OSAKA防衛防災フェスティバル2017

2017.03.15


       大阪の南港にて行われた、OSAKA防衛防災フェスティバル2017に参加してきました。これは大阪防
      衛青年部会
の主催で2年に1度行われ、陸海空自衛隊警察消防防災関連企業などが一堂に会して様々な
      装備品を見学したり防災活動を体験する事ができる、春の一大イベントであります。
       今年は16式機動戦闘車の試作車が展示されるという事で、鼻息荒く0900にトレードセンター前駅に到
      着。まだ人気の少ないWTCを抜けると、海側に沢山のテントと陸自の装備品が見えて来ました。開門待ちを
      含めて既に結構な人数が集まっていますが、今日は最前列を確保!というイベントでもないので、まずはのん
      びりと周囲を散策。いやあ、2017年のイベントシーズンもいよいよ開幕かと思うと、気分が高揚してきま
      す。
       おお、今まさに入港作業の真っ最中なのは、海自から参加のMSC683掃海艇つのしま!朝早くに兵庫県
      の阪神基地隊を出港して来たんですね。もっとも、阪基からここまで2時間もかからない位の距離。気分的に
      は寄港というより、出勤とか日帰り出張みたいなものでしょう。小回りが利いて喫水が浅く接岸場所の自由度
      が高い掃海艇は、都市部の大規模災害では大きな役割を果たせるはず。小さな体で堂々の参加です。

       そのつのしまのすぐ隣にいるのが、ローターブレード上の巨大なおモチが目立つAH−64D戦闘ヘリアパ
      ッチ
。いやあ、これを見るのも久しぶりだなあ。

       しばらく会場周辺をうろついてから、入場門前の行列へ。ふと背後を振り返ると、海沿いの商業施設の屋上
      から、陸自の隊員さんが顔を出していました。あっ、もしかすると・・・と思っていたら、すぐにロープが下ろ
      されて3名のレンジャー隊員がするすると懸垂降下開始。本番前のチェックが行われました。

       そうこうしているうちに1000の開門時刻が迫り、この頃には最後尾が見えないくらいの行列が出来てい
      ました。そして1000、開門。手荷物検査をクリアして、イベント会場に足を踏み入れます。はやる心を抑
      えつつ、まずは16式機動戦闘車が展示されている防衛エリアの最奥部へ。人混みになる前に、まずは撮影を
      済ませないと。それにしても、10式戦車どころか90式戦車すら見たことないのに、先に16式機動戦闘車
      を見る事になるとはなあ・・・(笑)。

       そのイベント会場の隅の方、客船さんふらわあをバックにして、16式機動戦闘車は静かに佇んでいました。
      おおおおお、なんというか如何にもキリキリ走り回りそうな、実に精悍な面構え。96式装輪装甲車をぎゅっ
      と押しつぶして、その上に10式戦車の砲塔を載せたみたいです。
       今回展示されたこの16式機動戦闘車は、富士学校にて試験運用されている試作車で、量産と部隊への配備
      は今年の秋以降になるとの事。空輸性の高さを生かして戦車よりも迅速で機動的な展開が可能、主砲は105
      mm
と74式戦車並ですが、新型砲弾を使えるので10式戦車の120mm砲と同等の貫通力を誇るという強
      烈な代物であります。

       また、着せ替え人形の様なモジュラー装甲を採用しており、戦闘の種類強度に応じて様々な装甲を選択す
      る事が可能。装甲自体も中空式になっていて、被弾時のダメージ軽減と早期の戦線復帰が可能になっていると
      の事。この辺は10式戦車に倣っている・・・とまあ、あまりS.A.Sらしくない小難しい事を書いてしま
      いましたが、要するにずばーっと来てぎゅんぎゅん走り回り、ズドーンと攻撃して普通科の人達がイヤッホウ!
      と言う車両であります。
       敵部隊による海岸線からの上陸を阻止すべく、普通科の火力支援が主任務になりますが、まずは一刻も早く
      数を揃えたいものですね。

       それにしても静岡の富士学校からわざわざここまで来てくれたとは・・・。もしかして自走して来たんです
      か?と係の隊員さんに尋ねると、今回はトレーラーに載せて来ましたとの事。まだ数の揃っていない貴重な試
      作車ですから、移動途中で何かあったら大変。それも当然でしょう。

       その16式機動戦闘車ですが、横から見ると思っていたよりもコンパクトに出来ているんですね。砲塔の重
      量
発射時の反動車体の重心、キャタピラではなくタイヤである事を考えると、この程度の車体で支え切れ
      るのか心配になるぐらい。とは言え、極めて高度なサスペンション制御技術のお陰で、走行しながらの射撃も
      楽々こなす
というのですから、すごい話だなあ。
       そうこうしている間にも、後方からは続々と人がやってきますが、会場の広さもあって思ったよりも混雑感
      はありませんね。もっとのんびり来てもよかったかも。

