護衛艦あけぼの一般公開in和歌山港
2015.07.19
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和歌山港にて行われた、DD108護衛艦あけぼのの一般公開に行ってきました。あけぼのは全9隻建造さ
れたむらさめ型護衛艦の8番艦で、艦齢20年となった1番艦むらさめに比べるとまだまだ若い艦。普段は佐
世保を定係港とし、こんごう、ありあけ、あきづきと共に第1護衛隊群第5護衛隊を構成しています。
それまで護衛艦隊のワークホースとして長く活躍したはつゆき型・あさぎり型の後継として設計されたむら
さめ型ですが、船体を大型化しつつも大幅な省人力化が進められた結果あぶくま型に引き続き全乗員に2段ベ
ッドを用意する等、艦内の居住性向上に本格的に着手した艦種としても知られています。
当日は早朝から所用があり、0810という中途半端な時間に和歌山港に到着。一般公開開始までまだ一時間
以上ありますが、既にゲートの前には開門待ちの人達が。朝から小雨がパラついたものの、フェンスの向こう
に護衛艦あけぼのの艦橋が見えると流石にテンションがあがります(笑)。
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その後9時過ぎに開門。私も誘導に従って、駐車場に車を乗り入れます。あけぼのに乗艦するのは今回が初
めてなので、やっぱり心がはやりますね。お、よく見るとあけぼのの右舷に高速水上標的1型が縛りつけてあ
りますよ。他の護衛艦と組んで実弾射撃訓練を行っていたのでしょうか。
マストには7枚の国際信号旗がはためいています。2枚目と7枚目が同じなので、恐らく『WELCOME』
かな。
ステルス性の高いカクカクの上部構造物、電波吸収素材で覆われたラティスマスト、小さく丸っこい76㎜
単装速射砲。なんというか、旧式と最新式が入り混じった過渡期的なスタイルです。
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そして0930、一般公開開始。それに先立ち、艦橋右ウイングにて航海科員によるラッパが披露されました。
ほほう、なかなか粋な計らいというか、意欲的な試みだなあ。何という曲なのかは分かりませんが、さあ一般
公開が始まるよ!という気分が盛り上がります。
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という訳で、護衛艦あけぼのに乗艦。まず目に入ったのは、舷側通路上部に設置された内火艇と高速艇です。
これはどういう使い分けをするんだろう・・・と質問してみると、高速艇は軽さと機動力を生かして他の船舶
に乗り込んでの臨検に使う程度らしく、普段は内火艇の方が圧倒的に便利なので使用回数も多いとの事。搭載
人数が多そうですし、メンテも楽で使いやすいんでしょう。
前甲板に出ます。昨日見た護衛艦すずつきに匹敵する基準排水量4550㌧を誇るだけあり、広々として余
裕がありますね。すずつきでは一段高い場所にあったVLSがあけぼのでは足元の位置にある為、むしろちこ
らの方が甲板に余裕がある気がします。
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16セルからなる前部VLSの前には、76㎜単装速射砲が。うーん、堂々たる艦容の割には心もとないと
いうか、ぱっと見のバランスの悪さを感じます。むらさめ型の改良版であるたかなみ型からは、威力を増した
127㎜単装速射砲を装備していますが、やっぱりこれぐらい必要ですね。とは言え76㎜はその小口径を生
かした発射速度の速さが売り。丸っこい砲塔も今時の護衛艦には無い愛嬌を感じさせるので、個人的にけっこ
う好きです。
お、甲板のウォークエリアの滑り止め塗装に赤黒い汚れを発見。メンテの行き届いた海自の艦にしては珍し
いな・・・と思いましたが、よく見ると甲板の下地である錆止め塗装の赤でした。どうやら76㎜単装速射砲
から勢いよく吐き出された薬莢が、甲板表面の滑り止め塗装を削ってしまった様です。凄い勢いで飛び出して
くるんだろうなあ。
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あれ?今日は艦首の先端部まで公開されていますよ。最近は揚錨装置の手前までしか行けない事が殆どなの
