護衛艦いそゆき一般公開in天保山岸壁

2013.03.23



        大阪港の天保山岸壁で行われた、DD127護衛艦いそゆきの一般公開に参加してきました。はつゆき型護衛
       艦6番艦
のいそゆきは、練習艦かしま、護衛艦うみぎりと並んで妙に私と縁のある艦で、かれこれ今回で4回目
       の乗艦
となります。初乗艦は佐世保地方隊の倉島岸壁で行われた一般公開で、その後徳島の小松島港、兵庫
       
の阪神基地隊を経て、とうとう地元の大阪港に来てくれました。
        しかし今回の一般公開は土曜日のみ。直前まで行けるかどうか危ういところでしたが、なんとか午前の仕事を
       切り上げて、会場となる大阪港天保山ハーバービレッジに到着したのは1330過ぎ。受付終了まであと一時間も
       ありませんが、遅い時間だし午前よりも空いてるかな?期待に胸を膨らませつつ、岸壁へ向かいます。



 岸壁入口の駐輪場から見える練習艦かしま艦橋。かしま
江田島の幹部候補生学校を卒業したばかりの実習幹部
を乗せ、毎年半年間の遠洋航海に出て世界中を巡ります。
 もちろん実習幹部以外にも乗組員が沢山いますが、国内
外を含めて一年の殆どが長期航海
なので乗組員や家族の
負担がきつく、乗組員はほぼ一年毎に入れ替えになるとか。
 その中で艦全体の練度を一定水準以上に保たないといけ
ない
上に、寄港地では外交官的な責任もあるので、かしま
を筆頭とした練習艦の艦長は色々と大変だそうです。





 巨大な練習艦かしまの奥に隠れているのが練習艦しらゆ
。1983年の就役以来、海上防衛の第一線で職務を果たし
て来ましたが、2011年3月より練習艦に転籍し、現在はかし
まと共に幹部自衛官を一人前に育てる重要な役割を担って
います。
 今の若い幹部自衛官達の中には、しらゆきにいろんな思
い出
がある人も多いのではないでしょうか。







 護衛艦いそゆきの特徴である、後部三段甲板。出入港時
のもやい作業に使われる最後尾の甲板からマストの頂上に
かけての、なだらかなシルエットが実に美しい!
 今どきの護衛艦とは違う適度にごちゃごちゃした感じもあ
って、はつゆき型は一番好きな護衛艦ですね。
 なにぶん古い設計の艦なので、一番艦のはつゆきを始め
として段階的に除籍が進んでいますが、乗組員と力を合わ
せ、最後まで頑張ってほしいものです。






 遅い時間だから大丈夫だろうとタカをくくって来たのですが、
甲板はやはり凄い行列になっていました。岸壁にいた隊員さ
んに尋ねると、午前もこんな感じだったそうです。
 最近は小さなお子さんを連れた家族が自衛隊イベントに押
し寄せていますが、日や時間を区切って、子供優先の一般公
等を行ったほうがいいかもしれませんね。








 背後にそびえるのは、天保山マーケットプレイスの大観覧
です。のほほんとした大観覧車日本刀の切っ先の様な
護衛艦
とのコントラストが面白いので、沢山の人達がここで
記念撮影を行っていました。
 夜間は照明が点灯するので、観覧車をバックに撮影すれ
ばさぞかし絵になるだろうなあ。









 艦の左右両舷に設置された、艦対艦誘導弾ハープーン
です。語源はharpoon(捕鯨用の銛)ですが、なかなか言
い得て妙ですね。
 ちなみにむらさめ型以降の護衛艦には、国産でほぼ同
スペックの90式艦対艦誘導弾が搭載されていますが、こ
ちらにはニックネームはない模様。
 私的には『与一』なんかがいいと思うのですが、如何でし
ょうか。でも、それだと地対艦誘導弾になってしまうのかな
あ。





 岸壁には子供制服試着コーナーが展開し、大阪地本の
マスコットキャラまもるくんが水兵服姿で記念撮影に応じ
ています。
 大好物のたこ焼きを振り回して楽しそうではありますが、
傍らで仁王立ちをした三等海佐さん(腕組をしているスマ
ートな人)が睨みを効か・・・もとい見守っているせいか、
微妙に固くなっている
のがご愛嬌です(笑)。







 乗艦してからシースパロー甲板を回り、飛行甲板の下に
来るまで約30分。皆さん行儀よく並んでいますが、逆に隊
員さんの方が気を使っていて大変そうでした。
 それでも、こういう時は小さな子供連れは優先的に上に
あげてもいい
様な気がします。いい加減待ちくたびれたの
か、ぐずっている小さな子供を何人か見ましたし。
 ここで待たされた悪い印象が残り、次にお父さんお母さん
がイベントに連れて来ようとしても、お子さんの方が嫌がっ
たりしないか心配だなあ。





 飛行甲板で待っていたのはSH−60J哨戒ヘリ。飛行甲
板の下で上がって行く人の流れを規制しているおかげで、
あちこちじっくりと見る事が出来ました。
 そろそろ車の冬タイヤを変えなきゃなあと思っていた私は、
飛行服の隊員さんに
 「これってもしかして冬タイヤですか?」
 と尋ねましたが、全シーズン共通の普通のタイヤだそうで
す。まあ、ヘリの場合は滑走する訳ではないですからね。
 という事は固定翼機の場合はあるのかなあ、冬タイヤっ
て。




 以上で護衛艦いそゆきの見学は終了。朝からずっと曇り
空の一日でしたが、見学終了時間の間際になってようやく
晴れてきました。

 天保山マーケットプレイスのテラスから、かしまとしらゆき
を撮影。海自の艦艇が来ると知らなかった人達も多かった
ようで、皆さん珍しげに携帯のカメラで撮影していました。
 次はぜひ乗艦して、色んなものを見ていろんな話を聞い
て、色んな事を考えて貰いたいものであります。






 同じくマーケットプレイスの外周通路から撮影した護衛艦
いそゆき艦橋部。
 今どきのカクカクな護衛艦とはひと味違い、煙突や艦橋
下部、76o速射砲の柔らかな造形が実にいい感じ。
 煙突やマストを背負う様な低い艦橋や、その上にある小
さなピラミッドみたいな射撃指揮装置も、艦全体をまるで富
士山の様ななだらかなシルエットにしています。
やっぱりか
っこいいなあ、はつゆき型。






        先々週のせんだいに続いて、今年2隻目となる護衛艦の一般公開でしたが、人の多さは覚悟の上とは言え、
       天候に今ひとつ恵まれなかったのはちょっと残念ですね。見学終了時間である1500になっても沢山の人達が甲
       板にいたので、いそゆきの皆さんは後片づけが大変だったのではと思います。これに懲りず、また大阪湾に来
       てほしいなあ。
        考えてみれば、先々週のOSAKA防衛防災フェスタ、今週の徳島駐屯地に続いて、今年は3連発で微妙な天
       気
に悩まされている様な・・・。4月からは関西のイベントも本格的に始まりますし、夏は各地で体験航海や展示
       訓練
も行われます。今年はこれまで訪れる事の少なかった第14旅団第13旅団第10師団の駐屯地にも
       遠征をかけるつもりなので、クジ運天候に恵まれる事を祈りつつ、天保山岸壁を後にしました。




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