第13旅団創立13周年    海田市駐屯地創設62周年記念行事

2012.11.04



       広島県安芸郡に所在する、海田市(かいたいち)駐屯地の創立記念行事に行ってまいりました。海田市駐屯
      地には第13旅団の旅団司令部が置かれ、第46普通科連隊を中核として第13施設中隊第13通信中隊、
      第13音楽隊、第13後方支援隊、中部方面隊隷下の各部隊
が駐屯する、中国地方の護りの要であります。
       前日午後に自宅を出発し、その日は山陽自動車道のPAにて車中泊。翌朝は気温2℃とかなり冷え込みま
      したが、歯磨きと洗顔を済ませて出発。日曜早朝という事で交通量皆無な広島高速道路を快調に走り、海田
      大橋で降りるとすぐに海田市駐屯地が見えて来ました。
       臨時駐車場となる中学校の校庭に車を預け、駐屯地北門へ移動。温暖な瀬戸内海に面した駐屯地とは言
      え、11月に入ると流石に風が冷たいなあ。駐屯地の外周にはフェンスが張り巡らされ、その向こうに延々と
      続いている土塁の様な築山
が、さらに寒々しい殺風景さを醸し出していますね。それにしても初めて訪れる駐
      屯地って、本当にワクワクします。お腹も順調に減ってきたし、今日は楽しみだなあ。
       開門一時間前から駐屯地の前には既に30人ほどが行列を作っていて、私の後方にもあっという間に人の
      列が。マニアっぽい人が少ないのが意外ですが、ここの所の自衛隊イベント人気で家族連れの人達が急激
      に増えた
せいで、相対的に少なく見えるのでしょうか。


       北門前では二等陸尉の人がカツカツと動き回り、行列の整理を行っています。40代後半位のたたき上げの
      人
みたいで、左胸の防衛記念賞がすごい数になっています。号令調整のし過ぎなのか風邪気味なのかかなり
      声が荒れていて、
       「汚ない声で申し訳ありません!」
       と何度も言っているのが、いかにも自衛隊の人らしい実直さだなあ。
       北門の前では、白い鉄帽を被った警衛の隊員さんが、出入りする人の身分証を一つ一つ指さし確認してチェ
      ック。
その間にも駐屯地からはヘリが離陸して行き、いよいよ気分が盛り上がって来ます。
       0800、開門まであと30分の時点で、行列は軽く300人を超えています。正門の方はもっと凄いんだろうなあ。
      何気なく周囲の人達の会話に耳を傾けていると、どうやら戦車体験試乗のチケットが先着順なので、この人混
      みになっている模様です。開門ダッシュも当たり前だそうですが、隊員さんが走るなと言うなら走っちゃいけま
      せん。
まあ私も、過去のイベントでは走っていた事もあったので、あまり偉そうな事を言えた身分ではないので
      すが・・・。
       そして0830開門。海田市は初参加なので勝手が分からず、とりあえず人の波に乗って駐屯地内を歩きます。
      あちこちに古いバラックの様な隊舎もチラホラあって、こういうのが好きな私としては、後でゆっくり見て回りた
      いなあ。


       売店の立ち並ぶ通りからは早くもいいニオイが漂ってきて、空腹の私は膝の力が抜けてしまいそう。屋台に
      吸い寄せられる左半身をむりやり引きはがす様にして、式典会場に向かいます。
       駐屯地内の自動車教習所コースを抜けて、ようやく式典会場に到着。ゆっくり歩いてきてもスタンドはまだ半
      分も埋まっておらず、前から3列目の席を楽々確保
です。
       初めて見る海田市の式典会場ですが、川に沿った南北に異様に長細い形状で、地面こそ剥き出しですが
      程これはパンフレットに書いてある通りの滑走路。
ジェット機は無理でも、セスナ位なら普通に離着陸出来そう
      です。


       さて、部隊の整列は0930頃からなので、それまでの約1時間、先ずは屋台を回って空腹を癒します。
       広大な駐屯地のあちこちには、中国地方に散らばる各部隊から集合して来た様々な車輛が停めてあります。
      この辺りは流石に旅団規模の記念行事ですね。第3師団で言えば千僧駐屯地がここに当たりますが、海田市
      は比べものにならない位に広いなあ。ちょっとビックリするほどの行列が出来ている戦車体験試乗の受付を尻
      目に、屋台の並ぶ大通りに到着。とりあえず一通り見て回るとしましょう。


