先ずはメインのレトルトを加熱剤にセット。その間にSPICED CIDERから作りましょう。スパイスのサイダーとは妙な感じ
ですが、いわゆるシナモンの効いたアップルドリンクの事ですね。これは以前からずーっとMREに入っているお馴染みの
粉末飲料で、6オンス(約170cc)の冷水で溶かすと、さっぱりと美味しいアップルドリンクの出来上がり。お湯で作っても
なかなかイケます。
続いてもう一つの粉末飲料であるFRENCH VANNILA CAPPUCCINOをスタンバイ。パッケージに6オンスの水を注ぎ
込み、上部のチャックをしっかり閉めてシェイクします。出来上がったカプチーノはかなり甘いですが、ほんのりとシナモン
の香りがあってこれも美味。手軽なインスタントでこの味なら、十分合格点をあげられますね。
そして今回初めてとなるAPPLE BUTTER。アップルバター?何じゃそれは?と思いましたが、要はアップルパイに入っ
ているリンゴみたいなものなのかな?開封すると、褐色のドロドロした粘液状のものが出て来ました。一口なめてみると、
どうやらすりおろしたリンゴをバターで炒め煮にした様なシロモノ…でしょうか。そんなものがあるのかどうか分かりません
が、リンゴキャラメルってこんな感じかもしれません。少しくどいですが味はそう悪くなく、いかにもアメリカ人が好きそうな
味覚だなあ。
今回はこれをCRACKERSに塗りつけて食べてみましたが、成程アップルパイに近い味になりますね。クラッカー自体は
いつもの粉っぽいサクサクした口当りですが、それが粘度の高いアップルバターと相性がよく、美味しく頂けます。
続いて、これも今回初めてのGRANOLA。いわゆる麦系のシリアルです。どうやら開封したパッケージに2〜4オンスの
冷水を入れて、かき混ぜて食べる様です。説明書きの通りに同封されている脱酸素剤を取り除き、3オンス(約80cc)の
冷水で粉末を溶かして、皿にあけます。
ほほう、思った以上にちゃんとしたシリアルだなあ。もっとキテレツなシロモノを想像していたのですが、フリーズドライの
ブルーベリーが沢山入っていてちょっと美味しそう。一口頂いてみましょう。
うーん、これはかなり濃厚な味ですね。水分を吸った粉末は、牛乳と言うよりも生クリームに近い重さがあり、その甘さ
と相まって、甘味の苦手な私にはちょっとキツイ味になっています。ブルーベリー入りのバニラアイスを放置して、溶け切
ったものをズルズルとすすっている気分であります。
シリアル自体もあっという間に水分を吸収してべっとりと重くなり、持ち味である筈の軽快な口当たりはかなりスポイルさ
れています。しかし栄養価は高そうですし、消化吸収もよさそうなので、戦闘糧食には向いているんでしょうね。
沢山入っているブルーベリーは結構美味しく、フリーズドライ食品の凄さを改めて感じます。流石に生のブルーベリーみ
たい、と言う訳にはいきませんが、変にジャムにしたり砂糖漬けにする位なら、こっちの方が断然ブルーベリーらしい風味
を楽しめると思います。
そしてこれも今回初めてのCINAMON SCONE。中からは、ほんのり湿った四角いスコーンが出て来ました。これもまた
甘い濃厚な香りがプンプンで、ジャムなどをつけて食べる英国式スコーンではなく、最初から味付けされたアメリカ式スコ
ーンです。
食感はさっくり&コナコナで、口の中の水分をあっという間に吸い取られます。慌ててアップルドリンクで流し込みますが、
甘い後味がべったりと残ります。まあ主食と言うよりもお菓子と言う位置づけになるので仕方ありませんが、ここまで甘味
が連打で来ているので、かなり舌が疲れて来ました…。
MREとしては、以前採用されていたパウンドケーキの系列としてこのスコーンを採用したのだと思いますが、パウンドケ
ーキの様なしっとり感が無いだけに、このスコーンは少し食べづらい気がしますね。
