No.1 GRILLED BEEFSTEAK



    今回はメニューNo.1 GRILLED BEEFSTEAKです。メニューナンバーの栄えある一番目と言う事で、戦闘糧食関連
   の書籍でもしばしば取り上げられているメニューですね。ある意味MREの中でも最もアメリカらしいメニューとも言える
   ので、以前から試食が楽しみでした。
    パッケージを開封するとレトルトパックが二つ入っていて、何だか得した様な気がします。











【内容】
1:SEASONED BEEF STEAK (ビーフステーキ)    
2:WESTERNSTYLE BEENS (西部風豆料理)    
3:ビーフジャーキー    4:粉末ライムビバレッジ    
5:クラッカー    6:キャンディー    7:ピーナッツバター    
8:スプーン    9:アクセサリーパケット    
10:加水式加熱剤











【アクセサリーパケット内容】
1:粉末コーヒー    2:マッチ    3:ウェットティッシュ
4:塩    5:砂糖    6:粉末ミルク    7:粒ガム
8:タバスコ    9:ティッシュペーパー








 
 


    まずはメインのステーキを温めます。今回のMREは2001年製造とちょっとトウが立っているので、加熱剤のコンディ
   ションが心配ですが、規定の量まで水を入れ、ふたつのレトルトパックで挟むようにして加熱します。
    粉末ドリンクは『レモンライムビバレッジ』。開封すると、相変わらず入浴剤の様などぎついニオイがします。パッケー
   ジには12オンス(約330ml)の水で溶かすように記載されていますが、そのままだとちょっと濃い様な気がするので、今回
   は14オンス(約390ml)と多めの水で作りました。
    お陰で甘味があっさりで飲みやすくなりましたが、その分トイレの芳香剤の様なキツイニオイが鼻についてしまいます。
   
うーん、やっぱり規定通りの水の量で作った方がよかったかも…。


    『クラッカー』は古いロットにもかかわらず、全然欠けていないキレイなクラッカーだったのが驚きです。やや粉っぽい
   noはお約束ですが、期限内のものと比べても味が殆ど落ちてないのが凄いなあ。っていうか、幾ら真空パックとは言え
   5年も6年も味が変わらないクラッカーと言うのも、ちょっとコワイ様な気がしますね。
    『ピーナッツバター』は、相変わらず口の中の水分を一気に持って行かれる様な固練りです。こればっかりはなかなか
   慣れませんねえ。小学校の給食で出た、ほんのり甘くほんのり塩っぱいわざとらしい味のピーナッツバターが懐かしい
   なあ。


    そして今回初お目見えの『BEEF SNACK STRIP』。いわゆるビーフジャーキーですね。タンカラーのパッケージを開
   けると中から派手な包装が出てきて、どうやら民生品を流用している模様です。うーん、けっこう大きいなあ。早速齧っ
   てみますが、噛み応えのありそうな外観の割には意外に柔らかく、塩味が効いていてなかなか美味しいです。脂肪分が
   殆ど無いドライサラミを齧っている様な感じです。
しかし半分ほど食べ進む頃には、口の中がだんだん塩っぱくなってき
   ました。うーん、これは一本一気食いするもんじゃないなあ。とは言え、きつい塩気で疲れた舌に、レモンライムビバレッ
   ジの爽やかな酸味がちょうどいい感じです。


    今回も加熱剤に温度計を突っ込んでみましたが、10分たったところで温度は42度。人肌よりもちょっと暖かい程度で
   す。これ以上温度が上がりそうにないので、この状態で喫食する事に。
    まずは『WESTERN STYLE BEENS』を開封。うん、スパイシーな香りがします。キドニービーンズ、ピントビーンズ(?)、
   レンズ豆をハラペーニョの効いたトマトソースで煮込んであり、これがなかなか私好みで美味しいなあ。味はジャンバラ
   ヤとかケイジャンライスと被っています
が、辛いもの好きで豆料理好きな私としては実に嬉しいメニューです。シンプル
   な味付けなので豆の美味さが損なわれず、ハラペーニョの辛さも程々で最後までダレる事なく美味しく頂けました。食べ
   ているとアメリカンカントリーを聴きたくなるような、焚火とバーボンの似合う一品でした。


    さて、いよいよメインの『SEASONED BEEF STEAK』です。この場合のシーズンとは、“調理済みの”“味付けされた”
   
という意味の様です。ワクワクしながら開封すると、ぶ厚くカットしたハムみたいなのがごろんと出て来ました。ソースは
   しゃばしゃばの水っぽいソースですが、ちゃんと肉を焼いた香りがするのが感動的
    さあ食べてみよう!と思いましたが、よく考えたらスプーンしかついてないんですよね、MREって。実際はパックからそ
   のまま齧りつくからスプーンすら要らない
のですが、皿に空けたのにまたレトルトパックに入れ直すと言うのもなあ…。と
   りあえず、ひっくり返さないように気をつけながら、スプーンで押し切ってまずは一口。
    1枚もののステーキではなくローコストな圧縮成型肉ですが、思ったよりもみっちりと固めてあって噛み応えがあります。
   脂肪っぽさは殆ど無く、赤身の旨みがシンプルな塩味のソースによく合って美味しいなあ。しかしこの肉、噛んでいるうち
   に口の中でほどけてどんどん大きくなるので、見た目以上に食べ応えがありますね。
    いわゆるステーキを期待しているとちょっとガックリするかもしれませんが、これはこれで結構満足感があります。ちな
   みにこれひとパックで170kcal。へー、意外とローカロリーなんですね。さっきのピーナッツバターが一つで260kcalもする
   事を考えると、断然こっちの方が美味しくてヘルシーです。このステーキ1枚がコンビニのおにぎり1個とほぼ同じカロリ
   ー
ですから、これ、市販したら意外と売れるんじゃないかなあ。


    若干の合成肉というか人口肉っぽいニオイがありますが、これはMREとしては避けられないレトルト臭も関係あるの
   かもしれません。
    最後はアメリカではお馴染みらしい、『トッツィー・ロール』というキャンディです。これ、甘味が苦手な私にとっては拷問
   みたいな味
なので、甚だ不本意ではありますが、試食はパスさせて頂きます…。


   
    このステーキですが、レトルトの入っていた外箱を見ると“smoke flavoring added”とありました。最初に感じた“ちゃん
   と焼いた肉の香り”
は、どうやら香料だった模様です。へー、上手く出来てるんだなあ。すっかり騙されてしまいました。
    『WESTERN STYLE BEENS』は、かなり美味しかったです。今回は加熱剤のコンディションの関係上、完全加熱と言
   う訳には行きませんでしたが、熱々のところにライムをぎゅっと搾ったりなんかしても美味しいんじゃないでしょうか。
    全体的に見ると、かなり良く出来たメニューだったと思います。ただ、どれもソツなくまとめた様な味が多く、もうちょっ
   とMREならではの『なんじゃこりゃあ!』感があっても良かったのではないでしょうか。良い意味でも悪い意味でも。




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