桂駐屯地創立63周年記念行事

2017.11.05


       京都市西京区に所在する、桂駐屯地の創立63周年記念行事に行ってきました。桂駐屯地には中部方面後方
      後方支援隊本部
の他に関西補給処桂支処第318基地通信中隊桂派遣隊第131地区警務隊桂連絡班等の
      部隊が駐屯地し、補給、整備、輸送、不発弾処理等様々な面から中部方面隊諸部隊を支援する、まさに縁の下
      の力持ち
的な存在であります。
       どれだけ立派な装備品を揃えどれだけ厳しい訓練を重ねても、後方支援の部隊がきちんと機能しないと現場
      はあっという間に干上がってしまう・・・
そんな極めて重要な責任を負った駐屯地と言えますね。
       またここ桂駐屯地は、毎年春に行われる桜まつりでも評価が高く、静かで穏やかな本来のお花見を求めて毎
      年多くの来場者がやってくる事でも知られていますが、それよりも私的に桂駐屯地イチオシなのは、敷地内で
      今も現役の工場として使われている旧三菱重工のノコギリ屋根工場なんですよね(笑)。あの味わい深さは格
      別だよなあ・・・とワクワクしつつ、当日は0815に京阪電鉄洛西口駅に到着。正門前には既に4~50名
      の開門待ち
が出来ていますが、これならまだ少ない方かな?ここで富山県から遠征して来たSAA水兵さん
      合流します。

       その後行列が動き出し、開門。手荷物検査をクリアして2年ぶりの桂駐屯地に足を踏み入れます。流れに乗
      って式典会場に辿り着き、会場南側の西寄りに場所を確保。
       さて、それでは駐屯地を歩き回るとしましょう。まずは私の大好きなノコギリ屋根工場からですが(笑)、内
      部には紅白の鯨幕を張った雨天式典会場がありました。天気予報では晴れでも、一応準備はするんですね。い
      かにも陸自らしい用意周到さと言えます。

       茶色く変色したトタン板越しに入り込む柔らかい太陽光、湿っているのか埃っぽいのかよく分からない空気、
      縦横無尽に張り巡らされた天井部の鉄骨・・・いつ見てもたまンない味わい。ああ、中に入ってみたい・・・。
       おっ、すぐ前の道路に74式戦車を乗せた特大型セミトレーラがやってきました。やっぱりノコギリ屋根工
      場群をバックにすると絵になるなあ。控え目な紅葉も実にいい雰囲気です。

       その後は屋台広場へ移動。おおお、外部業者の屋台がずらりと並んでいますよ!6年前に来た時は、隊員さ
      んの屋台が控え目に4つほど出ているだけでしたが・・・ほんと来場人が増えましたからねえ。そのぶん隊員
      さん手作りの屋台が姿を消し、創立記念行事らしい個性が薄れつつあるのはどこの駐屯地も同じですが、業者
      の屋台をこれだけ動員できるという事は、それだけ桂駐屯地のイベントに目を向ける人が増えた証であり、
      
駐屯地が地域に密接に結びついている証でもあります。正直少々寂しくはありますが、これは喜ぶべき事でし
      ょう。

       そんな事を考えつつ、偵察隊の如く屋台の陣容を把握していきます。業者の屋台とあって、どこも完成度が
      高そうだなあ。朝イチからこれかよ!という気もしますが、まずは滋賀県高島市からやってきた『鳥中』
      んちゃん
(鶏肉なのに?)、これ行ってみましょう。一発目は景気良く行きたいですし(笑)。
       香ばしく焼き上げられた鶏肉は重厚な赤味噌味で、清涼感のある生キャベツとの相性が抜群。普段しじみ汁
      
ぐらいにしか使わない赤味噌ですが、こんな使い方もあったんだなあ。これはご飯でもなくビールでもなく、
      冷やのコップ酒が一番合う気がしますね。朝からぺろりと平らげてしまいました。

