2012.04.08
中部方面隊の総本山である兵庫県伊丹駐屯地で行われた、桜フェスタに参加してまいりました。当日は朝からスカッと晴れ
上がり、実にお花見らしい陽気です。JR伊丹駅から市バスに乗り継ぎ、開門時刻10分前に駐屯地西門に到着したのですが、
開門待ちは6〜7人程度。やっぱり創隊記念行事とは違ってのんびりしていますね。西門前では真っ白な鉄帽も眩しい警衛の
隊員さんが、キビキビと交通整理を行っています。
しばらくして、0900開門。だらだらと歩きつつ駐屯地内へ。道路の両側が桜並木になっていて、紅白のぼんぼりが下がって
いるのが雰囲気だなあ。
ここしばらくの冷え込みの所為か、肝心の桜は6〜8分咲きと言った所ですが、それでも随分と春めいてきた気分です。
駐屯地を南北に貫くさくら通りには文字通り沢山の桜が咲き誇っていますが、私の場合はそれよりも屋台に目が行ってしま
うのが困りモノというか(笑)。毎年秋の創隊記念行事では東は富山から西は山口まで、西日本各地の駐屯地から屋台が集ま
るさくら通りですが、今日は伊丹駐屯地単独開催であるにもかかわらず、同じ位の規模の屋台を展開しているのが凄いなあ。
もっと小規模な屋台群になるのかと思いきや、創隊記念行事に負けない充実度です。
まずは屋台を一つずつチェック。兵庫地本の募集テントを先頭に、くじ引き、フランクフルト、イカ焼き、唐揚げ&フライドポテ
ト、綿菓子、スーパーボールすくい、ホットドッグ・・・と来た所で、あった!もう当HPではお馴染みと言っても過言ではない、伊
丹第36普通科連隊名物のトウモロコシ屋台です!
隊員さんもすぐに私に気付いて頂けたようで、
「おおお、お兄さん!ようこそいらっしゃいました〜!」
覚えて頂いていたのは光栄ですが、きっとアニメキャラみたいにいつも同じ服装で出歩いているからなんだろうなあ・・・。
屋台小隊長はいつもの熊五郎の人みたいですが、今日は髭も眉毛も書いてないので、一瞬誰だか分かりませんでした(笑)。
変装していない素の顔だと誰だか分からないというのも、考えてみればすごい話だなあ・・・。素顔を明かせない特殊作戦群要
員みたいな隊員さんですね。
それにしても今日はあのトウモロコシの人がいないなと思ったら、只今準備中であと10分ぐらいでやって来るとの事。それで
は駐屯地内をひと周りしてから、もう一度来る事にしましょう。
そうそう、屋台もいいけど桜を忘れてはいけません。花の撮り方なんて全く分からないのですが、それでもバックになる空がと
ても青く澄んでいるので、桜色の花びらが実にきれいだなあ。
さくら通りから一本離れた通りは閑散としていて、創隊記念行事の大混雑しか知らない私にとってはすごく新鮮です。展示して
ある74式戦車も、なんだかのほほんとした風情で微笑ましい。
隊員食堂裏手には糧食班からの掲示板があり、本日は桜フェスタの為朝昼夕ともに弁当食。本当は温かい食事を摂って貰
いたいですが、御不便をおかけします。
ちなみに明後日10日のお昼は、季節メニューのたけのこ御飯・サワラ西京焼き・菜の花辛子和え。なんか美味しそうだなあ。
さらに21日の夕食はにぎり寿司!へー、そんなのも出るんですね。
また毎月各部隊ごとの希望メニューも提供していて、伊丹の糧食班の人達も頑張っていますね。通信支援隊の希望がたけ
のこ御飯&菜の花おひたしなのに比べて、36普連各中隊はやきとんや鶏竜田揚げをリクエストしています。やっぱり体が資
本の普通科は、ボリュームのある肉系をドカンと食べたいんでしょう。
厚生センター前にはパネル展示コーナーになっていて、各部隊の紹介や行事のスナップ、災害派遣時の様子などが掲示さ
れていました。
厚生センターもがらんとしていて、いつもは大混雑のPXも空いています。エントランスの掲示板には兵庫地本援護課からの
お知らせがあり、退職自衛官の再就職先がずらりと並んでいます。面接時の自己PRについても相談を受け付けている様で、
確かに自衛隊の人は普段自己PRを行う機会が少なそうなので、慣れないうちは大変だろうなあ。
建物の奥の方にはコンビニが入っています。カップめんコーナーは意外と普通。昨年の福知山駐屯地のコンビニは、普通
科がメインの駐屯地らしく大盛りや特盛りだらけだったのですが、伊丹の人は小食なのかな?と思ったら、麺類や総菜、パン
売り場がかなり充実していて、食べ足りない隊員さんはカップめんよりもこちらの方を利用しているみたいでした。
さて、もう一度さくら通りの方へ行ってみます。果たしてトウモロコシの人は元気だろうか・・・と思っていたら、うわあ、2人に
増えてるし(笑)。
それにしても、まさか戦力が2倍になるとは思いもしませんでした。よく見ると仕様が微妙に違うので、ウルトラマンレオに対
してのウルトラマンアストラみたいな存在なのでしょうか。
「いやあー、ようやく後継者が見つかりました!」
と、トウモロコシの人も嬉しそう。なんでも後継者の人はこのイベントの為に気合を入れて丸坊主にしたそうなのですが、本
当に伊丹の人達は色んな意味で頼もし過ぎです。
ちなみにトウモロコシの人が着用している黄色いシャツですが、よく見ると耳なし法一みたいに沢山の文字が書かれていま
