高田駐屯地創設68周年記念行事
2018.04.22
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新潟県上越市に所在する、高田駐屯地の創設記念行事に参加してきました。高田駐屯地は北陸自動車道と上
信越自動車道が接続する上越JCTからほど近い場所にあり、第5施設群と第2普通科連隊を中核に第12後
方支援隊第2整備中隊第1普通科直接支援小隊や第102施設直接支援大隊第2直接支援中隊、第379会計
隊、第317基地通信中隊高田派遣隊、第125警務隊高田派遣隊、駐屯地業務隊が駐屯する新潟南部の守り
の要であります。
当日は8時前に臨時駐車場となる県立看護大に到着。先に来ていた富山県のSAA水兵さんと合流し、徒歩
で駐屯地に向かいます。程なく到着した高田駐屯地ですが、開門1時間前で正門の行列は30人ほど。木陰が
あるので涼しいですが、朝から晴れて今日は気温が上がりそうだなあ。早めに日焼け止めを塗っておきます。
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しばらくして、0900開門。簡単な手荷物検査を受けて敷地内に入ります。高田は一般見学者用に観閲段
を用意してくれているので、右側の最上段に場所を確保。訓練展示は左→右方向に展開するらしいので、普通
科のいる駐屯地のポジショニングとしては無難なところでしょう。
部隊の入場まで約30分ほど。例によって朝を抜いてきた私は、まずは屋台へ向かいます。正門入って右手
にある来賓用駐車場の奥が屋台広場になっていますが、ざっと見たところ地本募集テント、河内屋焼きそば、
牛串焼き、富士宮焼きそば、かき氷、宇都宮餃子、太田焼きそば、自衛隊グッズ、揚げかまぼこ、揚げたこ焼
き、鶏唐揚げ、佐世保バーガー、タン塩焼き、富士宮焼きそばといった陣容。
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どれも外部業者の屋台なのはこのご時世ですが、なんでまた焼きそばが4つも被っているんだろう。公募な
ので参入業者の調整がしづらかったのかもしれませんが、なんかもったいない気がするなあ。まずは屋号なの
か地名なのかよく分からない太田焼きそばからいってみましょう。
開門直後とあって作り置きなのは納得ですが、このスーパードライとでも言うべき不思議な乾き具合が驚き
です。なんというか、焼きそばの一夜干しみたいな焼きそば。細麺を使っているのは私の好みにストライクで
すが、鉄板の上で作った後、あえて風にさらして水分を飛ばした様な感じ。干物みたいにうま味の濃縮と熟成
を狙ったのかな?こんな焼きそばもあるんですねえ。
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続いては富士宮焼きそば。こちらは太めのストレート麺を使った、甘酸っぱい系のセミウェットな仕上がり
です。あ、しまった、焼きそば2品ではHPの画像的に見栄えがしないなあ。次からは気をつけよう・・・。
続いてグッズ販売テントに向かうと、ここで思わぬお宝が。横須賀地方隊海自カレーシリーズの潜水艦うず
しおカレーがありました!おおおおお、なんでまたこんなところに?迷う事なく購入です(笑)。全8種のう
ち4種しか持ってなかったので、これで残るは3種か。ホクホク顔で会場に戻ります。
先に戻っていたSAA水兵さんにうずしおカレーを見せびらかしていると、しばらくして部隊の入場が始ま
りました。式典参加部隊が続々と観閲段前に整列し、観閲部隊指揮官を務める第2普通科連隊副連隊長前田2
等陸佐が入場。部隊と敬礼を交わします。
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そして整列した部隊の紹介が行われました。向かって左より高田・新発田駐屯地音楽クラブ及び富士学校音
楽隊による合同音楽隊、第2普通科連隊本部管理中隊及び第1~3中隊、自衛官候補生教育隊、第5施設群本
部管理中隊及び第392~394中隊、第102施設直接支援大隊第2直接支援中隊、第12後方支援隊第2
整備第1普通科直接支援小隊、第48普通科連隊第1中隊。よく見ると各部隊の指揮官は胸の前に9mm機関
拳銃を掲げていますね。私の地元の第3師団ではあまり見ない装備品なので、第12旅団に来たなあという気
分になれます。