       お次はこちら。京都市右京区の和ダイニング『一政』モツ煮込み。マンボウの湯引きにも魅かれましたが、
      この季節はやはり温かさこそがご馳走です。
       という訳で入手したモツ煮込みは、いかにも京都らしい甘い白味噌仕立て。たっぷり入ったモツはクセも脂
      臭さもまるでなく、その旨味を吸った大根ニンジンコンニャクも美味しいなあ。たっぷりのショウガと青
      ネギ
が全体のまろやかな甘さを引き締めていて、上品かつ満足度の高いいかにも京都らしい味わいです。

       流れる様に3品目。これも地元京都の『モっさんのべた焼き』塩べた焼き。お好み焼きの原型、チープ&
      ディープな屋台定番の味ですが、塩味なのは珍しい。
       ほほう、これはこれは・・・鉄板で香ばしく焼かれたたまご生地と、蒸し焼きになったキャベツの優しい甘
      味が実にいいコントラスト。基本マヨネーズ味ですが、そこに僅かな塩と・・・この香りはごま油かな?ソー
      ス味のお好み焼きが初手からズドンと効かせる味なら、こちらは後からじんわりと効かせる感じ。そのぶんひ
      と口目はやや物足りなく感じますが、食べ進むうちに「うん・・・これは・・・イイ・・・」と唸らされる味
      わいでありました。

       その後は売店を一回りして、さてそろそろ会場に戻・・・ええい、やっぱりもう一品食べちゃえ!(笑)
      しぶりの駐屯地創立記念行事で、胃袋のテンション上がってるな俺(笑)。とは言え既に結構食べているので、
      最後はなにか軽めのものを・・・よしこれ、とんこつたこ焼き!
       「とんこつ味がついてますけど、ソースとマヨネーズはどうしましょうか?」
       と店員さん。そうですね・・・半分はそのまま、もう半分にソースでお願いします!そして受け取った初め
      てのとんこつたこ焼きですが、これがもう殺人的な熱さ。鉄板からおろしたてなので当然ですが(笑)、やっ
      ぱりたこ焼きは口の中でアフアフしてこそ。焼きそばは意外と焼き置きの方が美味しかったりする事がありま
      すが、たこ焼きは熱さが命です。

       変な顔になりながら口の中で必死で冷ましたとんこつたこ焼きですが、外はカリカリ中はとろとろの絶妙な
      焼き上がり。それにしてもこれ、滅茶苦茶美味しいですよ!、とんこつ味というよりクリームソース味になっ
      ているのが面白い。恐らく薄めの豚骨スープで小麦粉を溶いたと思われますが、小麦粉の粉っぽさが豚骨の臭
      みを消して濃厚で滑らかな旨味だけになった感じ。摩訶不思議でありながら、非常に洗練されたたこ焼きでし
      た。
       いやあ、勢いのままに朝から4品も食べてしまいましたが、このとんこつたこ焼きが一番インパクト強かっ
      ですね。まったく驚きの美味でありました。

       お腹いっぱいで式典会場に戻ったところで、部隊が続々と入場を開始。各隊の紹介が行われ、向かって左か
      ら第3音楽隊(千僧)、中部方面後方支援隊本部付隊(桂)、第107全般支援大隊(桂)、第101補給大
      隊
(桂)、第303弾薬中隊(祝園)、第306普通科直接支援中隊(豊川)、第307普通科直接支援中隊
      
(海田市)、第302高射直接支援中隊(青野原)、第104施設直接支援大隊(大久保)、第30通信通直
      接支援隊
(伊丹)、第103不発弾処理隊(桂)、中部方面輸送隊(桂)、関西補給処桂支処(桂)、中部方
      面通信群第318基地通信中隊桂派遣隊(桂)。

