パッケージを開封するとレトルトパックが2つ入っていて、何だか心豊かな気分になれます。ウキウキしながら加水式
加熱剤にセットしますが、これがまるで不貞腐れたかのようにウンともスンとも反応してくれません。仕方ないのでスト
ーブにて湯煎しましたが、ここまで露骨にやる気の無い加熱剤は初めてだったので、ちょっとガックリです。
今回は飲み物が3つもついています。まずはお馴染みの『粉末ココア』から行ってみましょう。カップに空けた粉末を少
量の水で練るようにして溶き、ドロドロのペースト状になった所で合計6オンス(約170ml)になるよう水でのばします。うん、
相変わらず上品かつ濃厚な風味が素晴らしく、戦闘糧食にもかかわらずリッチな気分になってしまいます。
次は『粉末レモンティー』。レモンの酸味と紅茶の渋みがさっぱりしていて、粉末を水で溶いただけとは思えません。
最後は『アップルサイダー』。“6〜8オンスのお湯で溶かせ”と書いてありましたが、この辺はアメリカらしくない曖昧な
表現ですね。かなりドス黒い色合いですが、味はさっぱりすっきりなリンゴジュース。ちなみにサイダーとは、本来はリン
ゴ果汁の事を指すらしいです。日本じゃ何故か炭酸飲料の事になってるんですけどね。それにしても今回のドリンクは
3つとも当たりでした。
パウンドケーキは『チョコレート&ミント』ですが、これは初めて見るパウンドケーキです。開封すると、いつものしっと
りケーキが出て来ました。一口食べると、うぬぬ…何と言うか、ええい!これでもか!これでもか!と言わんばかりの
強烈な甘味が舌を襲います。正直、二口目にはもう勘弁と思いましたが、レモンティーとアップルサイダーのさっぱり風
味との相性がなかなかよろしく、最後まで食べる事が出来ました。チョコチップがもう大量に入っていてその甘さに鼻血
が出そうでしたが、味自体はそう悪くありませんでした。有るのか無いのか分からない程度のミントが効いていたのか
なあ。
疲れている時なんかは一発で元気が出そうな、いかにもアメリカらしい味ですが、そう言う意味では実に戦闘糧食向
けの一品と言えるでしょう。
続いて『スナックブレッド』。相変わらず畳みたいなニオイがしますが、慣れてしまうとこれがなかなかじんわりと美味
しいんですよねえ。この、小麦のほのかな甘さがココアに良く合います。
『グレープゼリー』を開封。これがもう殺人的な甘さで、食べた瞬間に血糖値がぎゅんぎゅん上昇して行くのが分かり
ます。スナックブレッドと一緒に食べればまだマシかと思いましたが、頭痛を起こす様な甘さがスナックブレッドの風味
を損なうだけでした。ここでもレモンティーとアップルサイダーに助けられたと言えます。
さて、そろそろレトルトパックが温まってきました。まずは『MINESTRONE STEW』から。皿に空けると、ミネストローネ
とは思えないもったりした野菜の煮込みが出て来ました。熱々の湯気とともにトマトの風味が漂ってきて、これはかなり
期待できそう。
おお、美味い!野菜のどっしりとした奥の深い甘味が舌を直撃しますが、決して重くなく軽やかな味わいです。すっか
りふやけ切ったマカロニがなんだか気の毒ですが、キドニービーンズ、ニンジン、エンドウマメ、パプリカ、セロリと野菜
が沢山で栄養的には文句なしでしょう。正直微妙な味が多いMREの中では、かなり上出来な部類に入りますね。とい
うか、トマト風味のメニューは総じて美味しいなあ。
続いて『GRILLED CHICKEN BREAST FILLET WITH RIB MEAT』。異様に長い名前ですが、鶏胸肉フィレのグリ
ル、でいいのかな?パックを開封すると、鶏肉の白い塊がゴロリンと出て来ました。片面にはチャコールで焼いた焦げ
目の演出があり、なかなか芸が細かいですね。
早速食べてみると、うーん、脂肪分が極端に少ない鶏肉のハンバーグ…でしょうか。どこかで食べた事のある風味だ
と思ったら、チキンナゲットにそっくりです。ソースの味はまるで薄口しょうゆみたいで、そのせいかご飯にもよく合う様
な気がします。結構キツい塩味が、ミネストローネの濃厚な野菜の旨みといい相性で、これは見事な組み合わせと言え
るでしょう。
最後は『skittles』というフルーツ風味のソフトキャンディ。以前別のMREで見た事がありますが、その時は溶けてドロ
ドロになっていた上にパッケージが破裂していたので、まともに食べるのは今回が初めて。五種類のフルーツ味だそう
ですが、目をつぶって口に入れるとどれも同じ味に感じます。しかし意外にも甘味はあっさりで、美味しいキャンディでし
た。
全部並べるとやけに茶色がかった今回のメニューでしたが、メイン2品の味がよろしく、全体的に満足度の高い組み
合わせでした。飲み物もさっぱり系が中心で、パウンドケーキとグレープゼリーの強烈な甘味を上手い具合に中和して
くれた感じです。トータルバランスが非常に優れたメニューと言えますね。
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