![護衛艦ひゅうが一般公開in神戸港](logo128211.gif)
2012.10.27
![](2012hyuga1.jpg)
兵庫県の神戸港ポートターミナルにて行われた、DDH−181護衛艦ひゅうがの一般公開に参加してまいり
ました。神戸港には今年の初めに姉妹艦である護衛艦いせが入港していますし、今年の阪神基地隊はイベント
尽くしですね。注目度の高い艦だけに関係者の方々の事前の準備も大変だとは思いますが、地元で沢山の艦
艇を見る事が出来るのは実に有り難い事であります。
当日は昼まで仕事が立て込んで、神戸港に到着したのが1400を回った頃。お陰で埠頭の混雑は落ち着いて
いますが、もう西日も弱々しくなっているなあ・・・。という訳で、今日は日が暮れてから神戸の夜景をバックにひ
ゅうがを撮影してみます。夜間の撮影は初めてなので要領がわかりませんが、まあ何とかなるでしょう。撮れば
わかるさ!
![](2012hyuga2.jpg)
第4突堤は埠頭の幅が狭いので、高い乾舷と巨大な
艦橋構造物を持つひゅうがが停泊すると暗くて仕方あり
ません。
以前も書きましたが、ビルとビルの間の路地にいるみ
たいです。
舷門のテントにはベビーカーやスーツケースが預けら
れていたので、私もかさばる三脚を預かって貰いました。
見学者の中には欧米系やインド人っぽい人達もチラホ
ラ混じり、この辺りは国際都市神戸ならではの日常風景
でありました。
右舷の舷側歩板を通って、艦内の格納庫へ。ちょっと
した体育館以上のスペースがあり、ヘリコプターもメイン
ローターを展開した状態でらくらく整備が可能です。
奥の暗い空間が、甲板に通じる巨大な前部エレベータ
ー。長さ20m、幅10mというサイズで、テニスコート一
面分に匹敵する大きさ。今は甲板に上がった状態です。
なんというか巨大な地下空洞にもぐりこんだ気分で、鍾
乳洞が大好きな私にとってはきゅんとくる空間ですね。
![](2012hyuga4.jpg)
エレベーターが下がり切った状態。天井が抜けて外の
光が一気に差し込み、それまで明るかった格納庫が暗
く感じます。
エレベーター自体はその巨大さの割には嘘の様に滑ら
かな動きで、沢山の見学者をピストン輸送していました。
エレベーターの奥のスペースにはクレーン車やフォー
クリフトと一緒に、ひゅうが搭載の公用自転車が7台格
納されていました。普通の護衛艦だとせいぜい2台程度
ですが、ひゅうがが停泊する埠頭はかなり広い所になる
上、司令や幕僚が乗りこむ事も多いので、これ位の数が
必要になるのでしょう。
![](2012hyuga5.jpg)
エレベーターの底から見上げる青空。ここから甲板ま
で上がります。気分的には、段ボール箱に入れられたア
リになった感じですね。
![](2012hyuga7.jpg)
甲板にて、ひゅうが艦橋。額に貼られた絆創膏の様な
ものは、射撃指揮レーダーのフェイズドアレイアンテナ。
前後左右の四面に装備され、艦隊防空の強力な目とな
ります。
15時を過ぎると、流石に陽射しも弱々しくなってきまし
た。
それにしても、もう10月も終わりなんですねえ。ついこ
の間、ここで姉妹艦のいせに乗艦したばかりの様な気が
するのですが・・・。おっさんになると月日の経つのが早く
て困ります。
![](2012hyuga8.jpg)
飛行甲板から見た、格納庫へ降りて行くエレベーター。
操作自体は上げるか下げるしかないので簡単だそうで
すが、飛行甲板と格納庫に2ヵ所ある制御装置を同時
に操作しないと、エレベーターは動かない仕組みになっ
ています。
また、飛行甲板の枠の内側には自転車のタイヤチュ
ーブ状のパッキンがあり、空気を入れる事でエレベータ
ーとの間の僅かな隙間を完全に塞ぎます。
海水や雨水、化学兵器を艦内に入れない為と、波浪
で歪んだり太陽熱で膨張して形状やサイズが一時的に
変わる構造材のクリアランスもこれで調整します。
飛行甲板に置いてあった、巨大なクレーン車。ラッタル
の揚げ下ろしや重量物の搬入、後部VLSにキャニスタ
ーを挿入する際に活躍します。
これ一台で28トンもあるので、右舷に停車してあると
それだけで艦が傾いてしまいます。
今日は左舷にSH−60Jが2機展示してあったのでバ
ランスは取れていました。
![](2012hyuga10.jpg)
こちらは艦載救難作業車P−25J。万が一の飛行甲
板での火災の際に活躍し、小さな車体に3000L近い容
量の水タンクと強力なポンプを装備しています。
重量にして軽く8トンを超える為、6700tもあるでか
いディーゼルエンジンを搭載しています。
助手席の防火服が変なポーズだったので人形なのか
と思っていたら、突然動き出したので心臓が止まる位に
ビックリしました。やられた(笑)。お茶目な隊員さんです。
![](2012hyuga11.jpg)
艦首部分に設置された20o高性能機関砲ファランク
