![大久保駐屯地創立56周年 第4施設団創隊52周年記念行事](logo133311111.gif)
2013.05.26
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京都府宇治市に所在する大久保駐屯地で行われた創立記念行事に参加してきました。大久保駐屯地
には第4施設団の団本部及び団本部付隊、第7施設群各中隊、第102施設機材隊、第307ダンプ車両
中隊等の部隊が置かれています。
日本を大きく5つに分割している施設団のうち、西日本一帯を受け持つ第4施設団の部隊は北陸(一部)、
中部、近畿、中国地方という広範囲をカバーしていて、最前線から後方までの各部隊の施設構築作業や
支援活動を幅広く行うという、文字通りの縁の下の力持ち的な役割を果たしている他、世界各国における
自衛隊の平和維持活動の拠点を築いたり、国内での災害派遣においても様々な建築重機を操り、復旧
支援活動でも大きな役割を果たしている事でお馴染みであります。
個人的に大久保駐屯地は3年ぶり2回目の参加となるのですが、前回食べ損ねた屋台の焼きそばに関
していまだに引きずっている部分があるので、今日は何としてでも3年ぶりのリベンジを果たしたいところ。
創立記念行事が行われた当日は、昨日に引き続き朝から快晴。0825に大久保駐屯地正門前に到着し、
敷地内の自動車教習所コースを通って駐車場に車を乗り入れます。
久しぶりの大久保駐屯地、式典会場はひたすらだだっ広く実にいい気分。少しモヤっていますが初夏ら
しい青空で、春先から天候に恵まれないイベントが続きましたがこれなら文句なしですね。
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式典会場中央の観閲壇周辺にはまだ空きスペースがありますが、今日はそれよりもぐっと右側、大きな
池を背にした少し離れた場所に拠点を築きます。ここなら観閲行進の様子を真正面に近い位置から捉え
る事が出来る上、訓練展示終盤の山場をすぐ目の前で見る事が出来ます。そして何より、屋台広場に比
較的近い位置なので、訓練展示終了後の移動ではかなり有利という、戦略的に極めて重要な地点だと言
えます。
それにしても、いい年したおっさんのポジショニングが屋台の焼きそばに左右されるというのも相当トホ
ホな話ですが、俺はこれでいいんだよ!(半分キレてます)
さて、部隊入場まであと小一時間、まずは駐屯地内を練り歩くとしましょう。背後の池には92式浮橋の
橋節が2つ、横に並べて浮かべてありました。昼からはここでボートの体験試乗が行われる模様。
式典会場の片隅には、丸太や鉄条網、ライナープレート、その他何に使うのかよく分からない重機の部
品みたいなものが大量かつ整然と並べられています。これも施設科ならではの風景ですが、自衛隊の駐
屯地というよりも、むしろ山奥のダム工事やトンネル工事の現場に近いものがありますね。
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広いテニスコートには沢山の屋台がコの字型に並んでいますが、どこもまだ準備中で開店は1000以降。
昼からは大混雑になるので、今のうちに一通り下見を済ませて目星をつけておきましょう。
隣のグラウンドは装備品展示会場ですが、今はまだ何もなくがらんとしています。片隅にはバラキューダ
で擬装された広報展示コーナー、あと文化展の行われている白いテントが連なっていますが、よその駐屯
地に比べると陶芸や書画が多いのが、なんとなく京都っぽいなあ。
おお、巨大なエアドーム式の滑り台は92式地雷原処理車ですね。それにしてもこれ、細かいところまで
よく出来てるなあ。転輪のボルトの一つ一つまでちゃんと再現されています。
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駐屯地内のあちこちにはぎらぎらステンレスのボイラー配管がうねうねと這いまわっていて、こういうのを
見ると駐屯地にやってきた、という気がします。でも、最近の新しい駐屯地は電化が進んで、妙にすっきり
しているのが物足りないんですよね。
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PXが入っている厚生センターへ。大久保のPXは何だかやけに薄暗く、昔小学校の前にあった古い文房
具店を彷彿とさせる素晴らしい雰囲気。今時のPXは小奇麗なコンビニ風が多いので、こういうのは貴重だ
なあ。棚の奥からとんでもない掘り出し物が埃まみれで出てきそうな感じが堪りません。
陳列ワゴンには陸自隊員おなじみのチャック付き防水袋が沢山並んでいますが、中にはOD色のものも
