No.17 BEEF TERIYAKI




    さて、今回はメニューNo.17 BEEF TERIYAKIです。とうとうMREに採用されてしまった日本食ですが、アメリカ人は
   バーベキュー等のパーティー料理が好きそうですから、それだけポピュラーな味なのでしょうか。日本人の私としては、
   試食が楽しみなメニューです。果たしてアメリカ人は照り焼きと言うものをどのように解釈してくれるのでしょう。MRE
   の事ですから、必ずや何かをやらかしてくれそうな気がします。






【内容】
1:BEEF IN TERIYAKI SAUCE WITH VEGETABLE (牛肉と
野菜の照り焼き)   2:NOODLES CHOW MEIN (スナック麺)
3:ブラックベリージャム    4:ショートブレッドクッキー
5:スナックブレッド    6:キャンディー    7:粉末オレンジ
ジュース    8:スプーン    9:加水式加熱剤
10:ティーパック    11:粉末クリーム    12:塩
13:ティッシュペーパー    14:砂糖    15:粒ガム
16:ウェットティッシュ   17:マッチ    18:タバスコ






 


    まずは紅茶のティーパックを水出しし、メインのレトルトを加熱剤にセット。
    粉末ドリンクは、今回で二回目の『オレンジビバレッジ』です。12オンス(約330ml)の冷水で溶かしますが、鮮やかな
   蛍光色が相変わらずですねえ。妙に粉っぽい味で、溢れるB級テイストが素晴らしい。


    今回初めての『ショートブレッドクッキー』。うーん、やっぱり甘いのかなあ、ヤダなあ…と思いつつ開封すると、割れ
   て粉々になったクッキーの破片がざらざらと沢山出て来ました。クッキー生地を星型のチューブを使って“の”の字型
   にして焼成してあり、直径は6p程。
    さっそく一口…ん?全然甘くないぞ。と言うか、何だこの妙に苦い味は…。甘くないのにはホッとしますが、何と言う
   かこの、紙粘土をそのまま食べている様な、乾いた土を口に含んでいる様な、ゴキブリ退治用ホウ酸団子を食べてい
   る様な…。
激しい違和感を覚えながら飲み込むと、胃の中から何とも不快な金属臭が広がってきます。うむむ、これ
   は美味い不味い以前の問題で、明らかに食品で無い何かを食べている感覚です。
    食べ進んでいるうちに、これ、本当に食べて良かったのか?という疑問が止まらなくなり、半分ほどを残してリタイア
   ゴミ箱に入れてしまいました。
    うーん、ゲップが何とも言えない不快なニオイです。甘いとか辛いとかでは無く、前代未聞の“想像を絶する味”とし
   か言いようがありません。


    気分の悪さを覚えながら『スナックブレッド』を開封。あれ?何だか形が違うぞ。いつもは正方形の絆創膏みたいな
   形ですが、今回のはなんというか、お尻みたいな変な形です。しかしフスマみたいなニオイはいつものスナックブレッド
   だよなあ。
    とにかく一口。うん、このモソモソした食感、ほのかな甘さ、鼻に抜ける押入れの中の古い布団のニオイ。いつものス
   ナックブレッドです。


    これも今回初めての『ブラックベリージャム』。スナックブレッドの上に絞り出すと、その名の通りイカスミの様な真っ
   黒なジャム
です。やたらとツヤツヤしていて、瓶詰めの江戸紫そっくりですね。味はもう喉を焼く様な甘さですが、さっ
   きの異様な味のクッキーの後なので何でも美味しく感じます。ブラックベリーの小さな種がプチプチするのもいい食感
   ですね。
    次は『NOODLES,CHOW MEIN』。パックを振ると、中でカシャカシャと乾いた音がします。パッケージからは太めの
   マッチ棒みたいなのがザラザラと出てきて、パキパキと口の中で砕ける食感が実にクリスピー。味は乾パンとベビー
   スターラーメンとかっぱえびせんを足して三で割って、そこからエビの風味を抜いた様な感じです。
香ばしくて飽きのこ
   ない味ですね。


    さて、そろそろメインの『BEEF IN TERIYAKI SAUCE WITH VEGETABLE』に行ってみましょう。開封すると、甘
   辛醤油系の香りが漂ってきて美味しそう。ワクワクしながら皿に空けると、うーん、何じゃこりゃ。こ、これが照り焼き
   ビーフ?ぱっと見は具沢山のカレーです。
    味を見てみると、醤油と砂糖の甘辛加減がなかなか。何だか以前食べた様な味だなあと思ったら、牛肉大和煮の
   缶詰でした。フレーク状の牛肉、クワイ、タケノコ、マッシュルームが濃厚な甘辛ソースに絡まっていて、これは白ご飯
   で食べたいなあ。牛肉はたっぷりだしクワイはシャクシャクだし、これをご飯にかけるとカレーでもハヤシでもない、
   思議な○○○ライスになります。

    味付けはかなり濃く、食べているうちに喉が乾きますが、まさかの醤油味が嬉しいですね。しかし、これを作った人
   は一体どんな照り焼きビーフを食べたのでしょうか。まあメニュー名は牛肉と野菜の照り焼きソースなので、味として
   は別に間違っては無いんですね。


    今回同封されていたキャンディーは、『レッド&ホット』。いかにも辛そうな赤色です。私はタイ料理が好きなので辛い
   ものは割と平気なクチですが、それにしても辛いキャンディーねえ…。
    恐る恐る口に入れますが、唐辛子の辛さ、甘味料のベタっとした甘さ、シナモンの香りが全然噛みあっておらず、美
   味いんだか不味いんだか良く分からない味です。
いや、少なくとも美味くは無いな…。とにかくもう一粒食べたいとは絶
   対に思わない味
だったので、勿体ないですがこれも全部捨ててしまいました。


   

    しかし今回はクッキーと言いキャンディーと言い、食べ物をかなり捨ててしまいました。小心者の私としては、罪悪感
   に打ちひしがれそうです。メインディッシュはやや味がしつこいものの、なかなか面白くも美味しい味でした。その分、
   あのクッキーとキャンディーの異様な味が際立ちます。
    最後は水出し紅茶で締めますが、ふと思いついて残っていたオレンジビバレッジと紅茶を1:1で混ぜてみると、甘さ
   と渋味が上手い具合に融合したオレンジフレーバーティーが出来ました。
これがちょっとバカにできない味だったので、
   機会があれば是非お試しください。
    あと、今回はこのMREを昼食に食べましたが、食後ずっと腹部に気持ちの悪い膨張感が続き、夕食は殆ど入りま
   せんでした。
しきりに出るゲップは、あのショートブレッドクッキーの異様なニオイ。何か今回は、いろいろとしてやられ
   た感のあるMREの試食でした。 




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