護衛艦おおなみ一般公開in伏木港

2017.07.30


       富山県伏木港の万葉埠頭にて行われた、DD111護衛艦おおなみの一般公開に行ってきました。おおなみ
      はたかなみ型護衛艦の2番艦、第2世代汎用護衛艦としてデビューしたむらさめ型護衛艦の改良版にあたる存
      存在であります。
       前日サマーフェスタが行われた京都府の舞鶴地方隊から一気に移動、その夜のうちに富山入りしたのですが、
      翌日は雨との予報を覆して見事な晴天。今日も一日暑くなりそうです。
       埠頭入口にはすでに車列が出来ていて、15~6番手ぐらいかな?夜間走行で虫だらけになった車のフロン
      ト回りを掃除していると、にわかに車列が動き始めました。おお、時間前ですが埠頭には入れる模様です。
       隊員さんの誘導に従って車を乗り入れ、準備を整えて出発です。目の前には、先週乗り損ねたDD111護
      衛艦おおなみの姿が!
半ば意地でここまで来てしまいましたが、初乗艦のフネはやはり気分が高揚するなあ。
      早くも舷門前には乗艦待ちの列が出来ていますが、まずは艦の全景の撮影。甲板に見学者がいない状態での撮
      の撮影チャンスは貴重ですから。

       それにしてもこうして見ると、やっぱり面構成の構造物の傾斜が立ってますね。昨日見学した最新鋭のあき
      づき型護衛艦4番艦の護衛艦ふゆづきは、同じ面構成でももっと傾斜を寝かせてある感じだったし。
       おっ、埠頭には富山地本が誇るマスコットキャラ、イッカー三兄弟のパネルが立ててありました。名前だけ
      しか書いてありませんが実はそれぞれに細かい設定があり、長男のイッカー君はカラオケ好き、長女のほたる
      ちゃん
は大酒飲み、二男のひかる君は冒険好き。いつ見ても長女のほたるちゃんが妙に色っぽいのが困りもの
      ですが、とうとうイカまでエロい目で見る様になったか・・・俺もう死んだ方がいいかも(泣)

       埠頭にはいくつかテントが並んでいて、自衛隊グッズ販売新隊員募集以外に、子供用制服試着コーナー
      
ありますね。手書きの宣伝パネルが艦これなのが今風ですが、そのパネルの裏にひっそりと描かれていたこれ
      
はなんなんだろう。なんだかジョジョネタっぽいですが、これは小さい子供には通じないんじゃ・・・隊員さ
      んが描いて遊びたかっただけ(笑)?

       富山地本での検討の結果、やはり艦これイラストに負けてしまった模様ですが、こうして裏面でひっそりと
      主張している遊び心
には、ちょっとっクスッと来ましたね(笑)。

       お、こんな足元に三連装短魚雷発射管の説明ボードが・・・と思ったら、舷側の発射管が埠頭向きに扉を開
      いた状態で展示してある
んですね。普段見る事が出来ない角度から見せてくれるのは、なかなか気が効いてい
      ます。

       続いては艦首に向かいますが、うーん、この時間だと完全逆光・・・。午後はもう少しキレイに撮影できる
      んだろうなあ。
       さて、そろそろ乗艦待ちの列に並びますか。既に100名近い行列になっていますが、先週同型艦のたかな
      みを見たばかり
ですし、今日は焦らず慌てずのんびり見て回るとしましょう。

       そして0930、艦内一般公開開始。乗艦待ちの列が動き始めます。舷門前では手荷物検査がありますが、
      手荷物のある見学者は少なく、みなさん手ぶらが多いなあ。お陰で検査に時間をとられずさくさく進むのが有
      り難い。今時の撮影はみなさんスマホですからねえ。
       ちなみに手荷物検査は男性女性に分かれていて、女性の手荷物は女性自衛官が担当していました。これは
      いい気配りですね。他のイベントでも是非取り入れて欲しいと思います。
       乗組員の敬礼を受けながら、護衛艦おおなみに初乗艦VLSの手すりに掲げられていたのは、おおなみの
      横断幕です。勇ましい虎Z旗の上で構えていて、いかにも戦闘艦らしい猛々しさ。

