中部方面隊創隊51周年 伊丹駐屯地創立60周年記念行事

2011.10.16



    兵庫県伊丹市で行われた、伊丹駐屯地創立記念行事に行ってきました。伊丹駐屯地は中部方面隊の総本山とでも
   言うべき西日本の要衝であり、東は富山県から西は山口県まで、四国を含んだ2府19県の防衛警備を担当していま
   す。その為当日は全国各地の屋台…もとい部隊が伊丹駐屯地に集結し、全国に5つある方面隊の中でも最大の面積
   を誇るだけあって、非常に地方色豊かな屋台群が軒を連ねるお祭り度の高い式典でもあります。
    また、伊丹に駐屯する第36普通科連隊は非常に明るい気風であることでも知られ、私の知る限り姫路や福知山と並
   んで隊員さんのノリがいい
印象がありますね。と言う訳で、毎年ここの創立記念行事はすごく楽しみにしているのでした。
    JR伊丹駅前から出ているシャトルバスに乗り込んで、0900伊丹駐屯地に到着。既に沢山の人が駐屯地内にいます
   が、まあ伊丹は比較的どの場所からでも楽しめるので、そう焦る事はありません。手荷物検査をパスして、ホテホテと式
   典会場へ向かいます。
    一般用スタンド席にもこの時間にしてかなりの人が入っていますが、とりあえず南側スタンドの上部に場所を確保。
   年も伊丹の屋台を楽しむために朝食を抜いて来た
ので、早くもお腹が減って来ました。まずは駐屯地内を歩き回るとし
   ましょうか。
    74式戦車体験搭乗の整理券配布場所には、既に200人近い行列が。うーん、ここ数年で凄い事になっているなあ。
   小さな子供を連れた家族連れも多いし、こういうイベントに国民の目が集まるのはいい事です。


    まずは装備品展示から。例年なら戦車や榴弾砲、地対空誘導弾などが居並ぶ式典会場近くの一角には、今年は
   害派遣装備品や化学防護車
が展示してありました。先の東日本大震災や紀伊半島を襲った台風12号では大きな役
   割を果たしただけに、これは納得のラインナップですね。
    OD色の大きなテントは除染所運営用セット。内部を見せて貰うと、テントの中央に通路があり、その左右に2区画ず
   つ除染室が並んでいます。除染室の中には除染剤を全身に吹き付ける為のシャワーノズルがいくつもあり、使用中は
   ミストサウナを浴びるような仕組みになっているそうです。中央の通路には台が並んでますが、ここでは担架に乗せら
   れた人を除染できるようになっているとの事。


    テントの外には、除染剤タンクを搭載したトラックとプールがありました。ちなみに除染剤は温めた方が除染効果が高
   くなる
ので、トラックにはポンプの他にもボイラーが装備されているそうです。
    隣のテントでは、油圧式カッター破壊構造物探索機、探索用音響探知機、カッターレフレクター、ジャッキなどの装備
   品がずらりと並んでいます。こういうのを一つ一つ眺めていると、今年は本当に色々あったんだなあ…と、改めて思い知
   らされます。普段は裏方に徹している装備品ですが、こうして注目の的になっているのは複雑な気分ですね。


    道路を挟んで向かい側には、野外入浴セットが展示してありました。これも今年活躍した装備品ですね。お隣の千僧
   駐屯地の第3後方支援連隊
からの『六甲の湯』で、パイプとビニール生地で組んだ浴槽には温かいお湯がなみなみと
   入っていました。
    そしてテントの中には、2等海佐の階級章をつけたWAVEが説明を受けています。しかしえらく若い2等海佐ですね。
   よく見ると女優さんみたいな美人だし、番組か何かで制服を借りてるのかな?でもカメラは見当たらないし、本物なので
   しょうか?