       部隊が紹介される度に詳しい紹介が行われますが、普通科や特科、機甲科といった専門性の高い分かりやす
      い部隊とは違い、多種多様な職種が寄せ集まる後方支援隊はその全体像がなかなか把握しづらいので、各部隊
      についての分かりやすい説明は有り難いですね。
       それにしても、整列したまま微動だにしない隊員さん達の半長靴が、どれもピカピカなのがお見事。離れた
      ところからでも、いやむしろ離れているからこそ一目でわかる手入れの行き届き具合です。きっと前日から念
      入りに磨きぬいたんだろうなあ。

       続いて本式典の観閲部隊指揮官を務める中部方面後方支援隊副隊長加藤一等陸佐がパジェロで入場。幕僚と
      敬礼を交わした後、部隊は観閲部隊指揮官に敬礼。
       そして本式典の観閲官である中部方面後方支援隊長兼ねて桂駐屯地司令榑林一等陸佐が、黒塗りの業務車で
      入場。桂駐屯地創立63周年記念行事の挙行が宣言され、部隊は観閲官に敬礼、捧げ銃
       そして部隊は着け剣、参加者も起立の上、国旗入場を迎えます。国歌君が代が厳かに吹奏される中、部隊は
      再び捧げ銃。アナウンスが着席を促すと、どこかホッとした空気が漂います。

       その後は部隊巡閲。パジェロに乗った観閲官が部隊の前をゆっくりと通り過ぎる度に隊旗が掲げられ、部隊
      は敬礼。車上の司令は柔和な笑顔ですが、よく見ると各部隊の前を通るたびに小さく頷いていますね。これは
      アイコンタクトというより、何か念を送っている感じです。日本全土を5つの防衛警備区に区切った方面隊の
      うち、最大面積を誇る中部方面隊の兵站最高責任者が後方支援隊長です。ただニコニコしている人間に務まる
      訳がありません。隊員さんにとってはこの微笑みが
       「いつも御苦労!これからもその調子で頼むぞ!」
       という激励に思えたり、
       「もっとしっかりしろよこの野郎!」
       という強烈なプレッシャーに感じたりするんでしょうね(笑)。

       部隊巡閲の後は観閲官式辞。さらに来賓祝辞来賓紹介共催者紹介感謝状贈呈者紹介祝電披露と式典
      は粛々と進行。そして
       「観閲行進の、態勢をとれー!」
       の号令一下、部隊は整然と退場。第3音楽隊が観閲壇正面に移動して、いよいよ観閲行進が始まりました。
       先頭を切るのは観閲部隊指揮官と幕僚を乗せたパジェロ、さらに関西補給処桂支処と中部方面通信群第31
      8基地通信中隊桂派遣隊のパジェロが続き、中部方面後方支援隊本部付隊からはパジェロシェルターを搭載
      したトラック
がやってきました。
       続いては第107全般支援大隊からパジェロ重レッカシェルター搭載トラック。第101補給大隊から
      はジェロシェルター搭載トラック燃料タンク車作業機付きの7㌧トラックバケットローダ

       第303弾薬中隊からはパジェロ重レッカ、第306普通科直接支援中隊からはパジェロ幌付きの7㌧
      トラック
、第307普通科直接支援中隊からはパジェロシェルター搭載トラック、第302高射直接支援中
      隊からはパジェロシェルター搭載トラック重装輪回収車がやってきました。
       第104施設直接支援大隊からはパジェロシェルター搭載トラック重レッカ。第302通信直接支援隊
      からはパジェロシェルター搭載トラック、第103不発弾処理隊からはパジェロ不発弾処理車。ここまで
      OD色の車両ばかりだったので、純白の不発弾処理車がひときわ目立ちます。
       そしてトリを務める中部方面輸送隊からは、パジェロコンテナ搭載トラック、あと74式戦車を搭載した
      特大型セミトレーラ
がやってきて、観閲行進を締め括りました。

       いやあ、パジェロとシェルター搭載トラック、重レッカが大活躍でしたね。徒歩行進もなく地味な顔ぶれで
      したが、部隊の特徴を表に出したシブめのカッコよさがある観閲行進でありました。
       拍手に送られて第3音楽隊が退場し、観閲部隊指揮官が観閲行進の終了を報告。来場者起立で国旗を見送り、
      以上で桂駐屯地創立記念行事の式典は終了。引き続き訓練展示に移ります。