あるんですねえ。これは確かに固定需要が見込めますが、山の中や薄暗い車両の中で落としたら探すの
が大変だろうなあ。
隊員食堂の前には沢山の掲示物があり、内容からは大久保の糧食班の頑張りが伺えます。平成25年
第一四半期朝食パンアンケート結果発表なる企画が行われ、AKB48の選抜総選挙を彷彿とさせます。
ちなみに堂々の一尉いや一位を獲得したのは、チョコチップメロンパン。上位のほとんどが甘味系か肉
脂系で占められているのが、これまた実に陸自らしいと言うか。
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また、部隊の希望献立や全国ご当地どんぶりなどの企画も活発で、今月は岡山県のえびめしが提供さ
れたとの事。エビと玉ねぎを入れて、ドミグラスソースとウスターソースで味付けした黒い炒めご飯だそうで
すが、美味しそうだなあ。ぜひ屋台で出してほしいものです。
また地元京都産の食材も使っているようで、食育の一環なのか生麩に関する詳しい説明も掲示してあり
ました。うーん、確かに消化吸収に優れた良質のたんぱく質ではありますが、ドカッと食べたい隊員さんに
生麩はウケが悪そうな・・・。そもそも陸自の食事と京料理って、今一つ合わなさそうですね。
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さて、そろそろ部隊の入場が始まります。式典会場に戻る途中、会場入り口あたりに雨ざらし展示されて
いたUH−1H多用途ヘリを発見。よく見るとその前には、沢山の丸太が地面に刺さっています。木登りの
訓練でもあるのかな?傍にいた隊員さんに尋ねてみると、
「ああ、あれは高所作業訓練で使います。垂直に立てた丸太と丸太の間に足場を組んで、高さを徐々に
上げていく事で、新隊員に高い所での作業感覚を覚えさせるんですよ」
なるほど。確かに施設科なら、そういう場面での作業も多いでしょうねえ。
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確保してあった式典会場右端の拠点に戻り、しばらくすると式典参加部隊の入場が始まりました。ここで
参加部隊の紹介が行われ、会場左手から中部方面音楽隊(伊丹)、第6施設群(豊川・鯖江・岐阜)、第7施
設群(大久保・富山・和歌山)、第304施設隊(出雲)、第305施設隊(三軒屋)、第102施設機材隊(大久保)、
第49普通科連隊第4中隊(豊川)という、そうそうたる顔触れです。出雲や鯖江、富山は一度遠征してみた
い駐屯地なので、興味深いなあ。
ここで観閲部隊指揮官が入場し、部隊は気をつけ。観閲部隊指揮官を務めるのは、第4施設団副団長
の池原伸宏一等陸佐。続いて感謝状受賞者の紹介が行われます。
そして観閲官が黒塗りのクラウンでやってきます。観閲官は第4施設団団長兼ねて大久保駐屯地司令で
ある小野塚貴之陸将補。団長は長身痩躯で、長い脚をカツカツと大股に振り回してあっという間に壇上へ
上がって行きました。同じ車両からは幕僚と思われる隊員さんも降りてきましたが、慌てて団長の後を小走
りで追いかけて行ったのが印象的。
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部隊は観閲官に対して捧げ銃を執り行い、続いて国旗が入場。参加者一同は起立で迎え、部隊は着け
剣での捧げ銃。音楽隊は君が代を厳かに演奏します。
観閲官による部隊巡閲の後は、式辞が披露されました。それにしても団長、ものすごい早口です。先程
のキビキビした何かを切り刻むような歩き方といい、いかにも実務に秀でた一軍の将らしいピリピリした雰
囲気が漂って、遠い所から見ている私まで圧倒されるなあ・・・。
式辞も無駄のない簡潔なもので、言うべき事を早口でカッカッカッと述べて、ピャッと切り上げた感じ。私
の様な口数の多いおっちょこちょいが部下だったら、75式ドーザで容赦なく踏み潰されそうです(汗)。
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旧海軍時代の艦長は艦内では半ば神格化された存在で、食事風景すら部下に見せることなく、3食とも
艦長室で摂っていた人が多かったという話を聞いたことがあるのですが、団長はまさにそんなイメージ。
もちろんこの団長も、自宅に帰れば普通に家族がいて普通の私生活があるんでしょうけど、江頭2:50
のDVDを見て笑い転げたり、尿管結石の再発に怯えながら水をがぶ飲みしたり、飼い猫とプロレスして
引っかかれたり・・・といったような光景が、どうにも想像できないのがすごいなあ。