    もうすっかりおなじみになった無人偵察機システムですが、妙にぬめっとしたその風貌は、何だか深海魚みたいです。
   そしてその隣には、近距離用の無人偵察システムが展示してありました。へー、こんなの初めて見ました。全幅1m程
   の全翼機で、中央にはテレビカメラと映像送信システムが組み込まれています。小さなプロペラが2組ついていますが、
   本当にラジコン感覚ですね、これは。
    それにしてもこれ、どうやって射出するのでしょうか。ランディングギヤがないので滑走は無理でしょうし、ヘリみたいに
   垂直離着陸が出来る訳でもなさそうですし…。ちょっと隊員さんに尋ねてみましょう。
    「はい、これはこのまま手で投げるんですよ」
    へー、紙飛行機みたいですね。しかしこんなデカイのを手で投げるって、やっぱり隊員さんは凄いなあ。
    「ああ、こう見えても重さは4kg位なんです。また別に、ゴムバンドでぱちんと飛ばす事も出来ますよ」
   意外と軽いんですね。しかしゴムバンドって(笑)。パチンコみたいなものなのでしょうか。こうなるとラジコンと言うよりも
   プラモデルみたいですね。
    ちなみに胴体着陸で帰って来るそうで、また単純と言うか乱暴と言うか。まあ、軍用品なんてそれ位ラフな使い方が出
   来ないと、実際には役に立たないんでしょう。


    その後は01式対戦車誘導弾対人狙撃銃を見て回り、さくら通りに展開する屋台群へ向かいます。駐屯地を南北に
   貫くさくら通りには沢山の屋台が出ていて、さすがに中部方面隊のお祭りだなあ。お、青野原(あおのがはら)駐屯地か
   らは焼き物の屋台
が出ています。私は陶芸についてはまるっきりの素人ですが、ずらりと並んだ隊員さんの作品はかな
   りの出来で、趣味でやってるレベルとは思えません。ここでぐい呑みを一つ購入。これでお酒を飲んだらさぞかし美味い
   だろうなあ。ちなみに青野原駐屯地にはなんと陶芸用の窯があり、隊員さん達は土日を利用して作品を焼いているそう
   です。凄いなあ。


    第14旅団の松山駐屯地からは、じゃこ天の屋台が。いかにも瀬戸内の豊富な海の幸らしい、色黒のじゃこ天が美味
   しそうだなあ。そのすり身を使った“じゃこカツ”なるものも販売していて、珍しいので一つ買ってみます。
    ほほう、これは美味い!小魚のすり身にタマネギ、ニンジン、ゴボウが入っていて、メンチカツの様にパン粉を付けて
   揚げてあります。
すり身にはしっかりした塩味がついていて、根菜の甘味と香りも相まって、これはいきなりの大当たり
   ですね。ビールがめちゃくちゃ合いそうだなあ。
    うーん、いきなり興味が沸いて来ましたよ松山駐屯地。来年は瀬戸内海を越えて遠征してみようかな?撮影をお願い
   すると、油の中のじゃこカツをトングでころころと転がしてくれました。


    同じく第14旅団の新高知駐屯地からは、新高梨と山北みかんの即売所が。いかにも全国屈指の農業県らしい屋台
   ですが、何だか道の駅みたいです。
    輪投げの屋台では、客引き担当の若い隊員さん達が
    「元祖輪投げ!いィかがッスかあー!!」
    元祖輪投げ?これまた胡散臭い事を(笑)。まあこれが許されてしまうのが、伊丹の雰囲気ですね。
    第13旅団山口駐屯地からの萩焼き第10師団久居駐屯地からの揚げたこ焼きと見て回った後は、同じく第10師団
   春日井駐屯地からのサボテンの屋台
です。小さくかわいらしいサボテンや大きな迫力のあるサボテンがずらりと並び、ど
   れも緑色にフクフクと育っています。ここで仕事場用に、小さいサボテンをふたつ購入。