       まずは格闘訓練展示から。『ワルキューレの騎行』のBGMが流れる中、各部隊から選抜された約30名の
      格闘訓練展示部隊
が入場。防弾ベストにフェイスペイント姿が、実にものものしい雰囲気を醸し出しています。
       まずは会場正面にむけて横一列に並び、突き蹴り銃身銃床を使った基本動作を披露。続いて様々な状
      況
を想定した対処要領。ナイフ拳銃小銃を相手にした近接戦闘を、次から次へと実演です。

       突きつけられた拳銃を一瞬で奪い取る素早い動きや、捉えた小銃の長さを生かして相手の態勢を崩す動きは、
      
まさに積み重ねた訓練の賜物。大きな拍手を浴びながら、格闘訓練展示部隊は退場です。

       次は今年3月に新設されたばかりの、第101補給大隊による訓練展示。大きなトラックが砂煙を巻き上げ
      ながらなだれ込んできて、素早く停車。目の前に来たトラックからは牽引していた大きなトレーラが切り離さ
      れ、何やら折りたたみテーブルの様なものを出しています。
       ちなみに今回の訓練展示で初のお披露目となる第101補給大隊ですが、隊員さんの半数以上が即応予備自
      衛官
で構成されているとの事。補給中心という珍しさもあり、久しぶりの訓練展示にワクワクしてきます。観
      閲壇正面に整列した隊員さん達は指揮官の号令に大きな気合を返し、素早く各自の持ち場につきました。

       目の前に来た大きなトレーラが展開すると、ああ、これ野外洗濯セットだったのか!外装パネルを開いた状
      態でしか見た事がなかったので、全然分からなかったなあ。

       会場左手では冷凍冷蔵車による補給展示が始まっている様ですが、うぬぬ、目の前に野外洗濯セットとトラ
      ックが立ちふさがり、その様子が全く見えません・・・。こればかりはどうしようもないな。指揮官が補給品
      リスト
を読み上げていますが、
       「牛肉、10kg!」
       「オリャー!」

       なんていう号令が飛び交う訓練展示なんて、なかなか見る機会がないのに・・・。
       続いてこちら側、野外洗濯セットの訓練展示が始まりました。この装備品は野外で一時間に60人分の戦闘
      服の洗濯乾燥が可能
というスグレモノで、清潔な戦闘服は隊員の士気高揚に非常に有効だそうです。そういえ
      ば阪神大震災では、救援任務でボロボロになって戻って来た陸自の隊員さんの泥まみれの戦闘服を、海自の隊
      員さん達が洗濯したんだっけなあ。
       万が一の事態に備えて最低限の人員は艦に残らざるを得ず、それでも自分達に出来る事はないかと乗組員が
      申し出て、陸自隊員の汚れた戦闘服を夜を徹して洗濯し、ブーツについた泥をかき落としたんでしたっけ。翌
      朝見違えるようにキレイになった自分たちの装備品を見た陸自の隊員さん達の胸には、きっと熱く漲るもの
      あっ
たに違いない・・・。

       「これより戦闘服の洗濯及び○○(はっきり聞こえず)を実施する!2、4乗車!1、3準備!」
       「ウオリャー!」
       「洗濯開始!」
       「よぉーし!」
       「乾燥した戦闘服を取り込め!」
       「了解!」

       うーん、こんな緊迫感のある洗濯って初めて見た・・・。とは言えたかが洗濯と侮ってはいけません。陸自
      の戦闘服には山間部の木々に溶け込む効果とともに赤外線の反射を抑える能力もあり、隊員さんの身を守る
      っきとした装備品なのです。
       さらに野外洗濯セットの向こうでは訓練展示が続き、燃料が入った1本200kgものドラム缶を積載する
      訓練や、フォークリフト大型トラックのエンジンを荷台に積み込む訓練が繰り広げられている模様。ちなみ
      にこの一連の訓練展示、時間の都合上こうして明るい昼間に行っていますが、実際は真夜中に灯りなしで行う
      らしく、各員の動きや手順、タイミング、動線の全てがきちんと定められているとの事。