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その後は来賓祝辞、来賓紹介、祝電の披露が滞りなく行われ、記念式典は以上で終了。部隊は観閲行
進の準備のために、ここで一旦退場します。入れ替わるようにして式典会場には散水車とタイヤローラー
がやってきて、乾いた地面に散水開始。既に腕や首筋がひりひりする位に陽射しがきつくなっているので、
車両の後部から噴き出す水が一服の涼を添えてくれます。
タイヤローラーの高い運転席がかなり揺れるのか、操縦している隊員さんがまるでご機嫌で鼻歌を歌い
ながら肩を揺すっているみたいに見えるのが、なんかいいなあ。あたり一面に抜き身の緊張感を放射して
いた団長の後だけに、ホッとしてしまいました。
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そして観閲行進が始まりました。まずは中部方面音楽隊が、行進曲『大空』を演奏しながら入場。磨き抜
かれた金色の楽器に、初夏の太陽がきらきらと反射しているのがきれいだなあ。
京都府の府旗と奈良県の県旗が続いたところで演奏は『抜刀隊』に切り替わり、観閲部隊指揮官を乗せ
た指揮通信車が先頭を切ってやってきます。あれ?よく見ると、第4施設団副団長が座乗しているのは第
7普通科連隊の指揮通信車ですね。施設団に指揮通信車ってないのかな?まあ必要ないといえばそうな
んでしょうけど、せっかくだから施設団の大型車両を使えばいいのに。
第7施設群新隊員教育隊から参加の172名がやってきました。この春入隊したての隊員さんで、恐らく
今日は部隊配属後初めての晴れ舞台なんでしょう。
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続いて第6施設群からは道路障害作業車。第7施設群からはトラックに牽引された水トレーラと野外炊具
1号(改)。第380施設中隊からは掩体掘削機を乗せたセミトレーラ。第381施設中隊からは装甲車の上に
棺桶を乗せたような92式地雷原処理車。
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第304施設隊からは75式ドーザがやってきました。一見してバックで進んでいるように見えますが、実は
こちらが車体前部で、ドーザが付いている方が後部です。前線に突入する際は、バックで進入してそのまま
前進で離脱する訳ですね。慣れていないと、ザリガニが逃げて行くみたいに見えるなあ。
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第305施設隊からは中型ドーザを乗せたセミトレーラ。第102施設機材隊からはクレーン付きのトラック、
92式浮橋、動力ボート。あと、なんだか見慣れない巨大な機械を乗せたセミトレーラもやってきましたよ。ど
うやらこれは道路を作る際に使用される、巨大な岩石を粉々に砕く装置との事。敷石でも作るのかな?よく
見るとキャタピラもついているので、これ自身が自走出来る模様。うーん、相変わらず施設科の装備品はバ
ラエティに富んでるなあ。
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ちなみにこの装備品、クラッシャー2型と言うそうです。自走式破砕機という別名で民間の建設業社でも同
じものが使われているらしいですが、いつも結構ムリヤリな和名を装備品につける事が多い陸自で、クラッ
シャー2型は妙に浮いている気がします。個人的には、愛称はバンバンビガロとかコリン・マクレーでいきた
いところ。
第307ダンプ車両中隊からは、6両のダンプトラックが整然とやってきました。観閲壇の前では先頭車両
から順番に荷台部分を持ち上げて、ウェーブまで披露!豪快なのに妙に芸が細かいところが、ニッポンの
軍隊の施設科ですね。
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第3施設大隊からはバケットローダを乗せたセミトレーラ、81式自走架柱橋、掩体掘削機を乗せたセミト
レーラ、トラッククレーン、83式地雷敷設装置を牽引したトラック。
第3後方支援連隊からは施設工作車。第104施設直接支援大隊からは大型トラック、施設工作車、重レ
ッカ。
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その後は第3及び第10師団各部隊から駆け付けた車両が登場。87式偵察警戒車、軽装甲機動車、96
式装輪装甲車、120o迫撃砲RTを牽引した高機動車、化学防護車、155oFH−70榴弾砲を牽引した大型
トラック、そしてトリを務める74式戦車のところでは、一分の狂いもないタイミングでUH−1J多用途ヘリとA
