八尾駐屯地創立57周年 中部方面航空隊創立49周年記念行事

2011.10.08



    八尾駐屯地創立記念行事に行ってまいりました。八尾駐屯地は大阪府河内平野に所在し、中部方面航空隊第3
   師団隷下の第3航空隊、
その他業務隊会計隊、通信、警務、地方協力本部の各隊が駐屯する、中部方面隊の航
   空輸送の要であります。

    今夏に紀伊半島を襲った台風12号による大規模災害でも、情報収集や人員及び物資の輸送で獅子奮迅の働きを
   見せ
、少しさかのぼった阪神大震災でも、当時の航空隊長兼駐屯地司令が訓練を名目にして各地からヘリコプター
   をかき集め、いち早く現地に展開する準備を整えた事でも知られています。

    当日は0730に出発。自宅から自転車で行ける駐屯地なので、随分余裕があります。空気はやや肌寒いですが空
   は気持ちいい位に晴れていて、駐屯地記念行事というよりも航空祭日和なのが丁度いい感じですね。
    長瀬川沿いに40分程走って八尾駐屯地到着。駐輪場に隣接した西門の前で少し時間を潰して、手荷物検査を受
   けて3年ぶりとなる八尾駐屯地に入ります。いやー、やっぱりこのだだっ広いエプロンというのはいいですねえ。なん
   かもう、歩いているだけで気分が大きくなります。


    式典会場東側に拠点を築いたあとは、さて、久しぶりの八尾駐屯地内を歩いてみましょう。屋台スペースは例年と同
   じ場所にありました。軽く流しながら見て行くと、おでん、唐揚げ、フライドポテト、ポップコーン、あとは焼きそば揚げ
   たこ焼き。
焼きそばと揚げたこ焼きは外部の業者が入っているようで、既に焼いてパック詰めしたものを保温容器に
   入れて持ち込んでいます。うーん、隊員さんが鉄板でじゅうじゅういわせて作る焼きそばじゃないのか。しかも作り置き
   だし。これは魅力ありませんね。
    面白そうなのはおでんだけで、以前見た陸軍カレー山菜うどんの屋台は見当たらず、今年はイマイチかな。


    厚生センターのPXに寄ってみますが、自衛隊オリジナル商品『グッドラスク』というのがありました。グッドラックとかけ
   ているのかな?ここで自転車用に作業用手袋を購入しましたが、レジのお姉さんが素敵な笑顔で
    「有難うございました、またお帰りの際もよろしくお願いします(にこっ)」
    と来たので驚きました。おおー、駐屯地のPXでこんな笑顔対応されたのは初めてです。日本原駐屯地のPXにも感じ
   のいい店員さんがいましたが、八尾の店員さんは素晴らしいなあ。
    北門の脇ではCH−47輸送ヘリの地上滑走抽選が行われ、既に長蛇の列が出来ていました。


    その後は車両展示を見て回ります。敷地の隅の方に化学消防車らしき車輛が停めてあるのも、航空部隊が駐屯し
   ている八尾らしいです。

    さて、部隊入場までまだしばらくあります。それほど空腹でもありませんが、混雑しないうちに何が食べておこうかな。
   まずは先程目を付けておいたおでんから行ってみます。屋台の隊員さんはかなりノリノリで、
   『AFM48選抜総選挙当選メンバーによる新ユニット“TEAM ODEN”10月8日デビュー!!』


    という珍妙なPOPが飾ってあります。ちなみに第一位は1,355,471票を獲得した牛スジらしいですが、どういう分母で
   選挙を行ったのでしょうか?胡散臭い事この上無しですが、こういうネタ系の屋台が大好きな私としては堪らないもの
   がありますね。

    とりあえず300円払っておでんを受領。大ぶりな容器には牛スジ、大根、厚揚げ、コンニャク、平天がドンと入って
   いて、かなりのボリュームです。つゆは黄金色の優しい色合いで、この辺はいかにも関西らしいなあ。チューブ入りの
   カラシをちょっとつけて、早速頂いてみましょう。
    ほほう、見た目通りのあっさりとした繊細な味わいで、屋台とは思えないレベルですね。よく見ると大根はちゃんと角
   を面取りしてあります。
大量の大根を面取りするだけでも相当面倒な作業ですが、そこで手を抜かない辺り、普段から
   この人達はきっちりしたいい仕事をしてるんだろうなあ。