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続いて駐屯地からの感謝状贈呈者の紹介が行われ、本式典の執行者である第5施設群長兼ねて高田駐屯地司
令北島一等陸佐が入場。部隊は執行者に敬礼。
そして国旗が入場し、式典参加者は一同起立で迎えます。部隊は着剣、捧げ銃(ささげつつ)。さらに執行
者による部隊巡閲と、式典は粛々と進行していきます。
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その後は執行者による式辞、来賓祝辞、来賓紹介、祝電の披露が滞りなく行われ、この後に予定されている
観閲行進の準備のため、部隊はいったん退場です。
そして高田・新発田駐屯地音楽クラブと富士学校音楽隊による合同音楽隊が、行進曲『大空』を演奏しなが
らやってきました。よく見ると指揮者がドラムメジャーを兼ねているんですね。演奏が始まったらどうするん
だろう・・・と思いましたが、普通に足元にバトンを置いて指揮していました。そりゃそうか。
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観閲行進の先頭を切るのは、観閲部隊指揮官が乗るパジェロ。続いて胸元に機関拳銃を掲げた幕僚達が徒歩
で続き、第2普通科連隊の各中隊が続々とやってきました。
見た事のない隊旗を掲げているのは、この春入隊したばかりの第2普通科連隊教育隊。さらに即応予備自衛
官で構成された第48普通科連隊第1中隊が続きます。
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次は車両行進。第2普通科連隊からのパジェロ、偵察オート、軽装甲機動車、高機動車、中距離多目的誘導
弾、120mm迫撃砲RTを牽引した高機動車が続きますが、よく見るとMINIMIが搭載された軽装甲機動
車のルーフに射手の姿はなし。機関銃だけがぽつんと載ったままというのは珍しいなあ。
さらに指揮通信車、軽装甲機動車が続きますが、今度の軽装甲機動車はちゃんと隊員さんがMINIMIを
構えていました。パターンを変えて見せようとしたのかな?
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第5施設群本部管理中隊からはパジェロ、救急車、シェルター搭載トラック。陣地構築及び道路障害構成を
行う第5施設群第342中隊からはパジェロ、道路障害作業車、83式地雷敷設装置。
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地雷原処理を行う第393中隊からはパジェロ、75式ドーザ、92式地雷原処理車。それにしても75式
ドーザはいつ見ても惚れ惚れするカッコよさですね。怒り狂った巨大甲殻類みたいな、重量感たっぷりの見た
目がたまりません。75式ドーザを追って走り去る92式地雷原処理車も味わい深く、施設科がいる駐屯地な
らではの眼福であります。
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架橋・道路整備を行う第394中隊からは、パジェロ、グレーダ、トラッククレーン、81式自走架柱橋。
第102施設直接支援大隊第2直接支援中隊からは指揮官を乗せたパジェロと大きなシェルターを乗せたト
ラック、あと何か四角い装置を乗せたパジェロ。これ時々見る装備品ですが、なんて名前なんだろう。
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第12後方支援隊第2整備中隊第1普通科直接支援小隊からはパジェロ、シェルター搭載トラック、重レッ
カ。
ここまで高田駐屯地所在部隊による行進が続きましたが、以降はゲスト部隊が登場。群馬県新町駐屯地の第
12対戦車中隊からは、79式対舟艇対洗車誘導弾を搭載したパジェロ。群馬県相馬原駐屯地の第12高射特
科中隊からは、93式近距離地対空誘導弾。栃木県宇都宮駐屯地の第12特科隊からは、155mmFH-7
0榴弾砲を牽引したトラック。
そして茨木県勝田駐屯地の施設教導隊からは、96式装輪装甲車。さらに茨木県土浦駐屯地の陸上自衛隊武
器学校からの74式戦車がやってきて、観閲行進の最後を締め括ります。
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続いて航空観閲。OH-6D観測ヘリ、UH-60多用途ヘリ、CH-47輸送ヘリ。これは相馬原と北宇
都宮からの機体かな?
