福知山駐屯地創立61周年記念行事

2011.12.04



    京都府福知山市の福知山駐屯地創立記念行事に行ってまいりました。福知山駐屯地には第7普通科連隊を中核と
   して第一普通科連隊直接支援中隊駐屯地業務隊等が駐屯し、昭和31年には他の駐屯地に先駆けてレンジャー訓
   練を行った
という、陸自レンジャー発祥の地であります。
    昨年に引き続き今年で2回目となる福知山駐屯地ですが、昨年はド迫力の訓練展示で度肝を抜かれ、午後からの
   知山ミュージカルでは笑い殺されそうになった
強烈な印象がありますね。果たして今年もやってくれるんでしょうか?
   めといた方がいいと思うんだけどなあ…。

    早朝0600に大阪市内の自宅を出発。2011年イベントシーズンもいよいよ最終戦と言う事もあり、さすがに感慨深いも
   のがありますね。中国自動車道と舞鶴若狭道路で断続的に降り続ける雨脚にやきもきさせられながらも、0800福知山
   駐屯地着。おお、さすがに福知山まで来ると寒い!気温は7℃。京都も北部まで来ると、気分的には北陸です。
    記念式典の行われる訓練場は駐屯地から少し離れた場所にあり、ここしばらく雨続きだったせいで田んぼの様にな
   っています。
これは車輛の泥ハネがきつそうだなあ。


    とりあえずまだ空いている式典会場北西部の車輛出入り口付近に場所を確保。上空は晴れてはいますが、周囲には
   ぶ厚い雲が低い所まで降りていて、風もあるのか結構な速さで流れています。ああ、今回も天候には苦労させられそう
   だなあ…
と思っていたら、案の定パラパラと雨が…。うぬぬぬぬ。
    駐屯地に近い方の式典会場入り口には、簡単な門と受け付けが設置してあり、万国旗がはためいています。が、よく
   見ると、○国の国旗はあっても×国の国旗は無いんですね(笑)。どう深読みしていいのか迷ってしまいます。
    関係者や招待者が座る観閲段はまだがらんとしていて、係の隊員さんが、
    「お足もとに防寒具を用意してありますので…」
   と、本番前の立てつけを行っています。が、それを真正面で見ていた隊員さんから、
    「ダメー!やり直ーし!」
   とダメ出しを食らい、和やかな雰囲気になっています。見ると3佐か2佐の階級章をつけた幹部の方でしたが、結構な立
   場にあるはずの人も、こうして明るく仕事を進めているのが福知山の気風なんだろうなあ。


    雨のそぼ降る式典会場を一通り歩き回って確保していた場所に戻ると、雲が切れて空が急に明るくなって来ました。こ
   のタイミングで流れているBGMが宇宙戦艦ヤマトになったのは、ちょっと面白い偶然でしたね。
    そして時刻は0930、部隊の整列が始まりました。第3音楽隊を先頭にして、第7普通科連隊の各中隊が続々と入場を
   始めます。普通科の証である真っ赤なマフラーが、背後の木々の紅葉と被っていい絵になるなあ。


    最後は本式典の観閲官である、第7普通科連隊連隊長兼ねて福知山駐屯地司令である篠原一等陸佐が入場。昨年
   に引き続いて戦闘服姿ですね。福知山の式典は、こういう所が締まった雰囲気になっていいなあ。全員が一緒になって
   汗を流す!
という、いかにも普通科らしい泥臭さが逆に輝いて見える様な気がします。
    しかしここで急に横殴りの雨が降り始め、その風の冷たさもあってかなりツライ状況に(泣)。上空の雲はまばらなので
   恐らく通り雨だと思いますが…。


    そんな中でも整列した隊員さん達は微動だにせず、国旗登壇、捧げ銃、部隊観閲…と、式典は粛々と進行します。
    そして観閲官式辞。うーん、12月の冷たい雨に打たれながらだと、司令の式辞が普段の100倍ぐらい長く感じます。
   場所が悪いせいか、スピーカーの音速差で式辞が明瞭に聞こえないのもその一因だなあ。


    続いては来賓である議員さんの祝辞。流石に来賓ともなると、背後から傘を差し伸べる係の人がつくんだなあ。
    そして来賓祝辞2番手は、イラクのヒゲ隊長こと、元福知山駐屯地司令でもある佐藤正久参議院議員が登場。ここで
   上空の雲が切れ、式典会場に一気に太陽光が降り注ぎます。さっすがー。
    佐藤議員の祝辞はしっかり聞きたかったのですが、やっぱりスピーカーの場所の関係でよく聞こえません。が、
    「自衛隊を舐めるな!」
    と、いたくお怒りのご様子であったのは辛うじてわかりました。


