中部方面隊創隊54周年記念行事

2014.10.12



       兵庫県伊丹駐屯地にて行われた、中部方面隊創立54周年記念行事に行ってきました。全国を5つの防衛警
      備区
に分割した陸自の方面隊のうち、北陸・中部・近畿・中国・四国の2府19県を担当しているのが中部方
      面隊
。本日はその中枢である総監部がおかれた伊丹駐屯地に各部隊が集結し、毎年秋恒例の一大イベントとな
      りました。
       第36普通科連隊を擁する伊丹駐屯地独特の明るくフレンドリーな気風に加え、東は富山県から西は山口県
      まで、各地の様々な特産物を持ち寄った大規模な屋台群も当イベントの華。この時期は同じ週末に複数のイベ
      ントが重なりがちですが、やっぱり伊丹に足が向いてしまいますね
       ちなみに当日は、本州に接近しつつある台風19号の影響で薄曇りの上空は風が強く、肌寒さもあってちょ
      っと不穏な空模様。なんとか今日一日持ってくれる事を祈りつつ、0820に伊丹駐屯地西門に到着です。既に
      沢山の人達が行列を作っていました。

       ここで当S.A.Sに頻繁に感想のメールを送って頂いているヒロさんと、そのお子さんのユウ君に初対面で
      す。民間チレンジャーとして日々広報の現場で活躍されているお母さんと、夢は幹部自衛官という小学6年生。
      HP内にて戦闘糧食を扱ったりで微妙に後ろめたい所のある私としては、なんか眩しいものを見せられている
      気がします(笑)。
       その後は予定より早めに開門。手荷物チェックをクリアしてしばらく会場手前にて待機した後は、定刻通り
      に式典会場に入ります。伊丹は一般見学者用に大きな雛壇を用意してくれているので、ゆっくり歩いても余裕
      で席を確保できるのが有難いなあ。空も明るくなってきましたし、今日はいい創隊記念行事になりそう

       その後は屋台へ向かいます。まずはざっと偵察しますが、食べ物系はうどん、わらび餅、羊羹、出雲そば、
      じゃこ天、白山おろしそば、焼きそば、タコ焼き、焼き鳥、豚串、フランクフルト
。それ以外にも萩焼丹波
      の枝豆、山北みかん、すだち、鳴門金時、くじ引き、輪投げ、スーパーボールすくい
。なんとなくどの駐屯地
      から来たのか分かってしまうあたりが、いかにも方面隊規模のお祭りですね。他にも36普連や第3特殊武器
      防護隊がグッズ販売
を行っていて、実に伊丹らしい充実っぷりに嬉しくなります。

       うわあ、今年もいました!36普連2中隊のトウモロコシ屋台(笑)!トウモロコシというだけで笑いが取
      れるのは、全国の駐屯地を探してもこの人達ぐらいだろうなあ・・・。今年の売り子は3名で、例年通りの異
      様なオーラをメラメラと放ちまくっている
のが素晴らしい。女子高の制服のスカートから突き出たスネ毛まみ
      れの生足
も、爽やかな朝に相応し過ぎて心の底からゲンナリさせられます。
       よく見ると3人とも胸に赤リボンをつけていますが、これは伊丹的に要注意人物の目印でしょうか(笑)。
      トウモロコシを売るのに何故かバットを握りしめている
というのも、地味に怖さ倍増です。まあ今年は3本
      買ったので、これぐらい書いても怒られない・・・よね?(笑)

       それにしても、相変わらず伊丹はコスプレの隊員さんが多いなあ。一般見学者よりも、隊員さんの方が楽し
      みまくっています。
       また、よく見ると例の巨人の人がうろうろ歩いていました。これ、知らない小さな子供が見たらトラウマも
      だよなあ。しかも上半身が前後ろで、後背筋が前に来ているので失敗したガンキャノンみたい(笑)。先月
      の富山駐屯地で『巨人のくせに○○○○ちっさ(笑)』とバカにしてしまったので、怒って伊丹まで追っかけ
      てきたのか
と心配になりましたが、お願いすると気さくに記念撮影に応じてくれました。

