福知山駐屯地創立63周年記念行事

2013.11.17



        京都府福知山市に所在する、福知山駐屯地の創立63周年記念行事に参加してきました。福知山駐屯地
       は健脚で鳴らした旧陸軍歩兵第20連隊が大阪から移駐してきたのが始まりで、現在では第7普通科連隊
       各中隊
をはじめ、第1普通科直接支援中隊第349会計隊、第318基地通信中隊、第131地区警務隊、
       駐屯地業務隊
が駐屯する第3師団日本海側の護りの砦であります。
        第一次イラク復興支援隊の隊長を務めたヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員が自衛官時代に連隊長を
       務めた駐屯地である事や、陸自のレンジャー訓練発祥の地という事でも有名ですし、近年では警察とも連
       携して警察官へのレンジャー訓練も活発に行ってる事でも知られています。
        またマニア的には、創立記念行事で披露される観閲行進や訓練展示、アトラクション等のレベルが非常
       に高い
事でも人気があり、毎年何をやらか・・・もといやってくれるのか私もずっと楽しみにしていた,、第3師
       団イチ押しの駐屯地でもあります。
        当日はまだ暗い0600に大阪市内の自宅を出発。私の2013シーズンもいよいよセミファイナルです。この
       朝の冷え込みが、イベントシーズンの終わりを感じさせて感慨深いなあ・・・と思いつつ高速道路を飛ばしま
       すが、中国自動車道から舞鶴若狭道路に入るとものすごい霧が。まあこのあたりはいつもこうなのですが、
       本日の京都府日本海側の降水確率は午前10%、午後50%。雨と晴れと曇りがころころと入れ替わる、い
       つも通りの福知山
になりそうな気配です。
        福知山ICで一般道に降り、0745に式典会場となる訓練場に到着。深い霧に煙る式典会場はかなりの冷え
       込みで、さすがに京都北部まで来ると気温も違いますね。寒さに震えつつ、式典会場北側の坂道の真ん中
       辺りに場所を確保します。


        それにしても、昨年あった福知山灯台が見当たりません。様々な趣向を凝らしてくる福知山の訓練展示で
       すが、今年は大きな仕込みモノはないのかな?とは言え、毎年いい意味で期待を裏切ってくれる福知山、果
       たして何を見せてくれるのか楽しみです。
        0830を過ぎて霧が晴れ、空が明るくなってきた頃に富山から遠征して来たH.N.艦長さんSAA水兵さん
       合流。気温も徐々に上がってきましたし、今日はこのまま持ってくれるかな?
        ここで艦長さんがそばにいた隊員さんに聞き込みしたところ、どうやら今年は福知山花火大会の事故
       風18号による大災害に配慮して、訓練展示もアトラクションも抑え気味になったとの事。あー、それで今年
       は会場に大道具が見当たらなかったのか。残念ですが、これは仕方ありません。
        そうこうしている間にも、式典会場には来賓を乗せたマイクロバスがひっきりなしにやってきて、遠くの方で
       は赤スカーフ姿の隊員さん達が整列しています。1年間待ちに待った福知山、いよいよです。


        そして部隊の入場が開始。まずは戦闘服姿の第3音楽隊が先頭を切り、福知山の中核である第7普通科
       連隊の各中隊
も続々とやってきました。


        式典参加部隊が勢ぞろいした所で、各部隊の紹介が行われます。向かって左側から、第3音楽隊(千僧)、
       第7普通科連隊本部管理中隊第1〜5中隊重迫撃砲中隊第3後方支援連隊第2整備大隊第1普通科
       直接支援中隊
、そして一番右端の青スカーフは、今月南スーダン施設派遣隊としてここ福知山から参加す
       る隊員さん達。


        ちなみに駐屯地業務隊会計隊警務隊の人達は式典に参加せず。運営や警備等の裏方仕事に回っ
       ている模様ですが、出来れば各隊から少人数だけでも参加してほしかった気がしますね。
        あとここ福知山では、各中隊の紹介が行われるたびにそれぞれが受け持つ担当警備区の市町村名が読
       み上げられます。地元の人達にとっては、自分が住む町を守ってくれるのはこの人達かと分かるのは、非
       常に心強い事でしょう。福知山駐屯地は地元の人達との結びつきが非常に強固だと聞いているのですが、
       こういった事からもそれが伺えるような気がします。よその駐屯地でもやればいいのになあ。