    その後は日本晴れとなった空の下、祝電披露と感謝状贈呈者の発表がとり行われ、式典は終了。
    続いては観閲行進です。まずは第3音楽隊が先頭を切り、続いて福知山駐屯地の防衛警備区にあたる各市町村の旗
   を乗せた高機動車が、冬の晴れ間を突くようにして続々とやってきました。
    お、海上自衛隊舞鶴基地からは、今年も教育隊が参加。ここで音楽隊は軍艦行進曲を演奏しますが、なかなか心憎い
   演出ですね。いつもの黒ダブルの制服に純白の手袋とベルト、ゲートル、というのがカッコいいなあ。海自のイベントでは
   あまり見られない姿です。


    続いては空自基地警務隊の人達だと思いますが、何処から来たんだろう。小松…いや、美保かな?アナウンスではち
   ゃんと説明してくれているのだとは思いますが、次はもっと聞こえやすい場所にいた方がいいのかなあ。それにしても、
   ーグルや防弾ベストなど、新しい装備品に身を包んでいるのに携行しているのが64式小銃
というギャップが、広い航空基
   地を警備する人達ならではです。
    そして福知山駐屯地の中核部隊である、第7普通科連隊の各中隊が続々と行進。青ベレーを被っているのは、ハイチに
   派遣された部隊なのかな?
    しかしこの手の観閲行進では、やっぱり普通科が一番絵になりますね。頭数の迫力もさることながら、歩く姿が他の部隊
   と違って見えるのは、厳しい訓練で全身を鍛え抜いている人達だからでしょうか。そしてよく見ると、鉄帽に貼りつけられた
   『がんばろう!日本!』のステッカーが。ああ、頑張らなきゃなあ…。
    お、千僧駐屯地からの第3特殊武器防護隊です。ガスマスク00式個人用防護服、簡易防護服、化学防護衣に身を包
   んだ隊員さん達が、化学防護車除染車を引き連れる様にしてやってきました。それが仕事だとは言え、他の人が近寄れ
   ない危険な場所で命を張ってきた人達です。
ただ、頭が下がる思いで一杯です。


    続いては車輛行進。パジェロを先頭に、野外炊具1号(改)水タンク、小型ショベルドーザ、資材運搬車等を牽引・搭載
   したトラックが続々とやって来ました。どれも東北の被災地で懸命に働いてきた装備品です。
    特に資材運搬車は、その車幅の小ささを生かして狭い路地を縦横無尽に走り回り、膨大ながれきの撤去に文字通り獅
   子奮迅の活躍を見せた車両です。
陸自車両の中ではとても気に入っているので、なんかもう近寄ってナデナデしてあげた
   い気がしますね。


    お、また徒歩部隊がやってきました。市街地戦闘を想定した、対ゲリラ・コマンド装備に身を包んだ普通科隊員です。ゴ
   ーグルに防弾ベスト、肘膝パッド、そして鉄帽には個人用暗視装置、という物々しいいでたちです。前方を厳重に警戒しつ
   つ隊列を組んで登場し、観閲壇前では密集隊形による様々な警戒姿勢を披露しています。


    続いては、レンジャー有資格者による行進。フェイスペイント、パンパンに膨らんだ重そうな背嚢。なんかこう、圧倒される
   迫力があります。


    その後方からは、ギリースーツに身を包み、対人狙撃銃を携行した異様な一団が横一列になってやってきました。何だ
   かサボテンが歩いてるみたいだなあ。
そして観閲壇前まで来ると、隊長を中心に外向きの円陣を形成し、ゆっくりとしゃが
   み込んで狙撃姿勢を披露。その後は再びゆっくりと動きを合わせて立ちあがり、隊列を変化させながら走って退場。まる
   でブルーインパルスの曲技飛行を見てるみたいです。


    それにしても福知山駐屯地、本当に細かい工夫を見せてくれますね。普通だったら整然と行進して終わりなのに、自分
   達の任務や訓練内容
を巧みに織り込みつつ、見に来ている人達を楽しませようという“もう一歩の踏み込み”を忘れない
   のが素晴らしいなあ。恐らく本日の記念式典を前にして、
    「今年はこんな事をやってみよう!」
    「こうした方が、見てる人にもっと分かりやすいんじゃないか?」