に、珍しいなあ。お陰で艦首の旗竿の位置から、艦橋と76㎜速射砲をひとまとめにして撮影する事が出来ま
した。いやー、これは地味に嬉しいかも。艦首ではためいている国旗も、なんとなく誇らしげに見えます。
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甲板から見上げた艦橋ですが、よく見ると窓の下に追加の防弾板が取り付けてあります。因みにこのあけぼ
の、2003年はテロ対策特別措置法でインド洋へ、2013年には第15次海賊対処行動でソマリア沖へ派
遣されているので、その名残ですね。緊張感の続く長期間の航海、大変だっただろうなあ。
また、こうして防弾板が追加された艦橋を背にした20㎜高性能機関砲を見ると、彼もまた腹をくくったと
いうか、何としてでも艦を守るぞという覚悟で海外まで行って来たんだなあ・・・と思えてくるのが不思議で
す。
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左舷通路に出ると、艦上スピーカーに説明板が。へー、こんなものまで解説してくれるとは。普段見落とさ
れがちな地味な装備品である艦上スピーカー君ですが、今日は説明板とともに見上げる人達に囲まれてちょっ
と晴れがましそう(笑)。
この艦上スピーカーは通常の通信伝達以外に、航海中の艦上体育ではBGMを流して活躍している様です。
また航海中に波しぶきを被っても問題ない様に、後ろ向きに設置してあるとか。
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舷側通路には三連装短魚雷発射管がありました。昨日のすずつきとは違い、日当たりも風通しも良好で実に
開放的な感じ。アスロックやシースパローの様な派手さはなく、圧搾空気ですぽんと押し出される短魚雷です
が、それだけに陽気でのほほんとした佇まいが似合う気がします。
ふと見ると、前方から銀色の防火服に身を包んだ隊員さんがやって来ました。あれ?ヘルメットの部分に名
前が書いてありますよ。質問してみると、消火作業にあたる隊員それぞれに固有のヘルメットが割り当てられ
ているそうです。
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極度の緊張と猛烈な暑さで、消火作業中は内部が汗まみれになるであろうヘルメット。いくら日頃から苦楽
を共にしている同じ艦の仲間とは言え、あまり他人と共用したいものでもないでしょうからねえ。そもそも男
ばっかりですし。また、消火作業中は全員同じ格好になるので、ひと目で誰なのか判別し易い様に・・・とい
う意味もあるのでしょう。
飛行甲板に展示されていたのは、SH-60K哨戒ヘリ。その脇には口髭をたくわえた猛禽類の様に目つき
の鋭い若い隊員さんがいて、その迫力に気圧されます。しかし恐る恐る声をかけてみると見た目に反してとて
も愛想のいい人で、私の拙い質問にも気さくに答えてくれました。恐らく仕事中は、そうとう周囲からビビら
れていると思いますが、この若さで硬軟の使い分けができるのは立派だなあ。
そのSH-60Kの横には、黄色い模擬魚雷が展示してありました。何度も何度も上空から海面に放り込ま
れたのか、ところどころ黄色い塗装が剥がれています。
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それにしても護衛艦あけぼの、やたらと色んなものを展示して、一つ一つに丁寧な説明板を用意しているの
が好印象。掃布やブルーム、オスタップといった特殊な海自用語も紹介していて、いろんな事を知ってほしい、
見てほしい、という意気込みが感じられます。
さっきのコワモテ隊員さんも、少し風が吹くと見学者のスタンプラリーの台紙を押さえてあげたり、跳ね上
がったスタンプ台の蓋を固定してあげたりと、細かな目配り気配りが素晴らしい。もともとの彼の性格もある
んでしょうけど、これはもしかしたら護衛艦あけぼの全体の気風なのかもしれません。
甲板に埋め込まれたLSOにも、ヘリコプター着艦から格納庫への収容までのプロセスを解説した説明書き
