富山駐屯地創立52周年記念行事

2014.09.28


       富山県砺波市に所在する、富山駐屯地の創立52周年記念行事に行って来ました。富山駐屯地には第382
      施設中隊
を中心に、第425会計隊第306基地通信中隊富山派遣隊第104施設直接支援隊第2直接支
      援中隊富山派遣隊
が駐屯し、富山県内唯一の実働部隊として、地域の防衛警備や防災、民生協力等で活躍して
      います。
       当日は京都府桂駐屯地でも記念行事が行われましたが、たまたまこの日に富山県へ行く用事があった私は、
      無理矢理時間を作って念願の富山駐屯地への初参加となりました。
       と、いきなり余談で恐縮ですが、当日の私、左足を引きずっております理由がもの凄くマヌケなので、
      HPをご覧になっている皆様に是非聞いて頂きたく
書いてしまいますが、前々日の金曜日の明け方、夢の中で
      イノシシと闘っていた私
(友人のHさん曰く「それはすごいファンタジーです!(笑)」)は渾身の左下段回
      し蹴り
を放ったのですが、夢の中でイノシシを蹴った筈の私の左つま先は、現実には部屋の壁を全力で蹴って
      おりまして
、失神寸前の激痛にその後朝まで一睡も出来ない有様でした。
       幸い骨折までは到らず、重度の突き指程度で済んだのですが、発狂寸前の痛みのあまり一瞬でペットボトル
      一本分位の汗をかいてしまいました。

       いやあ、今思い出しても吐き気がするぐらい、本当に痛かったです。折角ですから、ご覧頂いている皆様と
      是非この苦痛を分かちあいたい
と思います。目をつぶって想像してください。固い壁に向かって、手加減なし
      の全力でつま先から思いっきり蹴り込んだ自分
を・・・。あいたたたたたたたた(泣)。
       まあそんな事はどうでもいいとして、0800、当日の臨時駐車場となった砺波総合病院に到着です。開門
      1時間前という事で、バス乗り場にいる人は僅か。難なく0830発の第1便に乗り込む事が出来ました。駐
      屯地前についた後は0900の開門まで待機ですが、果たしてどれ位の行列になっているのやら・・・と思い
      つつ5分ほどで富山駐屯地に到着すると、あれ?正門前には10人いるかどうか。とりあえず最後尾につきま
      すが、うーん、もう開門30分前を切っているのに。なんか拍子抜けだなあ。

       その後10分前には80人程になり、定刻通り0900開門。多くの人達が74式戦車の体験試乗券配布コ
      ーナー
に向かう中、私は前日バアサマから借り受けた覇王の杖をつきつつ、式典会場に向けてヒコヒコと歩い
      て行きます。
       今まで松葉杖すら使った事のない私ですが、なんか仕込杖を持っている妖しいジイサンの殺し屋になったみ
      たいでちょっと楽しいなあ・・・とか思ってしまう辺り、我ながらあまり懲りてはいない模様です。
       という訳で、式典会場に到着。へー、富山駐屯地は式典会場と訓練場が別、隣り合わせになっているんで
      すね。手前のコンクリ広場が式典会場で、その左斜め後方にあるのが訓練場。となると、2ヶ所に分かれた見
      どころを一度に押さえるなら、会場左側にいるのが正解かな。
       既にその場所には年季が入ってそうなマニア風が2人いたので、間違いなさそう。私も最前列に拠点を築き
      ます。

       その後はさっそく屋台へ。小規模な駐屯地なので食べ物屋台は一軒しか出ていませんが、屋号が『進撃の焼
      きそば』
って・・・。ちなみに商品は『巨人焼きそば』『巨人のフランクフルト』。屋台前の宣伝POPを
      見ると、例の人体模型みたいなキモい巨人の人「うっ、うまそう・・・」「これもうまそう」とか言ってい
      ます。なんかチョロそうな巨人だなあ。作った人には申し訳ありませんが、正直モデルが彼では全く美味そう
      に見えません

