カツカレー・タコ酢
2015.10.09
1146、いつもより少し遅れて日本海食堂に到着。既に開店している様で、結構な数の車が停まっています
が、あちゃー、混んでるのかな?しかし店内にいた先客は2人のみで、拍子抜け。よくわかりませんが、まあ
空いているのは有難いかな。
まずはおばちゃんにカツカレー!と力強く宣言し、あとショーケースの中から何か一品。うーん、モツ煮込み
や卵焼きではちょっと重いし、魚の煮つけやしめ鯖はカレーとの相性がいまいち・・・あ、これだ、タコ酢。これ
いっときましょう。
私の後から2人組のお客さんが入って来ましたが、先客もこのお客さんも作業着姿。建築関係の人達っぽく、
なんだかいつもと客層が違うなあ・・・と思ったら、今日が平日だった事をすっかり忘れていました。
その2人は、入店するなりメニューも見ずにランチを注文。へー、日替わりランチもあったんですね。セルフ
サービスのお茶を淹れて席に着くまでの流れる様な動きが、常連さんっぽくてカッコイイなあ。席に着く直前に
チラリとこちらを見ていたのは、平日のこの時間に私服で来ている私が珍しいからでしょうか。
そんな事を考えていると、すぐにカツカレーとタコ酢が到着。大皿にどんと盛られたご飯の上には大きなトン
カツが乗っていて、付け合わせの野菜もたっぷり。そして肝心のカレーですが、嬉しい事にちゃんとカレーポッ
トに入っています!ああ、やっぱり日本海食堂の雰囲気的には、こうでなくっちゃ。ステンレスのスプーンが紙
ナプキンでくるまれているのも、昔の国鉄の食堂車を彷彿とさせます。いいぞ加齢臭!
ソースレードルが無いので、紙ナプキンを解いたスプーンでご飯にかけましょう。あっ、このカレー、具が入っ
てるんですね。どうやら普通のカレーにトンカツを追加装備した模様です。カツカレーの場合は、カレーに具は
入れない方が好みですが、これはむしろ得したと解釈すべきですね。
まずはカレーがとろりと絡んだカツを一口。うん?カツが熱くない?どうやらカツは揚げ置きの模様です。道
理で随分早く出てきた訳だ。まあランチタイムはスピード重視ですし、平日とあってはお客さんもそうゆっくりし
ていられないので、待たせない為にはこれは仕方ないかなあ。調理場にいるのは店主さん一人だけですし。
日曜祝日のピークタイムを外れた時間帯なら、もしかしたら揚げたてが出て来るのかも。これはまた時を改
めて注文して確認してみたいものです。
そのトンカツですが、豚肉だけで8~9㎜の厚さがあり、コロモを含めるとかなりのボリューム。ご飯の量もド
迫力で、300gぐらいあるんじゃないでしょうか。確か+100円で大盛りに出来る筈ですが、これのさらに大盛
りって・・・一体どんな量になるのやら。
カレーの辛さはごくごくマイルドで、中辛よりもぐっと甘口に寄った感じ。刺激的な辛さを期待しているとやや
物足りませんが、小さな子供も来るドライブインである事を考えると、これがベストな着地点でしょう。テーブル
上のソースをかけると、ぐっと味が引き締まります。
自炊であれ外食であれ、カレーと言えばとかくスパイスの香りや辛さを求めがちですが、こんな優しいカレー
を食べたのは久しぶりな気がするなあ。口の中にしみじみと広がる、古き良き懐かしいカレーの味わい。うん、
この日本海食堂によく合っています。
そうそう、大衆食堂のカレーはこういうのでいいんですよ。もっと凝ったのが食べたければ専門店へ行けば
いいですし、北陸地方にはゴーゴーカレーだってあります。そう言えばゴーゴーも、ずいぶん御無沙汰だなあ。
私好きなんですよ、ゴーゴーカレー(笑)。
付け合わせの野菜はレタスの千切りと茹でもやし、トマト、あとポテトサラダ。すり下ろしゴマドレッシングが
かかっていて、冷たいポテトサラダがカレーによく合いますね。
あとこの、もう一品ついていた丸っこい揚げものは・・・あ、これ里芋のフライか。初めて食べましたが、ねっ
とりした里芋にサクサクに揚がったパン粉がよく合って美味しいなあ。なるほど、里芋フライカレーも十分アリ
だな・・・。これは嬉しい発見です。
続いてはタコ酢。小鉢に入っているのはタコ、ワカメ、キュウリ、ショウガ。甘味の強い合わせ酢で和えられ、
これもなかなか美味しいですよ。キュウリは身肉の中までしっかりと緑が入り、うっすらと緑色に染まった甘酢
が非常に涼しげ。白っぽい不健康そうなキュウリとは明らかに違う、太陽の恵みを芯まで蓄えた様な味と香り
の強さがいいなあ。
キュウリはかなりの薄切りで、その分ワタの香りはやや弱いもののしゃりしゃりした歯応えが小気味よく、小
さめにカットされたタコと一緒にちょっとつまんで口の中に入れる軽やかさがいい塩梅。いやー、これは冷えた
日本酒が欲しくなります!
涼しげで軽やかな甘酸っぱさはカレーにもピッタリで、ああ、いいなあ・・・この組み合わせは我ながら大当り
でした。なんでもない一品ですが、じんわりと効いてくる美味しさです。
そうこうしている間にも次々とお客さんが入ってきますが、これがもう全員作業着姿。誰もが無言で自分の席
に着き、ワシワシとご飯とおかずをかき込んでいます。なんだか山奥のダム工事現場の飯場にいるみたい。ピ
ンク色のシャツという軽薄ないでたちの私が、思いっきり浮いています(笑)。
見慣れない私に対して微妙に距離を取っている様な疎外感がありますが、それはそれで異国を訪れた旅人
の気分があって悪くありません。これもまた、自宅から370㎞離れた日本海食堂で平日に食事をする味わい
のひとつ・・・。
不器用で無口でどこかやるせない、汗臭いおっさん達の静かな社交場・・・これが、平日昼間の日本海食堂
か。カツカレー800円タコ酢250円、〆て1050円の満足感を噛みしめながら、日本海食堂を後にしました。
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