       16式機動戦闘車の隣にあったのが、81式自走架柱橋の橋梁部分。橋が崩落したり最初から存在しない場
      所に素早く架橋し、戦車等の大型車両を速やかに通過させる装備品です。
       ただ、橋梁部分が地面に置いてあるだけなので、見た目がいま一つぱっとしないのが残念だなあ。せっかく
      福井県の鯖江駐屯地からやってきたんですから、車両から橋梁部分を展開させて地面に架設する訓練展示も合
      わせて行えばよかったのに。他にも沢山の車両を持ち込んだので、展示スペースが足りなかったのかなあ。
       実際に橋梁の上を歩いてみましたが、戦車を通せるだけあってものすごく頑丈そう。滑り止めの凸凹が思っ
      たよりも大きく、慣れないと躓きそうです。

       続いてはAH−64D戦闘ヘリアパッチ。おおお、やっぱりゴツイなあ。4年前に来ていたシュッとしたイ
      ンテリっぽいAH−1S対戦車ヘリコブラに比べると、いかにも獰猛そうなマッチョ感がたまりません。
       コブラの方はなんだかんだで話だけは聞いてくれそうな雰囲気でしたが、アパッチにそれを期待するのは
      駄
だろうなあ・・・と思わせる強烈な威圧感があります。ただ、あからさまに攻撃的な風貌の割に、頭の上に
      可愛らしいおモチ
を載せているのがなんというか・・・。安岡力也のホタテマンを彷彿とさせますね(笑)。
       ちなみにこのおモチ部分は、アパッチの目ともいうべきレーダー装置。山の稜線や木立に巧みに身を隠しな
      がら広範囲の情報を探るための、独特の配置です。

       その隣にいるのが、さっき入港したばかりのMSC683掃海艇つのしま。既に舷門には乗艦待ちの列が出
      来ていますが、この後も人は増える一方だろうし、今のうちに見ておきましょうか。
       と言う訳で最後尾につきますが、甲板はそれほど混雑していませんね。どうやら乗艦規制を行っていて、
      りてきた人の数だけその都度乗艦
させている模様。ここで少々待つ事になっても、乗艦後は余裕を持ってあれ
      これ見て歩ける方が、こちらとしても助かります。

       さほど待つ事もなく、乗組員の敬礼を受けながら掃海艇つのしまに乗艦。あ、このつのしまは木造船なんで
      すね。今後は強化プラスチック製の船体が主流となる掃海艇ですが、やはり万が一の触雷を考えると、船体の
      しなりで衝撃を吸収できる木造船
の方が理想的なんでしょうね。
       ただ、これだけの規模の木造船を作れる船大工の技術の継承が難しい事と、材質である良質なアメリカ松
      供給が不安定な事、さらに木造船体の維持管理にかかるコスト船体寿命の短さを考えると、強化プラスチッ
      ク製になるのも仕方ありません。

       そのつのしまの前甲板には、掃海艇唯一の武装である20mm機関砲が。とは言えこの機関砲は戦闘目的で
      はなく、海底から切り離して浮上させた水中機雷を爆破処理する為の機関砲です。十分な仰角もとれるので
      空戦闘
にも使えない事もないそうですが、そんな場面はまずなさそう。
       ちなみに掃海艇だけに掃海訓練は日常茶飯事ですが、この機関砲の実射訓練は年に一回ぐらいとか。要は
      れ以外の方法での機雷処理
のほうがずっと多いんでしょうね。
       また、装填された機銃弾の中には一定割合で曳光弾(光りながら飛んでいく弾)が入っていて、実際の射撃
      ではレーザービーム状の弾道を見ながら機雷を狙うので、一撃必中ではない機関砲の訓練に熱を入れてもあま
      り意味がない・・・という理由もあるそうです。

       「それでも、下手な奴はなかなか当たらないですよ。上手い奴は初めてでもいきなり当てるんですが(笑)」
       やっぱり射撃センスがものを言うんですね。ちなみに海面に浮かんだ機雷の狙い方ですが、まず機雷の向こ
      うの海面に着弾させて、そこから機雷に向かって着弾点を手前に引いてくるように撃つのがコツだとか。
       「ですから、この照準器はあまり意味ないんですよね。一応ついてはいるんですけど(笑)」
       との事でした。その後は右舷舷側通路から煙突に回り、ラッタルを上がって艦橋後部の旗甲板へ。ああ、海
      自艦艇のラッタルも久しぶりだなあ。とは言え、よく考えたら昨年12月の護衛艦くらま一般公開から3ヶ月
      しか経ってないんですが。