があり、初めて護衛艦を見に来た人にも非常に分かりやすい内容です。隊員さんに気軽に話しかけやすい空気
もありますし、この一般公開はかなりいい感じだなあ。
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格納庫内にはマストに掲げる自衛艦旗がドーンと展示されてあり、沢山の人達がそれをバックに記念撮影中。
これだけ堂々と掲げてあると実に気分がいいですね。それにしても間近で見るとこんなにデカかったのか、マ
ストに掲げる自衛艦旗って。艦尾のものとは随分違います。
ここまで大きいと、洗濯するのもひと苦労だろうなあ。そもそも普通の洗濯機に入るのかな?疑問に思った
ので隊員さんに尋ねてみると、
「うーん・・・確かにどうやって洗うんでしょうねえ・・・。浸けおき洗いかな?すみません、実際に洗っ
てるところを見た事がありませんので・・・」
こちらこそ、いきなり変な質問をしてすみません(笑)。
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格納庫の片隅では、艦内通信で使用する無電池電話が展示してありました。へー、こんなものまで見せてく
れるとは。この無電池電話、通信時に一切の電源を必要としない方式なので、万が一艦内の全電源がダウンし
ても問題なく通信が可能というスグレモノです。
その仕組みは至って単純で、発声時の空気の振動をそのまま受信先に送るという、糸電話と全く同じ原理で
出来ているとの事。その為まず故障する事がなく、故障しても簡単に直せるとか。あまり遠距離の通信には向
きませんが、護衛艦程度の大きさなら端から端まで離れていても明瞭に通話できるそうです。ぱっと見はバラ
バラにされた黒電話にしか見えませんが、なかなか面白い装備品ですね。ここで隊員さんが、
「よかったら、実際に使ってみませんか?」
えっ、いいんですか?隊員さんに手伝ってもらいながら嬉々として装着です。胸元からにゅっとマイクが突
き出ていて、発声時にスイッチを押しこむと・・・おおお、気分が出るなあ。実は前から一度やってみたかっ
たんですよね、これ(笑)。
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耳元からは、確かに糸電話っぽい響きの隊員さんの声が聞こえてきます。ちなみに説明してくれた隊員さん
ですが、まだお若いせいか一般見学者相手の説明が不慣れで、たどたどしくも必死に説明してくれる様子が微
笑ましいなあ。これはぜひ場馴れしてもらわねばと、練習試合のつもりで最後まで素直に説明を受けます。こ
の隊員さんが午後から肩の力を抜いてスムーズに説明係をこなせていたら、それは私の存在によるものが大き
かったと言わざるを得ないでしょう(笑)。
それにしてもあけぼのの隊員さん、他の艦に比べると微妙にぽっちゃり型の人が多い様な気がするなあ。そ
の辺りに関しは個人的に大いに親しみを覚えるところですが、きっと給養の人が毎日いい仕事してるんだろ
うなあ。一度ご馳走になってみたいですね、あけぼのごはん。
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艦をぐるりと一周して右舷に出ると、人の列は艦橋へ向かうラッタルへと続いていました。おお、艦橋に上
がる事ができるとは!最近は見学者が急増し、安全上の配慮から上甲板のみの見学になってしまう事が多い護
衛艦の一般公開ですが、これは嬉しいなあ。
少々待ち時間はありましたが、溺者救助用のタンカや洋上での人員輸送用のボースンチェアがあちこちに展
示され、これらにも一つ一つ分かりやすい説明書きが用意されているので待ち時間も退屈しません。いろいろ
見て行ってね!という、あけぼのの意気込みが伝わります。
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寄港先での一般公開は、確かに国民に海上防衛の重要さを理解してもらえる大事な仕事ですが、一分でも長
く上陸して羽を伸ばしたい隊員さんにとっては、事前の準備や後片付けを含めて面倒くさい休日出勤である事
は容易に想像がつきます。
そんな訳で、毎回ありがたさと申し訳なさが入り混じる気分で見学させてもらっているのですが、こんな風