       まずは自衛隊グッズ松茸うどん。400円とお手頃価格ですが、なんか自衛隊と松茸って、イメージが合って
      ない気がするなあ。
もしかしたら演習地に生えているんでしょうか。
       その隣のテントは、焼きめし唐揚げ。うん、このチャーハンではなく焼きめしという名称が、自衛隊らしい力
      強さ
ですね。それにしてもあまり聞かなくなったなあ、焼きめしって。
       さらに自衛隊グッズ、瓦そば&炊き込みごはん、ポップコーン詰め放題、おもちゃの屋台、フランクフルト。
       広島地本からは自衛隊グッズや写真展示、ミニ制服試着、募集コーナー等の大きなテントが出ています。売
      り子も地本の隊員さんが務めている様ですが、短髪でがっしりした姿勢のいいスーツ姿のおじさん揃いなので、
      屋台の中で猛烈に浮いているのが何とも・・・(笑)。ジャージとかのラフな服装でよかった気がしますね。
       テントの片隅には戦闘糧食の展示もあり、現行のU型改良版T型の缶飯がずらりと並んでいます。缶飯は
      フタの部分に中身の写真が貼り付けてあり、これは分かりやすいいいアイデア。


       その隣には何故か第一空挺団のテントがあり、自由落下傘予備傘が展示してありました。自由落下傘の
      方を担がせてもらいましたが、これ一つだけで15sもあるんですね。予備傘も含めて、実際の降下では総重
      量50sにも及ぶ装備品
を身につけるそうですが、大して鍛えてもいない私としては想像しただけでトホホな気
      分です。


       山口の第17普連からは萩焼。続いては天ぷらうどん、チョコバナナ、コロッケとアメリカンドッグ、天ぷら。
       お、カレーの屋台を展開しているのは、第13旅団司令部付隊。カレーはいいなあ、是非押さえておきたいで
      す。
       47普連2中隊からは、何故か南高梅の即売所。47普連は即応予備自衛官を中心としているので、手間の
      かからない即売所系になるのは納得ですが、なんでまた和歌山の梅干しを?中隊長さんが和歌山出身なんで
      しょうか。
       第13施設中隊からは、綿菓子と猪串。猪串は美味しそうですね。第3師団で言えば京都の福知山駐屯地
      イメージですが、中国地方の山間部で育った猪というのもイケそうだなあ。
       ほほう、リサイクルショップなんてのもあります。恐らく隊員さんの家庭から、要らないものを持ち寄ったのだと
      思いますが、さすがに家庭の不用品、微妙な物微妙な価格で並んでいて微妙に売れそうにないのが微妙に
      面白い。


       更にもう一つ、うどんの屋台。天ぷら、きつね、カレー、アナゴとなかなかバラエティ豊かです。最後の屋台は
      トウモロコシでした。
       うーん、流石にかなりの規模の屋台群ですね。しかしうどんとそばだけで4つも屋台があるのは、やや偏り過
      ぎの様な・・・。とは言え、これだけ冷え込む時期なら需要はあるんだろうなあ。
       さて、先ずは地元46普連3中隊焼きめしから行ってみましょう。鉄板の上では大量の焼きめしが豪快に作
      られていて、
ぷんと漂ってくるゴマ油の香りが堪りません。300円払って一つ受領。
       ほほう、見た目は具だくさんで華やかですね。豚肉、卵、青ネギ、椎茸、タケノコ、ニンジンと、立派なものです。
      一口食べて見ると・・・まあ、市販の冷凍モノかな(笑)。とは言えでかい鉄板でうおりゃああとばかりに作ってい
      る
ので、この美味しさはテフロン加工のフライパンでちょろちょろ温めた程度では出せない味でしょう。熱々でボ
      リュームもありますし、本日の一品目としてはいい滑り出しでした。


