


    ここでさっきから気になっていたBUTTER BUDSという小袋を開封です。どうやら粉末状のバターらしいのですが、これ
   は何に使えばいいんでしょう。ミートローフにバターは余計な気がしますし、粉末状なのでクラッカーと合わせるのも無理
   があるなあ。パッケージの説明書きには野菜やジャガイモ、米、麺、シリアル、魚等に…とあるので、取り敢えずマッシュ
   ポテトにふりかけてみます。


    中からは白いサラサラの粉末が出て来て、なんとなく末端価格が気になる見た目ですね。恐る恐る指につけて舐めて
   みると、ははあ、なるほどこれはバターです。しかしバターも粉末になるんですねえ。ちょっと驚いてしまいました。かなり
   塩気がキツイので、バター風味の塩と言った方が正確かもしれません。
    マッシュポテトとの相性はなかなかよろしく、水分の多いじゃがバターみたいになりました。ただ、ミートローフとグレイビ
   ーソースがかなり濃厚な味なので、マッシュポテトはそのまま食べた方がお互いの味を引き立て合う様な気がしますね。
   マッシュポテトそのものをさらに美味しく食べる事のできる魔法の粉末ではありますが、このメニューではちょっと使いど
   ころが見つからない気がします。


    もう一つの粉末ドリンクはICED TEA。今回はこれをお湯で作りますが、開封して見ると中身が完全に湿気ていて、本来
   サラサラのパウダー状である粉末がみっしりと固まっています。よく見ると、パッケージの端が破損していました。
    しかしニオイは大丈夫っぽいなあ。カビも生えていませんし、駄目もとで作ってみましょう(マネしないでくださいね)。
    ぼろぼろと崩れるビーフジャーキーみたいな欠片を、6オンス(約170cc)のお湯で無理矢理溶かしてみると、うん、大丈
   夫。いつもの粉末アイスティーの味です。よく出来たニセモノ風の味わいではありますが、お湯で作ってもなかなか美味し
   いなあ。
    PEANUTS BUTTERは相変わらずのねっとりした固さで、口の中のあらゆる場所にべったりと引っついて剥がれてくれま
   せん。
今回は合わせて18オンス(約510cc)と十分な量の飲み物があったので問題なく頂けましたが、これ、もうちょっと
   食べ易くならないものなのかなあ。なんだか口の中にパテを突っ込まれた様な気がします。
    最後はOATMEAL COOKIE。計ってみると直径11cmもある、DVD大の巨大なクッキーであります。お味の方はMRE
   らしく見事に激甘で、酸味の効いたグレープドリンクの力を借りても、かなりつらい味わいであります。ふた口ほど齧ったと
   ころでギブアップ。流石に捨てるのは忍びないので、今後何日かかけてちびちびと、苦行の様に食べる事にします…。


    あ、これもあったんでした、Tootsie Roll。以前食べた事のある激甘キャンディーで、キャラメルとチョコレートを煮詰めた
   ようなこの味わい
も、甘味が苦手な私にはかなりキツいものが…。これも一口だけ齧って、冷蔵庫に放り込んでしまいま
   した。


    グレープゼリー、オートミールクッキー、トッツィーロールによる終盤の甘味本塁打攻勢にはかなりメゲてしまいましたが、
   さっぱりあっさり系の粉末飲料のお陰でどうにか食べる事が出来ました。これで飲み物のうちの一つがあの濃厚なココア
   だったりしたら、かなり苦しい展開だった事は想像に難くありません。
    粉末バターについては今ひとつこのメニューとマッチしていない感がありましたが、マッシュポテト自体との相性はなかな
   かでしたし、今後組み合わせる食品次第で、その活躍の場が大きく広がりそうな気がしますね。
    ミートローフにはちゃんとメインを張れるだけのボリュームもありますし、バーベキューソースで味に変化をつける事
   が出来るのも小技が効いていました。マッシュポテトはメインを引き立てる役割をしっかりと果たしていますし、何だかんだ
   でハズレのない満足のいくメニュー
でありました。




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