それにしても、見慣れた装備品もあまり縁のない駐屯地から来たと思えば新鮮ですね。富士学校とか勝田駐
屯地とか、第3師団にいてはまず耳にする機会がありませんし。とは言え施設科好きとしては、勝田には一度
行ってみたいものです。ここでSAA水兵さんが
「74式の車長、観客の前を通る時に敬礼してましたね」
うわあ、その絵は是非押さえておきたかった!見逃したなあ。そういう事をしてくれる隊員さんが一人二人
いるというのはいい事ですね。それにしてもよく見てるなあ、SAA水兵さん。
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その後は国旗が退場し、記念式典は以上で終了。会場ではこのあと行われる模擬戦闘訓練の準備が始まり、
高田・新発田音楽クラブ及び富士学校音楽隊の総勢23名による合同音楽演奏が披露されました。曲目はニュ
ージーランド海軍行進曲『インヴァーカーギル』、吉本光蔵『君が代行進曲』、ディキシーランドジャズ『聖
者の行進』の3曲。
観閲行進の定番である行進曲『大空』はともかく、そうそう頻繁に顔を合わせる機会もない3つの部隊が、
よくまあきれいに音を合わせる事ができるものだなあ。いくら同じ譜面を使って練習していても、なかなか難
しいと思うのですが。大きな拍手を浴びながら、3部隊混成音楽隊は退場です。
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続いては神奈川県武山駐屯地の陸上自衛隊高等工科学校からやってきた、ファンシードリル部が演技を披露
です。黒のベレー帽に白手袋もまぶしい17名の生徒が整然と行進してきて、5名の音楽隊の演奏に合わせて
キビキビと統制のとれた見事な動きを見せています。
なお、本日参加した生徒の中に新潟県新潟市出身者がいるそうで、今頃親御さん達は固唾をのんで見守って
いるんだろうなあ。演技に入る前に紹介してあげればよかったですが、余計にあがってしまうかも・・・いや、
高等工科学校の生徒たるもの、その程度のプレッシャーに負ける訳がないでしょうねえ。
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最後は音楽隊の生徒がシンバルをヌンチャクみたいに振り回し、ドリル隊は上空に向けて一斉に空砲発射。
観客席からは大きなどよめきが沸き起こり、高等工科学校生徒ファンシードリル部は大きな拍手に送られて退
場します。いやー、今の若い子はほんと足が長いというか腰が高いな!と、変な事に関心してしまいました。
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そして会場右手の敵対抗部隊の陣地が出来上がり、模擬戦闘訓練展示の準備が完了。状況開始ラッパが高ら
かに鳴り響き、まずは会場左手より情報小隊の偵察オートが2両進入してきました。地形の低い部分を縫う様
に進みつつ会場中央でジャンプを決め、敵陣地手前でオートを倒してすぐに威力偵察を実施。
対抗部隊も応戦しますが、情報小隊はその反撃の様子から敵陣地の規模や形状、保有火器等の戦力に関する
情報をぬかりなく収集します。
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続いて突っ込んできた第12偵察隊の87式偵察警戒車は、派手な砂煙を上げながら敵陣地手前で急停車。
援護射撃を開始して敵の注意を引き付けている間に、情報収集を終えた偵察オートは一気に撤退します。更に
偵察警戒車が敵陣地に攻撃を行う中、上空に現れた第12飛行隊のOH-6D観測ヘリが航空偵察を実施。敵
陣地の詳細な情報を本隊に持ち帰ります。
それらの情報をもとに中隊長は陣地奪還作戦を指示。まずは射撃陣地を構築すべく、120mm迫撃砲RT
を牽引した高機動車が進入してきました。停車と同時に迫撃砲が切り離され、着々と射撃準備が整えられます。
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その後方には155mmFH-70榴弾砲がやってきて、射撃陣地を構築。更に中距離多目的誘導弾や79
式対舟艇対戦車誘導弾もやってきて、車両から飛び出してきた隊員達がマシーンの如き動きで射撃準備を開始
します。
そして上空にUH-60JA多用途ヘリが飛来。このタイミングでレンジャーを降ろすのは珍しいな・・・
と思っていると、グラウンドではなく背後の2階建て隊舎の上空でホバリングし、カーゴドアからは2名の隊
員がするすると降りてきました。ああ、レンジャーの潜入部隊ではなく狙撃班を降ろしたんですね。