H−1S対戦車ヘリによる航空観閲部隊がやってきて、大規模な観閲行進を見事に締めくくります。いやー、
やっぱり大久保の観閲行進は見ごたえがあります。
その後は観閲部隊指揮官が観閲行進の終了を報告し、国旗も退場。参加者一同は起立で見送ります。
続いては各種アトラクション。まずは中部方面音楽隊による演奏が披露され、本日の曲目は『風が吹いて
いる』と『残酷な天使のテーゼ』。
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2番手はここ大久保駐屯地有志による三施太鼓が、セミトレーラに乗ってやってきました。これも施設科ら
しい舞台装置ですが、会場右側にいる私の位置からはトレーラのヘッド部分しか見えず・・・。三施太鼓一同
は2曲披露して、大きな拍手を浴びながら退場です。
さらに畳みかけるように、関西外国語大学チアリーディング部パイレーツの皆さんが入場。舞台中央で元
気いっぱいのチアリーディングを披露しますが、会場右端では同時進行でこの後の訓練展示の準備が始ま
り、巨大な有刺鉄線の塊やライナープレート、テント状のトーチカを抱えた隊員さん達が忙しそうに動き回っ
ています。
茂みの奥の方では敵対抗部隊役の隊員さん達による最終打ち合わせも始まり、周囲の人たちは健康的
なお色気を振りまくパイレーツよりもこちらの方が気になる模様。いやー色んな意味で順調に歪んでますね、
みなさん(含む私)。
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パイレーツが退場した後は、第4施設団各部隊から集まった格闘指導官による徒手格闘展示が始まりま
した。まずは蹴りや突きの基本動作を見せた後は、さまざまな状況を想定した対処要領を次々と披露。
地面がカラカラに乾いているので、隊員さんが投げ飛ばされたり蹴り倒されるたびに土煙が派手に舞い上
がるのがすごい迫力です。
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最後は全員で号令をあげながら、駆け足で退場。うーん、これはもっと近くで見たかったなあ。
さて、最後はいよいよ訓練展示。今回は第7施設群が中心となって各部隊との連携を取りつつ、敵対抗部
隊に占拠された会場右側の『右の台』を奪還するシナリオとの事。
まずは偵察隊員の操る偵察オートが3台、次々にジャンプを決めながらやってきました。偵察隊は右の台
奥に敵対抗部隊の陣地を発見、ただちに無線で中隊長に報告します。中隊長は敵陣地の陣容を探るべく、
偵察隊に前進を命令。
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敵陣地手前まで一気に切り込んだ偵察隊員は、オートを盾にして小銃射撃を浴びせて威力偵察を実施。
敵対抗部隊もすぐに応戦しますが、偵察隊は陣地周囲の状況を探りつつ、反撃の規模から敵対抗部隊の
戦力データを収集。本隊に報告します。
「中隊長!こちら偵察隊、敵陣地前方に地雷原あり!」
ここで役目を終えた偵察隊は、駆け付けた偵察警戒車の支援を受けながら一気に撤退。本隊では偵察
隊からの情報をもとに、右の台奪還作戦が立案されます。
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「こちら中隊長、火力戦闘部隊は速やかに前進。右の台に向けて射撃を実施せよ!」
会場左奥からは特科部隊のFH−70榴弾砲が自走して登場。射撃位置につくと、すぐに特科隊員たちが
群がって射撃準備が始まります。
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その間に本隊からはAH−1S対戦車ヘリコブラが出撃し、敵陣地に向けて急接近。周囲の立木を巧みに
利用しつつ、超低空から敵陣地に対して攻撃を行います。それにしても、コブラがここまで低い所に降りてき
てぐるんぐるん回っていると、見てるこちらがハラハラしますね。位置的にこっちまで攻撃されてる気になるの
で尚更です。
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コブラによる対地攻撃で敵対抗部隊の戦力を削いだ後は、入れ替わるようにしてUH−1J多用途ヘリが
やってきて、カーゴドアからは4名のレンジャーが一気にロープ降下開始。あっという間に着地したレンジャ
ー潜入要員は、周囲の遮蔽物を利用しながらすばやく敵陣地側方に迂回していきました。
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後方に展開したFH−70榴弾砲は準備が整ったようで、
