奈良少年刑務所矯正展
2015.09.13
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奈良県に所在する、奈良少年刑務所の矯正展に行って来ました。奈良少年刑務所は法務省矯正局に属し
た全国に7箇所ある少年刑務所の一つで、1613年に奈良奉行所として発足した後に奈良監獄と改称され、
1946年以降は奈良少年刑務所になったそうです。
現在は約700名の受刑者が収監されていますが、少年刑務所と言いながら意外にも未成年は少なく、結
構高齢の受刑者も多いとの事。この辺りの制度的な事情はよく分かりませんが、刑務所暮らしを箔付けと考
えている特殊な価値観の人達にとって、ぶち込まれるのが少年刑務所というのは結構屈辱感がありそう。
当日早朝、小雨がぱらつく近鉄奈良駅に到着です。駅前バスターミナルの青山団地行き②番乗り場に向か
いますが、観光客が集まる他の乗り場に比べると、人が全然いません。あまり人気ないのかなあ、矯正展。
しばらくしてやってきたバスに乗り込み、静かな街並みの中を走って今在家(いまざいけ)バス停で下車。日
曜朝のしんと静まり返った住宅街の坂道を上って行くと、右手に異様な建物を発見です。周囲をブロック塀と
鉄条網で囲まれた赤レンガ建築物ですが、窓は錆びた鉄板で覆われ屋根は抜け、酷い事になってます。レン
ガの表面を覆った黒カビが、まるで焼け焦げた跡みたい。
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これはどう見ても住居ではなく、放置された倉庫もしくは電気設備の跡の様ですが、これも刑務所の施設だ
ったのかなあ。
その坂道を上って行くと・・・おお、あれか。見えてきました奈良少年刑務所の赤レンガ!まさしく塀の向こう
という雰囲気です。
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と言う訳で奈良少年刑務所の正門前に到着。おおお、ネットの画像で見た印象よりも、ずっと大きくて立派
だなあ。鮮やかな色合いの赤レンガが実に美しく、江田島の海軍兵学校や各地の戦争遺跡で見る赤レンガ
建築とは趣をまるで異にする、なんともお洒落な雰囲気。
曲線を多用したシルエットはなんとなくタージ・マハールを連想させますが、赤レンガが暖炉の印象と被るせ
いか、暑いインドよりも寒いロシアの雰囲気かも。思わずパルナスの曲を口ずさんでしまいます。
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0930の開門まであと30分ほどですが、既に30名ほどの一般見学者が塀の脇に並んでいました。周囲は
閑静な住宅地なので、先程から音量を控えめにしたBGMが流れていますが、これ誰の曲なんだろう。
「三年たっても、変わらない気持ちでいて・・・」
という歌詞でしたが、三年というのは刑期の事かなあ。刑務所に入ったのに気持ちが変わらないのは、ちょ
とマズい様な・・・。奈良少年刑務所は、もう少し選曲に気を使うべきでしょう。
開門までまだ時間がありますが、矯正展に参加しているらしき業者の出入りは結構ありますね。刑務官らし
き人達が交通整理を行っていますが、みんな妙に明るいというか楽しそうなのが印象的。警備、というお堅い
感じがないのは、普段の反動かなあ。
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ちなみにこの正門、1908年の建築だそうですが、最初から監獄として作られた割には随分と洒落た雰囲
気です。1908年と言えば、日露戦争が終結してまだ間もない時期。国内の経済や産業は相当疲弊していた
でしょうに、そんな時期にこんな建物を作る余裕があったのか。まずは予算ありきのお役所体質と言えばそう
なんでしょうけど、国家予算の半分を戦費が占めたという文字通り国の存亡をかけた時期にしては、随分と
余裕を感じます。
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正門は華やかな赤レンガで彩られていますが、刑務所外周を囲んでいる高い塀はかなり傷んでいる模様。
やはり正門はここの顔みたいなものなので、定期的に洗いをかけて美観の維持に努めているんでしょうか。
私的には、傷んだ外壁の方が遥かに味があって気に入ったのですが。山中深くに打ち捨てられた旧軍の砲
台跡に近いテイストをこんな街中で味わえるのですから、もう堪らんものがあります。
ふと見ると、周囲には矯正展告知ののぼりが幾つも立ててあり、刑務官の制服を着た鹿が敬礼しています。
奈良少年刑務所のマスコットキャラなしかん君だそうですが、うーん、刑務所のゆるキャラって初めて見ました
が、そもそも必要なのか?