       そしてさらに強烈だったのが、某部隊(特に名を秘す)が出していた焼きそばの屋台。でかい図体の黒いボ
      ディコン金髪
と、体操服&ピンクのブルマー姿の隊員さんが売り子を務めていました。もろちん、いや
    もちろん男です(泣)。
なんなのこの駐屯地・・・。
       顔のところだけを塗りつぶした画像をUPしようかなとも思いましたが、流石にそれでも色々とアレ過ぎる
      ので、公開は控えさせて頂きます。当S.A.S史上初となる発禁画像です。敢えて言うなら、女装した和田ア
      キ子みたいなもの
をご想像下さい。
       「みんな笑ってるだけで買うてくれへん・・・」
       とボヤいていましたが、多分怖くて屋台に近寄れないんだと思います。
       しかしこれ、なんで許可されたんだろう・・・。普段から辛く厳しい訓練をガンガンこなしているからこそ、
       「たまには思い切り弾けさせとかないと、逆にヤバイかも・・・」
       という上の人の判断だったのでしょうか。著しく方向性を間違ってる気がします。
       ちなみに出している焼きそばはとても美味しかったのですが、売り子のインパクトがあまりにも酷過ぎて、
      細
かい味の印象は殆ど記憶に残りませんでした

       その後は松山駐屯地のじゃこ天、金沢駐屯地の白山おろしそば等を、ヒロさんとユウ君と一緒に頂きます。
      伊丹の屋台はここ数年メニューの固定化が進んでいて、以前あったサザエの壺焼き五平餅伊勢うどん
      レー
猪汁オムそば等の個性派が少なくなっているのが残念ですが、その一方どの屋台も経験を重ねただけ
      あってハズレがなく、コストパフォーマンスに優れた実力派揃い
なのが嬉しいなあ。
       さて、お腹が一杯になったので見学席に戻ります。雛壇は既に満席状態で通路脇にまで見学者が溢れ、期待
      度の高さが伺えます。少し風がありますが、空は徐々に青みを増していい塩梅。

       そして観閲部隊の入場が始まりました。さすがに方面隊規模の記念式典だけあって、この陣容は壮観です。
      本日参加の部隊は、観閲壇から向かって左側より中部方面音楽隊(伊丹)及び第3音楽隊(千僧)による合同
      音楽隊
第3偵察隊(千僧)、第3戦車大隊(今津)、第10特科連隊(豊川)、第8高射特科群(青野原)、
      第37普通科連隊(信太山)、第35普通科連隊(守山)、第46普通科連隊(海田市)、第50普通科連隊
      
(高知)、第4施設団第102施設器材隊(大久保)、中部方面情報隊(伊丹)、中部方面通信群(伊丹)、
      中部方面後方支援隊
(桂)、中部方面衛生隊(伊丹)、中部方面会計隊(伊丹)。

       続いて観閲部隊指揮官を務める第3副師団長兼ねて千僧駐屯地司令岩谷陸将補が入場。部隊は観閲部隊指揮
      官に敬礼。
       そして本式典の観閲官を務める中部方面総監山下裕貴陸将が、黒の業務車で入場。登壇した観閲官に対し部
      隊は栄誉礼、捧げ銃(ささげつつ)を執り行います。

       その後部隊は、一・二・三の八拍子でびしっと着け剣。来場者全員起立の中、国旗が入場して国歌君が代
      厳かに吹奏されます。
       観閲官と観閲部隊指揮官がパジェロに乗り込み、部隊巡閲が行われます。総勢900名の式典参加部隊を前
      にして、観閲官は威風堂々の敬礼を返しています。
       再び登壇した観閲官は、壇上で式辞を披露。続いて来賓による祝辞が行われますが、今年はわずか2名だけ
      だったので簡単に終了。来賓紹介祝電披露もサクサクと進み、観閲行進の準備の為に部隊の退場が始まりま
      した。方面隊の記念行事にしては、今年は随分シンプルにまとめた印象。例年なら来賓の人が入れ替わり立ち
      替わり、3人も4人も出て来て退屈するのですが。今後はこういう流れになるのかな?

