護衛艦せんだい一般公開in小松島港

2013.07.14



        徳島県小松島港赤石埠頭で行われた、DE232護衛艦せんだいの一般公開に参加してまいりました。せんだ
       いはあぶくま型護衛艦4番艦として建造され、私個人的に最近よく縁のある艦であります。
        2013シーズン前半戦も折り返し地点を過ぎ、初っ端から舞鶴地方隊展示訓練の応募が全滅するという悲劇
       に見舞われましたが(泣)、海の日絡みの3連休を皮切りに、これからは毎週のように全国各地で艦艇イベントが
       目白押しとなります。落ち込む気持ちを切り替えて、目の前のイベントを楽しむとしましょう!。
        阪神高速と第二神明、阪神淡路鳴門道路を走って徳島入り。0830には小松島港赤石埠頭に到着です。上空
       は若干モヤっていますが、今日も一日暑くなりそうだなあ。




 赤石埠頭の広大な埋め立て地に、ぽつんと浮かぶように
して停泊している護衛艦せんだい
 せんだいにひっついて見えるのは、貨物船に木材チップ
を搬入する為の巨大なベルトコンベアーです。こうして見る
と、ボーディングブリッジみたいでちょっとカッコいいなあ。
 またこの赤石埠頭は、7年前に潜水艦ふゆしおの特別公
開で初めて訪れた、色々と思い出深い場所でもあります。






 0900開門。埠頭の端っこからせんだいを撮影です。
 ちなみに、護衛艦せんだいは基準排水量2,000トン。たか
なみ型やあきづき型護衛艦の半分以下というサイズですが、
そのほっそりすっきりとしたラインの美しさには、いつ見ても
惚れ惚れとしてしまいます。
 私のイメージ的にはに近いのですが、あぶくま型は日本
の河川
から名前を頂いていますし、鮎は川からへ下る魚。
そして、自分の縄張りを必死に守る獰猛さと女性的な美しさ
を備えた魚
です。そう考えると、あながち見当はずれでもあ
りませんよね?






 左舷舷門より、乗組員の方たちの敬礼を受けつつ護衛艦
せんだいに乗り込みます。
 艦中央部のアスロック発射機、丸くて低い煙突・・・。私が
初めて乗艦した、護衛艦きくづきを彷彿とさせるスタイルが
たまりません。






 艦橋構造物後方のラッタルを上がって、右ウイングに出ま
す。艦の右肩に当たる、航海中の見張りや通信を行う場所
です。
 手前に突き出ているのが見張り用の12センチ双眼鏡、そ
の奥にあるのがジャイロ・コンパス・リピーター、隊員さんの
左肩近くに伸びているのが海水噴射ノズルです。
 これは、化学兵器による攻撃や放射性物質を含んだ塵
を浴びた際に、ポンプで組み上げた海水を噴出させて艦全
体を除染
するための装置で、艦のあらゆる場所に血管の様
に張り巡らされています。




 右ウイングより、せんだい艦橋へ。よく考えたら、せんだい
の艦橋に入るのは今回が初めて。瀬戸内海を渡って、徳島
まで来た甲斐がありました。
 右端に見える青赤のシートは艦長席ですが、『座らないで
下さい』
との掲示物が。
 いや、そもそも恐れ多いですし、私が今さら座ろうなどとは
思いませんが、海の日絡みの3連休で家族連れの方も多か
ったので、小さな子供ぐらいは座らせてあげてもいい様な気
が・・・。
もしかしたら、将来の海上防衛を背負って立つ人材
になるかもしれません。






 艦橋左側、副長席(司令席)から見た風景。絵に描いた様
な夏の風景ですね。ああ、もうこのまま体験航海に出たい
なあ・・・。









 艦橋後方の通路の一角にあった、せんだい神社とも言う
べき神棚。お神酒が備えられていますが、艦内は飲酒厳禁
なので、中身は水です。
 南天の木で出来たお箸が備えられていましたが、どうやら
これは“難を転ずる”との願掛けの模様。
 ちなみに右下の方に『補給長』という小さなシールが貼られ
ていて、まさか補給長が御神体なのかと思いましたが、右上
にあるフックが補給長の帽子掛けになってる様でした。
 右側の角向うには沢山の帽子掛けが並んでいて、どうして
も一人分だけ場所が足りなかった
のでこうなったみたいです。
 小さなあぶくま型は、艦内スペースのやりくりも大変ですね。