       そうか、月あかりもない真っ暗やみの中、フォークリフトを操って重量物を積み込んだり車両を整備したり
      燃料を補給したりしているのか・・・。素人目にはちょっと大げさに見える必要以上にシステマティックな動
      
にも、きちんとした理由があるんですね。
       見学者それぞれに思うところがあったのか、展示を終えた部隊は大きな拍手を浴びながら撤収。来た時と同
      様に砂塵を巻き上げ、疾風の様に退場して行きました。
       いやあ見どころがあったなあ・・・と思っていたら、さらに第305輸送隊による戦闘訓練展示も行うとの
      事。おおお、盛り盛りですね桂駐屯地。
       状況開始ラッパが鳴り響いて戦闘訓練展示開始。M2重機関銃を搭載したパジェロ7㌧トラックがやって
      きて、周囲をぬかりなく警戒。安全が確認された地域には74式戦車を積載した特大型セミトレーラが入って
      きました。前線への輸送任務の途中らしいです。

       ここで会場北側から飛び出してきた敵のゲリラが奇襲開始。パジェロと7㌧トラックはすぐに散開して応戦。
      M2重機関銃が猛然とを吹き、一面に白煙が漂います。

       輸送部隊の反撃により敵ゲリラの制圧に成功しますが、7㌧トラックの乗員が負傷。特大型トレーラも対戦
      車弾
をくらって走行不能、部隊は立ち往生となりました。さらに進行方向前方にて不発弾が発見され、進退極
      まった部隊は後方の本隊に状況を報告します。

       「こちら輸送隊長、了解!回収の為の部隊を速やかに派遣する!」
       合わせて負傷者を搬送する為に飛行隊にも出動要請がかかり、まずは先陣を切って第103不発弾処理隊
      到着。重レッカも駆けつけて、走行不能となった牽引車とトレーラの切り離し作業が始まりました。

       現場の不発弾を確認した処理班長は、前後2ヶ所の信管を同時に処理できるロケットレンチの使用を決断。
      第107全般支援大隊
が牽引車の回収を急ぐ中、着々と不発弾の安全化作業が行われます。

       「中隊長、こちら不発弾処理班長!信管処理の準備、完了!」
       周囲を警戒していた隊員や牽引車の回収作業を行っていた隊員に、万が一の事故に備えて退避命令が下りま
      した。

       「点火用意、点火!」
       内蔵火薬の爆発により高速回転したロケットレンチが、爆弾の信管を一瞬で抜き去ります。

       「中隊長、こちら処理班長!信管離脱、成功!」
       「こちら中隊長、了解!作業再開せよ!」

       信管を抜かれた爆弾が不発弾処理車に慎重に積み込まれる中、トレーラから切り離された牽引車は重レッカ
      に引かれて退場。入れ替わる様にして輸送隊から新たな牽引車がやってきましたが、うわっ、速っ!牽引車っ
      て、単独だとあんなにラリーカーみたいに走れるのか。トルク太そうしだなあ

       そして新たな牽引車は、74式戦車を載せたままのトレーラに切り返しなしで一発ドッキング。助手席の隊
      員と誘導員がいるとはいえ、スッとやってきてカチっと決めて見せるのはすごくカッコイイ。たぶんこの作業
      も、暗闇の中だろうが当たり前にやってのけるんだろうなあ。