    厚揚げも大根も、薄味ながらしっかりとダシが染みています。昨日のうちに作って、一晩寝かせたのかな?朝イチと
   いうこともあり、煮込みが足りない状態もやむなしと思っていましたが、どうやら杞憂に終わった様です。
    しかしこの味とこの量で300円は安いなあ。屋台に戻ってちょっとお話を伺いましたが、どうやらこの屋台は中部方
   面航空隊野整備隊
の皆さんで出しているらしく、なるほど納得ですね。パイロットの生命と国民の財産である航空機を
   預かる彼ら
にとって、大根の面取りぐらいは朝飯前なのでしょう。いやはや美味しかったなあ。
    さて、そろそろエプロン前に戻ります。目の前には沢山のヘリコプターがずらりと並んでいて、式典での展示飛行を
   前にしたその様子は、試合直前の控室にいるボクサーの様ですね。一番遠くにあるUH−1J多用途ヘリですが、よく
   見るとメインローターのブレード部分にも迷彩塗装が施されていました。隣接する八尾空港には、先程から小型プロ
   ペラ機が離着陸しています。休日朝のフライトを楽しんでるのか、いいなあ。


    そしていよいよ部隊入場。第3音楽隊を先頭に、中部方面航空隊隷下の各隊が続々と入場です。結構な人数なの
   ですが、エプロンがだだっ広いのでなんだかやけに少人数に見えます。


    ふと背後を振り返ると、高校生ぐらいの男の子が、
    『ありがとう自衛隊 奈良 五條』
    と書かれたプラカードを掲げていました。先の台風で大きな被害を受けた奈良県五條市から来たのでしょうか。彼
   と周囲の人達がどれだけの痛手を被ったのかは想像するより他はありませんが、そのメッセージが、一人でも多くの
   隊員さんの目に止まる事を祈ってやまない気分です。


    部隊の整頓が終了し、ここで本日の観閲部隊指揮官を務める中部方面航空隊副隊長が入場。部隊の紹介が行わ
   れた後は、近隣自治体である八尾市、柏原氏、松原市の旗が登場。それぞれの図案の由来が紹介されました。
    続いて本式典の執行者である、中部方面航空隊長兼八尾駐屯地司令である一等陸佐が、黒塗りの業務車両で入
   場。観閲官ではなく、執行者って言うんですね、八尾では。この後行われた部隊観閲も巡閲と言っていましたし、これ
   は航空隊独自の言い回しなんでしょうか。


    そして、3月の東日本大震災と、台風12号による大規模災害で亡くなられた方々のために、黙祷
    その後は執行者に敬礼、国旗登壇、捧げ銃、執行者式辞、と式典は進みます。しかし駐屯地司令はいい声だなあ。
   低く大きく実によく通る声で、軍歌とかが凄く似合いそう。第3音楽隊をバックにして、是非一曲お願いしたいです。


    続いて来賓祝辞、来賓紹介、感謝状紹介、祝電披露を終えた所で記念式典は終了。観閲部隊指揮官は退場し、隊
   員達は各々の持ち場に向けて解散します。観閲飛行の準備が整う間は、第3音楽隊が演奏を披露。本日は大地震
   や津波、台風に打ちのめされそうな日本を勇気づける為の『がんばれ日本メドレー』を用意して来たとの事で、曲目は
   『勇気100%』『ありがとう』『負けないで』の3曲。


    大きな拍手に送られるようにして第3音楽隊が退場した後は、エプロンにずらりと並んだヘリコプターが一斉にエン
   ジン始動。
いやはや、流石に合計24機ものヘリに火が入ると、凄まじい爆音ですね。聴覚がどうこうと言うより、音の
   塊が体に直接ぶつかって来る様な迫力です。


    そして24機のヘリは一斉に離陸。地上5mの高さでピタリとホバリングしています。その後はエプロン西側の機体か
   ら順次上昇し、UH−1J多用途ヘリ、OH−6D観測ヘリ、OH−1観測ヘリ、AH−1S対戦車ヘリによる混成部隊は、
   観客席の前をゆっくりと通過して行きます。最後はトリを務めるAH−64D対戦車ヘリアパッチがゆっくりと離陸し、そ
   のマッチョな機体を翻すように西の空に飛んでいきました。