    千僧駐屯地の第3特殊武器防護隊からは、3特防グッズとカレーの屋台が。『3特防隊長が作る特製カレー』だそう
   ですが、これは是非いっとかないと。3特防にしか入手できない、ちょっと困る隠し味なんかもあるかもしれません。
    しかし販売は1100から、との事でした。記念式典の最中は流石に抜ける事は出来ませんし、訓練展示終了後まで
   残ってたらいいのですが。
    屋台に貼られたPOPもノリノリで、やっぱり3特防の人達のお茶目さは群を抜いていますね。気持ち悪いオッサンの
   イラストがありますが、この人が隊長さんなんでしょうか…。ちょっとヤダなあ。その上にほんの申し訳程度にナマステ
   
と書いてあるのも、やる気があるのか投げやりなのかよく分からないいい味を出しています。


    お、地元伊丹の36普連からは、焼きそばの屋台が!桂、八尾と焼きそばに恵まれなかったので、これが2011シー
   ズン最初の駐屯地焼きそば
です。隊員さんのコテ捌きもなかなか堂に入っていて、使用しているソースは地元兵庫産の
   オリバーソース。
この辺も細かい地方色が出ていていいですね。


    で、250円払って焼きそばを受領。低価格ゆえの小ぶりなサイズですが、私みたいに色々種類を食べたい人間には
   嬉しいですね。まずは一口。
    ほほう、これは美味しいなあ。ジューシーとドライのちょうど真ん中あたりの焼きそばで、キャベツと豚肉も多すぎず少
   なすぎず。スタンダードをきっちりと押さえておけば、間違いなく美味しく出来る焼きそばの見本みたいです。ふと見ると、
   ステンレスのボウルに入った白い物体がありましたが、あれは隠し味のラードかな?しかし伊丹の焼きそばはいつ食べ
   てもレベルが高いなあ。


    第13旅団出雲駐屯地からは、手打ち蕎麦。麺棒もこね鉢も本格的なものを使っていて驚きです。
    第10師団金沢駐屯地からは、お馴染みの冷やしそば。これも実に美味しいのですが、前年前々年と食べたので、今
   年はパスします。
    先程の元祖輪投げを見に行きますが、ただの輪投げじゃないですかー!一体何が元祖なのか問い詰めたくなりました
   が、隊員さんの困惑する表情が目に浮かんだの自粛です。
    「シャチョー!たこ焼きはいかがっスか!?」
    と、いきなり大きな声をかけられたのでびっくりです。シャチョーってあんた(笑)。場所的にはやっぱりチュータイチョー
   とかレンタイチョーでしょうに(笑)。
    福知山駐屯地からは、猪汁(ししじる)と草餅の屋台が。これも地元ならではでいいですね。大鍋で煮込まれた猪汁が
   とても美味しそうだったので、一つ購入です。


    プラスチックの容器にどばっと入れられた猪汁は実に美味しく、これは大量にドカッと作ってこそ出る味わいですね。
   味噌の加減も実によろしく、予想よりもずっと柔らかでクセのない猪肉もたっぷり入っています。大根、ニンジン、白菜、
   ゴボウと野菜も充実していて、なんともほっとする味わいになっています。今日は暑い位の陽気ですが、もっと冷え込む
   とさらに美味しくなるだろうなあ。
    さて、じゃこカツ、焼きそば、猪汁で、かなりお腹は落ち着きました。それにしても、36普連のトウモロコシ部隊の姿が
   見えませんでしたね。
今年は式典の方に参加しているのでしょうか?


    一般スタンド席に戻りますが、これがもう凄い人混み。初参加時は2〜3重だった会場南側のロープ際も、既にこの
   時間にして6〜7重の人垣になっています。本当に自衛隊イベントへの注目度が上がっているんだなあ。それまで興味
   を持たなかった人達が自衛隊の存在に目を向けている事は、いちファンとして非常に嬉しい事でもあります。

    しばらくして、部隊入場が始まりました。一般スタンド席の左右から隊員さん達が続々と行進してきますが、さすがに
   2府19県にまたがる中部方面隊の創隊行事だけあり、まさしく人の海、という感じです。