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それにしてもすぐ隣に隊舎の3階部分が迫っているので、あの場所でヘリの安定を保つのは難しそう。ダウ
ンウォッシュの跳ね返りなんかも、やっぱり建物のあるなしで随分違ってくるんだろうなあ。
首尾よく狙撃班を降ろしたUH-60JA多用途ヘリは、大きな機体を翻してその場を離脱。そして射撃準
備が整った火力戦闘部隊に対し、中隊長は攻撃命令を下します。
「てーっ!!」
の号令とともに155mmFH-70榴弾砲は巨大な火球を噴き上げ、観閲段を埋めた一般見学者からは大
きなどよめきが。迫撃砲部隊も次々と攻撃を開始する中、陸自本体からは普通科小銃小隊を乗せた軽装甲機動
車が4両前進。砂塵を巻きあげながら会場中央まで切り込んで、敵陣地に向けて激しい攻撃を加えます。
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敵対抗部隊も反撃しますが、双方の空砲発射がものすごい事になってますね。さすが普通科がいる駐屯地の
訓練展示。先ほどからアナウンスが何か言ってますが、まるで聞こえません。
小銃小隊を乗せた軽装甲機動車がじりじりと距離を詰めていく中、後方の155mmFH-70迫撃砲が再
び支援射撃を開始。敵陣地は濛々たる着弾煙に包まれます。
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さらに本体からはCH-47輸送ヘリが出撃。おお、松本みたいにファストロープを使った普通科隊員の降
下をやるのか?と思いましたが、残念ながら上空をぐるりと回っただけ。まああの巨体ですから、ここで高度
を下げるのは流石に無理か。下手したらダウンウォッシュで観閲段がなぎ倒されかねません。松本の降下は、
訓練場が広かったから出来た事なのかも。
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火力戦闘部隊の支援射撃に敵部隊がひるんだ隙を突き、陸自本体からはさらなる増援部隊が突入してきまし
た。指揮通信車と96式装輪装甲車、高機動車が先行する軽装甲機動車と合流を果たします。車外に飛び出し
た小銃小隊は、各分隊ごとに連携をとりながらさらに敵陣地へと距離を詰めていきます。
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ここで後方から地雷原処理車がやってきて、巨大な発射機をぐいんと持ち上げます。そして左側の扉が開放
され、普通科小銃小隊の前進を阻んでいた敵陣地手前の地雷原を爆破処理。
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敵陣地を目の前にした小銃小隊は、低い姿勢からの匍匐前進に切り替えます。激しさを増す反撃を地に伏せ
てかわしつつ、ズリズリとひたすら前進。可能な限り低い姿勢をとりながら小銃の弾倉を新しいものと交換し、
突撃準備完了の確認が行われます。
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そして後方の火力戦闘部隊が最終弾を発射。着弾と同時に立ち上がった小銃小隊は、地雷原処理車が吹き飛
ばした突撃経路を走り抜け、一気に敵陣地になだれ込みます。たまらず敵部隊は敗走しますが、逃げ遅れた敵
の装甲車がアワアワしてるっぽいのが微妙にカワイイなあ(笑)。
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指揮官が不慣れだったのか操縦手がパニックになったのか、一気に突入してくる小銃小隊に
「あわわわわ、どどどどどうしよう・・・」
と泡食ってるみたいなのがなんともはや(笑)。そんなどんくさい敵装甲車も、鉄条網を突破してきた陸自
の偵察警戒車を見てさすがにやばいと思ったのか、すたこらさっさと逃げだしたのが微笑ましい・・・でいい
のかな(笑)。
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突撃に成功した小銃小隊が見事陣地奪還を果たし、以上で模擬戦闘訓練展示が終了。状況終わりのラッパが
鳴り響き、会場からは大きな拍手が送られました。
小銃の空包射撃大盤振る舞いの、実に普通科らしい模擬戦闘訓練展示でしたね。最後は妙に可愛い寸劇(笑)
も見せてもらえましたし、高田まで来た甲斐がありました。ただ施設科好きとしては、普通科だけでなくもっ
と施設の見どころも作ってほしかった気がします。
具体的に言うと、鉄条網の位置をもっと手前に持ってきて地雷原の存在も分かりやすくアピールできれば、