        そして観閲部隊指揮官を務める、第7普通科連隊副連隊長鹿島2等陸佐が、連隊旗とともにパジェロに
       乗ってやってきました。連隊幕僚と敬礼を交わし、部隊は観閲部隊指揮官に敬礼。


        駐屯地からの感謝状受賞者の紹介が行われた後は、本記念式典の観閲官を務める、福知山駐屯地司
       令兼ねて第7普通科連隊長
である井上賢一1等陸佐が、黒塗りの業務車で入場して来ました。ちなみに先
       代までの連隊長は戦闘服姿でしたが、井上連隊長は制服姿。この辺りは、連隊長の考え次第なのかな。
        連隊長の戦闘服姿も絵になりますが、制服姿も記念式典らしい威厳があっていいかも。


        続いて国旗入場。旗手を務めるのは、第5中隊所属の一般幹部候補生である陸曹長。旗持ちという大役
       を仰せつかり、さぞかし緊張気味なのでは。ここで式典参加者一同は起立し、部隊は国旗に対して捧げ銃
       引き締まった空気の中、第3音楽隊の演奏する国歌君が代が厳かに流れています。


        さらに観閲官による部隊巡閲が執り行われ、各部隊からは鋭い号令が飛び交います。
        「頭(かしら)ァーッ!右!」
        「なおれーッ!」


        登壇した観閲官は式辞を披露。しかしこの式辞が、スピーカーの数が足りないのかアンプの出力が低い
       のか、今年もよく聞こえません。式辞が聞こえないとどうしても見学者の集中力が途切れてしまい、周囲が
       雑然としてしまうんですよね。うーん、どうも頂けないなあ。来年こそは、放送環境をもう少し整えてもらいた
       い
ものですが、やっぱり予算的な制約が立ちはだかるんだろうなあ・・・。
        その後は来賓による祝辞が披露され、元駐屯地司令である佐藤正久参議院議員が今年も登場。あー、
       この人の祝辞もちゃんと聞きたかったなあ。


        以上で記念式典は終了。部隊はこの後の観閲行進の為に、続々と退場して行きます。


        観閲行進の準備が整うまでの間は、第3音楽隊による音楽演奏。曲目は『第3師団歌』という珍しいもの
       でした。へー、初めて聴きますね。どうせなら隊員さんの歌も一緒に乗せればよかった気がしますが、これ
       はまた来年以降のお楽しみかな?
        演奏を終えた第3音楽隊が拍手に送られて退場した後は、いよいよ観閲行進が始まります。まずは先程
       退場したばかりの第3音楽隊が、演奏をしながら先陣を切ります。音楽隊が定位置についた所で、第7普
       連の防衛警備区にあたる各自治体の旗が、パジェロに乗ってやってきました。


        あれ?何だろうあの人たちは・・・と思ったら、隊員OBを中心に構成された、隊友会のみなさんでした。
       新隊員の募集除隊後の就職援護等を補佐する駐屯地と地域との架け橋とも呼べる人達ですが、こうい
       った式典でスポットライトが当たるのは珍しい気が。パジェロの上では、お年を召した元隊員さん達が現役
       時代
を彷彿とさせるキリリとした敬礼を見せていました。


        ここで演奏が軍艦行進曲に切り替わり、海上自衛隊舞鶴基地からやってきた舞鶴音楽隊が、はためく
       衛艦旗とともに登場。おお、今年は教育隊だけでなく音楽隊も参加です。サイドに黄色いラインが入った制
       服が、陸自の音楽隊とはまた違ったカッコよさですね。隊長さんがすごくがっしりと大柄な人なのも、いかに
       も軍楽隊らしい力強さ
に溢れています。