す。これは何ですかと尋ねると、
「これですか?これは僕が自衛隊に入る時に、友達がみんなで寄せ書きしてくれたんですよ」
との事。ああ、いいお話を聞かせて頂きました。
最後はトウモロコシを一本購入し、屋台全員で記念撮影。このノリの良さは、さすが伊丹と言わざるを得ません。
スーパーボールすくいの屋台も大人気で、店頭ではすくった数のランキングが発表されています。この辺りも、実に伊丹らし
いひと工夫だなあ。ちなみに現在のトップは、なんと143個もすくったみかちゃんでした。
さて、次は何を食べようかな。ふと見るとやきとんの屋台からたまらなくいいニオイが漂っていて、思わず2本購入。しっかり
と塩胡椒が効いた豚バラ肉は甘く柔らかく、炭火で燻した香りもあって実に美味。基地通信中隊からの出店ですが、いかにも
陸の人達らしい力強さがありますね。
お、あちらの方では射的の屋台が。それにしても射的って、駐屯地にありそうで意外とない屋台ですね。珍しいのでちょっと
見に行きます。大きな宣伝看板にはゴルゴ13や次元大介、西部警察の大門警部など、普段から硝煙まみれになっている人
達が集まっています。中でもゴルゴ13がやけに饒舌で、
「違う!そうじゃない!こうやって(銃を)構えるんだ!」
「狙った的を倒して素敵な景品をゲットしてくれ!」
うーん、ゴルゴって意外と面倒見がいいんですね。でもゴルゴはゲットとかあんまり言わないと思う・・・。
以前乗艦した護衛艦やまゆきの艦内でもゴルゴは活躍していましたし、やっぱりこうも不況が長引くとゴルゴも安定した公務
員に憧れるんでしょうか。自営じゃボーナスも出ないしなあ(泣)。それより、履歴書の趣味・特技の欄に『狙撃』とか書いている
ゴルゴを想像して、ちょっと萌えてしまいました。
ちなみにこの屋台は伊丹駐屯地曹友会が主催しているらしく、射的の的が紙皿やプラコップで出来ているのが手作り感があ
っていいですね。紙皿にはアンパンマンやトトロ、くまのプーさんが描かれていて賑やかですが、何故かラオウ様が一人で滂沱
の涙を流していて強烈に浮いています。一体何があったラオウ様。自衛官採用試験に落ちて、絶望しているのかラオウ様。体
力的には申し分なさそうですが、他は色々とダメ人間っぽいしなあ、ラオウ様・・・。
お腹は随分落ち着きましたが、折角の伊丹ですしイカ焼きも行っときましょう!炭火の上で焼かれているイカは醤油の焦げた
香りがこれまた堪らなく、天気もいいので海の家にいるみたいな気分です。これも実に美味しかったなあ。
ええい、勢いでもう一品、ホットドッグの屋台に突入です。パンにはさまれたレタスはシャキシャキ、でかいフランクフルトはぷ
りぷりで、ケチャップとマスタードをたっぷりかけるとこれも凄く美味しい。これはいい材料を揃えて自分で作るより、野球場やお
祭で乱暴に作った奴の方が美味しいのが不思議だなあ。
いやあ、朝を抜いてきたとはいえ流石に腹一杯です。この頃にはあちこちの桜の下でお弁当を広げる家族連れや団体がち
らほらで、実にのどかな雰囲気に。余所のお花見みたいにゴミゴミしたり乱痴気騒ぎにならないのがいいですねえ。
その後は、広場で行われる中部方面音楽隊の演奏を見に行きます。まだ時間があるのでイス席は沢山空いていますが、こ
ういうイベントは見学者の頭越しに撮影する方が雰囲気がありますね。
指揮者の方はいかにも陸の軍楽隊らしいがっしりした強そうな人で、一曲目の『海を越えた握手』を皮切りに、J-POPメドレ
ーやアニソン、AKB48、時代劇メドレー等の実にバラエティに富んだ演奏を披露。晴れた青空と桜をバックにした演奏は、こ
の時期ならではですね。最後は『さくらさくら』をサンバ風にアレンジした曲を披露して終了。大勢の観客からは、大きな拍手が
贈られました。
その後は入れ替わる様にして、伊丹駐屯地有志によるさくら太鼓が演奏開始。紫の鮮やかなハッピが桜に映えて、これも勇
壮で見事な演奏でした。
いやあ、桜フェスタとはいいながら、屋台6:音楽3:桜1ぐらいのお楽しみ比率になってしまいましたが、天気もよろしく実に楽
しめましたね。トウモロコシ屋台の隊員さん達とは、秋の創隊記念行事での再会をお約束したのですが、何だか5月の千僧駐
屯地あたりでまた顔を合わせそうな気がします。千僧では第3特殊武器防護隊も特殊屋台を展開しますし、いよいよ本格的に
始まった2012イベントシーズン前半戦、最高の形でスタートを切る事が出来そうです。
さて次のイベント参加は、3週間あけて4月末の和歌山駐屯地です。和歌山は初参加なのでとても楽しみですね。近い様で遠
い駐屯地ですし、プチ遠征的なお楽しみも味わえそう。今日の様な晴天に恵まれる事を祈りつつ、伊丹駐屯地を後にしました。
《追記》
屋台の喧騒から少し離れた訓練場の脇を歩いていると、休日にもかかわらず黙々と持続走に励んでいる隊員さんを見かけ
ました。明るいノリで地域の人達との交流を深めつつも、国を守るための鉄の拳を鍛え続ける事は決して忘れない・・・まさに
伊丹駐屯地そのものを象徴するような、何でもないながらも実に印象深い一場面でありました。
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