       続いては猪串。竹串に刺さった猪肉はかなりの歯応えで、噛みしめるうちにワイルドな味わいがじんわりと染
      み出てくるのが猪肉らしいなあ。
大胆に振りかけられた塩胡椒のキツさも身肉の甘さを引き出していて、如何に
      も陸自の男臭さが感じられる満足の出来でした。


       更にもう一品、先程のカレー。うーん、これはごくごく普通のカレー。溶け込んだジャガイモのダシが効いてい
      て、ある意味郷愁をくすぐる小さい頃にキャンプで食べた味ですね。今どきなかなかこんなカレーはお目にか
      かれないので、いい意味で古臭いと言うか、ノスタルジーに浸ってしまいました。
       よく考えたらこれ、ご飯、ジャガイモ、小麦粉という超カーボン食ですが、カレー粉豚肉にはビタミンB1が豊
      富に含まれているので、糖質からエネルギーを生産しやすい実に自衛隊向きのメニューでもあります。
       それよりもこのカレー、ちょっとご飯が多すぎです(笑)。カレーそのものが優しい味なので、自然とご飯が余り
      がちに。もしかしたら盛ってくれた隊員さんが、こいつはかなり食いそうだから大盛りにしてあげようと、気を利か
      せてくれたのかもしれませんが・・・(笑)。


       その後は厚生センターへ。入っていたコンビニはポプラでしたが、広島はポプラが強いんでしょうか。江田島
      の第1術科学校
に入っていたのもポプラでしたし。関西ではあまり目にしないコンビニなので、珍しいなあ。
       店先には缶入り甘酒がドンと並べられていて、どうやら地元広島県西条の酒造会社が作ったらしく、海田市
      名物のお土産
になっている様です。パッケージには89式小銃を持った隊員さんとヘリコプターがデザインされ
      ていて、甘酒なのに『俺達、甘くはないぜ!!』というコピーが(笑)。一等陸尉略章シール入りという微妙なおま
      けにも心を引かれましたが、甘酒か・・・。撮影だけさせて頂きましょう。


       棚には自衛隊のパッケージが施されたクッキーやケーキ、チョコや和菓子類が大量に陳列されていて、いろ
      いろあるもんですねえ。
       お総菜コーナーにはお好み焼きがあり、買って帰ろうかと思いましたが、よく見ると関西風。まあこっちでは、
      関西風の方が珍しい
んだろうなあ。
       外部業者がやっている喫茶ヘルシーには、
       『日没以後16歳未満者の入場を禁じます。22時以後18歳未満者の入場を禁じます』
       という不思議な注意書きが。この駐屯地に16歳未満者がいるとは思えませんし、22時以降って当直の人以
      外は全員寝てる
様な気が。18禁については、まあその言いたい事はほんのり想像できますが、日没後16禁
      ってのは何なんでしょう。所謂微エロってやつなのでしょうか。


       さて、そろそろ0930。先程からあちこちで部隊が整列を始めているので、私もそろそろ式典会場に戻ります。
       一般用スタンド席は既に満員状態で、式典会場のロープ際にも沢山の人が。気温も随分上がって来ましたし、
      逆光気味とは言え上空も晴れています。今日はいい記念行事になりそうだなあ。
       しばらくして部隊の入場が始まり、会場の左右からは本式典のために中国地方各地の駐屯地から集まってき
      第13旅団隷下の部隊が、それぞれの上級先任曹長を先頭として続々と入場です。


       参加部隊が全て出揃った所で、本式典の観閲部隊指揮官を務める第13旅団副旅団長兼ねて海田市駐屯
      地司令
である原圭三一等陸佐が入場。部隊は観閲部隊指揮官に敬礼。
       そして式典参加部隊の紹介が始まります。第13音楽隊(海田市)、第8普通科連隊(米子)、第17普通科連
      隊
(山口)、第46普通科連隊(海田市)、第13特科隊(日本原)、第13後方支援隊(海田市)、第13偵察隊(出
      雲)、第13戦車中隊(日本原)、第13旅団司令部及び付隊(海田市)、第47普通科連隊(海田市)、第302普
      通科直接支援隊
(海田市)、駐屯地業務隊(海田市)、という錚々たる顔ぶれ。