        さらに純白の手袋やベルト、脚絆もまぶしい舞鶴教育隊からの隊員さんが続いた後は、青スカーフの
       スーダン施設派遣隊
の一団が。遠く離れた異国での大変な任務ですが、くれぐれも全員無事で帰国して欲
       しいものです。

        観閲部隊指揮官及び連隊幕僚が乗った指揮通信車パジェロが通過した後は、第7普通科連第1中隊
       
が登場。全身白無垢の冬季戦闘装備を着用しての行進です。防寒擬装を目的とした真っ白な姿は、珍
       しく晴れ上がった福知山の空の下だとなんだか目に痛いなあ。


        続く第2中隊は、市街地戦闘装備を着用しての登場。鉄帽には暗視装置が装着され、観閲壇の前で周囲
       を警戒するフォーメーションを披露です。


        第3中隊からはギリースーツ姿の狙撃部隊。観閲壇前にて、様々な狙撃姿勢を披露しています。


        同じく第3中隊から、レンジャー有資格者によるレンジャー小隊がやってきました。ブッシュハットにフェイ
       スペイントが、只者ではない雰囲気を醸し出しています。


        偵察オート7輌で編成されているのは、本部管理中隊情報小隊。同じく本部管理中隊から、救急車野外
       炊具1号(改)
水タンク小型ショベル資材運搬車もやってきました。
        続いては第4中隊による高機動車群。とにかくマンパワーが売りの普通科らしく、かなりの数を持ってきま
       したね。
        さらに第5中隊からは、軽装甲機動車群が。ルーフ上からそれぞれMINIMI110o個人携帯対戦車弾
       01式軽対戦車誘導弾91式携帯地対空誘導弾などを構えています。


        重迫撃砲中隊からの120o迫撃砲RT81o迫撃砲L16が続いた後は、普通科直接支援中隊からの
       ジェロとシェルター搭載トラック
が。
        このあとは、他の駐屯地からやってきた部隊が続きます。第3特科隊(姫路)からは155oFH−70榴弾砲
       第339高射特科中隊(青野原)からは03式地対空誘導弾、第3高射特科中隊(姫路)からは81式短距離地
       対空誘導弾
、第3特殊武器防護隊(千僧)からは除染車3型化学防護車、第3施設大隊(大久保)からは81
       式自走架柱橋
、第102施設器材隊(大久保)からは92式浮橋、第3偵察隊(千僧)からは87式偵察警戒車


        そして第3戦車大隊(今津)からは、96式装輪装甲車3輌74式戦車3輌の大判振る舞い。内臓に響くエ
       ンジン音をあげながら、式典会場の泥を盛大に跳ね飛ばしつつ堂々の行進です。


        さらに航空観閲部隊も登場。中部方面航空隊(八尾・明野)よりUH−1J多用途ヘリが1機AH−1S対戦
       車ヘリが1機
、そして海上自衛隊舞鶴航空基地から、SH−60J哨戒ヘリが2機参加。今日は福知山にして
       は珍しい晴天なので、青い空に白いSH−60Jが映えるなあ。


        以上で観閲行進は終了。第3音楽隊と国旗が退場し、式典会場には第7普通科連隊選抜ラッパ隊本部
       管理中隊音楽小隊
が出て来て合同ラッパドリルメドレーを披露してくれました。最後は独特の雰囲気がある
       消灯ラッパで締めて、大きな拍手を浴びながら退場。
        すぐに入れ替わるように格闘展示部隊がやってきて、ドコドコドコドコと勇壮な太鼓が打ち鳴らされる中、素
       手や対ナイフ、対拳銃といった様々な状況に応じた格闘を次々と披露。ここからではかなり遠いのが残念で
       すが、最後は複数の敵への対処要領を展示して、福知山らしい見せ方の上手い格闘展示を締めくくります。


        そしていよいよ訓練展示が準備が整いました。空はいい塩梅に晴れていますし、これは予想外に素晴らし
       いコンディション。今回の舞台設定は福知山島という架空の島で、付近一帯を占拠した敵対抗部隊に対し、
       第7普通科連隊海自の協力を得ながら各部隊とともに占拠された島を奪還する、というシナリオ。昨年の
       舞台は福知山半島でしたが、今年は島嶼防衛。このあたりの柔軟性と言うかフットワークの軽さは、福知山
       ならではだなあ。