    参加各部隊の紹介が行われ、本日の観閲部隊指揮官を務める第3師団副師団長兼千僧駐屯地司令である陸将補
   が入場。続いて本日の観閲官である、中部方面総監荒川龍一郎陸将が入場し、肩章と飾緒も眩しい高級幹部が居並
   ぶ観閲壇の中央に着席です。


    まずは式典に先立って、これまでに殉職された隊員の方々に黙祷が捧げられます。その後は国旗登壇、捧げ銃。
   続いて中部方面総監による部隊観閲が行われ、式辞が披露されました。その間にも、お隣の伊丹空港から離陸した
   ジェット旅客機が、すぐ頭上を越えて行くのが土地柄ですね。
    その後は来賓祝辞、来賓紹介がとり行われますが、延々と紹介される衆参議員の数が流石に半端ではありません。
   自宅から比較的近い上に隊員さんのノリがいいので、気楽なイメージのある伊丹駐屯地ですが、やっぱり中部方面隊
   という巨大組織の中枢なんだなあ。

    以上で式典は終了。部隊はこの後の観閲行進に備えて退場ですが、やっぱり普通科の行進が一番サマになってる
   様な気がしますね。単に数が多くて見栄えがいいからかな?


    そして観閲行進開始。先頭を切るのは、中部方面及び第3・第10合同音楽隊。あれ?いつもと違う曲だなあと思った
   ら、この曲名は『かけがえのない命』であるとのアナウンスが流れました。この演奏にこめられた音楽隊の人達の思い
   が伝わってくる様で、まったく春からここまで、いろいろありすぎましたね…。


    続いて中部方面隊の警備区に当たる2府19県の県旗が、富山県を先頭にして一旗ずつパジェロに乗って登場。どれ
   もそれぞれの県の特色が伺えるデザインですが、なかでも印象的だったのが愛媛県。県旗というよりも南米辺りの国旗
   の様な、ラスタファリズムの香りが漂う独特のテイスト。
何と言うか、見ていると無性に臨時革命政府とかを樹立したくな
   る
旗です。


    そして軍歌『抜刀隊』の旋律とともに、観閲部隊指揮官を乗せた指揮通信車が3輌で登場。この甲虫の様な強そうな
   デザインがいいですね。
    続いて普通科による徒歩行進。京都府福知山駐屯地の第7普連を先頭に、中部方面隊各地に駐屯する普通科連隊
   が続々と行進、続いて車輛部隊の観閲行進に移ります。


    お、トラックの荷台に乗っているのは、私の大好きな資材運搬車!いやー、いつ見てもカワイイですね。トラックの上
   にちょこんと座っているのも、実に愛らしい。


    行進の最後は74式戦車が4輌、地響きを上げながらの堂々の行進です。明け方まで強い雨が降っていたので、お
   かげで土埃が立たないのが助かりました。


    さらに間を開けず、航空観閲が開始。会場北側の上空から、合計10機以上の大編隊がやって来ました。先々週の
   八尾駐屯地に負けない位の抜けるような青空の中、海自から参加の純白のSH‐60Jが実に映えています。


    その後は訓練展示です。が、なんだか色んな大道具を抱えた隊員さんが出て来て、会場中央に橋梁と河川らしきもの
   を構築し始めました。
南側では96式装輪装甲車が2輌展開し、どうやら去年のような戦闘訓練展示を行う模様。


    伊丹と言えば、第10師団の精鋭100人以上による大規模なガンドリルや格闘展示が定番でしたが、今年は昨年に
   引き続いて大規模な戦闘訓練をやるんですね。これは意外だったなあ。
    見る間に会場中央にはブルーシートを利用した河川が作られ、衝立の様な橋梁の欄干が立ち並びます。どうやら昨
   年と同じく、河川を挟んで南側を占領した敵部隊を、陸自部隊が北側から攻め込んでいく、という設定です。それにして
   も、敵部隊が潜んでいる草むらを模した衝立ですが、なんかコンビニ弁当に入っている樹脂製のバランみたいでカワイ
   イ
なあ。