       それぞれの部隊の紹介が行われるたびに会場からは拍手がわき上がり、これは別に私には何の関係も無
      い事
ではありますが、なんとなく嬉しくなりますね。


       感謝状贈呈者の紹介の後は、本式典の観閲官である第13旅団長川又弘道陸将補が、黒塗りの業務車で入
      場。部隊は観閲官に敬礼、捧げ銃を執り行います。


       続いて国旗が入場。観客も一同起立し、部隊は小銃に着け剣で捧げ銃。
       更に観閲官による部隊巡閲、式辞、来賓による祝辞が披露され、式典は粛々と進行していきます。その間も
      部隊は微動だにせず、びしっと整列状態を保っているのが頼もしい。


       そして式典は終了。部隊はここで一旦退場し、この後行われる観閲行進の準備にとりかかります。その間は
      第13音楽隊が会場中央に移動し、音楽演奏を披露。曲名がアナウンスで放送されましたが、どうも音量が今
      ひとつ
なせいか私の座った位置が悪かったせいか、所々何を言っているのか聞き取れず。演奏は素晴らしか
      ったので、それだけに曲名が分からなかったのは残念だなあ。


       そして観閲行進が始まります。先ずは第13旅団の防衛警備区にあたる、中国地方5県の県旗が登場。一台
      ずつ目の前を通過するたびに旗持ちの隊員さんの名前も紹介されますが、やっぱりこれは優秀な人が選抜さ
      れるのかな?どの人も胸を張って誇らしげに見えます。
       ちなみに広島県の旗をマジマジと見るのは初めてなのですが、なんだかから笑う孤島のスネ夫の様な、不思
      議なデザインですねえ。


       観閲部隊指揮官の座乗する指揮通信車の後からは、米子、山口、海田市に駐屯する3個普通科連隊による
      徒歩行進。
       46普連各中隊及び本部管理中隊からの車輛が続々とやって来ました。パジェロ、高機動車、軽装甲機動車、
      オート、救急車。120o迫撃砲RT
を牽引しているのは、本部管理中隊の高機動車です。へー、重迫撃砲中隊で
      はなく、本部管理中隊に含まれるんですね。この辺は旅団編成ならではのコンパクトさでしょうか。


       第13偵察隊からは、87式偵察警戒車と偵察オート。更に各部隊からの、指揮通信車、155oFH−70榴弾
      砲、81式短距離地対空誘導弾、93式近距離地対空誘導弾、81式自走架柱橋、大型ドーザ、各種シェルター
      を搭載したトラック群、96式装輪装甲車、給水車、給油車、73式特大型セミトレーラ、救急車、野外手術システ
      ム。


       化学防護車や除染車もやって来ましたが、これは第13旅団司令部付隊が管理している模様です。
       他にも沢山の車輛が目の前を通過して行き、締めは第13戦車中隊の74式戦車と96式装輪装甲車群が、
      大きな地響きを立てながらやって来ました。流石にこれだけの戦車がやって来ると、見学席からは大きなどよ
      めきがあがります。


       続いては航空展示。防府分屯地からやってきたOH−6D観測ヘリUH−1J多用途ヘリ、AH−1S対戦車
      ヘリ
による合計5機の混成編隊が、式典会場上空を堂々の通過。


       さらに西の方角からは、航空自衛隊防府北基地からやってきたT−7初等練習機が3機、きれいな編隊を組
      んでの登場です。へー、空自からも参加があるとは。真っ青な空に赤と白の機体が映えて、観客席からも歓声
      があがります。


       さらに鳥取県美保基地からやってきた、C−1輸送機まで登場。おおお、海田市は豪華だなあ。迷彩色の巨
      大な輸送機が頭上を通過すると、あちこちからシャッター音が鳴り響きます。


       続いては、第一空挺団による上空からのパラシュート降下展示。会場を埋めた沢山の観客が上空を見上げ
      る中、おお、来ました来ました!遥か頭上に、小豆粒の様なUH−1J多用途ヘリが見えます。すると機体左側
      からゴマ粒の様な空挺隊員がぱらぱらとこぼれ落ち、両手両足を広げてしばらく降下した後、真っ白な封筒型
      の自由落下傘
を次々と開傘。