さて、そろそろメインのレトルトが温まってまいりました。ワクワクしながら開封し、火傷に気を付けながらEGG OMELET
WITH VEGETABLES AND CHEESEを皿にあけると…んん〜?何じゃこれは…。レトルトパックそのままの形の、四角い
オムレツらしきものがどろりんと出て来ました。木の葉状のオムレツを想像していたので、なんというかこの、パンパンに
膨らんだ茶封筒の様な異形のオムレツにちょっと衝撃を受けてしまいます。
しかしこれ、どう見てもオムレツには見えないなあ。カマボコというか、平べったい茶碗蒸しというか。怪し過ぎる…。
とりあえず一口頂いてみます。んん〜、確かに卵料理ですが、明らかにオムレツではない何かのような…。柔らかめの
発泡ウレタンとカマボコを混ぜた様な口当たりで、食べているとなんだかどんどん不安な気分になります。脳内で警報ブ
ザーが鳴り響き、網膜に表示されたエラーメッセージが消えないようなこの感じ…。
ほんのりとチーズらしき香りはありますが、これは久々に凄いタマに当たってしまったか?よく見ると具らしきものが入っ
ていますが、オムレツがあまりに正体不明過ぎて印象に残りません。レトルトが入っていた紙箱の原材料表記を見て、初
めて「ああ、トマトとグリーンチリが入っていたのか」と気付きましたが、マジでこれ一体何なんでしょう(泣)。
ここでSALSA VERDEがあった事を思い出しました。ちなみにサルサ・ベルデとはイタリア料理でよく使われるソースで、
イタリアンパセリやバジルなどを使った、文字通り緑色(ベルデ)をしたソース(サルサ)であります。これを付ければちょっ
とはマシな味になるのかも…と期待しつつオムレツにかけますが、これまた色の悪いサルサ・ベルデだなあ。
まあレトルトの長期保存食に多くは望めませんが、ただでさえビミョーだったオムレツの見た目が、更に「……」な出来に
なってしまいました。左目の上に縦線が入ったちびまる子ちゃんのような気分です。
とにもかくにも、サルサ・ベルデを一口なめてみますが、うぐぐ、何じゃこりゃ。熟していない緑色のトマトを酢漬けにして、
そこに青唐辛子をすりつぶして混ぜたような、異様に辛酸っぱいシロモノです。ハラペーニョソース(緑色のタバスコ)を更
に酸っぱくして、そこに強烈な青臭さをぶち込んだ様な風味で、まさに暗澹たる気分になってしまいました。
一気に急降下するテンションを自覚しつつ、ソースのついたオムレツを食べますが、これは嫌がらせなのか?現場で命
を張る兵士に対する、米軍の嫌がらせなのか?正直、かなりツライ味です。半分まで食べた所で、ありもしないエアちゃぶ
台をひっくり返したくなりましたが、クラッカーとアップルバターが「落ち着いて!短気を起しちゃダメ!」と必死になだめて
くれたので、何とか最後まで食べきる事が出来ました。無性に何かを呪いたくなる一品でありました。
いやー、正直今回の試食はかなりつらかったです(笑)。ある意味、実にMREらしいと言うか、別の意味で期待に応えて
くれたメニューでしたね。ボリュームだけは十分過ぎる位あったのでお腹がいっぱいになりましたが、口直しの白ご飯&塩
昆布が欲しくて仕方ありませんでした。
私の食べた順番が悪かったのかもしれませんが、とにかく甘!甘!甘!甘!と、シナモン系甘味メニューの連打で私の
気力体力を削ぎ落し、とどめを喰らえと言わんばかりのあのオムレツとサルサ・ベルデ…。何と言うか、久しぶりにMRE
にしてやられたというかボコボコにされた気分です。しかし、やっぱりMREはこうでなくっちゃ!という、不思議な嬉しさもあ
りましたね。うんうん、これでいいんだ…と微笑みながら、評価欄に力強く×を書き込む私でありました。
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