 艦首にある62口径72o短装速射砲。年々巨大化する汎
用護衛艦のスタンダードである127o速射砲と比べると、ス
ペック的にはかなり見劣りしますが、小型軽量で扱いやすく、
航空機のみならず対艦ミサイルの迎撃までこなせる芸達者

です。
 まあ、小型軽量とは言え、隣に立っている人と比べると御
覧の通り見上げるようなサイズなのですが。






 艦中央部に設置されたアスロック発射機。この中に8本の
誘導魚雷が格納されていて、ロケットによる射出の後パラシ
ュート
を開いて着水し、その後は敵潜水艦にむけて一直線
に航走します。
 VLSによる垂直射出方式が主流になりつつありますが、こ
れがドンと構えていると、妙な頼もしさがありますね。
 また、真夏の体験航海では、紫外線を気にする女性達
日陰を求めて群がるので、シースパロー発射機と並ぶハー
レム兵器
でもあります。さすると御利益があるかもしれませ
ん。





 艦尾にそびえ立つ高性能20o機関砲。72o速射砲や僚艦
のシースパローによる防空網をかいくぐって接近してくる航空
対艦ミサイルから艦を守る最後の砦です。
 白い筒状の部分はレーダードームで、6本束ねた砲身の下
にあるドラム状のものが弾倉です。
 その風貌から、米海軍では親しみをこめて“R2D2”と呼ば
れていますが、海自では特に愛称は無いとの事。“Q太郎”
では、今一つ強さに欠ける気がしますしねえ・・・。
 フィンランド海軍だったら、さしずめ“ニョロニョロ”でしょうか。




 艦橋手前に展開していたせんだいグッズ即売所では、本日
せんだいのアイドル“せんぞう君”が大活躍。もう萌え萌え
です(笑)。沢山の女性から「かわいい!」と大人気で、識別帽
やTシャツが飛ぶように売れています。忙しい所を申し訳ない
ですが、お願いして一枚撮影させて頂きました。
 私はあまりグッズ類は買い込まない方なのですが、つい可
愛さに負けてTシャツを購入。

 ちなみに正面にせんぞう君がいる識別帽は『前カッパ』、背
中にせんぞう君がいるTシャツは『裏カッパ』と、隊員さん達は
呼んでいるそうです。
 次に見る時は、抱き枕ぐらいは出ているかも(笑)。それも
買ってしまいそうで怖いなあ・・・。





 以上で護衛艦せんだいの見学終了。埠頭から見上げると、
マストには『WE LOVE KOMATSUSHIMA』との国際信
号旗がはためいていました。










 埠頭には徳島県隊友会からの模擬店が立ち並び、陸上自
衛隊善通寺駐屯地第15普通科連隊
から参加の指揮通信車
軽装甲機動車、高機動車が展示されていました。
 よく見ると、指揮通信車の上部に長い金属パイプが2本つ
いているのを発見。あれ?こんなのあったっけ?と思いつつ
隊員さんに尋ねると、
 「ああ、この長い竿を後方にぐっと伸ばしてフレームにして、
その上にバラキューダ(擬装網)をかけて、車両の後方にもう
一室テント状の部屋を作るんですよ」

 との事でした。




 駐車場に戻り、灼熱地獄となった車内をクーラーで冷却し
ていると、いきなり頭上にSH−60J哨戒ヘリがやってきまし
た。慌ててバッグからカメラを取り出して撮影しましたが、うー
ん、ボケボケですね(笑)。
油断してたなあ・・・。
 赤石埠頭のすぐ近くには第24航空隊の所在する航空基地
があり、せんだい一般公開に華を添える為にわざわざ休日出
勤してきてくれた模様で、赤石埠頭上空をぐるりと旋回して洋
上へ去って行きました。







        前回の大久保駐屯地創立記念行事以来、一ヶ月半ぶりのイベント参加となりましたが、天気にも恵まれていいお
       出かけになりました。帰りは私の趣味の一つでもある、地元スーパー巡りを楽しんだのですが、何気なく立ち寄った
       JR徳島駅前のそごう百貨店にてを発見。地元の天然ものと言う事もあり、流石になかなか立派なお値段でした
       が、せんだいを見て鮎を連想したのも何かの縁。ちょっと頑張って、お土産に買って帰りました。まあたまには、こう
       いうプチ贅沢もいいですよね。時期的にも今が旬ですし。
        画像は、我が家の3等猫曹着任の申告を行う鮎3匹。





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