       とは言え、鉄板の上で大量に作られている焼きそばは実に美味しそう。お腹が減ったので、さっそく一つ注
      文です。
       宣伝POPのセンスは正直微妙ですが、焼きそば自体はかなり美味しいですよ。ライトドライ系の、なんと
      も優しい味わいの焼きそば
。こってりしたウェット系も捨てがたいですが、朝一番から食べるならこれ位軽い
      方がいいなあ。

       具は定番の豚肉キャベツの他に、ニンジンピーマンが入っています。広大で肥沃な農地に恵まれた砺波平
      野らしさが満点
ですね。スタンダードでありながらも地域性の主張を忘れない、実にいい焼きそばでした。
       あともう一品、巨人のフランクフルトもいっときます。しかしこれ、巨人のと銘打ってある割にはフツーで
      すね。よくてアンドレぐらいじゃないでしょうか。フッ、巨人のクセに大した事ないな!と、微妙に上から目
      線の優越感
にひたりつつ、粒マスタードとケチャップをかけて頂きます。味はまあ、ごく普通のフランクフル
      トでした。

       ちなみにこの屋台は、隊員さんのご家族で構成している富山県自衛隊父兄会女性部による出店でした。
       その隣はグッズ販売テント。特にこれといった糧食ネタはありませんでしたが、『撃カレー』があったので
      古い試食レポート画像の差し替え用に一つ購入です。
       式典開始までまだ1時間ほどありますが、足の不安もあるので大人しく拠点に戻ります。それにしても富山
      駐屯地、一般見学者の顔ぶれが一昔前のイベントを彷彿とさせるなあ。具体的に言うと、おっさんマニア含有
      率が非常に高い!
先程から流れているBGMも、こんなの今の子供は知らないだろと突っ込みたくなる古いアニ
      メソングばかりですし。いったい誰のチョイスなんだろう。
       小さな子供を連れた家族女性が沢山来るようになった自衛隊イベントというのは、先々の事を考えると実
      に喜ばしい限りですが、このむさくるしくも懐かしい雰囲気・・・ああ、馴染むなあ(笑)。初めて来た駐屯
      地という気が全然しません(笑)

       それにしても富山駐屯地、今一つ施設科らしくない雰囲気ですね。重機建築資材の類が全く見当たりませ
      ん・・・と思いましたが、よく見るとそれらのほぼ全てにバラキューダ(擬装網)を被せて隠してあるんです
      ね。この後の訓練展示を見越しての事でしょうけど、普通にそこらの藪にしか見えないのが凄い。構造は到っ
      てシンプルですが、赤外線を通さずレーダーに発見されにくい素材で出来ているので、実際の擬装効果は見た
      目以上なのでしょう。
       先程から上空は晴れたり曇ったりですが、1015、いよいよ記念式典が始まりました。まずは部隊の入場
      に先だって、愛知県守山駐屯地からの第10音楽隊がやってきました。

       続いて富山駐屯地の中核である第382施設中隊、さらに第425会計隊第104施設直接支援隊第2直
      接支援中隊富山派遣隊
、最後は富山県隊友会が入場して来ました。へー、退職自衛官を中心に作られた隊友会
      が直接参加するのは、結構珍しいかも。

       続いては、観閲部隊指揮官を務める第425会計隊長がパジェロで入場。部隊は観閲部隊指揮官に対し敬礼。
      頭(かしら)、右

       その後は案内係の陸曹に先導された来賓の人達が徒歩で入場し、感謝状贈呈者の発表が行われます。
       そして本式典の観閲官である、第382施設中隊長兼ねて富山駐屯地司令滝口和男二等陸佐が、黒塗りの業
      務車で登場。観閲官が登壇し、部隊は敬礼

       国旗が入場し、一般見学者も起立で迎えます。旗手を務めるのは若手の3曹で、部隊は着け剣での捧げ銃
      (ささげつつ)
。第10音楽隊が国歌君が代を吹奏します。