       地上では大きなどよめきが上がる中、4つのパラシュートは風にあおられながらゆっくりと旋回。真っ青な晩
      秋の空に、純白のパラシュートが実にいい色合いです。
       上空はかなり風があるのか、最初のうちは全員バラバラに離れていましたが、空挺隊員は巧みにパラシュー
      トを操りながら徐々にその間隔を狭めていきます。


       見る間に高度が下がってきて、まずは一人目が着地態勢に。両脚で地面に接地した後は、スネの外側から
      臀部、背部にかけてくるんと一回転。着地の際に体にかかる衝撃を分散してしまう、見事な5点着地ですね。
      凄いなあ。


       二人目は着地寸前で急に吹いた風に引きずられながらも、これも見事に会場中央に降り立ちます。
       そして三人目は転倒も引きずられもせず、まるで羽毛が地面に落ちるがごとくふわりと着地。そのエレガント
      さに、会場からは大きな拍手が送られます。
       最後を飾る四人目ですが、戦闘機のランディングの様に、両手を翼みたいに広げながら走って着陸。なんだ
      か妙に楽しそうで、アラレちゃんが「きーん」と言いながら走っているみたいでした。(←状況、加齢臭!)


       全員無事着地を決めた4名の空挺隊員は、巨大な落下傘を素早くまとめて会場中央に整列し、観閲官に敬
      礼。
再び大きな拍手が送られます。
       それにしても、この短辺が異様に短い滑走路のど真ん中に全員ピタリと着地するとは。流石に空挺団は凄い
      ですね。精密爆撃の如き降下でした。習志野かあ、行ってみたいけど遠いなあ・・・。


       会場全体がまだざわついている中、今度は第13偵察隊によるオートバイドリルが披露されます。中央に切り
      込んできた隊長の号令一下、6名の偵察隊員が会場の左右から突入を開始。6台の偵察オートは会場をぐる
      りと回って正面に整列します。


       そして6名の隊員は、日頃鍛えた操縦技術を次々と披露。いやあ凄いですね第13偵察隊。250ccのオフロー
      ドバイクが、愛馬というよりも自分の体の一部みたいになっています。


       圧巻だったのが、6名の隊員が6方向から会場中央に向けて突進し、このままでは団子になって衝突か!?
      と思われた瞬間、それぞれが一瞬ずつタイミングをずらし、誰一人衝突することなく見事に走り抜けて行った演
      目
です。個人の技術もさることながら、強固なチームワークとお互いの信頼が無ければ、こんなマネは到底でき
      ない
でしょう。
       さらには会場中央に設置されたジャンプ台を使って、まるでサーカス団の様に左右から次々とジャンプを決め
      ています。最後は6台が単縦陣を形成し、まるで機関銃の様に次々とジャンプ。見事なドリルを締め括りました。


       最後は戦闘訓練の展示です。会場の興奮も冷めやらぬ中、幌つきの高機動車やトラックがやって来て鉄条
      網
遮蔽物の設置を開始。会場北側の築山に布陣した敵対抗部隊に対して陸自戦闘部隊が南側より攻め
      込んで、陣地の奪還を図るというシナリオです。
       準備はあっという間に整えられ、今訓練展示の指揮を務める第46普通科連隊第1中隊長である三等陸佐
      が指揮通信車で入場。ラッパが鳴り響き、いよいよ訓練展示開始です。


       会場上空に飛来した陸自のOH−6D観測ヘリによって、築山周辺に展開してる敵対抗部隊の陣地を確認。
      報告を受けた陸自本隊からは2機のUH−1J多用途ヘリがやってきて、一機がカーゴドアから12.7oM2重機
      関銃
を撃ちまくっている間に、もう一機からは4名のレンジャー隊員が一斉にロープ降下。築山周辺を迂回し、
      敵陣地後方からの情報収集撹乱、奇襲を実施します。


       会場奥にはギリースーツ姿の狙撃部隊が展開し、偵察隊の偵察オート軽装甲機動車が突入。鉄条網の手
      前で威力偵察を実施し、敵対抗部隊の規模と戦力に関する情報を収集します。そして87式偵察警戒車も怒涛
      の如く突入し、先に前線に食い込んでいる偵察隊員の撤退を支援