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ここでメガホンを持った刑務官がやってきて、矯正展の説明を開始。この人も随分とくだけた感じの明るい
人で、受刑者に睨みをきかせる刑務官の雰囲気には程遠いなあ。駐屯地創立記念行事で見る自衛官の方
が、よっぽどばりっとしています。
どうやら空模様が怪しいため、0930予定だった開門時刻を急遽15分繰り上げるとの事。朝方に比べれ
ば空は明るくなっていますが、なかなか細やかな気遣いです。
ふと見ると正門前の建物から、奈良県の誇るゆるキャラ(緩いか?)、せんと君が出てきました。いやあ、い
つ見ても怖いというか、直球でキモいですね(笑)。
それにしてもせんと君、まだ頭の中が仕事モードに切り替わっていないのか、普通にスッスッと歩いているの
がこれまた気色悪さ倍増です。建物の外に出た時点で既に人目に触れているのですから、もうちょっとカワイ
イ歩き方をしてほしいなあ・・・。ただでさえ気持ち悪がられているのに。しかしオンステージの演技っぽさがな
いと、ここまで印象が変わるものなんですね(笑)。中の人も大変です。
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ちなみに説明係の人によると、本日のメインである実際に受刑者達が作業を行っている施設内部の見学
は、0930から1100まで。以前は整理券を配って人数制限を行っていましたが、今年からはそれは無くなっ
たので、皆さん走らずに歩いて受付に向かって下さい、との事。へー、やっぱり人気あるんですね。刑務所に
も開門ダッシュがあったとは知りませんでした。
また本日の矯正展の時間について、営業時間という言葉を使っていたのも印象的。うーん、やっぱり営業
時間になるのか。自衛隊のイベントではあまり耳にしない言葉なので、感慨深いなあ。
この頃には、私の後方にも沢山の人の列が出来ていました。こうしてみると、特にこれといって偏った客層
はありませんね。子供連れの家族やおばちゃん一個分隊、好奇心旺盛そうな若い男の子、あと若い女性も
結構います。唯一見られないのがマニア風ですが、流石に刑務所マニアってのはいないのか。
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そして0915、開門。行列の先頭からぞろぞろと正門の中へ入って行きます。大仰な造りの正門に相応しく
ない狭い入口ですが、そもそも沢山の人が一度に出入りする場所ではありませんし、車両用の出入り口は別
の場所にあるのでしょう。
敷地内では、先程のせんと君となしかん君がお出迎え。しかしなしかん君は厳めしい刑務官の制服姿です
し、せんと君はせんと君でホームレスと見間違われそうな見るからに怪しい風体なので、どうにも近寄り難い
ものがあるなあ。歓迎しているというより、試合開始のゴングが鳴った直後のプロレスラーみたいに見えます。
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初めて足を踏み入れた刑務所ですが、想像していたよりも緑が多く、どこかの企業が作った美術館の前庭
みたいな雰囲気なのが意外。敷地内に罪を犯した受刑者が沢山いる・・・という気が全然しません。皆さんき
ょろきょろと落ち着きなく周囲を眺めながら歩いています。
塀に沿って歩いた先には白テントがあり、用紙に名前と住所を記入して提出すれば、施設見学整理券を貰
えました。ちなみに見学コース内にある施設内の撮影は厳禁。残念ですが、普通の場所ではないのですから
これは仕方ないか。よってここからしばらくは、実際の見学コースではない撮影OKな別の場所の画像を添付
します。
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ここで説明を行っていた刑務官の人は実に堂々たる体格で、柔道5段とかそんなイメージ。この人なら、屈
強な受刑者達にもそうとう睨みが効きそうです。
そしていよいよ、実際に受刑者が日常作業を行っている敷地内へと足を踏み入れます。まず目に入ったの
が、古臭いお堂の様な建物。どうやらこれは江戸時代に奈良奉行所で実際に使用されていた牢獄の一部だ