        上空には海上自衛隊のSH−60J哨戒ヘリが飛来し、福知山島を不法占拠している敵対抗部隊の陣地
       を発見。陸自はその情報をもとに福知山島に上陸し、中隊長は部隊に偵察行動を指示します。
        情報小隊から送り込まれた6輌の偵察オートは、遮蔽物の間を縫う様にして敵陣地手前まで肉薄。繁み
       の陰に倒した車体を盾にして、敵対抗部隊の陣地に威力偵察を仕掛けます。


        敵陣地から返ってきた反撃の規模から、敵対抗部隊の大まかな戦力陣地の様子を割り出した情報小
       隊は、かけつけた軽装甲機動車87式偵察警戒車の援護を受けながら脱兎のごとく撤退。87式偵察警
       戒車は縦横無尽に走り回り、敵陣地の注意を引きつけます。


        帰還した偵察部隊からの情報をもとに、中隊長は福知山島奪還作戦を実行に移します。まずはUH−1J
       多用途ヘリ
が敵陣地後方に回り込み、機内からは4名のレンジャーが一斉にロープ降下。素早く着地を決
       めた後は敵陣地後方に潜入し、情報収集撹乱奇襲の機会を伺います。


        さらに上空にはAH−1S対戦車ヘリコブラがやってきて、敵対抗部隊の戦車に対してロケット攻撃を開始。
       大きな音とともに白煙が噴き上がり、見学者からは大きなどよめきがあがります。


        白煙がもうもうと立ち込める中、火力戦闘部隊の155oFH−70榴弾砲120o迫撃砲RT81o迫撃砲
       L16
が展開開始。射撃陣地を構築していきます。
        さらに敵装甲車上の機関銃手を、前進して来た陸自狙撃部隊が見事排除。機関銃手は一発で仕留めら
       れ、装甲車上に倒れ込みます。
        そして火力戦闘部隊からは次々と射撃準備完了の報告が入り、中隊長は支援射撃の開始を命令。
        「方位角、4‐8‐0‐0!射角、7‐0‐0!射撃用ー意、撃てッ!」


        155oFH−70榴弾砲の砲口からは轟音とともに巨大な火の玉が膨れ上がり、敵陣地周辺に次々と着弾。
       仕掛け花火の派手な爆発音が鳴り響き、白煙がもうもうと立ち上ります。


        そして敵陣地手前に敷設された鉄条網の前には、先程後方から侵入して来たレンジャー小隊が取りつい
       て、白煙の中に紛れ込むようにして鉄条網の撤去に取り掛かります。


        そしてレンジャーは鉄条網の爆破に見事成功。その間にも敵陣地に向けて撃ち込まれる砲撃は激しさを
       増し、白煙に包まれる会場はもう視界がほとんど効かない状態に。そんな中であちこちから鳴り響く砲撃音
       や爆発音というのは、何とも凄い迫力がありますね。まあ実際は無線による命令伝達や状況報告があるん
       でしょうけど、周囲の状況どころか方向感覚までもが失われそうな視界の効かなさ。こんな中でも取り乱す
       ことなく自分の職務を完遂するには、日々の訓練に裏打ちされた冷静な想像力と判断力が大事なんだろう
       なあ。


        そして陸自本隊からは、2輌の74式戦車が前進して来ました。泥濘を跳ね飛ばしつつ急停車し、2輌揃っ
       て空包を発射。バン、という大きな音が周囲の空気を揺さぶり、見学者からは低いどよめきが。


        さらに第7普通科連隊の軽装甲機動車も突入開始。ルーフ上の機関銃を撃ちまくり、敵陣地への距離を
       じりじりと詰めて行きます。
        そんな中、すぐ目の前で敵兵士が被弾し、地面に倒れ込みました。すかさず駆けつけた他の兵士たちに
       装甲車へと搬送されて行きましたが、よく見ると陸自側にも負傷者が出た模様で、担架を持った衛生隊
       展開しています。陸自の負傷者救出はよくありますが、敵対抗部隊のは珍しいなあ。


