2010.04.04
航空自衛隊奈良基地の一般開放に行ってきました。奈良基地には航空自衛隊幹部候補生学校が置かれ、防大や一
般大、部内から選抜された優秀な幹部候補生たちが集う、将来の航空自衛隊を担う人材を育成する機関であります。
当日は朝から暖かく、うららかに晴れた春そのもの。JR奈良駅前バスターミナルには、奈良市内各地の桜の名所を見
に訪れた人がいっぱいです。
今回初めてとなる奈良基地ですが、敷地の両側を古墳に挟まれているというのは流石に歴史ある土地ならではですね。
それと正門前に到着して驚いたのですが、両側の塀が白塗りで、瓦まであしらってあります。なんか見た目がお寺っぽい
というか、セレモニーホールっぽいというか(笑)。周囲の景観に合わせたんでしょうが、こういうのはちょっと珍しい様な気
がします。
正門入ってすぐの所にあった、用廃地上展示機の
F−1です。エンジンも残ったままなので、何だか今
すぐにでも飛べそうな機体でした。
F−1のコックピットです。運び込まれてまだ時間
が経っていないのか、キャノピーもきれいです。
アナログ計器がいっぱいで、カッコイイなあ。
基地の敷地内には竹林や御堂みたいなのがあり、
何だか静かな山寺みたいな雰囲気でした。
地上展示されていたT−6中等練習機です。航空
自衛隊発足当時から若きパイロットを育て続け、昭
和40年代半ばには救難機としても活躍したそうです。
T-33Aジェット練習機。今見てみると遅そうなの
に速そうな、何とも不思議なデザインですね。
T-33A越しに見た、F-104Jです。万年筆に小さ
な翼をつけた様な、これまた独特のデザイン。かなり
古臭いですが、カッコイイなあ。
翼の前縁は刃物の様に鋭く、頭をぶつけて血まみ
れになった機付員が続出したという逸話も頷けます。
F‐104Jの尾翼部分です。独特の形状ですね。
垂直尾翼のマークがウルトラ警備隊っぽいですが、
どこの部隊だったんでしょう。いい意味で良く似合っ
ています。
男らしくそそり立つ、高高度地対空誘導弾ナイキJ。
ペトリオットにその任務を引き継ぐまで、日本の防空
の一端を担ってきました。ペトリオットよりも、こっちの
方が強そうですね。
今どき珍しいボンネットトラックがありました。
基地内の教育講堂『松林苑』に展示されていた、
ターボジェットエンジンのカットモデル。その他にも、
隊員さん入魂の世界各国の戦闘機プラモデルや、
沢山の資料が展示してありました。
正門脇にあった、警衛の詰所。八角形の瓦葺き
です。
当日は人出も少なく、ゆっくりと基地内の桜を満喫し、古い地上展示機も眺める事が出来ました。普段は自転車通勤の
途中で公園の桜をちらりと見る程度なので、やっぱり晴れた日にのんびりと眺める桜はいいですねえ。古都奈良の独特
の雰囲気もあり、何だかホッとする春の一日でした。
あと、奈良基地を訪れる前からちょっと気になっていた事がありました。以前何かの本で読んだ、奈良基地の怪談につい
てです。朝鮮戦争当時この基地には米軍兵士の死体が運び込まれ、木造の体育館で死体の処置が行われたそうです。そ
の為、深夜の見回りの際は米兵の幽霊がたびたび目撃される・・・という内容でしたが、本当なのでしょうか?
地上展示のF−1のそばにいたWAFの方にお話を伺いましたが、
「ああ、はい、そう言う話はありますし、実際にあったみたいですね。体育館ではなく当時の古い大講堂ですけど。その大
講堂も、10年以上前に取り壊されていて、別の場所に新しいのが建てられています」
うーん、別の場所に、というのが何だか意味ありげですね(笑)。ちなみに旧大講堂跡には、なにも建てられていないそう
です。実際にそういう不思議体験と言うか、見た事はありますか?と尋ねましたが、
「いやー、22時には寝てしまいますんで、無いですね(笑)」
との事でした。いやあ、突然不躾な事をお伺いして済みません。悪趣味なもので(笑)。
最後は、基地の横にあったこなべ古墳を見て帰りました。周辺にはなかなか風情のある古寺や小川、桜の木々が沢山
あり、またいつかぶらぶらと散策に訪れたいですね。
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