       久しぶりに上がった艦橋前の甲板。小さな船体の割に余裕がありますが、これは掃海作業を甲板から見守る
      為。それ故に甲板自体にそれなりの高さがあり、広場に佇む先ほどのAH−64D戦闘ヘリアパッチをいい角
      度から見る事が出来ました。いやはや、後ろから見てもイカツイなあ。こんなのが爆音を上げて目の前に浮か
      んでいたら、腰を抜かしてしまいそう

       その後は艦橋へ。鋼鉄製の船体に帯びた磁気に反応する水中機雷を避ける為、船体だけではなく艦橋内部に
      も木材が多用
されています。使い込まれて角がすり減った海図台は、緊張感漂う艦橋の中で不思議な温かさ
      演出している様。
       そしてこの艦橋ですが、護衛艦と違って正方形に近い形状なので、意外と広々した印象。ほぼ全周に渡って
      窓があるおかげで採光がよく、明るい雰囲気なのも開放感に拍車をかけています。まず無い事ですが、掃海艇
      から護衛艦に配置換えになったら、慣れるまでは艦橋の暗さと狭苦しさに息が詰まるだろうなあ。

       艦橋中央には操舵装置機関制御装置がコンパクトに纏められていますが、腰を引っ掛ける程度の粗末な木
      の椅子の内側が、書類入れになっているのが面白い。小さく狭い掃海艇ならではの収納テクニックです。

       艦橋のラッタルから一層下の甲板に降りると、珍しく士官寝室が公開されていました。入口にロープが張っ
      てあるので中を覗ける程度ですが、扉もベッドも木製なのでかなり柔らかい雰囲気。日々の緊張感とストレス
      に苛まれるのは艦艇乗組の宿命ですが、つかの間の睡眠がとれる寝室の雰囲気がこうというだけでも、かなり
      気分は楽なんじゃないかなあ。殺風景な護衛艦やキャンパス製の棚みたいなミサイル艇、過酷極まる住環境の
      潜水艦の乗組員が見たら、羨望のため息をつきそう。

       その後は後甲板へ。機雷処分具を牽引するケーブルの巻き取り機クレーン様々な装備品が詰め込まれた、
      屋根のない工場みたいな区画です。片隅には黄色い機雷処分具PAP104時限爆弾が、架台に載せて展示
      してありました。

       この金色の爆弾を腹に抱えたPAP104がリモートコントロールで水中機雷に忍び寄り、時限爆弾を投下
      してスタコラサッサと逃げ帰って来る訳です。なんというか、でかい魚がウ○コして逃げてくるみたい。作業
      そのものは危険極まりないのに、妙にユーモラスな光景を想像してしまいました。
       以上で掃海艇つのしまの見学は終了。いやあ、やっぱり艦艇一般公開はいいですね。また阪神基地隊にも行
      きたいものです。

       その後は会場の一角にあったグッズ販売テントへ。何か掘り出しものはないかな・・・と見ていたら、おっ、
      こんなのあったんですね、航空自衛隊那覇基地カレー!ダメもとでも見てみるもんだなあと、ホクホク顔で2
      つ購入です。
       そのテントの上に、ゴルゴ13が自衛隊に入隊するという妙な幟を発見。うーん、こんな新隊員を担当する
      羽目になった教育隊の班長のストレスが思いやられます。っていうか隊員食堂でみんなと一緒にご飯を食べて
      るゴルゴや、洗面器を持って風呂に行くゴルゴ、シーツの張りがなってないと怒られてやり直しさせられてる
      ゴルゴ、休日に制服を着てみんなと街にお出かけするゴルゴ、駐屯地創立記念行事で楽しそうにたこ焼きを焼
      いている
ゴルゴとか想像すると、変な笑いがこみ上げますね。

       随分と人が増えてきた防衛エリアを一旦離れて、防災エリアへ行ってみましょう。大阪府警からは青と白の
      カラーリングも鮮やかなレスキュー車を出していて、沢山の装備品を並べていました。よく見ると陸自の人命
      救助セット
とほとんど同じ内容で、やはり災害現場での連携を考えると、装備品ひとつとっても互換性がある
      方がいいんだろうなあ。

       国土交通省日本赤十字車両装備品救急蘇生法の展示を見学した後は、一般社団法人防災安全協会
      非常用保存食コーナー
へ。複数のメーカーがそれぞれ工夫を凝らした保存食を持ち込み、試食も行っています。
       まずはレトルトの筑前煮。大ぶりなレンコン、ニンジン、里芋、ゴボウ、たけのこ、鶏肉が入っていて、見
      た目といい味といいとても長期保存食とは思えません。