に積極的な姿勢で臨んでもらえると、こちらとしても気が楽になります。
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艦橋までの行列は意外とさくさく消化して、さほど待つことなく艦橋に到着。いやあ、むらさめ型の艦橋は
久しぶりだなあ。単純に珍しい場所に入れた嬉しさもありますが、最近はこれまで海自イベントに来なかった
様な人達が興味深そうに隊員さんの話を聞いたり質問したりしているのを見るのが、ほんのりとした楽しみに
になりつつあります。
もっとも、少しずつながらも自衛隊が国民から評価され、好意的に受け取られているという事は、とりもな
おさず日本を取り巻く外的状況に対する危機感や不安感の裏返しでもあるので、その辺りは複雑な気分でもあ
りますが・・・。
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見学者からの質問が途切れたところで、航海科の隊員さんに先程一般公開前に披露されたラッパについて質
問してみます。
「あ、あれですか?巡閲ラッパって言いまして、艦に総理大臣やVIPが来られた時に、敬意と歓迎の意味
を込めて鳴らします。滅多にやらない曲なんですけど、今日は気合い入れて吹きましたよ!」
えっ、さっきラッパ吹いてたのはこの人だったのか。
「よかったら一丁やりましょうか?いまちょうど、テレビの取材の人が来てますし!だはははは!」
という訳で、図らずも私の質問をきっかけに再び見事な巡閲ラッパを披露してもらえました。折角なので、
怖れ多くも艦長席のフットレストから撮影(笑)。艦橋を埋めた見学者からは大きな拍手が贈られました。
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いやー、見事なラッパでした。これぐらい吹けるようになるには、結構かかるんだろうなあ・・・と質問し
てみると、
「いやあ、私の場合は2ヶ月ぐらいでしたよ!」
それは凄い!素人には音を出す事すら難しい自衛隊のラッパですが、この隊員さんは元から音楽的なセンス
があったのかな。バンドか何かやってらっしゃったのでは?と質問すると、
「いやあ、全然!だははははは!」
と、どこまでも明るく気さくな隊員さんでした。きっと航海科のムードメーカー的な存在なんだろうなあ。
![](2015akebono23.jpg)
ウイングから前甲板を見ると、やはりかなりの人混みです。その渋滞ですが、よく見ると艦首先端部から始
まっていますね。やっぱりみんな、あの場所からあけぼのを撮影したいんだなあ。そういう意味では、見学者
のニーズにきっちり応えた護衛艦あけぼのだと言えるでしょう。
さて、後からまだ沢山の人が上がってきますし、私も艦橋を後にしますか・・・と後部通路の入り口に向か
うと、ドア枠の横に隊員さんの名前と階級、あと血液型が記されたプレートが貼り付けてあるのを発見。へー、
こんなの初めて見ましたよ。
これは言うまでもなく、万が一負傷者が発生した際に迅速確実に手当を行う為のものでしょう。艦橋の外に
張りめぐらせてあった防弾板もそうですが、海外派遣に際してのシビアな覚悟や準備・・・といったものが垣
間見えた気がします。
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今や海外派遣任務に就いた事のない護衛艦を探す方が難しい程、経験と実績を積み重ねた海自ですが、厳し
環境下での長期間の過酷な任務を下支えしたのは、飛行甲板にいたコワモテなのに気配りの出来る優しい隊員
さんや艦橋でラッパを吹いていた陽気で元気な隊員さんに代表される、隊員一人一人、そして艦全体のマンパ
ワーそのものなのでしょう。
大いに納得しつつ、舷門の隊員さんにお礼を言って上陸。いやー、今日の一般公開は素晴らしかったですね。
今年は様々な理由から思うようにイベント参加が叶わず、サイトの更新もままならなかった前半戦でしたが、
これまで参加したイベントの中でも5本の指に入る位の充実度でした。
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いやあ来てよかった・・・と思いつつ隣にあった業務用白テントを見ると、妙なものを発見。へ?AKB総
選挙?なんでまたこんな所で?