    急に静かになったエプロンの余韻を味わっていると、続いて地元富田林高校バトン部によるチアリーディングが披露
   されるとのアナウンスが入りました。
    そうそう、八尾の魅力と言えば、これを忘れるわけにはいきません。あの今ひとつ統制の取れていない緩い雰囲気
   のチアリーディング
が、富田林高校の魅力です。式典に漂う緊張感や観閲飛行の迫力に度肝を抜かれた観客達を、
   一瞬で牧歌的な気分に引き戻すほのぼのチアリーディング、今年も見せて貰いましょう。
    …あれ?何か今年の富田林高校、やけに上手くなってますね。動きもキチキチと決まっているし、まるで別のチーム
   の様です。人数も随分増えたみたいで、私が八尾に来なかった3年の間に一体何が?


    どうやら現在の富田林高校バトン部は、府下でもかなりの実力校に成長しているらしく、大阪府大会で優勝し、今後
   は関西大会、そして全国制覇を目指すとの事。いや、これ、本当に行けるんじゃないでしょうか?凄いなあ。
    とは言え、以前みたいに他の運動部から臨時で人をかき集めて来たかのような、色んなところがバラバラでやってる
   方も照れが入ってる様な、不思議に微笑ましいチアリーディング
も捨て難かった様な気がするんですから、見てる方は
   勝手なもんですねえ(笑)。

    そして再び第3音楽隊が演奏を披露し、その後は先程離陸して行った24機の混成ヘリ部隊が見事な編隊飛行でエ
   プロン上空を通過。


    続いて格闘展示が始まりました。防具やナイフ、64式小銃で固めた隊員さん達が駆け足で入場し、正面に整列。帽
   子に赤テープを巻いている方が敵役の模様で、これは分かりやすいですね。そして会場西側から順番に、銃剣vs銃剣、
   銃剣vs徒手、ナイフvsナイフ、ナイフvs徒手、徒手vs徒手、といった様々な状況での格闘が披露されました。


    それぞれかなり練り込んだ印象で、わざとスローな中段回し蹴りを放って相手にキャッチさせ、そのまま倒れ込んで
   アキレス腱を極めにかかる所はよく出来てるなあ。


    そして今度は陸自2人、敵役5人による集団格闘展示。まさにアクション映画さながらの大立ち回りで、すごい迫力
   ですね。敵に銃剣を弾き飛ばされた陸自隊員が、距離を取るために側転で離脱しながら倒れていた敵の銃剣を拾い
   上げて構え直しています。
この日のために様々なアイデアを出し合って、しっかり練習を重ねて来たんだろうなあ。
    最後は陸自隊員が数で勝る敵をきっちりと仕留め、大迫力の格闘展示は終了。会場からは大きな拍手が贈られて
   いました。


    続いて先程見事な編隊飛行を見せた混成ヘリ部隊が戻ってきて、今度は単縦陣を形成して一機ずつ会場上空を通
   過。次々と着陸態勢に入ります。いやー、凄いですね。明野駐屯地で見たヘリ編隊も強烈でしたが、流石に中部方面
   航空隊の総本山である八尾駐屯地、内容の濃さでは決して引けをとりません。

    その後は再び富田林高校バトン部が入場し、元気いっぱいのチアリーディング。そしていよいよ訓練展示です。前半
   はヘリコプターによる機動飛行展示。先ずはOH−6D観測ヘリが会場西側から侵入し、小型軽量な機体をくるりくるり
   と翻すようにして飛び回ります。丸っこい卵型機体の愛らしさもあり、なんかこう、とても楽しそうに飛んでますね。


    続いてUH−1J多用途ヘリが登場。こちらは機体右側面にテレビカメラが搭載されていて、上空からの映像を本隊
   に直接送信できる仕様になっています。
低空でホバリングしながら丸いカメラをぐりぐりと動かしていますが、ペンチに
   挟まれた目玉おやじ
の様なその形状が、何とも愛らしいと言うか痛々しいと言うか(笑)。
    「き、鬼太郎!助けてくれ!」
    という例の声での悲鳴が聞こえてくるようでした。