       その上にあるのは6年間の保存が可能な、スーパーバランスというクッキー。カロリーメイトみたいな形状
      ですが、これも普通に美味しいなあ。防災備蓄職の概念が変わってしまいそうです。
       そして面白かったのがこれ。おやつのきなこもちかと思いましたが、最初からご飯と混ぜてあるレトルトカ
      レー
でした。アレルギー体質の人でも安心して食べる事が出来る様、27種類の特定アレルゲンを使わずに作
      っている
そうです。かなり大人しい味付けですが、これは病人食としても使えるようになっているため。食物
      アレルギーに配慮しつつここまでの味に出来るなら、大したものですね。見た目はカレー練り飯みたいですが、
      レトルトにスプーンを突っ込んで食べるなら何の問題もないでしょう。

       そして炊き出しコーナーで頑張っていたのが、陸上自衛隊千僧駐屯地第3後方支援連隊から参加した野外
      炊具1号(改)。6基のバーナーの他に発電機各種調理器具を搭載し、炊飯の他に煮る・揚げる・焼く・炒
      める
の全てをカバーできるスグレモノです。これ1台で、最大250人分の主食副食を僅か45分で用意出来
      る
というのだから、まさに移動するキッチン。

       5名の隊員さんがてきぱきと動き回り、出来上がった豚汁は大きな鍋ごと配食テーブルへ。よく見るとテー
      ブルに運び込まれた鍋に、保温用と思われる段ボールが巻きつけられています。少しでも温かい状態で提供す
      るぞ!
という、手元にあるもので創意工夫を重ねた隊員さんの心配り。この炊き出しに励まされ元気づけられ
      た人が、一体どれだけいる事やら・・・。

       ちなみにこの大きな鍋一つで、170人分の豚汁だそうです。整理券を持った来場者は長い行列を作ってい
      て、調理作業の隊員さん達は一息つく間もなさそう。
       同じく第3後方支援連隊からは、野外入浴セット2型を使った足湯も展開していました。浄水機能つきの貯
      水タンク
ボイラー車、脱衣所として使用する天幕セットまでひと揃いになった、これも大規模災害の被災地
      には欠かせない装備品です。
       ふと海上に目をやると、すごくかっこいいボートがやって来ましたよ。大阪市消防局ゆめしま1号ですが、
      なんだかSF映画の乗り物みたい。実用一点張りの組織だけあって、これも理由あってのデザインなんでしょ
      うけど、乗ってる人もなんだか妙に誇らしげに見えます(笑)。

       その消防局ですが、煙体験テントの他にも応急手当体験消火体験など、いかにも災害対策の要らしく大き
      なスペースを用意して様々な体験型展示を行っています。
       そして敷地の一番端に置いてあったのが、大阪市消防局が誇る拠点機能形成車。まるで某伝説巨人を彷彿と
      させる真っ赤な大型トラックですが、被災地における災害救助の作戦司令部として機能する移動基地でありま
      す。

       現地到着後は車幅を拡大し、作戦会議室として十分な空間を確保するだけでなく、100名の宿泊が可能な
      大型テント仮設ベッド寝袋、食事を提供できる調理設備浄水器簡易トイレシャワー発電機投光
      機
カメラPC衛星通信装置まで搭載。さらには車体後部に重量物の搬入を行えるパワーゲートまで装備
      しているとの事。
       大規模災害への対策に万全などあり得ませんが、こうして自分達が知らないところで着々と備えが進められ
      ている
のは、実に頼もしい気がします。万が一の時には頑張ってもらいたいなあ。
       ちなみにこの大阪市消防局の拠点機能形成車ですが、先の熊本大震災では現地に駆け付け、消防本部をサポ
      ートしながら救援活動に従事
したとの事。本当に御苦労様でした。

       防災グッズを展示している企業ブースに、面白いものを発見。見た目はただのプラスチック製ペール缶です
      が、ヒノキくずと組み合わせると断水時の簡易トイレになる『ゆうペール』

       ヒノキくずには消臭・脱水・抗菌と様々な効果があり、使用後はビニール袋ごとでくるんで普通に可燃ごみ
      として処理可能
。なるほどこれは便利そう。ヒノキくずは間伐材端材の有効利用が見込めますし、何よりも
      適切な保存環境下
なら使用期限がほぼ無いに等しく、一度用意すれば途中で買い替えたりする必要がないのが
      大きいなあ。

