護衛艦まきなみ一般公開in大阪港天保山岸壁
2018.03.19
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大阪港天保山岸壁にて行われた、練習艦隊の一般公開に参加してきました。今回入港したのはTV3508
練習艦かしま、TV3513練習艦しまゆき、DD112護衛艦まきなみの3隻で、そのうち護衛艦まきなみ
が一般公開を行ってくれました。あいにく平日の一般公開だったのですが、まきなみは5年前の舞鶴地方隊展
示訓練で乗艦して以来。このチャンスを逃してなるものかと、昼休みに抜けて天保山まで見に行ってしまいま
した(笑)。近場でやってくれるのはほんと有難いなあ。
という訳で、地下鉄大阪港駅着。薄曇りの空からは時折雨粒が落ちてきますが、これぐらいなら問題ないで
しょう。すぐに見えてきたのが、天保山ハーバーランドの観覧車の足元にちょこんと突き出ている暗灰色のマ
スト。岸壁まで近寄ってみると、屋根付きの青色将官艇が目印の練習艦かしまのマストでありました。
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受付テントの金属探知機と手荷物検査をクリアして、いざ岸壁へ。目の前に停泊していたのは、曇天の空を
バックにシャープなシルエットを見せる護衛艦まきなみ。直線で設計された上部構造物、格納庫右に配置され
たCIWS、対角線上の左隅にあるのは射撃管制レーダーです。基準排水量4650㌧はゆき型護衛艦の5割
増しですが、感覚的には倍ぐらいある様に見えますね。
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既に乗艦は始まっている様で、前甲板は人で鈴なりになっています。やけにカップルが多く、天保山に遊び
に来たらなんかすごい船があったよ!という流れで見に来た人が多いのかな。
一般公開が始まったばかりとあってか行列はスムーズに消化し、いよいよ久しぶりの護衛艦まきなみに乗艦。
VLS甲板、CIWS甲板、艦橋、そしてマストとピラミッドの様に立ち上がったシルエットが美しいなあ。
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下から見上げるとオバQみたいなファランクスがご愛嬌ですが(笑)、対艦ミサイル防御の最終ラインを守る
頼もしさがあります。
その真下に聳え立っているのが、54口径127mm速射砲。あきづき型やあたご型に搭載されているもの
とは違うシールドの角が丸いタイプですが、それだけにまるで人間の頭蓋骨みたいに見えてしまいます。その
ぶん若干古臭く感じますが、側面や真正面はそれなりに平面で構成されているので、これでもある程度のステ
ルス性能は期待できるのでしょう。砲塔の前には練習用の真っ黒い砲弾と金ピカの装薬が展示され、実際に触
て持ち上げる事が出来ました。
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ふと見上げると、砲身先端部に金属製のキャップが被せてありました。それ自体はさほど珍しいものではあ
りませんが、よく見ると何か彫り込んでありますよ。翼を広げた鶴かな?と傍にいた隊員さんに尋ねてみると、
「あ、これはこの艦のマスコットであるバショウカジキをかたどったものです。普通の艦はそんなの作って
もらえませんけど、このまきなみは国産護衛艦の100隻目にあたったので、建造時に特別な記念として作ら
れたそうです」
なるほど、よく見れば確かにカジキですね。
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ちなみにこのまきなみのニックネームはGOLD MARINE。これもバショウカジキを意味するとの事。
知能が高く遊泳力に長け、そして惚れ惚れするほどカッコいい。いいところに目をつけましたね。
この手の艦ごとのニックネームは、建造時に関係者の公募で決められるそうですが、中には『ホワイトベー
ス』や『セーラームーン』といった、思わず半笑いになってしまうものもあるので見逃せません(笑)。
「ちなみに護衛艦ゆうぎりのニックネームは、DRAGON BALLだそうですよ(笑)」
と隊員さん。ゆうぎりと言えば私が初めて体験航海で乗せてもらった艦ですが、そんなネタを隠し持ってい
たのか(笑)。どういう理由でそんな名前になったのかは分かりませんが、乗組員のお子さんにはウケただろ
うなあ(笑)。
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ちなみに今回の一般公開では珍しく艦首先端部まで開放されていて、127mm速射砲と艦橋、マストを一
直線に撮影することが出来ました。これは有難い。普通は巻揚機の前までですからね。
その巻揚機ですが、ちょうどこの真下の区画が錨鎖庫になっていて、錨につないだ鎖が収納されています。
甲板下の鎖をわざわざ上甲板に引き出して、そこから改めて海底に下ろすのは随分回りくどいやり方に思えま
すが、海底から引き揚げたばかりの錨鎖は泥や砂にまみれているので、いったん上甲板まで引き上げた方が洗
い落としやすいですし、巻揚機のメンテナンスも楽なんだろうなあ。それにしても流石4650㌧を繋ぎ留め
る錨鎖、改めて見てもデカいです。隊員さんにお話を伺うと、
「錨を降ろす時はすごい音がしますよ。振動もかなりのもので、艦全体が揺れます。ちなみに昨日は岸壁に
接岸せず沖合に錨を降ろして一晩過ごしたんですけど、もうガガガガーって(笑)」
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その錨鎖を油圧で引き上げる巻揚機ですが、よく見ると上下分割式になっています。これは下段は錨鎖を、
上段は舫綱の巻揚げに使うとの事。