       観閲官による部隊巡閲が行われた後は、観閲官による式辞。さらに来賓祝辞祝電披露と続きますが、その
      中にこの富山駐屯地の規模を拡張する計画が進んでいるとありました。完成すれば、大型ヘリ大型車の出
      入りがさらにスムーズになるとの事。地域の防衛防災という観点からも、一刻も早く進めて欲しい話。地元出
      身の議員の人達には頑張って貰いたいものです。

       その後部隊は退場し、観閲行進が始まりました。第10音楽隊が先頭を切り、観閲部隊指揮官が座乗したパ
      ジェロのあとは式典に参加した各部隊が徒歩行進で続いて、以上で終了。
       あれっ?指揮官のパジェロ以外の車両は無し?うーん、これはちょっと物足りない様な・・・。施設科好き
      としては、トラックとか油圧ショベルとか資材運搬車とか、もうちょっと色々見せてほしかったのですが。

       途中でストップをかけられた様な中途半端な気分のまま、以上で記念式典は終了。国旗の退場を起立で見送
      ります。
       この後は第10音楽隊がやって来て音楽演奏を披露。曲目は妖怪ウォッチOP『ゲラゲラポー』、進撃の巨人
      OP『紅蓮の弓矢』、ジョン・フィリップ・スーザ『美中の美』。先週の守山と同じですね。お陰で『ゲラゲラ
      ポー』
をなんとなく覚えてしまいました(笑)。『マルモ体操』とか『ポニョ』とか、音楽隊のお陰で今流行
      っている曲が分かる様になった事が結構多い
ので、これは有難いかも。

       拍手を浴びながら音楽隊が退場した後は、油圧書道の展示。ゆあつ・・・書道?なんじゃそりゃ・・・と思
      っていると、巨大な油圧ショベルがガガガガガと唸りを上げながら会場中央にやって来ました。同時に大きな
      パネル
も運び込まれ、なにやらショベル先端部分に取り付けられた筆を使って、油圧ショベルで字を書くとの
      事。うーん、これは施設科ならでは。

       アームを持ち上げた油圧ショベルは、地面に置いたバケツにちゃぽんと筆を突っ込みます。バケツと言って
      も直径30p程度の大きさ。そのバケツを揺らす事も無く一発で筆を突っ込めるのも、考えてみると凄い話で
      す。

       そしてアームを器用に動かして、何やらぐりぐりと書き始めました。うーん、カワイイんだか豪快なんだか
      よく分からない訓練展示だなあ。またこの、BGMが無駄に緊迫感を煽っているのも味わい深い(笑)。
       途中で「ばきっ」と音がして、会場全体から「ああっ」という声が(笑)。まるで手術に失敗した瞬間
      に立ちあってしまった助手の様な気分
ですが、オペレーターはまるで気にせずに筆を動かしています。

       そして書き上がった富山の『富』を、ショベル部分にひっかけて誇らしげに展示。会場からは大きな拍手が
      贈られます。いやあ、凄いもんですね(笑)。ちゃんと右上がりで全体のバランスが整っていますし、トメ
      きちんと決まっています。私が筆で書くよりも上手い気がするなあ(笑)

       その後は81式自走架柱橋の訓練展示。会場中央に大きな枕木が幾つも運び込まれ、81式自走架柱橋が左
      手からやってきました。あれ?なんか変だなと思ったら、円柱状の橋脚が無いんですね。導板も最初から展開
      した状態なので、なんだか全く別の車両みたい。

       所定の位置に停まった車両に、分隊長の3等陸曹以下4名の渡河器材小隊の隊員さん達がとりついて、テキ
      パキと準備を開始。巨大な導板とアーム部分がスライドし始め、後方にゆっくりと伸びてきました。導板の全
      長は10m
なので、8m程度の川幅ならこれ一両で橋がかかる仕組み。川幅がそれ以上なら、複数の車両
      大な橋
をかける事ができるとの事。