       偵察隊員からの情報をもとに、中隊長は火力戦闘部隊の前進を下命。155oFH−70榴弾砲、93式近距離
      地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾、120o迫撃砲RT、81o迫撃砲L16
が次々と投入されます。
       これらの部隊は本来前線の後方から敵対抗部隊に攻撃を行いますが、布陣する前に一旦会場中央まで来て
      ぐるっと回ってから展開
するので、どんな車輛がどんな働きをするのかがとても分かりやすいですね。この辺り
      は細長い滑走路で訓練展示を行う海田市ならではの工夫と言えます。


       そして早くも74式戦車がやって来ました。鉄条網の手前で急停車し、陣地に砲身を向けています。
       その間にも後方では、榴弾砲や迫撃砲、誘導弾がフルスピードで砲撃態勢を整え、陣地擬装の為のバラキュ
      ーダ
が張られています。


       ここで敵対抗部隊の航空機が飛来し、上空から陸自部隊に攻撃を開始。すかさず偵察警戒車25o機関砲
      を上空に向けて、バリバリと応戦。へー、偵察警戒車って、対空射撃も出来るんですね。


       74式戦車砲塔の重機関銃も上空に向けて白煙を噴き上げ、91式携帯地対空誘導弾を構えた隊員さんもい
      ます。単SAM近SAMも負けずに追い打ちをかけ、見事に敵航空機を撃墜。


       そして火力戦闘部隊が敵陣地に向けて砲撃開始。120o迫撃砲RTには砲弾が装填され、155oFH−70榴
      弾砲も轟々と火を噴き始めます。
74式戦車も敵陣地に砲撃を開始しますが、スタンドからかなり近い位置なの
      で、これも内臓を震わせるような凄い迫力。


       敵陣地周辺に次々と着弾の煙が上がる中、普通科の小銃小隊を乗せた軽装甲機動車が一気に前線まで突
      進してきて、地上の遮蔽物やドアを盾に激しい銃撃を敵対抗部隊陣地に向けて浴びせています。


       そんな中、一人の隊員が被弾して転倒。別の隊員がすぐに救助に向かい、軽装甲機動車の後まで引きずっ
      て負傷個所を確認、応急処置を行います。報告を受けた本隊からは救急車が駆け付け、負傷者は衛生の隊
      員達によって後方へ搬送されて行きました。


       陸自部隊は鉄条網の手前まで肉薄しますが、ここで地雷原に前進を阻まれます。すると陸自本隊からは地雷
      原処理車
がやって来て、急停車の後に発射機をぐいんと持ち上げます。


       この箱型発射機を持った巨大なキャタピラ車輛がなかなかのインパクトで、訓練展示を見守る沢山の観客は
      これが敵陣地を直接攻撃するロケット兵器だと勘違い
している模様。うーん、一応アナウンスでは地雷原を爆
      破処理する車両です
と説明しているのですが、やっぱり放送のボリュームが小さくて聞き取り難いですねえ。
       発射機から飛び出したロケットに牽引された爆薬付きの導索が地雷原を吹き飛ばした後は、入れ替わる様
      に75式ドーザがやって来て、爆薬が吹き飛ばした地面の整地にとりかかります。


       この一連の作業を支援すべく、後方からは155oFH−70榴弾砲がドカドカと砲弾の雨を浴びせ、上空からは
      AH−1S対戦車ヘリが支援射撃を開始。


       ほじくり返された地面を車両が通れるように整地した75式ドーザは、一気に前進で後退。変な表現になります
      が、この車両はブレードがついている方が後なので、やって来た時は実はバックで前進して来た事になります。
      ややこしいなあ(笑)。
       ちなみにこの75式ドーザには運転席の前後2ヵ所に操作レバーがあり、イスの背もたれを動かせば車輛の向
      きを変えなくても素早く確実な前進後退が可能
になっています。正に戦場で働く重機ですねえ。 


       そして75式ドーザが切り開いた地雷原を突破して、増援の74式戦車と96式装輪装甲車が敵対抗部隊陣地
      めがけて一気に突入。装甲車の後部ハッチからは普通科の小銃小隊が飛び出してきて、敵の立て籠もる築山
      に向けて突撃を敢行します。