「中隊長、こちら特科!射撃準備完了!」
敵陣地に関するデータが次々と読み上げられる中、FH−70榴弾砲は砲身を高々と持ち上げ、号令と同
時に初弾を発射。轟音とともに巨大な火球が噴きあがり、会場を埋めた観客からはどよめきが沸き起こり
ます。
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着弾煙に紛れ込むようにして再びAH−1S対戦車ヘリが低空で滑り込んできて、今度は機首下部の20o
機関砲による攻撃を開始。3本の砲身が高速で回転しつつ、生き物のようにウネウネと動き回るのがよく見
えます。
AH−1S対戦車ヘリが一旦引いたところで再びFH−70榴弾砲が砲弾を浴びせます。敵陣地からも必死
の反撃がおこなわれますが、ここで一気に突入してきた74式戦車が砲撃開始。バン、という内臓に響く発射
音に、会場のあちこちからは短い悲鳴が。
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さらにここで敵陣地近くに潜入していたレンジャーが奇襲を開始。右の台側面からいきなり飛び出してきて、
機関銃陣地のあるトーチカに対して火炎放射機による攻撃を浴びせます。
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火炎放射機は背負い式のタンクと小銃状のノズルで出来た小さなものですが、噴き出す炎は30m程も離
れたトーチカに襲い掛かり、あっという間に炎に包まれて丸焦げに。おおおおお、強烈だなあ。
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続いては敵陣地手前に敷設された地雷原と鉄条網を処理すべく、92式地雷原処理車が登場。キャタピラ
を軋ませながら敵陣地手前で停車し、車両上部に搭載された発射機をぐいんと持ち上げます。
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ここで隣にあったクレーンから引っ張られたケーブルに沿って、地雷原処理車のロケット弾を模した飛翔
体が草むらからスルスルと飛び出してきました。そうそう、大久保と言えばこの昔の特撮みたいなギミック
です!前回参加時は、意表を突かれてちゃんと撮影できなかったんですよね。
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律儀にもきちんと後部から火を吹いているロケット弾は、爆薬を牽引しつつぐんぐん上昇。地雷原と鉄条
網を飛び越えたところで落下し、牽引された爆薬が一斉に爆発。真っ白い煙がどかーんと噴きあがり、地
雷原と鉄条網は見事爆破処理されました。いやーさすが施設科!大掛かりな仕掛けを持ってきました。
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ロケット弾と爆薬によって啓開された突撃通路を整地すべく、75式ドーザがバックで進入してきました。銃
弾が飛び交う中、巨大な車体を揺さぶって整地作業を終えた75式ドーザは一気に撤退。この後の小銃小隊
による突撃を支援すべく、後方からはFH−70榴弾砲と74式戦車が敵陣地に砲弾の雨を降らせます。
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そして最後は、普通科の軽装甲機動車群が突入してきて、飛び出した小銃小隊が74式戦車とともに敵陣
地に肉薄。74式戦車の最終弾が発射されると同時に、小隊長の号令一下、小銃小隊は敵陣地に一気にな
だれ込みます。
敵対抗部隊の兵士たちは散り散りになって敗走し、陸自部隊は右の台の奪還に見事成功。大迫力の訓練
展示に対し、会場からは大きな拍手が送られました。パチパチパチ。
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いやー、お見事の一言に尽きる、素晴らしい訓練展示でしたね。各部隊が巧みに連携を取りつつ作戦を
進めて行く様子や、普段は何かと裏方仕事に回りがちな施設科の魅力をこれでもかと見せつけた、よく出
来たシナリオでした。満足度でいえば福知山に匹敵するといっても過言ではないでしょう。
コブラは見ているこちらがヒヤヒヤする程の機動を見せてくれましたし、地雷原処理のギミックも迫力満
点。実にお得感のある内容でした。
・・・と、感慨に浸る間もなく、ここで一気に現場を離脱。私も屋台広場に向けて電撃的に移動します。い
つの間にやら会場はものすごい人出になっていますが、3年前に食べ損ねた焼きそばはもう目の前!