地雷原処理車の存在感がもっと表に出せたと思うんですよね。観閲行進に参加した75式ドーザの出番がなか
ったのも、ちょっと物足りませんでしたし。
ただ、場内放送の反響がきつく細かい説明がしづらい分、あまり込み入った脚本には出来なかったのかもし
れません。そういう意味では、見どころを普通科に絞った判断はアリだったのかもなあ。
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その後は駐屯地資料館に移動。新発田と松本もそうでしたが、歴史ある駐屯地の割に古い木造隊舎が少ない
のは、やっぱり豪雪の所為かなあ。鉄筋コンクリの隊舎でないともたないんでしょう。
高田でわずかに残っていた木造隊舎である郷土記念館(駐屯地資料館)は、屋根こそきれいに葺き替えられ
ているものの、外壁の傷み具合もペンキの古び加減も申し分ない代物。外壁木材の節穴から蜂が何匹も出入り
しているのが恐ろしげではありますが、建物基礎のレンガの味わいもたまンないものがあります。
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ちなみにこの木造隊舎ですが、郷土記念館以外に高田駐屯地音楽クラブの講堂としても使われているとの事。
しんしんと雪が降り積もる新潟の冬、あっという間に暗くなる外、ストーブの熱気に満ちた室内、湿った埃の
匂い、窓ガラスの結露、古い講堂に響く楽器の音色・・・ああ、いいなあ。宮沢賢治の童話の様です。
その後は資料館を見学。この高田駐屯地、昭和45年にはかの山下清画伯を一日駐屯地司令として招いた事
があったそうです。画伯の両親が新潟出身という縁からそうなったとの事ですが、背筋を伸ばして委任状を手
渡す当時の司令と口半開き&力の抜けた表情でそれを受け取る山下清画伯のコントラストがいい感じだなあ。
しかし裸の大将(陸将)が駐屯地司令(通常一等陸佐が拝命)とは、普通に大降格になるのでは・・・(笑)。
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また高田駐屯地のマスコットキャラであるがいし君の説明もありましたが、この特徴的すぎるガルウイング
の様なヒゲ・・・長岡外史そのまんまです。第3代13師団長として高田に赴任した長岡外史中将も、まさか
100年後に隊員達から君づけで呼ばれる事になるとは思わなかっただろうなあ・・・。
ちなみに長岡師団長の後を継いだ第4代13師団長はかの秋山好古だというのだから、すごいメンツです。
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一角には高田駐屯地の歴代司令の写真が並べられていましたが、やっぱりこうして見ると、わずか80年足
らずで日本人の顔も変わったもんだと痛感させられます。昭和25年に警察予備隊として生まれ変わった高田
駐屯地だけに、初代司令の階級は2等警察正。そこから1等保安正を経て、昭和30年の第8代司令より現在
の一等陸佐になりましたが、この時代でもまだ“昔の日本人の顔”なんですよね。
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またここ高田駐屯地には、明治末期に建築された野砲兵第19聯隊第1大隊の巨大な木造砲廠があったそう
ですが、老朽化に伴い平成25年に解体されたそうです。豪雪地帯で100年耐えた木造倉庫か・・・取り壊
される前にぜひ見たかったですね。
資料館の裏手にも別の隊舎があり、短い渡り廊下で繋がっていましたが、その渡り廊下も雰囲気満点。まる
で山奥の小学校の校舎の様な味わいに満ちていて、心の底から惚れ惚れします。
空砲の残りの始末なのか、先ほどまでパンパンと射撃音が鳴り響いていた式典会場ですが、この後の装備品
展示に参加するヘリが次々と降りてきました。と、ここでボイスレコーダーを観閲段に置き忘れてきたのを思
い出し、慌てて回収しに戻ります。
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ここまで戻って来たついでに、朝少ししか見れなかった厚生センターへ行ってみましょう。大型車両が通れ
る様、屋根の一部だけが高くなった渡り廊下がいかにも北国の駐屯地。真冬の時期も見てみたいものです。
建物同士は広い渡り廊下で連結されていているのも面白いなあ。こんな構造は地元第3師団では見た事あり
ません。あきづき型護衛艦の艦橋構造物に覆われた舷側通路にいる様な気分。
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渡り廊下の掲示板には昨年行われた駐屯地球技大会の結果が張り出されてありましたが、普通科や施設科の
