まずはメインのレトルトを、水を加えた加熱剤にセットします。マッシュポテトもメインと同様にレトルトパックに入ってい
たのですが、果たしてこれも温めて食べるものなのでしょうか。取り敢えず今回は室温のまま頂く事にしますが、もし温
めるなら加熱剤の下に敷いておけばいいでしょう。
今回の飲み物は粉末ココア』です。例によって少量の水でしっかりと練り溶かした後、冷水を注いで6オンス(約170ml)
に合わせます。うん、相変わらず風味が豊かで、実に美味しいココアですね。
次は『TOASTER PASTRY』と書かれたパッケージを開封。中からは、何だかきつねどん兵衛のお揚げにそっくりな
平べったい焼き菓子が出て来ました。触ってみると、焼いたのに膨らまなかったパイみたいな感触です。二つに切って
みると、薄いビスケット生地の中にフルーツフィリングが入っていて、一口齧るとシナモンアップルの爽やかな芳香が口
の中いっぱいに広がりました。
味自体はかなり甘いのですが、意外にしつこくなく、甘いものが苦手な私でも美味しく頂けます。とても美味しいアップ
ルパイを朝青竜が踏んづけてしまったら、こんな感じになると思います。
しかしこれ、はっきり言わなくてもお菓子ですね。これとココアという食事の組み合わせは、何だか好き嫌いの多い
子供の味覚の様な気がします。まあ手っ取り早くカロリーを摂取するには効率の良い取り合わせだとは思うのですが。
続いて『ベジタブルクラッカー』。これも今回初のお目見えですが、いつものプレーンクラッカーとどう違うのでしょうか。
固い真空パックにハサミを入れると、プシュッと音を立てて封が開くのが面白いなあ。良く見るとクラッカーには野菜と思
しきツブツブが練り込んであり、パッケージにはニンジン、タマネギ、セロリ、グリーン&レッドペッパーと書いてありました。
一口齧ると、なるほど緑黄色野菜っぽい味がします。ほのかに甘く、これはかなり美味しいクラッカーだなあ。普通のク
ラッカーのサクサクした口当たりでは無く、ボリボリ齧る食感が心地いいです。飽きの来ない味なので、これと野菜サラダ、
ベーコンエッグ、カフェオレでもあれば、ちょっとおしゃれな朝食みたいです。野菜嫌いの子供にもいいんじゃないかなあ。
『グレープゼリー』を開封すると、ジャムと同じように先に水分が出てきて、その後固形のゼリーが出て来ました。ジャ
ムよりも水分が多く瑞々しいのですが、喉が灼けるようなこの甘さにはいささか閉口します。先のベジタブルクラッカー
にのせて食べてみましたが、これは別々に食べた方がよさそう。
『マッシュポテト』のレトルトを開けると、何だか洗濯粉せっけんのようなニオイがします。口当たりはややボソボソとし
て水っぽく、マッシュポテトのクリーミーさには欠けますが、味自体はそれほど悪くは無いですね。しかしこの、脱衣所
の洗濯機みたいなニオイは何とかならないのでしょうか。これ、加熱剤で温めると余計にニオイがきつくなるんじゃない
のかなあ。
そうこうしているうちに、すっかり『ミートローフグレイビー』のレトルトが温まりました。ワクワクしながら開封すると、お
お、美味しそうな香りが漂ってきました。皿に空けると、8×12p程のミートローフと、たっぷりのグレイビーソースです。
ミートローフは1cm程の厚みがあり、なかなかの重量感。
ソースを一口すすると、これが戦闘糧食とは思えないまっとうなグレイビーソースで、牛骨のダシらしき風味も感じら
れます。ミートローフ自体はややパサついているものの、ソースとの相性もよくとても美味しいなあ。
ここでアクセサリーパケットのチリパウダーをソースにかけてみると、一気にパンチの効いた味になりました。ただこ
のチリパウダーが少量でもかなり辛いので、一袋全部かけるとエライ事になりそうです。ソースの一部にちょっとだけ
かけて、辛いソースと辛くないソースの両方を少しずつ楽しむのがいいかもしれません。辛いソースはマッシュポテト
に良く合い、辛味に舌が疲れたらグレイビーソースだけの部分を味わうのがよさそうですね。
今回のメニューですが、一品一品は大したことはありませんが、ミートローフ、グレイビーソース、チリパウダー、マッ
シュポテト、ベジタブルクラッカーの組み合わせが絶妙のシンフォニーを奏で、意外な誤算的な美味しさがありました。
ココアも風味豊かで、実に満足度の高いメニューと言えます。
…と、ここでもうひとつ食品パックがあったのを忘れていました。他のパックとは違って包装には何も印刷されておら
ず、何とも怪しげな雰囲気。中からはキャンディーらしき包みが2本出て来ました。なんだ、おやつかと思って一つ食べ
てみたのですが、こ、これは駄目だ…。このトッツィーロールというソフトキャンディー、兵器と言っても過言ではない甘さ
です。1粒で明治アーモンドキャラメル1箱分を濃縮したような甘さがあり、食べている間中、何だか後頭部を殴られ続
けているような気がして涙が出そうになりました。あー、最後の最後で見事に台無しです…。
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の素晴らしい演奏の後、鳴りやまぬアンコールに応えて幕が開いたと思
ったら、何故か月亭可朝が出て来て「お母ちゃんのボインは〜」とやり始めた様なようなガックリ感に蝕まれつつ、試
食を終わらせました。
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