       伸びきったアームは導板の先端を対岸に接地させ、人力で運び込まれた取り付け導板で段差を解消。この取
      り付け導板が1本60s、全部で24本もあるので、まさにど根性の力仕事。施設科隊員の本領発揮でありま
      す。

       導板を完全に切り離した車両は、アームを伸ばしたまま退場。分隊長が各部の安全をチェックしたあと、
       「作業、終わりっ!」
       と高らかに宣言。会場からは大きな拍手が贈られました。橋脚部分を使用しない形で展示するのは初めて見
      たので、興味深かったなあ。

       そしていよいよ模擬戦闘訓練展示です。今回の訓練展示を担当するのは、金沢駐屯地の第14普通科連隊第
      4中隊
と今津の第10戦車大隊、明野の第5対戦車ヘリコプター隊第10飛行隊。敵部隊に占領された『赤
      の台』
一帯の奪還を図る・・・という内容だそうです。
       まずは鉄帽に赤カバーを被せた敵部隊の兵士が、ばんばんと景気よく空包を射撃しながら赤の台を占拠。式
      典会場手前まで来て空包を撃ちまくりますが、背後に体育館があるせいか、空包発射音の反響がいいなあ。
      際以上の迫力
を感じます。

       赤の台奪還作戦を指揮する中隊長は、OH−6D観測ヘリ上空からの偵察を指示。パイロットは卵型の可
      愛らしい機体をひらりひらりと翻しながら、敵部隊の陣容や規模を上空から偵察。陸自本隊へ情報を持ち帰り
      ます。

       続いて中隊長はAH−1S対戦車ヘリによる航空攻撃を命令。上空に飛来したコブラは機首下部の20mm
      機関砲
をぐりぐりと動かして、敵部隊の装甲車に攻撃を加えます。

       「こちら中隊長、右の台の偵察を開始せよ!」
       「こちら地上偵察、了解!」

       後方からは、情報小隊偵察オートが2両進入して来ました。地形の低い所を選びつつ縫う様に走って敵陣
      に肉薄し、倒したオートを盾に小銃射撃を浴びせます。

       敵陣地から返ってきた反撃の規模、早さ、銃火器の種類から更に詳細な情報を入手した隊員は、偵察オート
      を引き起こして一気に離脱・・・の筈が、一両だけもたついていますね。予想外の出来事に、見学者の間にも
      緊張感
が走りましたが、すぐにオートを引き起こして脱兎のごとく撤退して行きました。よかったよかった。

       そしてこの後の近接戦闘部隊の展開を支援すべく、迫撃砲小隊が前進開始。パジェロが牽引するトレーラか
      ら下ろされた81mm迫撃砲L16が、4名の隊員さんの手であっという間に組み上げられました。光学照準
      器と照準コリメータもセットされ、射撃準備完了。

       「こちら中隊長!赤の台の陣地に射撃を開始せよ!」
       「了解!初弾、発射!」
       「(撃)てーッ!!」

       赤の台の陣地周辺に迫撃砲弾が次々と降り注ぐ中、後方からは74式戦車が唸りを上げて前進して来ました。
       「こちら中隊長!戦車、前進せよ!」

       砲身を振りかざしながら迫撃砲陣地の真横を走り抜け、そのまま前線に突入するかと思われた74式戦車で
      すが、何故か私のすぐ目の前で緊急停車。あれ?こんなに近い所で止まるという事は、空包発射はなしで効果
      音だけなのか・・・
と気を緩めた瞬間、アナウンスが
       「大きな音がしますので、両手で耳をふさいで下さい!」
       えっ?と思う間もなく、目の前12m程の距離でバン!と空包を発射。うああああ、こんな近くで発射
      するのは初めてです!耳というより内臓にくるな、これ・・・。