       会場には第3特殊武器防護隊の除染車3型がやってきて、乾燥した式典会場への散水を開始。しかし本日は
      風が強く、噴き出た水煙は招待者が居並ぶ観閲壇に襲い掛かります。多くの人達が顔を背けたり上着を被った
      りする中、礼装に身を包んだ高級幹部達は微動だにしていないのが印象的。さすが、雨が降っても傘はささな
      い自衛官ですね。

       ここで遅れてやってきた来賓の紹介が行われました。場内アナウンスのWACに「その場でご起立頂きたい
      と思います」
と言われた議員の先生は慌てて立ちあがっていましたが、なんだか遅刻した生徒がクラスのみん
      なの前で立たされているみたい
なのが、なんともはや。
       そして観閲行進が始まりました。先頭を切るのは中部方面音楽隊と第3音楽隊による合同音楽隊。観閲壇前
      で一斉にターンして定位置についた所で、演奏が『中部方面隊歌』に切り替わります。へー、これは珍しい。
      初めて聴きましたが、勇壮でカッコイイ曲だなあ。

       続いては中部方面隊の防衛警備区にあたる2府19県の旗が、パジェロに乗って登場。県旗が目の前を通る
      たびに、会場からは温かい拍手が贈られます。
       ここで曲目が『抜刀隊』に切り替わり、観閲部隊指揮官と幕僚を乗せた指揮通信車がやって来ました。指揮
      官は壇上の観閲官と敬礼をかわします。次は第37普通科連隊と第35普通科連隊徒歩行進

       第3偵察隊からの指揮通信車、軽装甲機動車、偵察オート、87式偵察警戒車が続いた後は、第3特殊武器
      防護隊からのNBC偵察車がやって来ました。従来の化学防護車生物偵察車両方の機能を集約した、化学科
      部隊の最新装備です。

       第46普通科連隊からは高機動車。第50普通科連隊からは軽装甲機動車。ルーフの上では、背筋をびしっ
      と伸ばした隊員さんがMINIMIを構えています。
       第10特科連隊からは7トントラックに牽引された155mmFH−70榴弾砲。いかにも火砲!という雰
      囲気に満ちていて、歓声が上がります。
       第8高射特科群第339高射中隊からは03式中距離地対空誘導弾射撃レーダ装置、発射装置、運搬装填
      装置
が参加。どの車両もやたらでかいので、遠目に見ていても迫力がありますね。

       中部方面情報隊と中部方面通信群からは、トラックに搭載された各種情報通信装置類が。各部隊は観閲壇前
      で「敬礼!」と号令をかけますが、中でも中部方面通信群の指揮官の号令が一番大きかったのが印象的。音楽
      隊の演奏
車両の音が鳴り響く中、マイクなしでもこちらまで聞こえてくる程。さすが通信!と言わざるをえ
      ません。

       中部方面後方支援隊からは重レッカ、重装輪回収車、資材運搬車を搭載したトラック、不発弾処理車。中部
      方面衛生隊からは救急車野外手術システム。中部方面会計隊は特にこれといった特徴的な車両を持たないの
      で、パジェロのみ。

       第4施設団第102施設器材隊からは92式浮橋、動力ボート、92式地雷原処理車。そしてトリを務める
      のは第3戦車大隊からの74式戦車が4両、怒濤の行進です。うはー、やっぱりこれが一番歓声が大きいです
      ね。目の前に来ると地鳴りエンジン音、キャタピラの音で他に何も聞こえなくなるのが圧巻。

       そして回転翼機9機編隊による航空展示部隊がやってきた・・・と思ったのに、上空進入の許可が下りなか
      った為、せっかく目の前まで来たにもかかわらず通過は中止。会場からは大きなため息があがります。
       なにぶんすぐ隣に伊丹空港があり、式典の最中も頻繁に民間旅客機が上空を通過して行ったので、これは仕
      方ないですね。毎年本当にギリギリのタイムスケジュールでやっているんでしょう。自衛隊のイベントに来た
      のは初めてという方々には残念でしたが、これに懲りずにまた来てほしいものです。上空に浮かぶ豆粒の様な
      ヘリ9機編隊も、悔しそうに帰って行きました。
       最後は音楽隊が拍手を浴びながら退場し、観閲部隊指揮官が観閲行進の終了を報告。式典参列者は国旗の退
      場
を全員起立で見送ります。

       そして訓練展示の準備が始まりました。リヤカーやトラックが沢山の遮蔽物を運び込み、敵部隊の車両も入
      場。鉄条網擬装網がテキパキと展開されていきます。
       ここで、訓練展示の注意事項と概要がアナウンスされました。会場南側に陣取った敵部隊に対し、陸自は北
      側の築山、通称『伊丹の台』から攻撃を仕掛け陣地の奪還を図る・・・といういつものシナリオですね。