        双方に負傷者を出しながら銃撃戦はいよいよ激しくなり、辺り一面に立ち込める白煙で再び視界が遮られ
       ます。その真っ白になった会場の向こうから、バタバタバタバタというヘリの爆音が急激に接近してきました。
       え?どこどこ?と思っていると、目の前の白いスクリーンを突き破るようにしてAH−1S対戦車ヘリが現れて、
       かなりの低空飛行で頭上を一気に通過。
おおおおお、びっくりした!コブラの操縦手も福知山なら少々の無
       茶も許される
のか、頭上をこんなに低くパスしていったのは初めて見ました。しかも立ち込める白煙をついて
       
とか、心憎い演出だなあ。


        コブラのお茶目に度肝を抜かれている間にも会場には96式装輪装甲車が突入し、開放したハッチからは
       普通科小銃小隊が散弾銃のごとく飛び出してきました。軽装甲機動車からも小銃を構えた隊員が出て来て、
       各車両上の機関銃の援護を受けつつ、一気呵成に敵対抗部隊の陣地に向けて突撃開始


        空包射撃の音が鳴りやまない中、敵の兵士達が派手に飛び跳ねてやられたアピールをしているのも福知
       山ならでは。プロのスタントマンさながらと言うか、本当に見せ方に拘ってますね。


        敵陣地になだれ込んだ小銃小隊は、最後は大声をあげながら銃剣を突き立てる姿勢を取り、福知山らし
       い大迫力の訓練展示を締めくくります。会場から大きな拍手が贈られました。


        灯台等の大道具が無かったりゴムボートによる上陸シーンがなかったり、特殊武器防護隊の出番がなか
       ったり狙撃部隊の見せ方が大人しかったりと、昨年に比べると確かに縮小した感のある訓練展示でしたが、
       これは諸般の事情に考慮せざるを得なかった結果ですから仕方ありませんね。むしろ隊員さんの方こそ、
       れ
もしたかった、これも見せたかったと残念がっていたのではないでしょうか。
        とは言え、他の駐屯地の訓練展示を見慣れたマニアをも唸らせる、実によく出来た観閲行進であり訓練展
       示でありました。いやー、やっぱり福知山は凄いなあ。


        以上で午前中のプログラムは終了。いつの間にやらかなりの数になっていた人の波に乗り、式典会場から
       駐屯地へ移動します。いやあお腹が減りました。福知山は屋台まで充実しているので、お楽しみが途切れま
       せんね。
        駐屯地内の坂道を上がって装備品展示会場に到着。その向こうにあるのが屋台通りです。既に沢山の人
       達が行列を作っており、福知山らしからぬ天気の良さも相まってテンションが上がります(笑)。一通り屋台の
       偵察を行い、まずは福知山に来たら外せない第2中隊の芋煮へ向かう事に。ここの芋煮は毎年内容のモデ
       ルチェンジが行われ、美味しいだけでなく飽きないんですよね。ある意味、福知山駐屯地の気風をよく反映し
       ている
と言えます。


        行列の最後尾につき、艦長さんと時間を潰しますが、隣で焼き鳥を焼いている第4中隊の隊員さんがノリ
       ノリというかヤケクソ気味で、焼き鳥いかがですかー!という定番のサジェッションだけでは飽き足らなかっ
       たのか、
        「鶏肉を!串に刺して焼いたやつ!いーかがっすかー!」
        「タレとか!塩とか!胡椒とか!あとイロイロかけて焼いてまーす!」
        「笑ってないで買ってくださーい!」

        と大声を張り上げ、退屈な行列待ち時間に笑いを添えています。うーん、福知山らしい・・・いやそれより、
       タレとかとか胡椒とかはいいとして、それ以外のイロイロって・・・。4年前の福知山ミュージカルがその極
       みでありましたが、油断していると何をやらかすか分かったもんじゃない福知山の隊員さんだけに、微妙に
       気になる
んですが・・・。


