まずはメインのレトルトを加水式加熱剤にセットしますが、加熱剤はほのかに温かい程度で、全然働かず。仕方ないの
で湯煎にかける事にします。
その間に『粉末オレンジビバレッジ』を12オンス(約330ml)の冷水で溶かします。すぐにわざとらしい蛍光オレンジの液体
が出来上がりますが、これが意外とさっぱりしていて美味しいんですよね。
続いてアクセサリーパケットに封入されていた『粉末アイスティー』を、6オンス(約170ml)の冷水で作ります。これはもうお
馴染みですが、インスタントにもかかわらず紅茶の味が生きていて、なかなかバカにできないシロモノです。今回はさっぱ
り系の飲み物が合わせて18オンス(約500ml)もついているのでホッとします。
ふたつ入っていた『スナックブレッド』ですが、開封した途端に異様な刺激臭が。うおお、何じゃこりゃ。中身は完全に腐
リ果てていて、醤油をカビさせて腐敗させた様な猛烈な悪臭が鼻腔に突き刺さってきました。中身はすっかりこげ茶色に
なっていて、所々に白いカビがはえています。ここまで強烈な事故モノを引いたのは初めてですが、むしろ今まで無かった
のが不思議な位ですね。ある意味この道に踏み込んだ者にとっては避けて通れない、イニシエーションみたいなものでし
ょうか。
しかしいったい何故こんな事に…と思いながらパッケージを見てみると、アルミパックの端っこが破けていました。ああ、
包装が不完全だったみたいです。しかしこれ、たまらんニオイであります。部屋を換気しないと吐きそう…(泣)。躊躇う事
無くゴミ箱に直行です。
幸いもう一つのスナックブレッドには異常は無く、いつものフスマを齧っているような、ほのかに甘い味でした。
気を取り直して『チーズスプレッド』。これも好きなんですよね。さっきの事があったばかりなので一寸構えながら開封し
ますが、今回のチーズスプレッドは大当たり。柔らかくてジューシーな、塩気の利いた美味しいチーズスプレッドでした。
舌触りも滑らかで、スナックブレッドのほのかな甘味とも実に相性がいいなあ。
『チーズプレッツェル』はこれで3回目かな?これもなかなかのお味で、戦闘糧食と言うよりもどちらかと言うとビールの
おつまみ、と言った方がしっくりします。開封すると、コロコロとした円筒形のプレッツェルが沢山出て来ました。中身はこ
れまた塩気の利いたチェダーチーズで、サクサクカリカリの歯触りもいい感じ。これ、市販されていたら絶対に買うんです
が、今度輸入食材店で探してみようかなあ。
さて、そろそろメインの『ビーフパティ』に取り掛かりましょう。熱々のレトルトを開封すると、平べったいハンバーグみた
いなのが出て来ました。なるほど、ハンバーガーのパテそのまんま。大きさは90×60o程で、色の薄いシャバシャバした
ソースにまみれています。しっかり湯煎したのでレトルト臭がむわっと立ち上りますが、まずは一口。
うん、もっとネリモノっぽいものかと思っていましたが、意外と粗挽きっぽい食感でけっこうイケますね。温めずに食べる
事も考慮したのか脂肪分は殆ど感じられませんが、このボソボソ感は悪くありません。ちょっとわざとらしいスモーキーフ
レイバーもいい感じです。
しかし今回は、MREにしては珍しく塩味ばっかりですね。ちょっと舌にしんどい気もしますが、MREにありがちな甘味に
偏ったメニュー構成よりも、ずっと食事らしい気がします。
あ、そうそう、『バーベキューソース』を忘れていました。これは多分ビーフパティと一緒に食べるのでしょう。さっそく開封
すると、うーん、ソースと言うよりもこしあんみたいな、ねっとりもったりとしたペースト状のものが出て来ました。試しにソー
スだけを口に入れてみると、うーん、何て言えばいいんでしょう。裏ごしした干しプルーンに醤油を混ぜたような…?ちょっ
と異様な味わいです。これがバーベキューソースなの?なんだか無い方が美味しそうな気がします。
とりあえずビーフパティにこのソースをちょっとだけ乗せて食べてみますが、これが驚いた事に美味しい!ビーフパティ
の強めの塩味とソースの甘味が上手くマッチしていて、ねっとりどろりとしたソースの食感がビーフパティのボソボソ感をい
い具合に包み込んでいます。
全体の味としてはケチャップとウスターソース、グレイビーソースを混ぜた様な感じですが、これは本当にいけますね。
何だか一杯喰わされたような気分ですが、これはこれで良し!これ、意外と白ご飯にも合う様な気がします。
最後は『ビーフスナックストリップ』、いわゆるビーフジャーキーです。あれ?これも2本入ってます。以前食べた時は1本
だけだったので、またしてもパッキングミスの模様。ちょっと嫌な予感がしましたが、食べてみるといつものビーフジャーキ
ーだったのでホッとしました。これも塩味がきつく化学調味料っぽい味付けですが、この奥歯でギュッギュッと噛みしめる
食感が、戦闘糧食としては新鮮ですね。乾燥させて旨味を濃縮させた牛赤身肉のどっしりした味わいと強い塩気がビール
にピッタリで、これは冷えたバドワイザーが欲しくなるなあ。
今回はMREとしては珍しい塩味中心のメニュー構成で、正直最後のビーフスナックストリップの頃には舌が疲れてしま
いました。とは言え、二種類のさっぱり系のドリンクがついていたので、何だかんだで美味しく頂けました。これが粉末ココ
アだったりしたらまたしんどかったと思います。まあ、あのココアはあれはあれでとても美味しいんですけどね。
やや一本調子な感は否めませんが、十分満足できるメニューでした。
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