「このサイズの舫綱になると、人力できっちりテンションかけて巻揚げるのはちょっと無理ですね(笑)。
今は噛み合わせが外れて上下が離れているので、下の錨鎖を固定したまま上の舫を巻揚げる状態です」
あと、マストに掲げられていた三角形の信号旗について女性自衛官に質問。
「ああ、あれは不在旗って言いまして、今この艦に艦長はいませんよ、って意味です」
白い三角形に一直線の黒というデザインが、なんか喪章みたいで気になったのですが、そういう意味なのか。
入港支援を行ってくれた地本に挨拶したり、地元後援会のレセプションに顔を出したりで、入港中も艦長さん
は忙しいんでしょうね。
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ちなみにこの日入港した3隻は電灯艦飾を施していて、日没後は一斉に点灯するとの事。帰りに寄り道して
見に来ようかな・・・と傍にいた隊員さんに何時までやっているのか尋ねてみましたが、その隊員さんは把握
していなかったらしく、あちこち尋ね歩いて聞いてきくてれました。忙しいのにすみません。
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その後は右舷通路を抜けて後甲板へ向かいますが、ピカールを使った真鍮磨きの様子やスライディングパッ
ドアイを使用した洋上補給を紹介した説明板があり、なかなかわかりやすくて面白い。
ボースンチェアに座った隊員さんが並走する僚艦に移動する写真もありましたが、速度を上げた方が艦が安
定する為か海面には結構な白波が立っていて、かなり怖そう。訓練とは言え、何かの罰ゲームで選ばれたのか
なあ(笑)。
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座った隊員さんはさすがに右手でしっかり外枠を握っていますが、それでも男気を見せたのか左手が膝の上
に置いたままなのにはちょっとクスッとさせられました。私だったら両手が汗ばむほど外枠を握っていても膝
が笑いそうですが・・・。
煙突側面の空気取り入れ口のところには、吸入した空気を機械室のエンジンに送り込むデミスター装置の説
明がありました。いわゆる空気ポンプ的なものだと思われますが、こんなものにまで説明書きをつけるのは初
めて。
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後部飛行甲板には埋め込み式になったLSO(発着艦管制室)がありましたが、まきなみLSOの椅子は隊
員さんが気の毒になるぐらいに粗末な代物。辛うじてお尻を引っ掛ける事が出来る程度の、ほとんど気休めで
す。ヘリの発着艦を管制する緊張度の高い部署だけに、もうちょっといい椅子を置いてほしいところですね。
狭い場所だからかさばるものは置きたくないのかなあ。
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雨を避ける為かSH-60K哨戒ヘリは格納庫内で展示してあり、たくさんの人達が機内見学の列を作って
いました。飛行甲板で行う通常の機内公開とは違い、格納庫内にあるヘリのキャビン内部は真っ暗で、まるで
夜間飛行中の気分になれそう。私もぜひ見てみたかったですが、流石に時間に余裕がないなあ。滅多にない機
会でしたが、今回は涙を飲んで諦めます(泣)。
格納庫の入り口には、艦内各部署の日常風景のスナップが分かりやすい説明付きで沢山貼りだしてありまし
た。特に目を引いたのが、半分下ろした錨につかまって塗装作業を行っているところ。もちろん安全帯をつけ
ているんでしょうけど、艦首先端からおろした縄梯子から錨に乗り移るのか・・・。
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また海自の金曜カレーは有名ですが、まきなみではこれとは別に火曜日はラーメンの日になっているそうで
す。傍にいた隊員さんに尋ねてみると、
「ラーメンって言うより、麺類の日ですね。週によってはうどんの時もありますから(笑)」
との事。それにしても、なんで麺類の日なんだろう。当初は作業軽減が目的だったのかもしれませんが、海
自の場合は満足度を追及するあまりあれやこれやと手間暇をかけてしまい、結局オリジナルスープを作る羽目
になったりしてそう。
そうなると次のラーメン作りのヒントを得るために、上陸先では事前に調べたラーメン屋巡りとかやったり
するんだろうか。そのあたりの裏話的な苦労談があれば聞いてみたいですね。
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さて、そろそろ時間です。艦橋や艦内に入れなかったのは残念でしたが、その分艦首先端まで開放してくれ
たりデミスター装置などの普段は展示しないところまで踏み込んでくれたのですから、満足度は高かったです
ね。掲示物も充実していて小ネタも沢山拾えましたし、今年一発目のイベントとして上々の滑り出しでした。
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かしまの隣では大阪地本が誇るマスコットキャラまもる君が、たこ焼きを片手に愛想を振りまいていました。
隣のテントでは子供用の制服試着コーナーが準備され、まもる君は記念撮影に忙しそう。全国の地本キャラの
中でも群を抜いてカワイイと思うので、今シーズンも活躍を期待したいなあ。
地下鉄大阪港駅までの道すがら、内部が赤レンガ造りになっている排水溝を発見です。つい先日呉と江田島
で古い赤レンガをたくさん見て来たので、ついこんなところにも目がいってしまいます。いつ頃作られた排水
溝なんだろう・・・と感心しつつ、撮影してしまいました。
![](2018makinami28.jpg)
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