       観客席から湧き上がる大きなどよめきを気にもせず、74式戦車はすぐ次の射撃地点に移動して、再び敵陣
      地に向けて空包発射。迫撃砲小隊も砲弾を次々と発射する中、小銃小隊を乗せた軽装甲機動車が一気に敵陣地
      手前まで斬り込みます。砲迫部隊の支援射撃と呼吸を合わせながら更に前進した小銃小隊は、鉄条網を挟んで
      敵部隊と激しい銃撃戦を展開します。

       お、よく見ると爆破処理の隊員が鉄条網に取りついています。爆薬を仕込んだ鉄パイプを慎重に鉄条網の下
      に差し込んだあとは、援護射撃を貰いながら一気に走って戻って来ました。そして爆薬は鉄条網一帯を吹き飛
      ばし、突撃経路の確保に成功です。

       「中隊は、突撃支援射撃の最終弾に合わせ、赤の台に突撃する!」
       「小隊長、了解!」
       「準備よーし!」
       「よーし!」

       小銃に新しい弾倉を叩き込んだ各分隊は、一斉に相互確認を開始。
       「小隊、突撃準備完了!」

       背後の迫撃砲陣地からは、最終弾が発射されました。
       「弾着10秒前!突撃準備!」

       そして最終弾の弾着と同時に、小銃小隊は敵陣地に向けて一気に突撃開始。爆破した鉄条網を突破して赤の
      台になだれ込んだあとは、敗走する敵部隊をさらに追撃して行きました。

       同時に迫撃砲小隊は素早く撤収を開始。次の攻撃に備えて陣地転換を行います。4名掛かりのあっという間
      の撤収作業に、観客からは驚きの声が。
       そして敗走した敵部隊は、右のビルと呼称される隊舎に逃げ込みました。
       「レンジャー!こちら中隊長!右のビル内の敵を掃討せよ!」
       「こちらレンジャー、了解!」

       右のビル屋上に展開したレンジャーのうち、まずは2名が降下開始。この時点では建物周囲の安全が確認さ
      れていない
ので、体の正面を真下に向けていつでも小銃を撃てるよう構えながらの懸垂降下です。弾倉を含め
      て4sにもなる小銃を正面に向け、左手一本で降下スピードを調節。いとも簡単そうに着地を決めた後は、す
      ぐ周囲を警戒して安全を確保します。

       続いての二人は、着地地点に足を向けての懸垂降下。あっという間に降りた後は、先に降下したレンジャー
      と合流。二手に分かれ、足音一つ立てずに右のビル入り口に取りつきます。
       「こちらレンジャー!右のビル突入準備、完了!」
       「こちら中隊長、突入せよ!」

       すぐに室内からは籠った様な銃撃音が鳴り響き、右のビル内の敵部隊制圧は無事完了。状況終了を知らせる
      ラッパが吹奏されました。いやあ、赤の台奪還のみならず、レンジャーの市街地戦闘まで盛り込んでくるとは
      思いませんでした。かなり頑張りましたね、富山駐屯地。
       しかし折角の模擬戦闘訓練に、ご当地部隊である第382施設中隊がまるで絡んでいないのは少し勿体ない
      ような・・・。どうせ81式自走架柱橋の展示を行うなら、赤の台手前に川がある設定にして、そこで橋を展
      開してもよかった
気がします。
       とは言え、それでは14普連との打ち合わせで半日ぐらいの準備期間が余計にかかりそう。この人達は訓練
      を展示する為に毎日の訓練を行っている訳ではない
ので、本末転倒な結果になってはいけませんね。観閲行進
      は少し淋しい内容でしたが、油圧書道をはじめとして富山駐屯地ご当地部隊の晴れ姿は十分見る事は出来た
      で、納得できる展示内容だったと言えるでしょう。
       という訳で、先程の迫撃砲小隊の撤収の如く、私も荷物をまとめて陣地転換。12時から始まるうどん無料
      試食コーナー
に移動します。しかし隊員食堂前の道路は招待者の退場が終わるまでクローズされた状態で、
      どん目当ての人達がその手前にどんどん押し寄せて来ました
。ボーっとしていると負傷した足を踏まれそう。
      必死に杖でカバーします。
       招待者の退場が終わったところで、うどんくれくれ団をせき止めていた砂防ダムのような柵が取り払われ、
      大量のうどん難民(私を含む)が怒涛の如く隊員食堂に突入しました。
       うーん、これだけ地元の人達の冷静さを失わせる富山駐屯地うどん、どんなレベルの味なんだろう・・・と
      期待しつつ、必死に左足をかばいながら人混みにもみくちゃにされていると、なんとか私の順番が回ってきま
      した。