そうで、一戸建て座敷牢とでも言うべきしろもの。
内部に入れるので見せてもらいましたが、広さは2畳ぐらい。床の一部が石造りで穴があいているのは、ト
イレの跡かな。とても江戸時代に作られたとは思えない頑丈さで、中でプロレスラーが暴れてもびくともしなさ
そう。意外な事に内部には何本もの釘が突き出ていましたが、これを加工して鍵抜けしたり、隠し武器にしな
かったのかなあ。
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続いて見えてきたのは、渡り廊下で連結された幾つもの建物。山奥の小学校風ですが、ここはどうやら職業
訓練や実習を行う工場区画の様です。窓から内部をのぞく事が出来ましたが、整理整頓が行きとどいた暗い
室内には、旋盤やフライス盤らしき工作機械がずらりと並んでいました。
工場と工場の間にはちょっとした日本庭園があり、小さな池には蓮の葉が浮いています。どうにも刑務所に
いる気がしないのですが、ここ奈良少年刑務所は犯罪程度が低く更生の可能性が高い受刑者が集められる
そうで、凶悪犯が多い刑務所とはまた違った雰囲気なのかなあ。
工場の多くは木造ですが、中には立派なレンガ造りの建物もあり、江田島の海上自衛隊幹部候補生学校
に近い雰囲気。似た様な場所で似たような生活を送っていながらも、そこにいる理由がまるで違うのが興味
深いなあ。
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また、職業訓練プログラムには理容業も含まれ、一定以上の技術に達した受刑者は、所内の若草理容室
にて一般のお客さんを相手に格安料金で実際に散髪実習を行うとの事。刑務所と地域住民双方のニーズが
一致した形です。
ちなみに理容室内は極めて簡素かつ殺風景で、昭和初期の床屋・・・といった雰囲気。私も一度お客として
体験してみたいものです。
印刷関連の工場は、実際に内部に入る事が出来ました。明るい部屋に立派な印刷機器が並んでいて、こ
こも外部からの名刺や年賀状の印刷を格安料金で請け負っているとの事。その他にも、板金、溶接、配管、
クリーニング、機械、電気工事、建築、ホームヘルパー、左官、農業、情報処理、ビルメンテナンス等の様々
な職業訓練が行われているそうです。
ここで説明係の人に、刑務官にありがちな職業病について質問。
「そうですね、基本的に硬い革靴を履いて立ちっぱなしなので、腰にくる人が多いですよ(笑)」
との事。また、職業柄柔道や剣道は必須なので、その辺りからのケガもあるとか。
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その後は見学開始場所に戻り、終了。この体育館から先は撮影OKエリアで、近隣の西大和学園高等部
の鉄道研究会からの鉄道模型の展示が出ていました。何故刑務所内で鉄道模型なのかよく分かりませんが、
巨大なジオラマを小さな子供が熱心に見つめている所を見ると、こういう小さな子供達を退屈させない催しも
のも必要なんでしょうねえ。
金魚の養殖が盛んな奈良県らしく、その隣には金魚すくいコーナーがありました。へー、金魚をすくう小さい
輪っかって、ポイって言うんですね。知らなかったなあ。
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それにしても、先程から空腹感が耐えがたいレベルにまで達しています。色々じっくりと見たいのですが、と
りあえず庁舎前広場にある屋台へ向かいましょう。
正門と庁舎の間にある日本庭園には沢山のテントが並び、結構な人出で賑わっています。物販テントに混
じって食べ物系屋台もなかなかの充実ぶり。さて、どれから行こうかな・・・まずは地元の道の駅が出している、
焼きそばの屋台に突入です。
400円払って焼きそばを受領しますが、あ、今鉄板でジュージュ―焼かれているのではなく、作り置きなの
か。まあ中途半端な時間なので、これは仕方ないかな。
パック入りの焼きそばはやや冷め加減ですが、その分甘辛いソースや豚肉の脂肪の旨味、野菜の瑞々し
さがしっとりと麺に馴染んでいて、これはこれで悪くありません。紅ショウガがみじん切りではなく細切りなのも、
私的には嬉しいなあ。