       そして状況開始ラッパが鳴り響き、訓練展示が始まりました。まず中隊長は、陣地防御の為の高射部隊を前
      進させます。
       「高射部隊、こちら中隊長!陣地潜入せよ!」
       「高射部隊、了解!」

       03式中距離地対空誘導弾93式近距離地対空誘導弾が飛び出してきて、伊丹の台周辺に展開。巨大な発
      射機を搭載した車両が砂煙をあげてロールしているのが凄い重量感。陣地についた車両は、すぐに射撃体勢
      整えて上空に睨みを効かせています。

       そして敵部隊後方の隊舎屋上に、陸自のレンジャー部隊が潜入開始。全身に擬装を施した狙撃部隊も周囲の
      警戒を開始します。
       「レンジャー、こちら中隊長、潜入を開始せよ!」
       4階建ての隊舎屋上からあっという間にロープ降下したレンジャーはすぐに敵の側面に回り込み、情報収集
      
撹乱、奇襲を担当します。

       それにしても、スピーカーから聞こえてくる部隊の通信内容が、一言一言区切りながらやけにハッキリ喋っ
      ている
のが気になるなあ。まるで観客に向かって丁寧に言い聞かせているみたい。昨年実施されたアンケート
      で、『通信内容が早口すぎて何を言っているのか分かりません』という感想が多かったのかな?
       わざとらしさ
が妙に強調され、やや緊迫感が損なわれる気がしましたが、自衛隊の有事における役割をいか
      に分かりやすく伝えるか
という意味では、こういった本来とは異なる演出もアリですね。
       「中隊長、こちらレンジャー。敵陣地及び敵警戒員を確認!」
       「レンジャー、こちら中隊長。敵警戒員を、隠密に処理せよ!」

       観閲壇前にいた敵部隊の警戒員にレンジャーが奇襲をかけ、徒主格闘で見事制圧。引き続き潜伏を継続しま
      す。そして屋上に展開していた狙撃部隊が、伊丹の台手前に侵入してきた敵部隊の斥候を発見。
       「中隊長、こちら狙撃部隊。敵の斥候を小高い丘に確認、狙撃する!」

       パーンと発砲音が鳴り響き、射撃陣地から150mほど離れた場所にいた敵の斥候がばたりと倒れ込んで、
      見事狙撃は成功。ちなみにアナウンスによると実際はこの5倍近い距離からの狙撃も可能だそうです。

       それにしても、今年の訓練展示は随分工夫して来ましたね。従来は北側から順番に攻め込んでいくというシ
      ンプルな内容でしたが、今年は右に左に中央に見せ場を振り分けながら、広い訓練場を縦横無尽に使っていま
      す

       その分見所が散らばった印象を与えそうですが、あえて一言ずつ区切って説明っぽくした通信内容のお陰か、
      皆さんそれほど混乱もせず展示内容に見入っている模様。

       そして陸自本隊からは偵察部隊が前進開始。派手なジャンプを決めて一気に敵陣深くまで斬り込んだ偵察オ
      ート
は、倒した車体を盾にして敵陣地に小銃射撃を浴びせます。すぐに敵部隊も反撃しますが、この反撃の早
      さや規模、火器の種類等
から、偵察隊員は相手の戦力と陣形を冷静に把握。ここでの情報収集の正確さがあと
      の作戦内容を大きく左右するので、非常に重要な任務です。

       「中隊長、こちら偵察部隊!敵○名確認!伊丹の台前面に、陣地防御している模様!」
       さらに詳細な情報を入手した偵察隊は、駆け付けた87式偵察警戒車の援護を受けながらあっという間に最
      前線から撤退。偵察オートの左側にぶら下がる様にして身を隠し、一気に離脱して行きました。

       中隊長はこの後の攻撃に先立ち、火力戦闘部隊に前進を命じます。
       「重迫撃砲部隊、こちら中隊長!陣地進入せよ!」
       155mmFH−70榴弾砲120mm迫撃砲RTが射撃体勢を整える中、軽装甲機動車に乗った小銃小
      隊
が前線に突入。敵の部隊と遭遇し、激しい戦闘が始まりました。

       ここで小銃小隊は、敵部隊を面で制圧する為に小銃先端に06式小銃擲弾を装着。伊丹の訓練展示では毎年
      お馴染みですが、あれ?今年は水色の訓練弾じゃないんですね。じゃああれって本物なのかな?

