護衛艦はるゆき・いそゆき一般公開  &ブルーインパルスin小松島港まつり

2010.07.18



    さて、今回は久しぶりの四国遠征です。徳島県で行われる小松島港まつりにおいて、護衛艦の体験航海と一般公開、更に
   は何とブルーインパルスまで来るとの事。体験航海こそ外してしまいましたが、関西にはとんと縁のないブルーインパルスが
   来ると言う事で、私にとってはまさに盆と正月がまとめて来たかのようなお祭り遠征であります。
    ここしばらく酷い雨続きで当日の天候が危ぶまれましたが、昨日からはそれまでの大雨が嘘のような晴天となり、どうやら
   最高のコンディションでブルーインパルスを迎える事が出来そうです。

    ちなみに今回は、ブルーインパルスは初体験と言うHさんを同行しての遠征です。阪神高速から神戸淡路鳴門自動車道に
   入り、淡路SAで小休止。夏休みに入ったばかりの三連休と言う事もあり、駐車場は沢山の車で埋まっています。
    青い空、群青の海、真っ白な橋桁がとてもキレイな風景ですが、この橋もSAも無かった頃、この場所はいったいどんな感じ
   だったんでしょう。多分何もない山の中だったんだろうと思いますが、もしかしたら誰かの大切な秘密の場所だったのかもしれ
   ないなあ…なんて事を、とりとめもなく考えたりしていました。

    その後鳴門ICで高速道路を降りて、55号線をひたすら南下。出発から2時間30分で、港まつりの行われる赤石埠頭に到着
   です。ちなみに小松島ですが、正しくは『こまつしま』なんですね。私は今まで『こまつじま』と勘違いしていました。無知って怖い
   なあ(笑)。


    開門時刻である0900は過ぎていましたが、駐車場にはまだそれほど車は入っていません。それでも四国ナンバーに混じって
   関西方面からの車も沢山あり、普段ブルーインパルスに恵まれない関西各地から沢山の人達が押し寄せてきている模様。
    おお、本日一般公開が行われる、護衛艦はるゆきいそゆきが見えて来ました!既にこの時間にしてコンクリートからの照り
   返しが強烈ですが、これもいかにも夏のイベント!と言う感じでワクワクしてきます。
    受付テントにて荷物を預かってもらい、乗組員の方々の敬礼を受けながら先ずははるゆきに乗艦。ここで若い三等海尉の方
   にいきなり声をかけられました。
    「あれ、江田島に行ってこられたんですか?」
    どうやら私がいつも被っている、江田島幹部候補生学校の識別帽を見て気付かれたようです。
    「いやー、それを見るとキツかった色んな思い出が甦ってきて、ギョッとしました(笑)」
    そ…それは大変失礼しました(笑)。しかし何だかその口調が全然自虐的じゃなくて、むしろその試練を乗り越えて初級幹部
   としての第一歩を踏み出している気概のようなものが感じられます。
なんかいい人ですね、この三等海尉さん。私が高校生だ
   ったら、思わず防大の願書を取り寄せてしまいそうでした。


    艦首の76o速射砲の脇には、訓練弾と実際に発射した薬莢が展示してありました。薬莢の中は黒焦げで、発射時の凄いエ
   ネルギーが感じられます。
存在感では127o速射砲の影に隠れがちですが、こんなでかい弾頭を16q先までぶっ飛ばすんです
   から、なかなかどうして頼もしいなあ。


    その後は左舷舷側を通って後部のシースパロー甲板へ。そこからラッタルを上がり、SH−60Jがズドンと居座る飛行甲板
   に出ます。さすがにここまで来ると見学者が多いですね。ここでHさんが、
    「あれ?あのタイヤ、パンクしてませんか?」
    見てみると、確かに機体後部の小さなタイヤがかなり凹んでいます。しかしパンク状態のタイヤで展示するとは思えないので
   そばにいた飛行科の隊員さんに尋ねると、
    「ああ、今はブレードを後方に折り畳んでいますので、重心が後ろ寄りになってこんな感じですね。隣のヘリを見て貰えばよく
   分かりますが、ブレードを展開しているとここまで凹まないですね」

    成程、隣のいそゆきに搭載されているSH−60Jはローターブレードを広げているので、タイヤはしっかりと張っています。し
   かしHさん、よく気がつきましたねえ。さすが車マニア。お陰で一つ勉強になりました。


    その後は艦橋へ。ああ、やっぱりいいなあはつゆき型。ほど良く狭くて、いかにも護衛艦の艦橋に居る!という気分です。
   イングからトップに上がると、隣のいそゆき越しに真っ青な空と真っ白な夏の雲が見えました。いやー、来てよかった。


    その後は隣のいそゆきに移動。こちらのSH−60Jはメインローターとテールをのびのびと伸ばしていて、真っ白な空の下
   ということもあり何だかとても楽しそう。群がる子供達が、熱い視線をヘリコプターに送っているのがいい感じです。
    いそゆきの艦橋にも上がってみたかったのですが、舷側に長蛇の列が出来ていたし見学終了時刻も押していたので、この
   辺で上陸するとしましょう。


