No.23 CHICKEN WITH CAVETELLI




    さて、今回はメニューNo.23 CHICKEN WITH CAVETELLIです。レトルトの箱には『BREADED CHICKEN BREAST 
   PATTY WITH PASTA SHELLS IN TOMATO SAUSE』
という異様に長たらしい名称が書いてありましたが、戦闘糧
   食とは思えない格調高さにちょっと気圧されます。全文を和訳して見ると、さしずめ『鶏胸肉のカトレットとシェルパスタ
   のトマトソース』
でしょうか。
    どことなくイタリアンな香りがしますが、学食風なニオイもプンプンします。しかしCAVETELLIってなんでしょうね。カヴ
   ァテッリ?
キャヴェテッリ?英和辞典にも伊和辞典にも載ってないのでさっぱり分かりません。とにかく食べてみる事に
   しましょう。






【内容】
1:BREADED CHICKEN BREAST PATTY WITH PASTA
SHELLS IN TOMATO SAUSE (鶏胸肉とシェルパスタのトマト
ソース)
    2:スナックブレッド    3:パウンドケーキ    
4:プレッツエル    5:ピーナッツバター
6:粉末オレンジジュース   7:スプーン   8:加水式加熱剤   9:アクセサリーパケット









【アクセサリーパケット内容】
1:粉末コーヒー    2:粉末ミルク    3:塩    4:砂糖
5:ウェットティッシュ    6:ティッシュ    7:タバスコ
8:マッチ    9:粒ガム









 


    まずはメインの紙箱を開封し、取り出したレトルトを加熱剤にセット。すぐに化学反応を起こし、ポコポコと音を立てな
   がら温め始めます。
    『パウンドケーキ』は相変わらずしっとりと柔らかな口当たりで、あっさりした甘さとバターの濃厚な香りが素晴らしい。
   とてもではありませんが、長期保存の戦闘糧食とは思えないなあ。パッケージには『Spice Poundcake』とありますが、
   どのあたりがスパイスなんでしょう。特に何かの香りがすると言う訳でもありませんし。原材料表示を確認して見ても、
   「…、spice、…」としか書いておらず、何のスパイスなのかは謎のままです。


    釈然としないまま『粉末オレンジジュース』を開封し、12オンスの冷水に溶かします。すぐに透き通ったオレンジジュー
   スの出来上がりですが、これが見事な蛍光色。味は悪くありませんが、何と言うかちょっと薬品臭い。飲みにくいクスリ
   に子供騙しなオレンジ味をつけた様な感じです。
でも、あっさりした味なので結構飲めますね。ちょっと粉っぽい味わい
   もあり、飲んだ後に鼻に抜けていく香りは、ラムネ菓子に似ています。


    今回初めての『WHEAT SNACKBREAD』。小麦のスナックパン(?)でいいのかな?パッケージを開けると、何だか巨
   大な乾パンみたいなのが出て来ました。10p四方位あります。畳の様な藁の様な、火をつける前のタバコみたいなニ
   オイがします。

    やや怯みつつも、一口。思ったよりも口当たりは柔らかく、食パンの耳を滑らかにした様な食感です。噛みしめている
   とほのかな甘味も感じられ、意外にいけますね、これ。さっきのオレンジジュースにもよく合います。慣れてしまえば、
   のフスマを齧った様なニオイ
も味のうちの様な気がします。


    『ピーナッツバター』はやっぱり濃厚すぎる味で、口の中がネトネトになってしまいました。甘さが殆どなく、ピーナッツ
   の風味をダイレクトに味わえるのはいいのですが、この口の中の水分を一気に持って行かれるような感覚はどうにか
   ならないでしょうか。
塩をかけられたナメクジのキモチとは、このようなものなのかもしれません。
    次は『PRETZELS』。3p程の長さの棒状のプレッツェルがザラザラと出て来ました。かのブッシュ大統領を暗殺しかけ
   た、あの“ぬ”の字プレッツェルではありません。口の中でパキパキと砕ける食感が心地よく、ほのかな塩気と香ばしさ
   がいいですね。キンキンに冷えたライトビールが欲しくなる一品です。


    さて、そろそろメインのチキンカヴァテッリに行きましょう。加熱剤の袋はパンパンに膨らんでいて、触ると火傷しそうな
   熱さになっているのにビックリです。前回前々回の加熱剤は、ここまで加熱されなかったので油断していました。この
   REに付属している加水式加熱剤は当たり外れが大きい
と聞いていたのですが、今回のヒーターはやけに頑張ってくれ
   ているようです。
    気をつけながらレトルトパックを開封すると、トマトソースのいい香りが立ち上りました。皿に空けると、おお!これはか
   なり美味しそう!12×8p位のチキンカツと貝殻型のパスタが、キレイな赤のトマトソースに絡まっています。MRE試食
   3個目にして、ようやく食欲を刺激する見た目と香りを併せ持つメインディッシュに出会う事が出来ました。
    はやる気持ちを押さえながら、まずはソースに絡まったパスタを一口。うん、美味い!濃厚なトマトのコクにバジルの
   香りが生きていて、ガーリックやパプリカ、タマネギの風味が口の中にじわりと広がります。パスタがふにゃふにゃなの
   はまあ仕方ないとして、これはかなりちゃんとしたトマトソースですね。


    今度はチキンを一口。鶏ミンチをまとめた成形肉ではありますが、ちゃんと鶏胸肉の味が残っていてこれまた美味。
   タバスコ様を振りかけると、刺激的な辛さとトマトソースがこれまたマッチして、さらに美味しくなりました。うーん、これは
   スナックブレッドよりもクラッカーの方が合うかもしれないなあ。残ったソースをクラッカーに絡めて食べたら、さぞかし美
   味しい事でしょう。また、醤油やウスターソースの一垂らしでもあれば、白ご飯によく合う立派な洋食にも変身しそう。
   うん、本当に美味いです。これ。


    結局、最初から最後まで一度もダレる事なく美味しく頂けました。メインディッシュの出来が良かったせいか、腹部の
   変な膨張感も無く、実に心地よい満腹感です。いやあ、幸せだなあ。しかしMREで幸せとは、我ながら安いと言うか
   寒々しいというか(笑)。

    あえて一言言うならば、パウンドケーキ、スナックブレッド、ピーナッツバター、プレッツェル、と、やけに喉が渇く食品
   が多かったですね。12オンスのオレンジジュース一つよりも、8オンスの飲み物を2つ付けた方が満足感がさらに増す
   と思います。
しかし中には、食後のコーヒーが無いと食べた気がしないと言う人も多いと思いますので、このあたりは
   個人差でしょうね。
    それにしても、このメニューは私的には大当たりでした。また機会があれば、是非食べたい味でした。




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