ス。普段は正面に砲身を向けているのですが、今日は
何故か左舷を睨みつけていました。
目の前のポートアイランドには沢山の人が住んでいる
ので、気を効かせたのでしょうか。
![](2012hyuga12.jpg)
広い飛行甲板。同時に3機の哨戒ヘリを発着艦させ、
さらにもう1機の大型輸送ヘリの発着艦も管制する事が
可能です。
先の東日本大震災では、ドック入りの予定を変更して
救援物資を積み込んで急遽出港。生存者の救出や被
災地への物資の輸送、参加艦艇間の情報通信の中枢
機能として活躍し、米海軍の展開した『トモダチ作戦』の
海上中継基地としても高い能力を発揮しました。
![](2012hyuga13.jpg)
右舷にはSH−60哨戒ヘリが2機展示され、沢山の人
達が機内見学の列を作っていました。
飛行服を着た隊員さんはあちこちで記念撮影に応じた
り、子供の搭乗を手伝ったり質問に答えたりで非常に忙
しそう。なかなかお話を伺う事が出来ませんでした。
多分かなりお疲れだったと思いますが、それだけ国民
から注目され期待されている証拠だと思って頂きたいで
すね。
![](2012hyuga141.jpg)
再び艦内へ戻ります。エレベーターにいる人達が全員
上を向いているのは納得ですね。私も初めてこのエレベ
ーターに乗った時は、知らず知らずのうちに半笑いで上
を見上げていましたっけ。
飛行甲板では隊員さんが大きく手を振っていましたが、
エレベーターにいた子供達に応えていた模様。
![](2012hyuga16.jpg)
格納庫には、たくさんの簡易ベッドと担架が並んでいま
した。特に何の掲示物も無く、何なんだろうコレと思って
傍にいた隊員さんに尋ねてみると、明日神戸沖で行われ
る自治体との共同防災訓練の準備だそうです。
よく見ると広報スペースの奥には『救護指揮所』と書か
れた貼り紙があったり、『軽症エリア』『中等症エリア』と
トリアージに使われると思しき区域分けがあったりで、い
つ何時発生するか分からない大災害に対して、可能な
限りの準備は常に行われている模様です。
![](2012hyuga17.jpg)
格納庫の一角に吊るされていたサンドバッグ。運動不
足やストレスを解消する為にドスドス叩くそうです。
ひゅうがは飛行甲板も格納庫もとんでもなく広いので、
一見して艦内運動には事欠かなさそうではありますが、
どちらも甲板は恐ろしくトゲトゲしているので、意外と体を
動かすのには向いていなさそう。トレーニングマシンを並
べた保養室位はあるのかもしれませんが・・・。
![](2012hyuga19.jpg)
ポートターミナル3Fの展望デッキより。ここよりも飛行甲
板の方が更に高いんですから驚きです。
帰りの際に舷門のテントに預かって貰っていた三脚を受
け取ったのですが、係のWAVEが
「本日は有難うございました、お気をつけてお帰り下さい」
と、にっこり笑顔で対応してくれたのには恐縮してしまい
ました。ひゅうがはWAVE専用の生活区画も充実している
ので、乗組員の方だったのかな?こちらこそ、ひゅうがの
御安航を心よりお祈りします。
![](2012hyuga20.jpg)
という訳で、神戸大橋を渡って対岸のポートアイランド北
公園へ徒歩で移動。日が暮れるのを待って、夜間撮影に
挑戦です。
当日は10月の終わりにしては暖かく、桟橋で釣りを楽し
む人達を眺めながら寝転がって文庫本を。最近はイベン
ト以外の休日は何だかんだで忙しく息をつく間もないので、
こういうひとときは貴重でした。
![](2012hyuga21.jpg)
徐々に夜の帳が降りはじめ、濃紺と黒の丁度境目の様
な空の色。本当はもっときれいだったのですが、これは私
の撮影の腕の拙さですね(笑)。
航海灯をつけたタグボートが目の前を行き来したり、釣
り人の電子ウキの小さな灯りが糸を引いたりで、結構風
情のある場所です。
それだけにアベックも多く訪れる場所なのですが、今日
は三脚を構えた怪しい人達が何人もいた所為か、姿が
見えませんでしたね。割と早い時間だった事もあったとは
思いますが・・・。
![](2012hyuga221.jpg)
場所とデジカメの設定を変えながら何枚も撮影してみたのですが、うーん・・・なかなか難しいなあ。やっぱり
習なしのぶっつけ本番というのは、無理がありましたね(笑)。電灯艦飾のない地味な絵ヅラではありますが、
これはこれでひゅうがの日常の光景。自宅からはそう遠くは無いのですから、これから何度か通って練習しな
きゃなあ。
2012イベントシーズンも残すところ一ヶ月あまり。オフは溜まりに溜まった戦闘糧食試食レポートのUPもそ
うですが、撮影の練習も地道にやらないと。もうくたびれ加減の愛機キャノンEOS−kissX2を労わりながら、
夜のポートアイランドを後にしました。
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