        しばらくして入手できた芋煮。今年はごくスタンダードな芋煮らしい芋煮でした。豚肉、里芋、ゴボウ、コンニ
       ャク、白ネギ
たっぷりの味噌仕立てが嬉しい、実に濃厚かつ大地の力強さを感じさせる一品。うーん、美味し
       いなあ。この熱々の芋煮をかき込んでいると、いよいよ今年のイベントシーズンも終了か・・・と感慨深い気分
       になります。


        上々の滑り出しに気を良くしつつ、続いては京都地本の鬼軍曹ラーメンに突撃。ここもかなりの行列です
       が、屋台は待つのも楽しみのうちですね。その間に艦長さんから面白いエピソードを伺いました。山本五十
       六提督
って、なんで五十六って名前なんでしょうねえと尋ねたところ、
        「ああ、なんでも親父さんが56歳の時に出来た子供だったから、五十六って名前になったそうですよ」
       との事。うーん、もっと深い理由があるのかと思いきや、装備品の名前と変わらないとは(笑)。まあ連合艦
       隊司令長官なんて、いわば究極かつ最大最強の装備品ではありますが、それにしても適当というかなんと
       いうか・・・(笑)。しかしこの人、本当に何でもよく知ってるなあ。
        それよりも、もの凄く下品な冗談を思いついたのですが、流石に艦長さんに引かれそうなので黙ってお
       きました。


        しばらくして入手できた鬼軍曹ラーメン。今年も鬼軍曹らしい舌を火傷しそうな熱さは健在ですね。この
       るつるした丸断面の中華麺や鬼のイラストが入った海苔脂肪の甘味が際立つチャーシュー、とんこつ醤
       油風味
のスープも1年ぶりであります。


        ふと見ると、貨物室に派手なラッピングを施した海自舞鶴地方隊のトラックがやってきました。おお、これ
       はカッコイイ!
こんなのが高速道路を走っていたら凄いインパクトと言うか、よそ見運転必至だなあ。どうや
       ら舞鶴音楽隊の機材車両の様ですが、これはいいアイデアですね。かなりの広告効果がありそう。


        さらにもう一品、重迫撃砲中隊の鶏セセリ炭火焼きも行ってみましょう!熱々のセセリを抱え、途中から
       別行動を取っていたSAA水兵さんとアトラクション会場で合流。気を利かせて席を確保して頂いたお陰で、
       かなりいいポジションから見る事ができますね。ホント助かりました。
        とりあえず席につき、熱々のセセリ塩焼きを頂きます。うーん、この強めの塩胡椒味が、セセリ独特の
       い鶏肉の風味
炭火の香りにマッチして、ビールが欲しくてたまりません(笑)。やっぱりこういう力づくのパ
       ワフルな食べ物が、陸自の屋台には似合います


        さて、アトラクション開始時刻までまだ少しありますね。と言う訳で、厚生センターの方へ向かいます。隣の
       隊舎の前には吹きっさらしのトレーニング場があり、その手前には大きな掲示板が。通勤時の注意点につ
       いて書いてありますが、かばんの襷掛けは×で肩掛けが○なんですね。襷掛けの方が安全で確実な様な気
       がしますが、やはり緊急の際にすぐ放り出す事が出来るという意味で、普段から肩掛けが推奨されているん
       でしょうか。


        またその隣には、駐屯地の隊員さんによる『今日の一言』というコラムが。恐らく全員の持ち回りで、毎日
       自由なテーマで発表しているみたいですね。これも福知山らしい、意欲的な取り組みでしょう。
        テーマはもう本当にバラバラで、普通科直接支援中隊の陸士長は『キノコについて』。苦手だったしいたけ
       をお母さんの工夫ひとつで克服したエピソードや、きのこの豊富な繊維質が持つ効用についての説明、そし
       て陸曹候補生試験で訪れた千僧駐屯地の食堂で毎日きのこが出たお陰で、お通じもよく万全の態勢で臨む
       事が出来た
という微笑ましい話で締めくくられていました。一行でまとめれば、『キノコを食べたら○○○がド
       スドス出るぜ!』
って事ですね。うん、確かに大事なことであります。