作りたての屋台焼きそばは確かにテンションが上がりますが、パック詰めのあとにしばらく寝かせた美味し
さも、意外とバカにできないんですよねえ。熟成みたいなものなのかなあ。逆に言えば、あえて寝かせた方が
美味しくなる焼きそばの作り方というものも、あるのかもしれません。
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それにしても、この白砂青松の趣のある日本庭園に沢山のテントが並び、その奥には赤レンガ作りのパル
ナスっぽい建物。さらにその向こうには、いかにも盆地奈良らしい低くなだらかな山並み・・・和と印と露と今と
昔が入り混じった様な、なんとも妙な風景です。
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空腹も少し収まったので、次なる屋台グルメを探しつつ物販テントも見て回りましょう。しかしこの、『獄』と大
書きされた函館刑務所のグッズ類って・・・。よく見ると本日開獄とか書いてあるし。
シャバで道を踏み外してしまった受刑者の皆さんが、更生と人生の再出発を目標に過ごしている筈のこの
刑務所。あまり不謹慎な突っ込みやエロネタは避けようと、この私ですら色々と気を使っているのに、迎える
側がこんなふざけたグッズを用意していいものでしょうか。よりによって私に説教されるとか、かなりマズイぞ
函館刑務所・・・。
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なんだか釈然としない気分でお好み焼きの屋台に向かいます。こちらは鉄板から下ろしたての熱々で、薄
いプラスチック容器では手のひらが熱くて仕方ないぐらい。いやあ、この熱さも味のうちですね。
早速一口食べてみると、うーん、小麦粉のボリュームが圧倒的で、キャベツはごくわずか。どっちかと言うと
豚肉の方が多い位だなあ。今年は8月の終わりから急に涼しくなってしまったので、野菜価格高騰のしわよせ
がこんな所にも来ている模様です。
また、上に塗ってあるのはソースのみ。私はお好み焼きにマヨは要らない派なので、これはむしろ有難いの
ですが、マヨ必須派にとってはちょっと物足りないかも。
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さて、なんだかんだでお腹も落ち着きましたが、やっぱりもう一品食べとこうかな・・・と思いつつ屋台広場を
散策していると、面接待合所の内部に差し入れ販売コーナーを発見。室内は非公開だったので、窓越しに内
部を覗きますが、小さなショーケースにはクッキーやキャンディ、チョコ、ジュース、カップめん、調味料などが
並んでいました。流石に酒やタバコはないものの、海自艦艇内の酒保と似たような感じですね。
それにしても、カップめんがあるのが意外。恐らくこの面会所のみでお湯を貰って食べる事が出来るのでし
ょうけど、栄養管理が行き届いた刑務所内の食事に比べると、その不健康さそのものが娑婆の味の象徴な
んだろうなあ、カップめんって。
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隣の建物では、奈良地方検察庁によるパネル展示が。それにしても、説明に来ている奈良地検の人達が
全員お揃いのTシャツ姿なのが、非常に違和感がありました。親しみやすい雰囲気作りを目指したのでしょう
けど、地検職員とお揃いのTシャツ・・・。これほど相応しくないファッションもないなあ。
地元協賛企業が様々な物品を販売している中、ひと際賑わっているのが奈良県更生保護女性連盟という
怖そうな名前の団体が出しているバザー。お茶わんやコップ、衣類、日用雑貨等の家庭に眠っている不用品
を安値で販売していて、沢山の人が群がっています。売り場面積も一番広く、刑務所そっちのけでこれを目当
てに来ている人も多そう。
正門から庁舎へと続く広い通路の左右には、近畿一円の刑務所から出店して来た刑務所作業商品販売所
がずらりと並び、さながら刑務所横町。陸自で言えば、第3師団隷下の各駐屯地から屋台を集めた千僧駐屯
地創立記念行事みたいなもんですね。
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西は姫路から東は滋賀、東海地方の三重も含めて8つのテントが勢揃いですが、置いてある商品はどこも