    という意見が隊内で出やすい雰囲気だったんではないでしょうか。そしていざという時は、そういう普段から培っている
   “もっと考えろ、もっと行動しろ”という精神が、多くの国民の生命や財産を支え守り続けるに違いありません。
さすが精強
   で鳴らす第7普通科連隊、全く頼もしいの一言に尽きます。
    もっとも、それが変な方向に突き進むと、昨年の福知山ミュージカルみたいな事になってしまうのだと思いますが。今年
   もやるのかなあ、アレ…。過度に鍛えすぎるのもちょっと考えもののような気がして来ました(笑)。


    お、今度は再び車輛の行進です。車輛と徒歩部隊が交互に入り混じるあたりも、なかなか面白い趣向だなあ。
    沢山の軽装甲機動車が2列縦陣でやってきましたが、それぞれのルーフ上では隊員さんがMINIMI対戦車誘導弾
   射撃姿勢で構えています。そしてよく見ると、軽装甲機動車のフロントガラス正面に『凡』『星』『隼』『龍』『零』『雷』と書かれ
   た小さなプレートが掲げられています。他の部隊ではこんなの見た事ありませんが、もしかしたら整備の人達が一台ずつ
   につけた愛称なんでしょうか。
もしそうだとしたら、この辺りも実に福知山らしい試みだと言えますね。
    さらに車輛に牽引された120o迫撃砲RT、155oFH−70榴弾砲。そして93式近距離地対空誘導弾、81式短距離地
   対空誘導弾、03式中距離地対空誘導弾の防空三兄弟
が揃い踏み。


    続いては施設車輛。81式自走架柱橋、92式浮橋、そして92式地雷原処理車。さらに偵察オート、87式偵察警戒車、
   96式装輪装甲車
…と来たところで、上空には航空観閲のヘリ部隊が。
    OH−6D観測ヘリ、UH−1J汎用ヘリ、AH−1S対戦車ヘリが見事なダイヤモンドを描き、その後方には海自舞鶴航
   空基地からのSH−60J哨戒ヘリが3機!ちょうどいいタイミングで晴れ渡っているので、編隊飛行が実に映えるなあ。


    そして地上では、トリを務める74式戦車が3輌、地響きを立てながら怒涛の行進。いやー、やっぱりいいですね福知山。
   余所と同じ装備品でも、流し見させない工夫が感じられます。


    この後の訓練展示の準備の間は、第3音楽隊と第7普通科連隊ラッパ隊による合同ドリル。音楽隊の演奏に合わせて、
   駐屯地生活の様々な状況で吹奏されるラッパを次々と披露してくれました。一つ一つの動作はキビキビと決まっているし、
   音楽隊との息もピッタリ。


    続いては格闘展示。戦闘服に重い防弾ベスト姿の隊員さん達がずらりと整列し、さまざまな状況下での格闘を繰り広げ
   ます。敵役の隊員さんが白のヘッドギアなので、ぱっと見で敵味方が分かりやすいなあ。両者ともに戦闘服に作業帽だと、
   どうしても背後の木々に溶け込んで見えにくい
んですよね。なんで戦闘服ってこんな不便に出来てるんだろう。もう!


    そしていよいよ訓練展示の開始です。会場中央部には、なにやら市役所入口を模したトラックがやって来て、玄関に階
   段を組んでいます。ここでアナウンスが入り、どうやら目の前のセットは第5中隊のイメージカラーから名付けた紫市の市
   役所
との事。市内を占拠した敵ゲリラ・コマンド部隊に包囲された市役所は防災シャッターを下ろしていて、中には多数の
   市民が閉じ込められているそうです。
ほほう、今年は昨年とはまた一味違った内容みたいですね。


    まずは会場にOH−6D観測ヘリが進入し、上空から市内の情報を収集開始。おお、灰色の雲に覆われた空が、なかな
   かの緊迫感を醸し出しています。
    続いて地上からは、偵察オートに乗った第3偵察隊の隊員が2名、猛スピードで突っ込んで来ました。走るオートの上で
   立ちあがり、敵陣に向けて小銃を射撃。派手に水しぶきをあげてターンした後は、一気に市役所前まで移動。オートに隠
   れるようにして、敵陣に激しい銃撃を浴びせています。その隙をついて後方から4輌の軽装甲機動車がやってきて、市役
   所の盾になる様に急停車。普通科隊員と敵ゲリラとの間で銃撃戦が始まりました。


    そして74式戦車96式装輪装甲車も突入開始。装甲車の後部ハッチからは大きな盾を持った隊員が飛び出してきて、
   市役所入口を取り囲むように配置完了。その中央にいる隊員はチェーンソーのエンジンをかけて、下ろされた防災シャッ
   ターを切断しにかかっています。