各中隊がひしめきあう中、見事優勝に輝いたのは諸隊等という聞きなれない部隊。恐らく警務や会計、地本援
護室といった小規模な部隊がひとまとめになったチームと思われますが、まるで寄せ集めのゴロツキ達(すみ
ません)が正規部隊相手に互角にやりあって、見事勝利を収めた様なドラマを感じますね。職域が違うため普
段殆ど交流がなかった部署同士に、妙な連帯感が生まれたのでは。
売店に寄ってみると、銃剣道で使用する木銃が定価10000円のところを大特価3000円。あまりのお
買い得価格に衝動買いしそうになりましたが(笑)、私が買っても仕方ないしなあ。それにしても、木銃って
どういうタイミングでサービス品になるんだろう・・・。
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あと新潟名産のかんずりも置いてありましたが、これも戦国時代から伝わる日本伝統の兵糧食、よくよく考
えてみれば戦闘糧食のご先祖様なんですね。
渡り廊下の先は浴室になっていて、幹部、陸曹、陸士の3つに分かれています。それとは別にサウナ風呂が
あるのが興味深い。冬場は人気あるだろうなあ。とは言えサウナは一つしかなく、ここは階級の区別なく全員
が利用できるみたいですが、幹部は陸士に遠慮して、陸士は幹部を煙たがり、結局古参陸曹が幅を利かせるC
PO的な空間になってそうな気がします。まあこれは部外者である私の勝手な推測ではありますが(笑)、人
間模様なんてどこも似た様なものでしょうねえ。
![](2018takada69.jpg)
厚生センター2階に上がると、課業終了後の隊員さんの憩いの場である隊員クラブ『越路』がありました。
新潟限定ビイル『気分爽快ニシテ』があるらしく、これは初めて見るビールです。帰りはスーパーに寄って探
してみよう。
この隊員クラブ『越路』、店先に隊員さん相手にとったアンケートの回答を掲示してあり、これがなかなか
興味深い内容でした。隊員さんからの不満はいくつかありますが、概ね人手不足が原因のサービスの行き届か
なさの様ですね。これはある意味、期待の裏返しなのでしょう。
掲示されたメニューはなかなか美味しそうなものが多く、日本酒のラインナップがそこらの居酒屋以上に豊
富なのがいかにも酒どころ新潟県。山菜の天ぷら等の季節メニューも充実し、中でも鶏のから揚げは日本一の
自負があるとの事。あああ、ここで腰を据えて飲んでみたい・・・。
ちなみに店のマスターは陸自OBで、隊員さんの悩み事の相談にも乗ってくれるそうです。除隊後に外の世
界で修行して、色々経験してここまで来たんでしょうね。ただ外部の業者が入っているだけの隊員クラブとは
一線を画す存在だと言えるでしょう。
![](2018takada70.jpg)
その後は同2階で開催されていた美術展へ。隊員さん達の書画や写真、手芸、工芸品等が所狭しと展示して
ありましたが、どれも非常にレベルが高いのが素晴らしくもあり残念でもあり・・・。もっとこう、隊員さん
のお子さん達のトホホテイスト溢れる微笑ましい作品なんかがあっても良かった気がします。
ちなみにS.A.S大賞には、第2普通科連隊本部管理中隊飯田3曹の作品である『降下!』を一方的に選
出させて頂きました。これ、地上何メートルなんだろう。見ているだけで足の裏から背中までぞわぞわしてく
る、カッコよくも恐ろしい写真でありました。
![](2018takada71.jpg)
その後は式典会場で行われた装備品展示へ。特にこれといって目新しいものはありませんが、見慣れない東
部方面隊の車両というのが興味深いです。
最後に地本募集テント。掲示物に描かれていたのは新潟地本のマスコットキャラであるおにぎり(コシヒカ
リ)の妖精ヒカリン・マモルとヒカリン・マイです。マモル君ははに丸みたいですが(笑)、マイちゃんは米
粒美人ですね。
![](2018takada74.jpg)
昨年の松本駐屯地と同様に、行こう行こうと思いながらなかなか縁がなかった高田駐屯地でしたが、はるば
る新潟までやってきた甲斐がありました。でも、もっと早く来ていれば、野砲兵第19聯隊の木造砲廠を見る
事が出来たんだよなあ。間に合ったもの、間に合わなかったもの・・・いろんな記録の欠片でこのS.A.S
は出来ているのでしょう。
帰りは例によって高速道路に乗る前に地元スーパーをはしごして、新潟限定ビイル『気分爽快ニシテ』を無
事確保!今回の遠征の最後を締め括るにふさわしい、ライト&すっきり系の新潟の初夏の日差しを思わせる爽
やかな味わいのビールでありました。
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