    まずは会場北側より、陸自の偵察オートが2台進入して来ました。左右から交差するように高いジャンプを決めた後
   は、すかさずオートを倒して対岸の敵部隊に向けて小銃射撃。敵部隊はすかさず反撃に出ますが、上空に舞うOH−1
   観測ヘリ
が敵部隊の情報を収集し、後方の本体に報告しています。


    威力偵察を終えた偵察隊員は脱兎のごとく前線から撤退し、入れ替わる様にして93式近距離地対空誘導弾120
   o迫撃砲RTを牽引した高機動車
が進入。上空の敵機を牽制しながら、準備の整った迫撃砲が敵陣地に向けて砲撃を
   開始です。


    敵陣地手前に着弾した隙を突いて軽装甲機動車が突入を始め、橋梁を挟んで敵部隊の装甲車と激しい銃撃戦が行
   われます。どちらも一歩も引かない状況が続きますが、そんな中軽装甲機動車から飛び出して来た普通科隊員が、89
   式小銃の銃口に06式小銃躑弾を装着し、敵部隊に向けて発射。


    すると見事に敵部隊の装甲車に命中し、車両はたちまち真っ赤な発煙筒の煙に包まれます。小銃躑弾にそんな威
   力があるのかよ!
という突っ込みはまあ置いておいて、これはなかなか面白い趣向ですね。


    敵部隊は次第に陸自部隊に押され始め、装甲車は河川手前に展開していた敵兵士を収容し、こいつはかなわんと
   一時退却。
後方に下がって戦線の整理にかかります。
    勢いづいた陸自部隊は次々と橋梁を突破し、敵陣地手前に肉薄。双方とも実に気前よく空包射撃を行ってくれるの
   で、すごい迫力であります。


    さらに後方の陸自本隊からはFH−70榴弾砲による支援射撃も開始され、轟音が鳴り響くたびに敵陣地手前で火薬
   が爆発。派手な煙が噴き上がります。おまけに風向きの関係でその煙が一般スタンド席に押し寄せるため、目の前の
   訓練展示が見えたり見えなかったりで、すごい臨場感だなあ。あちこちで空包発射音に驚いた小さな子供が泣いている
   のも、お約束ですね(笑)。


    さらに陸自本隊からは75式ドーザがザリガニの如くバックで突入してきて、河川の手前でギッコンバッタンと車体を
   前後に揺さぶり始めます。
軽装甲機動車が邪魔で何をやっているのかよく分かりませんが、地雷原でもほじくり返して
   いるのでしょうか?もしかしたら河川を埋め立てているのかもしれません。


    そして真打ちとも言うべき74式戦車が投入され、一気に橋梁を突破。あれ?じゃあさっきの75式ドーザは何をして
   いたんだ?資材運搬車と並んで好きな車輛の一つなので、なんだか冷遇されているみたいでちょっと悲しいんですけ
   ど…(泣)


    陸自部隊は敵陣地にずんずんと攻め込み、とうとう敵部隊は白旗を上げて降参。見事陸自部隊は敵の占領した地
   域を奪還し、訓練展示を締め括りました。


    いやー、戦車砲こそ火を噴きませんでしたが、よく出来た訓練展示でしたね。最後は敵部隊があっさり白旗を上げた
   のでちょっと拍子抜けでしたが、小さい子供も沢山見に来ていますし、これぐらいソフトな締め方でよかったと思います。
    昨年は張り切って敵の立てこもる家屋内での近接戦闘などもやってくれたのですが、死体役の隊員さんが窓から上
   半身を乗り出していたリアルな演出
は、やはり小さい子供にはやや刺激が強過ぎる様な気がしましたし。もしかしたら
   そういう意見がアンケートとして寄せられたのかもしれませんが、それにちゃんと対応する柔軟さと臨機応変さが、伊丹
   駐屯地の気風
なのかもしれません。