       そのVLSの前にあるのが127mm砲ですが、お、足元に撃ち終えた空薬莢が展示してあります。先端部
      の腐食が始まり歪みも出ていますが、これは発射後に排出された時に甲板にぶつかって形が崩れたんでしょう。
       ちなみにその周囲には、薬莢がぶつかって出来た甲板傷が沢山ありました。表面のペンキが削れ、下地の
      ビ止め塗料がむき出しになっています。甲板にぶち当る時の衝撃はすごいんだろうなあ。

       ふと見ると、甲板の片隅に恐ろしげな物体が。以前見かけた時に隊員さんに訊ねると、『んー・・・なんか
      色々使います』
と言われた謎の装備品ですが、恐らく海面に落とした舫綱等を引っ掛けて回収する道具でしょ
      うか。背中合わせにしたホモ4名をまとめて吊るしておく道具にも見えますね。ああ恐ろしい恐ろしい。

       煙突の基部に押し込んであったのが、溺者救助訓練で使用するお人形。名前は海虎(みとら)くんというそ
      うで、人見知りが激しいのでそっとしておいてくださいとの事(笑)。

       舷側通路に見えて来たのが、左舷側の三連装短魚雷発射管。こちらは艦尾を向いていて、同じ装備品でも左
      舷と右舷で向きを変えて来るあたり、見せ方をよく分かってますね、護衛艦おおなみ。
       頭上に設置された90式艦対艦誘導弾を見上げたあとは、格納庫へ。飛行甲板では、ローターブレードを大
      きく広げたSH-60K哨戒ヘリが迎えてくれました。そのSH-60Kの脇に不思議な物体が置いてありま
      すが、なんだこりゃ。どうやらこれは折りたたんだ4枚のブレードをそれぞれ機体に固定する為の器具らしく、
      そう言えば舞鶴でも見ましたっけ。台車に並べてあったので、それだと気付きませんでした。

       ローターブレード自体は相当な強度がありますが、ちょっとした揺れや風でびよんびよんと容易にしなる素
      材
で出来ているので、折りたたんだ時はこれで機体に固定しておかないと危ないそうです。
       格納庫の奥の方には、乗艦記念の顔出しパネルが。護衛艦おおなみをバックに大空を飛ぶSH-60Kの乗
      組員
、あとそれを追いかけるカモメの顔に穴が開いています。

       ふと見ると、スタンプ台を置いたテーブルの隅に、『おおなみたいがー登場まであと10分』と書かれた段
      ボールの切れっぱしが。おおなみたいがー?なんだそりゃ?と隊員さんに訊ねてみると、
       「あ、じゃあ今すぐ呼びますね!(携帯を取り出して)おーいタイガー、来てー」
       へ?いや、別に呼んでくれって言った訳ではないのですが・・・と思っていると、
       「お待たせしましたー!」
       やってきましたおおなみタイガー(笑)。という訳で、隊員さんに勧められるままにおおなみタイガーと
      オーのポーズ
で記念撮影に臨みます。俺は子供か(笑)!