       不発弾処理車と特大型トレーラが去っていく中、最後はUH-1J多用途ヘリによる負傷者の後方搬送が行
      われました。
       しかしそのまま後方へと去っていくと思われた7㌧トラックと特大型セミトレーラがまわれ右して戻ってき
      て、なんと目の前に停車。またしてもの様に立ちふさがります。ぐぬぬぬぬ、ヘリの離着陸が・・・。仕事
      終わったなら帰ってよ(泣)
!と思いましたが、ヘリが離陸するまで周囲を警戒するのは当然ですし、やっぱ
      り最後は参加車両が勢揃いして締めたいんだろうなあ。とほほ。

       という訳で、後方支援隊の魅力を余すところなく紹介した訓練展示は以上で終了。確かに見損ねはありまし
      たが、見れた範囲でこれだけ内容が濃ければ十分満足です。
       その後はノコギリ屋根工場の周囲をウロウロしますが、見て歩けるところはほんの僅か。今日が土砂降りだ
      ったらこの中に入って式典だったのに、つくづく残念・・・。全国各地に駐屯地は数あれど、晴天が恨めしい
      創立記念行事なんて桂ぐらい
であります。

       装備品展示会場の奥に展開していたのは、いかにも後方支援隊らしい装備品である野外浄水セット一式。自
      然水を汲み上げて逆浸透濾過する事により、一日で70㌧もの飲料水を作り出す実に頼もしい奴です。日常の
      訓練や演習でも活躍していますが、やはり大規模自然災害の被災地での奮闘ぶりが印象に強く残りますね。
      れと野外入浴セットに元気づけられた人が、果たしてどれだけいた事やら・・・。
       その野外入浴セットの脇では、テーブル上に集合したアヒルちゃん小隊が愛嬌を振りまいています。桜のマ
      ークはありませんが、これも装備品なのかな?子供は喜びそうですが(笑)。

       一角には小火器展示コーナーもありました。
       「火炎放射器があるのに89式が無いのは珍しいですね(笑)」
       とSAA水兵さん。ほんとだ、普通は逆ですよね。やっぱりこれも後方支援隊らしさなんでしょうか。

       その後は駐屯地資料館を見学し、開放されたグラウンドの装備品展示会場へ。おっ、木枠の上に置かれた
      かいバスタブみたいなのは、74式戦車のエンジンです。いつ見てもデカイなあ・・・と見とれていると、
      ッテリー
に接続して実際にエンジンを動かして見せるらしく、整備の隊員さんが
       「すみません、排気が直撃するとニオイがつくので(笑)、排気口から少し離れてもらえますか?(笑)」
       との事。いやいやいやいや、それは是非とも直接嗅がねばなるまい(笑)!

       そして隊員さんは慣れた手つきでバッテリーの端子にケーブルを接続。しかしバッテリーもでかいなあ。
      ーブルも極太
ですし、やっぱり戦車の部品はモノが違う・・・。
       すぐにエンジンにが入り、左右の排気口からは白い煙が噴き出し始めました。確かに臭いといえば臭いで
      すが、なんかバスの後ろの匂いっぽくて、これはこれで悪くないなあ。

       ガルガルガルガルと唸りを上げるエンジンですが、うわっ、フライホイールが凄い勢いで回転してますね。
      ピストンだけでもペンキ缶ぐらいある戦車のエンジンが目の前で動くのは、ちょっとした感動でした。と、こ
      こで隊員さんがエンジンをカット。何か不具合でもあったのかな?と思ったら、
       「あ、音楽隊の演奏が始まりましたから、迷惑になるかなと思いまして(笑)」
       との事でした。それならいっそ、曲に合わせて回せばいいのに(笑)。

       さて、とりあえず見れるところは概ね見て回れました。それにしても来週の姫路、再来週の宇治、12月に
      入っての福知山、さらに阪神基地隊ウィンターフェスタと、今年も遅くまでイベントが目白押しであります。
      年内のイベントは年内にレポを上げたいですが、スケジュール的にはかなりタイトだなあ。今年も最後の最後
      まで走り回りか・・・まあそれもよし!と呟きつつ、ノコギリ屋根工場の桂駐屯地を後にしました。




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