    すぐにシャッターはこじ開けられ、中に閉じ込められていた市民を次々と救出。けが人はちゃんと救急車に運ばれ、異
   常の無い人は装甲車に収容さています。


    市役所を奪還された敵ゲリラは、ここで化学兵器を使用。陸自部隊の中央に投げ込まれた爆弾からは、緑色の毒々し
   いガスが濛々と噴き出しています。
ここで『状況、ガス』が発令され、隊員達はすかさず防護マスクを着用。普段から号令
   がかかれば8秒以内に装着する訓練を重ねているので、あっという間でしたね。
    そして後方の陸自本隊からは、化学兵器使用の通報を受けた第3特殊武器防護隊の除染車即動し、汚染された周
   囲の土壌に除染剤を吹き付けています。


    化学兵器を無力化された敵ゲリラは、今度は立てこもった山間地から一気に市内へ展開し、陸自部隊と激しく衝突して
   います。しかしどちらも戦闘服姿なので、ぱっと見がややこしいですね。昨年は敵側はODの作業服だったので分かりや
   すかったのですが。せめて、敵側は鉄帽に赤テープでも巻いてくれていればなあ。


    陸自部隊がじわじわと距離を詰める中、後方からはAH−1S対戦車ヘリが投入され、上空からロケット弾を発射。敵ゲ
   リラの車両からは真っ赤な煙が噴き上がり、ゲリラ達はばたばたと倒れ込みます。


    その間隙をぬって2機のUH−1J汎用ヘリが会場中央に突入し、機内から4名のレンジャーがロープ降下開始。もう1
   機が支援射撃を行う中、あっという間に着地した隊員は敵ゲリラの後方へ回り込んで行きます。そして地上では、後方に
   展開したFH−70榴弾砲が砲撃開始。


    中央に設置された地雷原は、施設団からの地雷原処理車が吹き飛ばし、安全が確認された一帯を74式戦車が一気に
   通過。敵陣地手前で急停車すると、すかさず砲撃。かなり近い所で撃ってくれるので、空包とは言え内臓にくるなあ。


    そしていよいよ今回の主役と言うべき普通科部隊が、軽装甲機動車を盾にしながら敵陣地に肉薄。最後は大声をあげ
   て水しぶきを立てながら突貫をかけ、見事敵ゲリラを掃討していました。

    いやー、今年も大迫力の訓練展示でしたね。何と言うか、昨年に続いて練り込み方や工夫の仕方がひと味もふた味も
   違います。
昨年は両勢力が押して引いての駆け引きが見どころでしたが、今年は市街地での市民救出NBC兵器への
   対応
も上手に取り入れて、ある意味昨年以上に現実的な内容でした。


    さて、さっさと荷物をまとめて式典会場を撤収です。少し歩いて駐屯地へ向かい、屋台グルメを楽しむとしましょう。先程
   隊員さんに貰ったラーメンの割引券があるので、まずは鬼軍曹ラーメンから行ってみます。
    すぐに入手できた鬼軍曹ラーメン、やや小ぶりなサイズですが、あれこれ食べ歩きたい私としては嬉しいサイズです。そ
   れにしてもこの焼き豚のサイズが豪華ですね。スープには油滴が浮いていて実に美味しそう。まずは一口。
    ほほう、スープは醤油ベースながらもなかなか濃厚で、美味しいですね。麺はちょっとつるつるし過ぎで、スープの表面
   の油も相まってドジョウ掬いのような落ち着かなさがありますが、さっきまで雨風に打たれていた体が一気に温まるのが
   有り難い。
焼き豚は大きなバラ肉をスライスしてあり、口当りの柔らかさ、脂肪分の甘い味わいが醤油味によく合ってい
   ますね。


    そしてこの飛行機みたいなのは麩かな?しかしまた何で飛行機なんだろう。旧陸軍時代から、航空隊が駐屯していた
   という話は聞いた事が無いのですが。
    ただ、このよく出来たラーメンに青ネギが無いのはなあ…それでも、冷え切った体が一気に温まる、実に美味しい鬼
   軍曹ラーメンでありました。この火傷しそうな熱さが、鬼軍曹たる所以なのでしょうか。ちなみにこの屋台は、京都地本か
   らの出店。地本が食べ物系の屋台を出すのは珍しい気がしますね。