       一斉に発射された小銃擲弾は、敵部隊の陣地に見事着弾。派手に煙が噴き上がり、敵部隊はたまらず後退
      始めます。
       「特科、重迫、こちら中隊長!射撃せよ!」
       先ずは特科の155mmFH−70榴弾砲が空包を発射。重迫撃砲中隊の120mm迫撃砲RTもそれに続
      き、敵陣地周辺に次々と白煙が噴き上がります。

       その隙を突いて小銃小隊が前進を開始しますが、ここで一人の隊員が被弾して負傷。すぐに駆け付けた隊員
      が負傷個所を確認し、後方部隊に救援を要請。同時に止血と救命措置を施して、車両後方の安全な位置まで引
      きずって避難させています。
       敵部隊はここで化学兵器を使用。報告を受けた陸自本隊からは、第3特殊武器防護隊のNBC偵察車がやっ
      てきました。車両上部のセンサーマストを立ち上げ、周辺の大気の分析及び除染作業を開始します。

       負傷者は衛生隊によって後方へ搬送され、小銃小隊はさらに敵陣地へと距離を詰めて行きます。と、ここで
      高射部隊の対空レーダー
敵航空機の接近を探知しました。

       「中隊長、こちら高射部隊!伊丹の台方向、敵航空機確認!射撃する!」
       「中隊長、了解!高射部隊、撃て!」
       「目標、一つ!ロックオン用意!対空ミサイル発射!」

       すぐにブシューという効果音が流れ、敵航空機はあっという間に撃墜。高射部隊はすぐに次の射撃陣地へと
      陣地転換を開始します。
       最前線で激しい戦闘が続く中、敵陣地からは装甲車が出てきました。軽装甲機動車のルーフでMINIMI
      を撃っていた隊員は、すぐに01式対戦車誘導弾に持ち替えて装甲車に対する攻撃を開始。

       さらに上空にはAH−1S対戦車ヘリコブラがやってきて、ロケット攻撃を開始。命中した敵装甲車からは
      真っ赤な煙が噴き上がります。

       部隊はさらに前進するも、敵陣地手前の鉄条網地雷原に行く手を阻まれます。ここで施設科部隊の登場。
      巨大な92式地雷原処理車が、74式戦車を従える様にして突入して来ました。
       重量感溢れる巨体を翻して最前線まで斬り込んだ92式地雷原処理車は、発射機をぐいんと展開。ロケット
      弾に牽引された爆薬が地雷原を一直線に爆破処理
し、突撃経路を啓開します。この辺りのギミックは、第3師
      団なら大久保駐屯地で詳しく見る事が出来ますね。伊丹でもやった方が分かりやすくていいのですが、あれは
      大久保ならではの持ち味というか必殺技みたいなものですからね(笑)。
       なにそれ?と思った方は、来年ぜひ大久保駐屯地まで来て見てください。

       そして戦車及び火力戦闘部隊の支援射撃を受けながら、75式ドーザが前進開始。爆薬がほじくり返した一
      帯を素早く整地して、車両や小銃小隊の突撃準備を整えます。ちなみにこの75式ドーザは固定武装を持たな
      い
ので、最前線に丸腰で突っ込んで行く事になります。防弾装甲で身を固め、後方からの支援射撃があるとは
      言え、相当腹が座ってないと出来ない仕事だなあ。

       そして地雷原と鉄条網が見事処理され、いよいよ突撃準備が完了です。
       「特科、重迫、突撃支援射撃、撃て!」
       突撃準備を整える陸自部隊。
       「最終弾、だんちゃーく、突撃!」

       74式戦車が先頭を切って敵陣地になだれ込み、96式装輪装甲車もそれに続きます。後部ハッチからは
      銃小隊
が次々と飛び出して来て、敵部隊が立てこもる陣地に突撃をかけて見事制圧。訓練展示は以上で終了で
      す。
       いやあ、昨年の訓練展示に伊丹らしい工夫を加え、各部隊の役割を分かりやすく盛り込んだよく出来た訓練
      展示でした。パチパチパチ。