       もうひとつ面白い物を発見。こちらはなんと、水を電源として使えるライトです。説明を聞いた時は一瞬耳
      を疑ってしまいましたが、どうやら電池部を10秒間水に浸すだけで発電を開始するらしく、充電等は一切不
      要。泥水汚水でも問題なく使え、乾いても水に浸せば再利用可能。凄いなあ、こんなの一体誰が考えついん
      んだろう。

       ステージ広場では陸上自衛隊中部方面音楽隊によるミニコンサートが催され、沢山の人達が集まっていまし
      た。戦闘服姿の音楽隊が演奏したり歌ったりする様子は、初めて見る人にとっては珍しい光景だろうなあ。
       その後は、防衛エリアに展示してある車両群を見て歩きます。155mmFH−70榴弾砲偵察警戒車
      装甲機動車野外手術システムは駐屯地創立記念行事でお馴染みですが、おっ、94式水際機雷敷設装置
      
で来ているんですね。

       敵部隊の上陸を阻止すべく、機雷を海岸線に敷設する水陸両用車ですが、車体後部に取り付けられた小さな
      スクリュー2つで、こんな巨大な車がとして航行できるとは。漁港によってはスロープ状に海に入れる坂道
      もあったりするので、災害時にも使えるかも。
       あと千僧第3特殊武器防護隊からは、NBC偵察車が持ち込まれていました。妙に遊び好きでPR上手な
      3特防
らしく、マネキンのフリをして動かない個人用防護装備姿の隊員さんを配置して見学者を驚かせたり、
      車体の四隅に3特防の任務を分かりやすくまとめた小冊子を吊るしたりと、ここでもその個性を発揮中。

       こういう部隊が自衛隊にあって、常に万全の態勢を整えている・・・という事をアピール出来るのはいい事
      です。ちなみのこの特殊武器防護隊、その性格上白衣姿の研究者集団的な存在と思われがちですが、動きづら
      い防護服
重い除染タンクを背負いながら普通科同様の戦闘訓練もこなすという、イメージとは真反対の超肉
      体派職種。頭は要求されるわ体は使うわ、ほんと大変です。

       おっ、レンジャー隊員による懸垂降下展示が始まる模様です。会場背後の商業施設屋上から、3名の隊員さ
      ん
がいとも簡単そうにロープ伝いに降りてきて、会場からは大きなどよめきが上がりました。
       さらにもう3名が屋上の縁に腰掛けて降下の態勢に入りますが、よくもまああんなところに平気で座れるも
      んですねえ
。いくら訓練を積んでいるとはいえ、想像しただけで足の裏がぞわぞわしてきます。そしてその3
      名も、忍者の如くあっという間に降りてきました。

       本格的な登山をやる人なら身につけている技術ではありますが、この人達は飲まず食わず休まず眠らず、あ
      えて自分をボロボロの状態に追い込んだ上でこんな技を身につける
のですから、私達の想像を遥かに絶する世
      界なんだろうなあ。

       最期は掃海艇つのしまをバックにポーズを決めている、大阪地方連絡本部の誇るマスコットキャラまもる君
      
の撮影会に参加。いやあ、どこに行っても人気者ですねまもる君。モテモテなのは羨ましい限りだ・・・。

       と言う訳で、今年一発目となったOSAKA防衛防災フェスティバル。今回も大盛況だった様で何よりでし
      た。16式機動戦闘車は見れたし航空自衛隊那覇基地カレーは買えたし、最高のスタートとなりました。
       ただ豚汁の試食については、もう少し工夫の余地があった気もしますね。せっかく準備を整えて臨んだ大き
      なイベントだったんですから、試食の合間に作っている隊員さん達のショートインタビューを挟んだり、野外
      炊具1号(改)の説明
を挟んだりしても面白かったと思います。
       日常の訓練や災害派遣での苦労話や、仕事にやりがいを感じた瞬間、炊き出しでいつも心がけている事
      意としているメニュー
、その他普段のちょっとしたエピソード等を、まもる君がインタビュアーとなって試食
      中の人達に聞いてもらうのはどうでしょうか?
       野外炊具1号(改)の説明パネルはありましたが、あまり来場者の目には止まっていなかった気がしたので、
      『豚汁なら一度に○○○人分作れます!』とか『カレーならご飯も合わせて一度に○○○人分作れます!』
      いう紹介も、インパクトが大きいと思います。その度にまもる君には大げさに驚いてもらったりして(笑)。
      一杯の豚汁がさらに印象深くなる上に、自衛隊の存在もより一層身近になるはず。
       甚だ素人考えではありますが、ぜひ御一考頂きたいものだ・・・と思いつつ、イベント会場を後にしました。




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