    さて、一品目は上々の滑り出しでした。お次は…あ、これにしましょう、芋煮。これも体が温まりそうです。300円払って
   一つ受領しますが、んんん〜、何これ…。先程の鬼軍曹ラーメンとは違って、随分アレなビジュアルです。離乳食っぽい
   と言うか、MREにしばしば見られるちょっとイヤンな見た目。言っちゃ悪いですが、ゲロにしか見えません。(←見ない方がいいで
   すよ)。またこの、ぼってりと量だけがやけにあるのも、ちょっとアレだなあ…。
    やや怯みつつ一口頂くと、あれ?滅茶苦茶美味いですよ、これ。小芋がドロドロになるまで煮溶かされていて、中には
   フレーク状になったたっぷりの鶏肉とゴボウ、白ネギ、コンニャク、あと煮崩れていないごろごろの小芋が入っています。
   よく見ると下の方にはうどんが潜んでいて、これも凶悪な位に熱々。
    味付けは最小限の醤油で抑えていて、煮崩れた小芋の力強い風味と香りがたまりません。じんわりどっしりと効いてく
   る大地の味わい…この辺りは、非常に普通科らしい一品だと言えますね。
    ふと見ると、屋台の周囲では沢山の迷彩服の隊員さん達が、ハフハフと芋煮をかき込んでいます。これは確かに、寒い
   時期の演習で食べたら絶品でしょうね。
もしかして、第7普連の名物料理なんでしょうか。ボリューム、味、栄養価ともに、
   まさに文句のつけようがない逸品
であります。ちなみに、第2中隊からの出店でした。


    いやー、いきなり2品続けての大当たりだったので、実に満足です。もう1品行っときたいのですが、芋煮のボリューム
   が凄かったので、もうお腹いっぱいです。頑張れば入らない事もないですが、帰りの中国道での渋滞を考えると、居眠り
   してしまいそう。
    駐屯地内の隊員クラブ『ゆら』からは、猪汁と草餅の屋台が。あれ?これって、伊丹で出てたのと全く同じですね。
    第1普通科連隊直接支援中隊からは、唐揚げ。第1中隊からは、昨年と同じく焼きそば。重迫撃砲中隊からは、鶏炭
   火焼。本部管理中隊からは絶品うどん。
    ふと見ると、大盛況の屋台広場のあちこちにシャボン玉が浮いています。丁度空が明るく晴れあがっているので、のど
   かで綺麗だなあ。久しぶりに見た気がします、シャボン玉って。
    第3中隊からは、イカ焼きの屋台。醤油を炭火で焦がした香りが辺り一面に広がって、これも美味しそうだなあ。


    第4中隊は焼き鳥、第5中隊はわたあめ&フランクフルト。格闘訓練隊からは、昨年と同じ揚げドーナッツ。こちらは小
   さな子供に大人気で、長蛇の列が出来ていました。
    いやはや福知山駐屯地、記念式典も屋台も期待を裏切りません。前回訪れた姫路駐屯地の屋台群がちょっと残念な
   内容だっただけに、福知山の頼もしさが際立ちますね。


    7普連レンジャー同志会からは、子供レンジャー体験。クレーン付きのトラックや軽装甲機動車、ロープと言ったありも
   のを上手く組み合わせ、かなり立派なアスレチック施設になっています。他にも花電車暗視装置体験のテント、あとど
   こから来たのか地震体験車などがありました。
    その後は午前の展示訓練に参加していた車輛や小火器の展示を見て回ります。隊舎脇の芝生の広場には、バラキュ
   ーダで偽装した大きなテント
が張ってあり、『第7普通科連隊指揮所』とあります。どれどれと覗きに行くと、中はでは何故
   か野点が行われていました。うーん、茶道と戦闘指揮所。えらい取り合わせですね。てっきり隊内の同好会的なものかと
   思いきや、ちゃんと外部からお茶の先生を招いての野点だそうですが、テントの前には89式小銃(東京マルイ製)がずら
   りと並んでるし、お茶のお師匠さんは最初見た時驚いたんではないでしょうか(笑)。


    隊舎に入ってトイレを済ませると、壁には特殊作戦群要員募集のポスターが。やっぱりと言うかまたしてもと言うか、
    『写真等はイメージであり、実際のものとは異なります。』
   との、マジなのかネタなのか判断しかねる注意書きが。よく見ると今津で見たときよりも注意書きの字が大きくなっていま
   す
が、なんかトラブルでもあったんでしょうか…。


    ホテホテと歩いて売店へ。やはり凄い人混みですが、『よこすか海軍カレープレミアム』『陸軍さんのビーフシチュー』
   のレトルトを発見。面白そうなので購入します。
    あとこの売店も、他駐屯地の例にもれずカップめんの品ぞろえが豊富ですが、やたらと大盛り、特盛り、2.0倍盛りが目
   目につくのは、やっぱり普通科だなあ。