       それにしてもおおなみタイガー、この為に艦内で待機してたんでしょうねえ。小さなよい子からの呼び出し
      かと思いきや、待っていたのは40過ぎたおっさんとか、タイガーもさぞかし驚いた事でしょう(笑)。とほ
      ほ。胸元にキラリと光る体力徽章が眩しいおおなみタイガーですが、そりゃタイガーですからね。体を鈍らせ
      る訳にはいきません。
       その後はヘリパイの人に質問。昨日舞鶴で、SH-60Kのウォッシュラック展示を見たんですが、上空を
      飛んでるだけで機体にってそんなにつくものなんですか?
       「ええ、普通に飛んでる分にはそんなにつきませんが、このヘリは潜水艦を探す為に海面の低い所でホバリ
      ングしますからね。巻き上げた海水を被って、帰ってきたら目で見て分かるぐらいの塩の結晶がつくんです。
      ペロッて舐めたらしょっぱいですよ(笑)」

       との事。そういえば、ディッピングソナー降ろして潜水艦を探すんでしたね。
       「ですから、艦に戻ると機体とエンジンは必ず洗浄します。艦内生活で真水は貴重なんですけど、こればか
      りは命がかかってますから(笑)」

       続いては別の隊員さんをつかまえて、護衛艦おおなみのニックネームについて質問してみます。
       「ああ、ありますよ。オーシャンタイガーっていうんです」
       へー、海の虎ですか。Z旗上の虎といい海虎くんといいおおなみタイガーといい、虎づくしなんですね。
       「ええ、このおおなみの建造計画が立ちあがった年が寅年だったので、それにあやかってマスコットキャラ
      が虎になったそうですよ」

       ははあ、てっきり初代艦長が阪神ファンだったのかと(笑)。
       「ちなみに他の艦ですが、この間就役したばかりの護衛艦かがはホワイトベースって言うそうです(笑)」
       ええ、金沢港で見て来ました。やっぱり隊員さんの間でも話題になってたのか(笑)。

       「あと、どの艦かは忘れましたが、セーラームーンってのあるんですよね(笑)」
       えええええ、せーらーむーん!?まさか艦長がファンだったとか・・・。
       「いやー、どうなんでしょうねえ(笑)。この手の艦のニックネームはだいたい公募なんですけど、最終決
      定は艦長権限ですから・・・(笑)」

       いやきっと、娘さんが大ファンとかなんだろうなあ。それにしてもどの艦なんだろう。ムーン繋がりであき
      づき型のどれかかな?
       そうなると、艦長としてはものすごく優秀なのに命名センスが絶望的にダメな人も、中にはいるのかなあ。
      私の高校時代の友人で、バトルチョッパーと名付けた通学用自転車が盗難にあい、新しく買った自転車にサイ
      クロンチョッパー
と名付けた奴がいた事を思い出しました。今どこで何をやっているのか知りませんが、あい
      つだけは艦長にしちゃダメだな・・・

       さらに別の隊員さんにも質問。先週敦賀港で行われた一般公開で、事前発表に名前があったこの護衛艦おお
      なみが当日公開されませんでしたが、何かあったんですか?
       「あ、先週のアレは最初から一般公開はたかなみだけで、このおおなみは青少年対象の特別公開だったんで
      す」

       との事。なるほど、最初からそう決まっていたのか。あの発表では、2隻とも一般公開が行われるみたいだ
      ったから、何か直前でトラブルがあったのかと思ってしまいました。場所が場所だけに北の弾道ミサイル関連
      とか。
       その後は艦橋前のファランクスが操法展示を行うとの事で、前甲板に移動。ブオーンと白煙をあげながら砲
      身を回転させるファランクスに、甲板を埋めた見学者からはどよめきが湧きあがりました。最後は三方に向か
      って律儀に頭を下げ、とても礼儀正しいファランクスの操法展示は終了。

       結局艦内や艦橋の公開はなく、上甲板のみとなった一般公開でしたが、なかなか楽しめました。先週同型艦
      のたかなみを見ているだけに新鮮さはありませんでしたが、隊員さんは色々気さくに教えてくれましたし、
      おなみタイガー
とも触れ合えましたし(笑)。内容以上の満足感がありました
       さて、この後はちょっとバアサマの所に顔を出して、あとは大阪に戻るだけ。3週連続北陸遠征イベント4
      連発
の余韻に浸りながら、伏木港万葉埠頭を後にしました。




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