    そして今度は、同じくUH−1J多用途ヘリによる空中輸送展示。上空に現れたUH−1Jが地上の安全を確認しつつ
   高度を下げると、会場東側からジャージ姿の2人がリヤカーを引きながら登場です。着陸したUH−1Jのカーゴドアが
   開いて歩板が降ろされ、中からは2本のドラム缶がごろごろと転がって来ました。どうやら燃料と水を被災地に空輸
   ている状況らしく(ヘリの爆音でアナウンスが全然聞こえません)、最後は2人に見送られながらヘリは上昇していきま
   した。


    続いてはラペリングによる救助展示。エプロン中央には、被災地に取り残されたと思しき1人が、上空に向けて手を
   振っています。そこにUH−1Jが駆けつけますが、そこが着地できない狭い場所であるため、上空でホバリングしつつ
   隊員さんを吊り下げた救助ホイストを展開。
地上に降りた隊員さんは要救助者をホイストに固定し、上空のヘリに合図
   を送るとヘリのウインチが作動。取り残されていた人は無事機内に収容されていました。


    さらに飛行展示はまだまだ続きます。次はOH−1観測ヘリがやってきて、更にアグレッシブな機動を見せつけます。
   地面すれすれまで急降下した後はグッと機首を上げて急上昇。そのまま横倒しになりそうな低速度でターンした後は、
   器用にもバックで後退しています。いやー、相変わらず見ていてハラハラすると言うか、こっちの気分が悪くなりそうな
   強烈な機動飛行
です。

   

    最後はオートパイロットで機体をホバリングさせ、操縦棹から両手を離して地上に挨拶していました。
    続いて訓練展示後半、上空のヘリと地上部隊との連携による戦闘訓練展示です。まずは会場西側から第3偵察隊
   の偵察オート
が2台進入し、会場中央で高いジャンプを見事に決めます。そして素早く倒した車体を盾にして、敵の潜
   む陣地に向けて小銃射撃。威力偵察から掴んだ敵の情報を後方の本隊に無線で報告した後は、脱兎のごとく撤収
   す。


    その間も上空からはOH−1観測ヘリによる情報収集が行われ、地上からは89式偵察警戒車軽装甲機動車
   突入を開始。敵陣地に肉薄しながら、激しい銃撃戦が展開されます。
    そんな中、軽装甲車のルーフから敵陣地に射撃を加えていた隊員が被弾。すぐに後方の本隊に報告が入り、高機
   動車
が駆け付けて被弾した隊員を収容し、搬送して行きました。


    そして89式偵察警戒車軽装甲機動車は移動し、後方に控えていたFH−70榴弾砲が支援射撃を開始。ズドンと
   いう大きな発射音と共に砲炎が噴き上がり、敵陣地手前に着弾します。


    その隙をついて普通科部隊が突入し、上空からはAH−1S対戦車ヘリコブラの援護を受けながらUH−1J多用途
   ヘリ
が展開。敵陣地後方に忍者の如く回り込んだ後は、後方撹乱の為のレンジャー隊員が一気にロープ降下開始。


    素早く散開して地上の安全を確保した後に、さらに2機のUH−1Jがやってきて素早く着陸。中からは増援の為の
   普通科隊員
が飛び出して来ました。


    上空からはAH−1S対戦車ヘリが、後方からはFH−70榴弾砲による支援射撃が行われる中、普通科隊員は敵
   陣地取り囲むようにしてじりじりと肉薄して行きます。


    そして真打ちとも言うべき74式戦車が突入開始。一気に敵陣地手前まで切り込んだ後は、すかさず戦車砲を発射。
   追いつめられた敵部隊は陣地を放棄して逃げ始め、陸自部隊は見事陣地を奪還しました。


    いやー、今年も中部方面航空隊の持ち味をきっちりと前面に出した、見応えのある訓練展示でした。回転翼機の中
   で一番好きなCH−47輸送ヘリの出番が無かったのは残念ですが、それでも国内外の災害派遣防衛で大きな役割
   を担う中部方面航空隊の実力と存在意義を大きくアピールできた、素晴らしい訓練展示でした。