    おっと、そう言えばまだプログラムと言うかパンフレット的な物を貰っていませんでした。正門の受付で一枚頂きました
   が、果たして福知山ミュージカルはあるのかな…。午後からのアトラクションの欄を見ると、音楽演奏、チアリーディング
   (雨のため中止)、太鼓、ラッパドリル、格闘展示、ゴーヤ先生、レンジャー訓練展示。
そうかー、今年は無いのか、福知
   山ミュージカル。残ね…ん?ゴーヤ先生?なんじゃそれは。
    もしかしてこれなのか?今年の福知山ミュージカルの題名は。それにしてもゴーヤ先生?活けタコを笑いながらパンツ
   の中に突っ込む人達
です。果たしてゴーヤをどこに入れると言うのでしょう?
    その字面を見ているだけでたまらなく不安な気分になったので、傍にいた隊員さんに、
    「すみません、ここに書いてあるゴーヤ先生って、一体何をやるんですか?」
    と尋ねてみますが、
    「はあ…その…何なんでしょうねぇ…」
    というしどろもどろの返事が。うーん、怪しい。怪し過ぎる…。
    そうこうしている間にアトラクションの始まる時刻が近づいてまいりました。先程あらかじめ確保しておいた席に戻ると、
   おおお、凄い人混みです。老若男女を問わず沢山の人がステージ前に集まっていて、イス席は既に満席。この状況で
   本当にゴーヤを入れるつもりなのか?
何だか今日が、第7普連第3中隊最後の日になりそうな気がしてきました…。
    そしてここでまたしても大粒の雨が。まるで神様が『お前らはよ帰れ』と言っている様ですが、ここでゴーヤ先生を見ず
   に帰ると言う訳にはいきません。
雨に打たれながら、カメラだけは守って開始時刻をひたすら待ちます。


    結局開演時間を遅らせて、雨が小降りになって来た所で第3音楽隊の演奏が始まりました。最初のリズミカルな曲に
   続いて、次は音楽隊に配属されてまだ一カ月余りの新米隊員のお披露目も兼ねて、マルモ体操の始まりです。
    まだ初々しい4名の隊員さんが前に出て来て、歌と演奏に合わせて踊っていますが、一人だけ溌剌と笑顔で踊ってい
   るWACがいい感じです。
小さな体を大きく動かして実に楽しそうに踊っている所が、早くも立派なプロ魂を感じさせます。
   他の3人は照れ半分緊張半分で微妙に堅い踊りになっていましたが、これからどんどん場数を踏んで頑張って貰いた
   いですね。


    第3音楽隊は関西のイベントでいつも見事な演奏を披露してくれるのですが、今回の坂本九メドレーは特に心に響く
   ものがありました。春先からとんでもない事ばかりだったこの一年、その年の瀬に聴く『明日があるさ』…。普段聞いて
   ても特に何とも思わない曲ですが、観客達もそれぞれに感じる事があったのか、最後は盛大な拍手に送られるように
   して音楽隊は退場。
演奏の最後あたりで急に空が晴れあがって来たのも、何かを暗示しているように思えました。


    ステージ中央には沢山のパイプイスが残っていますが、すぐに普通科の隊員さん達がやってきて、文字通りあっとい
   う間に片づけて撤収して行きました。
彼らにとっては何でもない動作なんでしょうが、キビキビと統制のとれた動きは、さ
   すがに普段から厳しい訓練を重ねている人達だなあ。こういう何気ない動作一つにこそ、練度の程がにじみ出るのかも
   しれません。
周囲からも、小さなどよめきが上がっていました。


    続いては、福知山駐屯地有志によるエイサーが披露されました。赤や青のカラフルなハッピ姿の隊員さんが太鼓を抱
   えて整列し、大きな動きの琉球舞踊を繰り広げています。開始の合図の口笛が『ふひゅー』としか鳴らず、いきなり笑い
   で始めるのも福知山らしい仕込みです。


    そして、いよいよと言うかとうとうと言うか、ゴーヤ先生。もう何が起こっても驚かないぞと覚悟を決めていると、ステージ
   には迷彩Tシャツ姿のお姉さんと女の子が出て来ました。え?マズくないですかそれは…。
    そしてその後からは、何やら濃緑色をした不気味な物体がトコトコと登場。こ、これがゴーヤ先生?まるで『右向け左!』
   で国防バンドが出て来た時の様な、猛烈な脱力感であります。