どうやらAKBというのはAKEBONO、護衛艦あけぼのの海自内での略称だそうで、砲雷、機関、船務、
補給、衛生、航海、飛行の各科に分かれたチームの人気投票を行っている様です(笑)。
ああそうか、艦内各所に溢れていた展示物や分かりやすい説明板、各科を巡回して隊員さんと触れ合いなが
ら行われたスタンプラリーは、最終的にこの総選挙(笑)に通じていたんですね。
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チーム紹介の大きな掲示板には各科の役割や日常の様子がユーモラスに描かれていて、自然と
「僕ならどの職種が向いているかな?」
「私ならこの部署で働いてみたいなあ」
という発想に誘導する仕組みになっています。いやはやこれは驚いた。独身隊員の人気投票はあちこちの基
地駐屯地のイベントでお遊び的に行われていますが、イベントとしての目的意識を各科に浸透させつつ、きっ
ちりと見学者を楽しませるとは。冗談抜きでちょっと感心してしまいましたよ。
さらに私の感動を呼んだのが、AKB総合プロデューサーによる総選挙にあたってのご挨拶。AKB総合プ
ロデューサー、あけぼの艦長大日方孝行2等海佐!・・・って、艦長が直々にやるか!こういう事を(笑)!
こういうのって、普通はお調子者でムードメーカー的な若手隊員にやらせたりするもんでしょうに、まさか
艦の最高責任者が担当するとは・・・なんかすごく楽しそうな艦ですね、あけぼの(笑)。
![](2015akebono30.jpg)
それにしてもこの作戦・・・もとい企画は、一体誰が立案して艦長にイエスと言わせたんでしょうか。いく
ら艦長が気さくで鷹揚な人柄でも、
「艦長!総合プロデューサーお願いします!」
とはさすがに言いづらい気がするんですが・・・。まさか、艦長がやりたがったんじゃないだろうなあ。士
官室で行われた幹部会議で、
副長「あの、今度の和歌山港の一般公開では、来場者向けにこういう催しをやろうと考えまして、責任者は
○分隊の○○三曹あたりが適任かと思うのですが・・・」
艦長「なにそれ、面白そうだな。それ俺にやらせてくれよ」
副長「えっ、いや、しかし何も艦長自らが・・・」
艦長「俺やりたい。やらせて。文面考えとくから」
副長「えっ、あっ、はあ・・・(どどどどどどうしよう・・・)」
とかなんとか、そんなやり取りがあったのでは・・・と妄想してしまいました。いや、いくらなんでもまさ
かな・・・。
![](2015akebono29.jpg)
ちなみに総合プロデューサーによると、投票する為にCDを購入する必要はなく、乗員との記念撮影や握手
にチケットは必要ないとの事(笑)。この艦長の暴走・・・もとい柔らか頭ぶりには、全くもって脱帽するし
かありません。とは言え、この企画の背後にはデキる副長の存在が見える気がするんですよね。
ナンバー2がしっかりと艦全体を掌握しているからこそ艦長に精神的物理的なゆとりが生まれ、結果こうい
った企画に首を突っ込める余裕が生まれるんでしょう。下にいるのが頼りない副長では、とてもではありませ
んが艦長はこんな雑事まで抱え込めないでしょうし、艦が普段から一個の戦力としてしっかり機能しているか
らこそ司令も笑って済ませてくれるのでしょう。
そして艦長が日常的に詰めている艦橋に居た航海科の隊員さんが非常に明るい雰囲気だったのも、ある意味
この護衛艦あけぼのの空気を反映している・・・とも言える気がします。
いささか褒めすぎの様な気がしますが、僅かな時間とは言え、護衛艦あけぼのの一般公開に参加して私が肌
で感じたのはそんな事でした。やるなあ、護衛艦あけぼの。
![](2015akebono1.jpg)
この頃には夏の和歌山らしさを思い出したかの様に空が晴れあがり、あけぼのの暗灰色もいい色に。うーん、
もうちょっと早く晴れてくれてたらなあ(笑)。次回乗艦する時も今日と同じ護衛艦あけぼのでいてくれる事
を祈りつつ、和歌山港を後にしました。
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