       そして見事築山を制圧した小銃小隊によって連隊旗が掲げられ、陸自部隊は陣地の奪還に成功です。
       以上で訓練展示は終了。いやー、旅団の創立記念行事に相応しい、実に立派な訓練展示でした。異様に細
      長い地形のハンデをモノともせず、築山を上手く使って最後はきっちりとまとめてくれましたね。


       さてこの後は、式典会場を離れて車輛の展示を見学。化学防護車は車体後部に装備されたマニピュレータ
      作動展示を行っています。小さな窓から外部を覗きながらマニピュレータを操作し、汚染物質等をつまんで車体
      の外にあるトレイに乗せ、トレイごと車中に引き込んで採集した物質の解析作業を行うとの事。


       ちなみにこのマニピュレータの操作感覚はゲームみたいなもので、これが上手い隊員はUFOキャッチャーで
      もその実力を発揮するそうです(笑)。
となるとあれでしょうか、ゲーセンで遊んでいたら、サングラスとトレンチコ
      ートで身を固めた怪しい男
が声をかけて来て、
       「君のその能力を、国のために役立ててみないか?」
       とか言われてスカウトされたりするんでしょうか?まあ私よりは役に立ちそうではありますが・・・。


       見慣れない車輛があるなあと思ったら、78式戦車回収車でした。車体上部に装備されたクレーン戦車の砲
      塔やエンジンを取り外したり
ウインチ動けなくなった戦車を牽引して救助したりという、超力持ちの車両です。


       先程まで訓練展示で活躍していた74式戦車がやって来て車両展示会場に収まると、あっという間に人垣が
      出来上がります。
もう2世代前の戦車になってしまった74ですが、まだまだ頑張って貰わないと。
       式典会場にはヘリコプターが次々とやって来て、濛々と砂埃を巻き上げながら着陸していました。


       駐屯地の一角は広大な駐車場になっていて、軽装甲機動車がずらりと並んでいるのが壮観ですね。よく見る
      とどれもフライシート状のカバーが掛けられていますが、何だか手拭いでほっかむりをしたネコが箱座りしてい
      るみたい
で、なんとも珍妙な可愛らしさがあります(笑)。


       隊舎の入口には23年度連隊ナンバーワン戦士という掲示物があり、小銃、拳銃、機関銃、体力検定(男女)
      5部門のうち3部門を本部管理中隊の隊員さんが受賞していました。これは中隊長さんは鼻が高かっただろう
      なあ。残念ながら受賞者がいなかった第一中隊の皆さんは、今年は絶対にリベンジだ!


       お昼時の屋台通りは沢山の人で賑わい、どこも大盛況ですね。何かもう一つ食べてみたい気もしますが、ち
      ょっと時間がかかりそうだなあ。
       ちなみに微妙に売れなさそうと思ったリサイクルショップですが、なんとほぼ完売!御見それしました・・・。
       隊舎入口の階段では、小さな子供が座りこんでコンビニ漫画を熱心に読みふけっています。何を読んでいる
      のかなあとちょっと覗いてみると、カイジでした(笑)。うーん、まだ小学校低学年位に見えますが、今からカイジ
      を読むか・・・。
この子の将来がちょっと心配なので、お父さんお母さんにはもうちょっと別のまんがを読ませる
      事をお勧めします。


       北門近くの古い隊舎を眺めていると、何やら怪しげな物体を発見。釣鐘の様な台形の物体に小さな覗き窓が
      いくつもついていますが、なんだこりゃ。なんか犬神家っぽいなあ。金属製で頑丈そうだし、観音開きの扉がつ
      いている所を見ると、仮設的な立哨ポストか何かなんでしょうか。イラクかハイチにでも持って行ったのかな?


       それにしても海田市駐屯地、さすがに第13旅団の創設記念行事を兼ねるだけあって、充実した展示内容
      したね。天気も終始快晴で、遠征して来た甲斐がありました。ここから目と鼻の先に海上自衛隊呉地方総監部
      があり、てつのくじら館大和ミュージアムもあるのですが、ここはまた後日、じっくりと時間を作って訪れる事
      にしましょう。
       という訳で、海田市駐屯地を後にしました。帰りの中国道では例によって14qの渋滞に巻き込まれながらも、
      無事大阪に帰りつく事が出来ました。 




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