    どうやらこのゴーヤ先生は、福知山環境会議のマスコットキャラだそうで、緑化事業推進の緑の親善大使として福知山
   駐屯地にやって来て、
なにやらゴーヤ体操とかいうものを披露してくれるとの事。
    うーん、なんか予想していたのと180度違う健全な内容の様で、ホッとしたと言うか凄くがっかりしたと言うか…。
    と言う訳で、何故かピクルス王子とパセリちゃんが混じってゴーヤ体操開始。お姉さんと女の子はのびのび楽しそうに
   体を動かしていますが、肝心のゴーヤ先生は関節稼働域が著しく少ないせいか、ずん胴の体からぴょこんと突き出た手
   をプルプルしているだけであります。まあ、ゴーヤだからなあ。


    それよりも注目すべきはピクルス王子&パセリちゃんで、どうやら事前に内容を一切聞かされていなかったのか、全然
   ゴーヤ体操について行けておらず、なんかもうトホホな
光景だなあ。
    ピクルス王子は途中からアドリブをかまして勝手なダンスを始めるし、パセリちゃんは被りモノが不安定なのか、片手で
   頭を抱え込みながらの体操
です。なんじゃこれは…。
    ピクルス王子の好き勝手ぶりは際立っていて、途中から宴会で出来上がったオッチャンの様な手拍子を打ちだしたり、
   何故か空手の型みたいな動きを始めたり…。一国の王子なのにお茶目すぎです。うーん、やっぱりカオスだわ、福知山
   駐屯地…。


    ピクルス王子とパセリちゃんが逃げるように退場して行った後は、福知山駐屯地名物の酒呑太鼓。先程までのゆるい
   トホホな雰囲気を締め直すかのような勇壮な太鼓演奏に、大きな拍手が寄せられていました。


    続いては音楽隊とラッパ隊による合同ドリル。午前の式典で行われたのと同じ内容ですが、目の前で見る事が出来る
   のは嬉しいなあ。キビキビとしたラッパを披露した後は、観客席にいた5人の子供達をステージに招いてのラッパ吹奏体
   験
が始まりました。


    1番目の子供が隊員さんに囲まれて、やや緊張気味にラッパに挑戦。一度目は「ぷす〜」の呼吸音だけで笑いが巻き
   起こりますが、二度目では大きな音を出していて大きな拍手が沸き起こります。初めてだと大人でも難しいそうですが、
   素質ありですね、この子は。2番目の子もいきなり見事な音を出して驚いてしまいました。


    そして最後は格闘展示。これも午前の式典でやったのと同じなのかと思いきや、
    「笑いあり感動ありの格闘展示、ごゆっくりお楽しみください!」
    とのアナウンスが。むむむ、何かやるつもりか?すかさずボイスレコーダーを録音しっ放しにしておきます。
    会場左手からは、小銃を構えた隊員AとBがやってきました。
    「おい、ここどこなんだ〜?」
    「だから地図持ってきて下さいって、あれほど言ったじゃないですか〜!」
    「忘れたんや〜」
    「ここ、敵のド真ん中っスよ!」
    「まじか〜」


    ここで隊員Aが、道端に落ちていた雑誌を発見。
    「おい、これジャンプやぞ!」
    「うわー!ジャンプやー!」

    任務を放り出して、道端の少年ジャンプを読みふける2人。
    「○○強いな〜!」


    先程から敵ゲリラ2人が近づいていますが、すっかりジャンプに夢中になった隊員ABはまるで気付いていません。ここで
   ゲリラの一人がトンファーをひゅんひゅんと振り回しますが、おお、使い慣れてるみたいでカッコイイなあ。
    たまりかねて一人のゲリラがパン!と両手を叩きますが、隊員ABはまったく気付かず。ドリフかよ!流石にムカついた
   のか、ゲリラが大声で
    「オイお前ら!いつまでジャンプ読んでるねん!!」


    へ?と背後を振り向く隊員ABですが、トンファー使いのゲリラにあっという間にボコボコに。どうやらそのジャンプはゲリラ
   が買ったもの
らしく、ノビた隊員Bから取り返そうとしますが、
    「おい、こいつ気絶してもジャンプ離さへんぞ!」
    「このまま連れてけ!」


    ジャンプのおまけで拉致される隊員B(笑)。一方隊員Aは放置されていますが、そこに一人の通行人がドーナッツをパク
   つきながら登場です。
    「このドーナッツ美味しいなあ〜!これで一つ100円はたまんねぇなぁ〜!」
    通行人は倒れている隊員Aを発見し、慌てて駆け寄ります。
    「どうしたんですか!?」
    「て、敵にやられて、力が出ないんですぅ〜」
    「では、この格闘ドーナッツを食べて、元気を出して下さい!」