似たり寄ったりで、地方色は殆どなし。まあこれは当たり前か。
喉が渇いたので、植村牧場が出しているテントで瓶入りコーヒー牛乳を購入します。うはあ、瓶入りコーヒー
牛乳って久しぶり。30年ぐらい飲んでない気がしますよ(笑)。これは是非キャップも貰わねば・・・と思ったら、
そういう需要が多いのか、売り子の人はキャップを自分で開けるかどうかを聞いてくれました。なかなか気が
利いてるなあ。
ものすごく久しぶりの瓶入りコーヒー牛乳。ん?こんなにさっぱりした味だっけ?もっと単純に甘く安っぽい
味だった気がするのですが・・・。やはり時代に合わせて質を高める方向に向かっているのでしょうか。正直
ちょっと残念な気がしたのですが、久しぶりに飲む瓶入りコーヒー牛乳は何とも懐かしく、湿った紙キャップの
感触もちょっと嬉しかったです。
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この頃には更に来場者が増え、こんなに賑わうものとは思いませんでした。もっとひっそりと、スキ者だけが
やってくるイベントかと思っていたのに(笑)。中にはトレッキングポールを持った壮年集団もいて、歩こう会的
な人達かな?古都の雰囲気を満喫しつつちょっと変わった所も見てみよう的なイベントとしても、ちょうどいい
んだろうなあ。
本庁舎内も公開されていたので、ちょっと見てみましょう。呉鎮守府の建物を受け継いだ呉地方総監部の
庁舎に似ていますが、華やかながらも質実剛健な呉鎮守府の外観に比べると、こちらは曲線を多用してさら
に華美な印象。海軍庁舎が質実剛健なのは理解できますが、監獄の庁舎が華やかなのは一体どういう設計
思想によるものなんだろう。これを機会に、監獄という言葉に付きまとうネガティブなイメージを一掃したかっ
たんでしょうか。
ちなみにお話を伺った刑務官の人によると、ここまで古いレンガ造りの建物を使っている刑務所は、全国で
も珍しいとの事。そんな貴重な建築物が、意外なほど近くにあった事が驚きです。
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それにしても、建物の大きさに比べて通路や階段の幅が妙に狭いのは何故だろう。その一方で不自然なぐ
らいに天井が高く、歩いているとなんだか不思議な感覚。古い建物独特のにおいもあり、まさに100年ばか
り時間を巻き戻した様な印象です。
庁舎内部の講堂が開放されていて、全国の刑務所から刑務官が派遣された東日本大震災の記録や、受
刑者がクラブ活動で制作した絵画や書、陶芸等の展示、あと体育大会や観桜会、奉仕活動、さらには釈放
式などの刑務所内の生活が写真で紹介されていました。
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再び屋台広場へ。ええい、もう一品食べちゃえ!と言う訳で、奈良地区更生保護女性会が出しているかや
くご飯いってみましょう。200円払って受領したかやくご飯ですが、市販品の様なわざとらしさのないいかにも
家庭の味という印象で、なかなか美味しいなあ。ニンジンやゴボウ、こんにゃく、しいたけ、しめじといった具の
大きさがばらばらなのは、材料ごとに分かれて大勢でカットしたせいかな。手作り感も満点です。また、添えら
れた漬物が真っ黒になるまで漬かった奈良漬というのも、地方色があって素晴らしい。
正門から入ってくる人はまだまだ途切れず、刑務所内はかなりの人混みになって来ました。お腹もいっぱい
になりましたし、そろそろ帰るとしますか。
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ふと見ると、奈良地方検察庁のマスコットキャラ、なっち君が愛嬌をふりまいています。なんのヒネリもない
鹿そのものの上に、奈良地方検察庁だからなっちって・・・あまりに安直過ぎて、許し難いものを感じるなあ。
じゃあ愛媛地方検察庁ならえっち君になるのか?それは共感できる名前だから許さざるを得ない・・・等
とひとりごちながら、帰路のバスに乗り込みました。
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