       それにしても、96式装輪装甲車から飛び出してくる小銃小隊の緊迫感が凄かったですね。前線での経過を
      見ながら徐々に前進できる前衛小隊とは違い、装甲車で最前線まで運ばれた後は、いきなり銃弾砲弾が飛び交
      う戦場に飛び込んで行く普通科小銃小隊
。生半可なメンタルでは勤まらない事は想像に難くありません。
       どちらも経験していないので素人の空想に過ぎませんが、輸送機からパラシュート降下する時と似た様な気
      分なのかも。

       その後は式典会場を離れ、屋台が居並ぶ桜通りへ向かいます。どの店も大繁盛で、既に売切御礼の屋台も。
      わざわざ遠くからやってきて売れ残りを抱えて帰るというのも切ない話なので、よかったよかった。
       さてもう一品、まだまだ頑張っている第104基地通信中隊の焼き鳥の行列に並びますが、出てきた焼き鳥
      は外は炭火でカリカリ、中はしっとりジューシーな焼き上がり。やっぱり伊丹の屋台はレベル高いなあ

       厚生センターも人でいっぱいですが、売店にて迷彩ハンカチご祝儀袋なる妙なシロモノを発見。普通にご祝
      儀袋
として渡した後は、迷彩柄のハンカチとして使えるそうです(笑)。本当にこれを使う隊員さんがいるの
      かどうかは不明ですが、自己紹介みたいなもんなのかなあ。

       また別の売り場では、『伊丹駐屯地カレー』なるレトルトを発見。このカレーの何をもって伊丹なのか全く
      く説明されておらず、
イロモノ臭さがプンプンしますが、まあ更新ネタにはなるか・・・と購入です。
       その後は74式戦車の体験試乗へ。うーん、流石に凄い行列です。かなり時間がかかりそうなので、先に
      材運搬車の体験試乗
へ向かう事に。その資材運搬車ですが、クレーンの所に砲身が据え付けられ、車体には
      加装甲
も施されてプチ戦車風に改造されています。チョロQみたいでカワイイなあ(笑)

       こちらは74式戦車とは違って人気がないのか(泣)、すぐに乗る事が出来ました。いやあ、長年あこがれ
      続けた資材運搬車、
ようやく乗れる日が来ましたよ!とうとう俺もここまでの男になったか(涙)。
       車両後部の荷台部分には、普段は駐屯地内の憩いスペースに置いてあるであろうお洒落ベンチが背中合わせ
      に設置してありました。うーん、武骨な資材運搬車に似合う様な似合わない様な・・・。

       二両ひと組で一緒に走る様ですが、一両目の最後尾に座ったので、後についた二両目を真正面から見る事が
      できるポジションです。健気に追いかけて来る二両目の様子がたまらなくカワイイ(笑)
       「待ってよー、ぼくを置いて行かないでよー」
       と言いながら慌ててついて来るみたいです(笑)。

       整備工場前の駐車場をぐるっと一周して、資材運搬車の体験試乗は終了。うーん、幸い乗る人が少ないので
      もう10回位乗りたかったのですが、係の隊員さんに白い目で見られそうなので泣く泣く断念します。

       その後ヒロさんとユウ君は74式戦車の体験試乗へ。私は撮影の為に周回コースへ向かいます。最近は一直
      線に前進後退するだけの体験試乗が増えていますが、伊丹は隊舎の周囲をぐるっと回ってくれています。4つ
      もコーナーがあって、満足度が凄いですね。
       屋台といい場内警備といい、見学者が激増する中で質を維持して行くのは本当に大変でしょうけど、伊丹な
      らではの遊び心いっぱいの気風
は、なんとか保ち続けてほしいものです。

       さて次週土曜日は、大阪湾堺泉北港にて行われる護衛艦はたかぜの一般公開に参加して、翌日曜日は京都府
      福知山駐屯地の創立記念行事
に参加です。それにしても伊丹〜福知山とは、またやけに濃い連戦だなあ(笑)。
      福知山第7普連の隊員さん達の弾けっぷりに期待しつつ、伊丹駐屯地を後にしました。




トップページに戻る
イベントレポート目次に戻る