まずはメインのレトルトを加熱剤にセットしますが、この加熱剤が7年ものとは思えない勢いで、ぐつぐつと音を立て
ながらレトルトを温めています。うーん、保存状態が良ければ、相当年月がたっても劣化しないんですね。
その間に粉末ドリンクを用意します。今回は久々の『チェリービバレッジ』。開封した途端にバ○クリンのような猛烈
なケミカル臭が漂ってきます。規定の12オンス(約330ml)の水で溶かすと、まるで動脈血の様などぎつい赤色の液体
が出来上がりました。
とは言え飲んでみるとこれがあっさりさっぱりで、甘味も酸味も控えめなので意外にイケます。しかし凄い色だなあ。
いかにもアメリカらしいですが。
今回初のお目見えとなる『オーツ麦のシリアル』です。大きめのパッケージに入っていて、手に持って振るとシャカシ
ャカとマラカスの様な音がします。皿に空けると、サッポロポテトバーベキュー味をふた回りほど小さくした網目状のシ
リアルが出て来ました。食べてみると結構甘いのですが、程良いシナモンの香りとパリパリの食感が楽しく、これもな
かなか。実用重視の戦闘糧食ですが、食感が楽しめると言うのは余裕があっていいですね。
そして大好物の『チーズスプレッド』。これ、美味しいんですよねえ。ワクワクしながら開封すると、何だか今回のは
やけにジューシーというか、開封した途端に水分がポタポタと滴り落ちてきて慌ててしまいました。あれ?いつもはも
っと固いパテ状なんですが。なにぶん7年ものなので、劣化して水分が分離してしまったみたいです。取り敢えずニオ
イを嗅ぎますが、いつものチーズスプレッドのニオイです。恐る恐る齧ってみると、若干塩気がきつくなっている様な
気がしますが、うん、美味しいです。変色も見られませんし、結局全部食べてしまいました。
ここでメインの『PORK CHOP WITH NOODLES IN JAMAICAN STYLE SAUCE』を加熱剤から取り出します。
皿に空けると、肉汁とスパイスの香りが立って食欲をそそられます。十分に温まっているので、すごく美味しそう。今
回は期待できそうです。
ゴロリとした豚肉のハムステーキに、ぶつ切りになったタリアテッレが絡まっていますが、このハムステーキが結構
なぶ厚さで、みっしりと押し固められた繊維をスプーンで切るのが一苦労。紙皿がぺこぺこだったので危うくひっくり
返しそううになりましたが、とりあえず一口。
うん、これ、美味しいです。ハムステーキは脂気のないスカスカかつぎっしりとした口当たりで、見た目以上に食べ
応えがあります。ソースは肉汁と香辛料が煮詰まった様な独特の味わいがあり、これは白ご飯にもよく合いそう。タ
リアテッレは、もうふやけ切ったヒモみたいですが、これは文句を言う方が野暮でしょう。若干のレトルト臭があります
が、変色気味のタバスコ様がそれを消し去ってくれます。というか、タバスコ様をかけた方が美味しいですね。。酸味
と辛味が全体をギュッと引き締める感じです。
途中からはそのまま齧りついたのですが、噛み切った後のギザギザが、訳も無く野性的と言うか戦闘的な気分を醸
し出すのもいい感じ。
『ベジタブルクラッカー』はもうお馴染みですが、チーズスプレッドのねっとりしたバターの様な食感ときつい塩味との
相性が抜群ですね。ほのかな小麦の香りと緑黄色野菜の甘味が、チーズスプレッドのやや乱暴ですが深い味わいを
どっしりと受け止めているかの様。この二つだけでも、十分やっていけそうな実力を持っています。
最後はデザートの『スパイスドアップル』。アップルパイのフィリングみたいなものですが、とろみがついていてクリー
ミーな口当たりです。甘味が苦手な私としてはほんのひと口ふた口で十分ですが、他が塩気とスパイスの効いたメニ
ューだった所為か、意外にも最後まで美味しく頂けました。
メインのコクと辛味(タバスコ様です)、シリアルのクリスピーな食感、チーズスプレッドの塩気、ドリンクのさっぱり味、
デザートの甘味、と、それぞれの果たす役割がはっきりしていて、かなり優秀なメニュー構成だったと思います。
シリアルとデザートのシナモン風味が被っているのがちょっと勿体なかった様な気がしますが、どちらもそれほど突
出した風味ではなかったので、大きな減点材料にはならないでしょう。
クラッカーとシリアルで口の中の水分が持って行かれますが、ドリンクが12オンスと十分な量があり、食べやすかっ
たです。今度は是非、もっと新鮮な期限内のものを試食してみたいものです。
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