    その後は人の波に乗ってエプロンを離脱。厚生センターに流れ着きますが、さすがにここも人で一杯です。文化展
   は駐屯地隊員やそのご家族、地域住民の方々によるさまざまな作品が展示してありますが、中でも目を引いたのは
   自艦艇のペーパークラフト
。あさぐも、みねぐも、あまつかぜと言った今ではもう見る事が出来ない艦艇が、とても紙で
   作ったとは思えないクオリティ
で再現されています。うわあ、凄いなこれ…。全長1m近い護衛艦むらさめも素晴らしい
   出来
で、こんなの誰が作ったんでしょうか。


    また、何故か1940年代のタイ海軍の海防艦トンブリまで作ってありますが、どうやら神戸の川崎造船所で作られた
   艦だったそうです。へー、そんな縁があったとは。
    その後は広報展示館へ。こんなの八尾駐屯地でしか見た事無いぞと言いたくなる様な強烈な雰囲気の建物で、太平
   洋戦争当時に京阪神の防空を担った旧陸軍航空隊の戦闘指揮所を改修して使用しているそうです。いやしかし何と言
   うか、ここだけ雰囲気違い過ぎです。厚さ1m位ありそうなコンクリで固められた外壁はボロボロに痛んでいて、まさに
   歴史の風雪にさらされ続けた趣がありました。


    内部には当時の兵士の遺品旧陸海軍の装備品、駐屯地の成り立ち、活動の歴史等が詰め込まれていて、木材と
   ガラス、むき出しの蛍光灯がいい味を出しています。あと、何故か歯ブラシの制作過程が展示してありました。何でエン
   ジンの隣に歯ブラシが…と思いましたが、どうやら昔は全国の歯ブラシの80%をここ八尾市で生産していたそうです。
    最後は62式機関銃の重さに驚いて、広報展示館を出ます。この広報展示館、まさに太平洋戦争当時の要塞の廃虚
   の如き迫力
があるのですが、屋上にプロペラ機がちょこんと乗っているのはなんだかなあ。趣味の悪いパチンコ屋みた
   いでインパクトがある
のですが、なんだかなあ。


    エプロンではいつの間にか地上展示が始まった様で、あちこちに展示されたヘリコプターの周囲には沢山の人が集ま
   っています。そして何故か、エプロンをウロウロする不審者の姿が。


    もしかして、来賓として招待されて来たのでしょうか?白い兵隊さん達も気軽に記念撮影に応じています。うーん、ヒマ
   なのか帝国軍は。


    中には展示してあるアパッチをもの珍しそうに眺める白い兵隊さんも居て、その背中が、
    「いいなあ、ウチにもこんなの欲しいなあ。でも、ベイダーの大将ケチだからなあ・・・」
    と、ぼやいているようでした。


    エプロン中央では、抽選に当たった幸運な人達が、CH−47輸送ヘリの体験搭乗を満喫していました。後部ランプドア
   を閉鎖したCH−47は、その巨体を揺らしながらタキシング。ゆっくりと上昇した後は、ローター音を響かせながら周囲を
   ちょっとだけ飛び回っていました。ああ、いいなあ。やっぱり抽選に参加しておけばよかったかも(笑)。


    最後は地上展示の陸自車輛群を見て歩きます。03式中距離地対空誘導弾を見て気がついたのですが、あれ?車体
   上部に搭載してあるスペアタイヤに、小さなクレーンと手回しのウインチがついています。先週桂駐屯地で見た時は、こ
   んなの無かった様な気がするんですけど、見落としたのかな?
    なるほどこれなら、何とか地面までは降ろせそうですね。もっとも、交換したパンクタイヤをこれで持ち上げる事が出来
   るとは思えませんが…。


    それにしても3年ぶりの八尾駐屯地、実に楽しめましたね。天候も言う事なしで、10月だというのにかなり日焼けしてし
   まいました。
ただ、内容の充実ぶりとは裏腹に、食べ物系屋台が若干寂しくなっていたのが残念と言えば残念でしたが、
   また来年も何とか参加したいと思いつつ駐屯地を後にしました。


帝国軍のクセに結構いい人でした




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