       という訳で、無事入手出来た富山駐屯地うどん。三角の油揚げが存在感ありますね。先ずは一口。
       ほほう、これはなかなか。関西風のあっさり出汁に青ネギではなく白ネギが浮いているのが、東西文化圏の
      国境付近に位置する富山ならではの味わい
ですね。油揚げの甘辛の塩梅も、全体に漂う関西出汁風味の中で
      いアクセントになっています。我を忘れて食堂に押し寄せてしまった人達を穏やかに諌めている様な、優しい
      味わいのうどん
でありました。

       隊舎前には水場がありましたが、ホースが異様な律儀さで纏められているのが実に自衛隊らしいなあ。今日
      は一般見学者がたくさん来るから・・・ではなく、普段からきっちりと叩き込んだ躾が感じられます。

       式典会場では装備品の展示が始まっていました。先程展開していた81式自走架柱橋の上を歩いて渡れるん
      ですね。導板の前には説明書きパネルが置いてありますが、『〜する』『〜される』と、やけに文章が硬い
      も自衛隊だなあ。ですます調よりも、よっぽど雰囲気が出ています。

       その隣には、先程油圧書道で大活躍していた油圧ショベルが。近くで見ると、つくづくその大きさに圧倒さ
      れます
。これで書道とか、よくやったもんですねえ。
       基本的な構造は民間のものと同じですが、自衛隊の油圧ショベルは傾斜した地形でも作業が出来る様、キャ
      タピラと車体の連結部がヒンジ状の関節構造になっているそうです。
       ふと見ると、地面に不思議な紋様を発見。なんだこりゃ。魔法陣か?と思ったら、74式戦車が信地旋回し
      た跡
でした。ああ、キャタピラに噛ませた舗装路用ゴムパッドの跡ですね。当然と言えば当然ですが、きれい
      な円を描けるんだなあ。

       その他展示されている装備品は高機動車軽装甲機動車偵察オート、あとは小銃類。あれ?施設科の装備
      品って、81式架柱橋の導板と油圧ショベルだけなの?
       自分達施設科はあくまで裏方だから・・・という遠慮でもあったんでしょうか(違ってたらすみません)。
      災害派遣にしても戦闘訓練にしても海外派遣にしても、施設科の支援なしでは部隊はろくに動けないんですか
      ら、そこはもっと大きく出てもらいたいなあ(見当違いな意見だったらほんとすみません)。施設科ならでは
      の装備品もたくさんあるのに、いち施設科好きとしてはちょっと寂しい内容でした。

       その後は狭い駐屯地をもう一回りして、富山駐屯地を後にしました。施設科らしいものが見れた様な見れな
      かった様な・・・
でしたが、焼きそばは美味しかったですし特殊な形状の会場を生かした模擬戦闘訓は見ごた
      えがありましたし、かなり楽しめましたね。
       駐屯地うどんに関しては野外炊具2号(改)で作って配食する年もあるそうなので、次回は是非それを狙っ
      てみたいものです。
       ちなみに前日の土曜日は、富山駐屯地からほど近いドライブイン頼成山(らんじょやま)にて、今時珍しい
      自販機ハンバーガー
を喫食。用事のついでとは思えない程に充実した富山遠征でありました。




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