    持っていたドーナッツを、隊員Aに食べさせる優しい通行人。アンパンマンみたいですね。つーか、ここは一体どういう設
   定の場所なんだ(笑)。

    「もぐもぐ、もぐもぐ」
    と、自分でいいながら食べる隊員A。
    「おお、中はしっとり外はサクサクのこのドーナッツ!力がみなぎって来た〜!!」
    隊員Aはすっくと立ち上がり、
    「パワー全開!今すぐ助けに行くぞ〜!!」


    しかし拉致された隊員Bは、連れ去られた先のアジトでゲリラと仲良くジャンプを読んで談笑してるんですけどね。


    ドーピングを済ませて勇躍ゲリラの本拠地に殴り込んだ隊員Aは、先程のヘタレっぷりとは裏腹に、刃物を持って襲い
   かかるゲリラ達を次々と倒していきます。
    「ち、チクショー!こいつさっきより強くなってやがる!」


    そして先程隊員ABをボコボコにしたトンファー使いが登場。トンファーをびゅんびゅん振り回して隊員Aを威嚇しますが、
   途中で手が滑ったのかトンファーが自分の股間を直撃。ばたりと倒れ込みます。あちゃー。
    「何がしたかったんだこいつは…」


    呆れ顔の隊員Aに、ラスボスであるゲリラ隊長が拳銃を突きつけます。窮地に追い込まれた隊員Aですが、両手をあげ
   て油断させた隙にゲリラ隊長の拳銃を奪い取ります。おお、素早い動きだなあ。もしかしてこういう訓練も普段からやって
   るんでしょうか。


    あっけなく形勢逆転を許したゲリラ隊長は、ペコペコと土下座して逃げ出していきました。拉致された隊員Bに駆け寄る
   隊員A。
    「大丈夫だったかー!?」
    いやまあ、座ってジャンプ読んでただけですし。
    「これも格闘ドーナッツのお陰だなあ!」
    「本日限定販売です!」
    「マジか?買いに行こ!」


    と、最後はしっかり自分の屋台だけ宣伝して格闘展示は終了。いやー、今年は随分と丸くなったというか、成人指定を
   解除した
と言うか、お好きな人にはやや物足りない感のある内容ではありましたが、よく練り込まれたいい寸劇でしたね。
   それにしても、格闘訓練隊で出しているドーナッツには、何かヤバイ混ぜ物でも入ってるんだろうか…。売り上げよりも、
   むしろ私はそっちの方が心配なんですけど…。
    アトラクションの締めは、レンジャー訓練展示です。6階建ての屋上に現れたレンジャー隊員が、次々とロープ伝いに
   屋上から飛び降りてきました。観客席からは大きなどよめきが上がりますが、しかし6階建ての屋上って、20mぐらいあ
   るんじゃないでしょうか。強烈だなあ。


    最後は敵ゲリラの立てこもる3階の窓への急襲を行い、見事訓練展示は終了。窓枠からは、『福知山レンジャー部隊』
   の垂れ幕がばっと下ろされていました。
    以上で全プログラムは終了。いやー、冷たい雨に打たれたり風に吹かれたりと、天候的にはかなり厳しかったですが、
   今年のイベントシーズンを締めくくるに相応しい内容の詰まった創立記念行事でしたね。西陽が傾いて早くも空気が冷た
   くなってきた中、駐車場へのシャトルバスに乗り込みます。
    ふと空を見上げると、上空には大きな虹がかかっていました。




    以上で、私の2011イベント参加は終了です。今年は春先から大変な事続きな上に、私の仕事の都合や天候の絡み
   もあり、参加できたイベントは例年より少なくなってしまいましたが、それでも沢山の方々のご支援のお陰もあり、充実
   した一年を送る事が出来ました。

    来年はいよいよ観艦式ですね!とは言え、正直全く当たる気がしないのですが(笑)。まあムシのいい事を考えなくな
   ったらマニアも終わりですから、希望を持って抽選に臨みましょう。
    陸自イベントに関してですが、第3師団未踏の駐屯地も残すところ大津、青野原、和歌山の三か所となりました。来年
   は夏前に集中するこの辺りを踏破しつつ、第13旅団第14旅団も視野に入れて遠征を行いたいと思います。
    さて、いよいよ年の瀬も近づいてまいりました。今も全国各地で人知れず汗を流している隊員の皆様、ご覧頂いている
   皆様、そして誰よりも、被災された東北の皆様にとって来年がよりよい一年になる事をお祈りするとともに、当S.A.Sをよ
   ろしくお願い致します。

    年内はあと2回位更新できるかな?来年からは、新しいコンテンツも展開しようと画策しております。お手すきの時にで
   もご笑覧頂けたら幸いです。
    それでは皆様、お体に気をつけて。よいお年をお迎えください。




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