ほくそ笑みつつ到着した屋台広場。まっすぐに焼きそばのテントに向かいますが、なんとこの時点で既に
売り切れ!えええええ、訓練展示終了と同時に最速のタイミングで到着しても売り切れとは・・・幻すぎるぜ
大久保の焼きそば・・・。
ショックのあまり膝の力が抜けそうになりますが、絶体絶命のピンチに陥ったアスリートが追い込まれた
メンタルを一瞬で切り替えて反撃に転じるように(そんなにカッコいい事をしているわけではありません)、す
ぐさま気を取り直して次なる獲物を求め、カレーの屋台に突入します。
ちなみにこの『チャンピオンカレー』という商標登録ギリギリのカレーを出している第7施設群本部管理中
隊ですが、先に行われた炊事競技会では見事優勝に輝いたという文字通りのチャンピオン。すぐに受領
できたチャンピオンカレー、まずは一口頂いてみましょう。
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おお、これは美味い!ひき肉を使ったキーマカレーだったのには意表を突かれましたが、ひき肉の旨味が
惜しげもなくルーに溶け込んで、なるほどこれは見事な出来栄え。荒くれ者揃いの施設科隊員を力ずくで黙
らせる、実によく出来たカレーですね。子供の舌に照準を合わせたのかかなり甘口ですが、甘いなりの旨味
は十分に堪能できるのがご立派であります。
しかし、ひとつケチをつけるとすれば、ルーが甘口だけに白ご飯とのバランスにやや難点があるような・・・。
いや、これはルーが甘いとか少ないとかではなく、白ご飯が多いというべきでしょう。とは言え、てんこ盛りの
白ご飯をドカドカとかき込むというのが実に飯場チックというか、ある意味これは施設科ならではの味わいな
のかもしれません。
さて、続いては鯖江駐屯地の372施設中隊が展開しているサバエドッグに行ってみよう!それにしてもサ
バエドッグって初めて聞きますね。順番待ちの間に屋台の外にあるPOPを見てみると、どうやらご飯を豚薄
切り肉で巻いてパン粉の衣をつけて、アメリカンドッグ風に揚げたものだそうです。“歩くソースかつ丼”という
のがコンセプトだそうで、これはちょっと面白そう。
しばらく待って出てきたサバエドッグですが、二度づけお断り風に全体がどっぷりとソースに浸され、かわい
い紙コップに入っています。さっそく齧りつくとしましょう。
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ほほう、確かにこれはソースかつ丼そのもの。パン粉の衣は甘酸っぱいソースでビタビタになりながらも、
揚げたての刺々しさを微塵も失っておらず、中の福井県産コシヒカリも豚ロースの旨味をたっぷりと吸って
実に美味!
この手の後から作ったご当地グルメって、無理矢理過ぎてハズレを引くものが多いのですが、これはよく
出来ている貴重な例ですね。歩きながら齧れるソースかつ丼という『食べる楽しさ』も十分で、瞬間最大風
速的には本家ソースかつ丼を凌駕している気がします。
それにしても、スタートから2品連続で大当たり。大久保の屋台はレベル高いなあ。この頃には屋台広場
は混雑の極みで、頭上から照りつける太陽もかなりきつくなってきましたが、久々の大久保ですしもう一品
いっときましょう。
出雲駐屯地の第304施設隊が出している出雲そば。ここは冷たいそばをツツっと頂くのが良さそうです。
今日の締めくくりはこれに決定。
すぐに受領できた出雲そばは、三角揚げにカマボコ、青ネギ、天カスとなかなか具だくさん。そしてこの冷
たいそばが、冷たい筈のそばが・・・冷たく・・・ない。ってか、熱いそばじゃないですかこれー!
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いや、ろくに確認せず勝手に冷たいそばだと思い込んでいた私が一番悪いのですが、この炎天下に頂く
熱いそばというのも、これはこれで悪くありません(負け惜しみ)。最後は額ににじむ汗を拭きつつ食べる羽
目になりましたが、次は是非こちらから出雲駐屯地に乗り込んで食べてみたいものです。
いやあ流石にお腹いっぱい。屋台でしかお目にかかれないような極太フランクフルトにも心を動かされま
したが、もう入りそうにありません。
その後は腹ごなしがてら、駐屯地内をぶらぶらと散策。大久保は敷地内に程よい高低差があって樹木も
多いので、まるでどこかの公園にいるような気分です。時期的に桜の新緑がとても美しく、あちこちの木陰
ではレジャーシートを広げてくつろぐ隊員さん一家もちらほらで、みなさん記念行事を楽しんでいる模様。
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3年ぶりの大久保駐屯地、実に楽しめました。観閲行進や訓練展示は迫力満点、屋台のレベルも非常に
高く、来年もぜひ参加したいなあ。
しかし返す返すも残念だったのが焼きそばです(まだ言うか)。1000から開店した屋台が1200にはもう売り
切れって・・・。こうなると、一体どうすれば食べる事が出来るんでしょうか。
式典の最中に抜け出して食べに行くというのはなんか違う気がしますし、誰かに頼んで買ってきてもらうと
いうのもなあ・・・。やっぱり屋台グルメって、実際に自分で並んで「あと5人・・・あと3人・・・」というワクワク
感があってこそだと思いますし・・・うーん、難しいなあ。
各種展示を満喫しつつも次の大きな課題を抱える事となり、来年がさらに楽しみになった大久保駐屯地を
後にしました。
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