        売店はもの凄い混雑で、ゆっくりお買いもの・・・と言う雰囲気じゃないなあ。と言う訳で、2階で行われてい
       た文化展を見に行きます。今年も人気投票をやっていて、見に来た人を飽きさせません。一通り見て回り、
       最優秀賞には1中隊の岡本1士が出品した『フィリピン魂炸裂!』という隊員全員が半裸になっている怪しい
       写真
を選ばせて頂きました。防衛大学校や幹部候補生学校では毎年東南アジア系の留学生を受け入れて
       いますが、なんでまた7普連第1中隊にフィリピン魂が?とりあえずここは、何だか知らんがとにかくよし!
       散様イズム
を発揮させ、投票用紙に129番を記入です。


        あと、4中隊の山村3曹による『必通』という書が、先程のきのこのエピソードと微妙に重なったので、こちら
       にはSAS大賞を贈呈する事に決定。かなり微妙な気分だと思いますが、是非お受け取り下さい(笑)。
        さて、そろそろアトラクション開始時刻です。会場に戻ると、丁度福知山酒呑太鼓の演奏が始まる所。『やま
       びこ』
『春雷』の2曲を力強く演奏してくれましたが、どの隊員さんも腕が太いのが印象的。普段の訓練でも
       鍛えまくっているんでしょうけど、和太鼓のエクササイズ効果もあるんでしょうね。


        続いては第7普通科連隊選抜ラッパ隊音楽小隊によるラッパメドレー。午前中とは違って目の前なので、
       キビキビハキハキリズミカルなドリルをばっちり楽しめます。それにしても、昨年いた異様に気持ちの悪いドラ
       えもん
がいませんね。諸般の事情により、例年通りのノリという訳にはいかなくなりましたが、例のレンジャー
       劇場はやるんだろうか・・・。時間配分的にはちょっと厳しそうですが。


        その後は第3音楽隊が登場。『1941年のマーチ』を皮切りに、硬軟織り交ぜた見事な演奏を7曲披露。し
       かしアトラクション終了時刻まであと10分しかありません。うーん、今年はレンジャー劇場は無しか・・・


        そして格闘訓練展示が始まりました。午前中に披露されたものと同内容ですが、やはり遠くから望遠レン
       ズ越しに見るのとは大違い。体勢を崩された隊員さんが結構な音を立てて地面に倒れ込んだり、硬い戦闘
       靴の底がドスッと音を立てて隊員さんに蹴り込まれる様子は凄い迫力です。


        また、見事に敵を倒した隊員さんが、観客に拍手を強要(笑)する場面もあり、お笑いレンジャー劇場は出
       来ないまでも、少しでも観客を沸かせて楽しませようという隊員さんのやる気が伝わってきますね。やっぱり
       福知山は素晴らしいなあ。


        以上でアトラクションは全て終了。閉門時間の1500まで、あとわずかです。この時間でもう西日が弱くなり、
       空気も急に冷え込んできました。ああ、もう冬も間近なんだなあ。
        それにしても、今年も駐屯地内の資料館に行けなかったし、装備品もろくに見れなかったなあ。福知山は
       毎年内容が特濃なので、時間内に全部見て回れないのが痛い所です。

        その後はシャトルバスで駐車場へ移動。艦長さんとSAA水兵さんと別れの挨拶を交わし、帰宅の途につき
       ました。
        さて、次回はいよいよ2013イベントシーズン最終戦。昨年と同じく、広島県の呉と江田島めぐりで締め括
       ります。冬の始まりと近づいてくる年の瀬を、今も江田島各地にひっそりと残されている戦争遺跡で実感して
       くる予定です。昨年衝撃を受けた神原湯や、今まで訪れる機会が無かった呉地方隊第一庁舎の見学、あと
       海軍墓地
も見て回りたいなあ。
        まあこのレポートをアップしている時点で、既に大阪に戻ってきているのですが(笑)、当日の快晴を祈りつ
       つ、大阪へと車を走らせました。




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