    さて、一般スタンド席を後にして、屋台の連なるさくら通りへ向かいます。果たして3特防カレーはまだ残っているでし
   ょうか…あ、ありました、まだ残っていました3特防カレー!300円払って一つ受領です。


    ほほう、これはなかなか。ごくスタンダードなカレーらしいカレーですが、よく纏まっていますね。陸自らしい豪快さに欠
   ける感はありますが、そもそも作っているのが日夜化学兵器や生物兵器への対処を訓練している第3特殊武器防護隊
   の人達なので、豪快さとか力強さよりも、緻密さ丁寧さが個性として出るのは当然と言えば当然でしょう。
    また、一つずつに紙ナプキンがついて来るのも、『汚れものは絶対に許さん!』という3特防精神が漲っている様に感
   じました。
    味はやや甘口ですが、これは子供の舌に合わせてあるのでしょう。とは言え、マイルドながらもしっかりとした味なので、
   物足りなさとか薄さはありません。
大人用にはカレーホットの小袋がついてくるので、これもいい仕事ぶりですね。
    それでもまだ足りない人には、テーブルの上にカレーホットの大瓶がどんと置いてあります。どうせなら、プラスチックの
   試薬ボトル
に移し替えておいた方が、より一層3特防らしい演出になったのでは(笑)


    3特防グッズも快調に売れている様で何より。グッズを買った人には特製の3特防カードがプレゼントされ、子供には
   塗り絵も配られています。ここの屋台は毎年サービス精神が旺盛で、見ていて飽きませんね。
    その後は駐屯地の歴史や資料を展示した雄志館を見学し、トイレを借りに隊舎に入ります。玄関には各種資格試験
   や検定、競技会などで優秀な成績をおさめた隊員さんの顔写真
が掲示してありました。
    へー、射撃検定や体力検定の他にも、会計実務競技会というのもあるんですね。また、幹部特修課程一次試験合格
   、一般幹部候補生一次試験合格、さらには指揮幕僚課程陸曹候補生に見事選抜された人達もいて、それぞれの理
   想や目標、夢に向かって、一歩ずつ着実にキャリアを積み重ねている
模様です。パチパチパチ。


    お昼時と言う事もあって、屋台が居並ぶさくら通りは混雑の極みです。しかしそんな中でもゴミの管理はきちんと行わ
   れ、いっぱいになったゴミ袋は隊員さんがすぐに入れ替えています。あたりにはみ出したゴミが散らばっている…とい
   う事は全くありませんでした。

    隊舎の横では、部隊OBによる懇親会がいくつも行われています。年に一度の同窓会みたいなもんですね。今日は
   天気もいいし賑やかですし、思い出話に花を咲かせながらのビールは美味しいんだろうなあ。
    その後は再び式典会場に戻り、74式戦車の体験搭乗を見学です。後継の90式が九州に初上陸して大規模演習を
   行い、さらには生まれたての10式がそのハイテク戦車ぶりを見せつけてはいますが、なかなかどうして74式もまだ現
   役バリバリで、子供達を車体後部に満載して走り回っています。


    最後は第3音楽隊の演奏を見に行きますが、もう凄い人混みなので音楽隊が全然見えません(泣)。まあ、これだけ
   人が集まるのはいい事なのでしょう。来年はもうちょっと広い所でステージを作って演奏して欲しいなあ。


    と言う訳で、このあたりで伊丹駐屯地を後にしました。36普連のトウモロコシ部隊に会えなかったのは残念でしたが、
   屋台は相変わらず充実しているし戦闘訓練はよく出来ていましたし、天気の良さも後押しして素晴らしい記念行事にな
   りました。
    それにしても、トウモロコシの人達はどうしていたのでしょう。トウモロコシ畑での作戦行動なら、一人で100人位の○
   ○軍兵士を倒せそうな人達
なので、元気でやっているのだと思いますが。
    来年の再会を楽しみにしつつ、伊丹駐屯地を後にしました。




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