    さて、時刻は1100。ちょっと早いですが昼食です。朝からワクワクしっ放しなのでお腹も減りました。
    屋台広場には沢山のテントが並んでいますが、先ずは定番の焼きそばから行ってみましょう。この焼きそばの屋台は徳島
   防衛協会女性部会
の皆さんによる出店でした。300円払って受け取った焼きそばは、意外にも塩味。てっきりソースまみれの
   まっ茶色焼きそばかと思っていたので、これは意表を突かれてしまいました。取り敢えず一口。
    おお、美味い!具は豚肉、インゲン豆、赤パプリカ、キクラゲと色とりどりで、ぱっと見は華やかなパスタみたい。味も濃すぎ
   ず薄すぎず、見事な着地を決めています。屋台の焼きそばとは思えない繊細な味が、成程女性部会ならでは、と言った所で
   しょうか。荒っぽく作った男の汗の味がする焼きそばもいいですが、こういう華やかで色っぽい焼きそばもアリですね。


    続いてぶっかけうどんの屋台に向かいます。なんでも米粉を使った特殊なうどんらしく、500円払って出て来たうどんはなか
   なかの豪華版。牛肉、ちくわ、ワカメ、刻み揚げ、青ネギがうどんを覆い隠すようにどっさりと乗っています。
    おお、これも美味い!うどんはコシが強烈で、噛んだ歯を押し返すような弾力が驚き。牛肉はタマネギと一緒にあっさり柔ら
   かく煮込んであり、薄切りのちくわとワカメが潮の香りを演出しています。
    出汁は薄味ながらも実に素朴で力強く、これはいりこ出汁でしょうか?メインのうどんを引きたてつつも、たっぷりの個性あ
   ふれる具に一歩も負けてないのがいいですね。青ネギの清涼感もいい感じで、真夏の強烈な陽射しを忘れさせる、見事な冷
   たいぶっかけうどんです。


    しかしこれ、屋台で出す味じゃないなあ。これより高くて不味いうどんは幾らでもあるぞ…と感心しながら屋台の中を見ると、
   運営しているのは制服姿の高校生でした。へー、地元の子かな?屋台の掲示物を見るとどうやら小松島西高校商業科の生
   徒達らしく、地場産業の特産物を使った企業家教育の一環として、このイベントに参加している模様です。
安全、安心、エコ
   ロジーを追求しながら地元徳島を盛り上げて行こうと奮闘しているようで、見事なものです。
    絵に描いた様なボンクラ高校生だった自分の過去と比べると何だか恥ずかしいのですが、ちょっと感動したのでうどんを作
   っている所を撮影させて貰いました。いや本当に、美味しいうどんでありました。


    その後はHさんが買ってきた米粉のネギ焼きを半分貰いましたが、これも美味しいなあ。小麦粉とは違っていかにも米粉ら
   しいもっちり感があり、シンプルな塩味と鼻に抜けるネギの香りが実にマッチしていました。
    その後は善通寺の第15普通科連隊から来ていた陸自車両を見学。指揮通信車の中を見る事が出来ましたが、OD色の
   外見とは違い中は真っ白なんですね。沢山の機器類を搭載しているのでかなり狭く、運転席周りもすごくシンプル。いかにも
   軍用車両といった雰囲気でした。車体左側のハッチから外に出るのですが、これがもうギリギリまで狭く作ってあり、さながら
   暗黒舞踏のような異様なポーズでようやく降りる事が出来ました。

    軽装甲機動車を撮影しようとした時ですが、係の隊員さんが前にあった脚立を邪魔にならないようにどけてくれました。残念
   ながら間にあわなかったのですが、お陰で隊員さんの来場者への心配りが写った、とてもお気に入りの1枚になりました。


    さて、この後はブルーインパルスが来るまであと一時間。埠頭に座り込んでまったりと待つ事にしましょう。しかしこの辺りで、
   上空に怪しげな雲が近づいてきました。うーん、大丈夫だよね・・・?
    しかしその願いも虚しく、上空を覆い始めた黒い雲からパラパラと雨が(泣)。ついさっきまでは真夏の晴天だったのに〜。
    刻一刻と迫る展示飛行開始時刻。雨はなんとか止んで上空に僅かながら晴れ間が見えて来ましたが、風上の方には依然
   として黒い雲が低い所を流れています。
    時刻は1300。体験航海に出た護衛艦いそゆきを見送ります。あと30分、何とか持ってくれ〜。


    上空の雲を見てやきもきしているうちに、会場右手からブルーインパルスT−4が単機で進入してきました。やったー!今な
   らなんとか青空が残ってます。間にあった!
    どうやら最初に単機でやってきた5番機のパイロット槇野一等空尉は徳島県出身らしく、言わば凱旋帰国みたいなものです
   ね。本人も晴れがましいと言うか、嬉しいだろうなあ。ちなみに今回は静岡県浜松基地からのリモートで、通勤距離は片道20
   分だったそうです。

    続いて会場後方からは残り5機によるワイドローパス。真っ白なスモークを引きながら、見事な編隊飛行で低空を通過して
   行きました。おおおおお、やっぱりブルーインパルスはいいなあ。なんか涙が出そうです。


    まだ青空が残っているうちに、早く次の演目を!とカメラを構えますが、何故かT−4は上空をぐるぐると回ったまま。風上
   からは暗黒大将軍の様な黒い雲が押し寄せているのに、おいおい何をしているんだよ〜
と思ったら、どうやら展示飛行会場
   の上空が徳島あわおどり空港(←マジでこの名前でした)の航路に隣接していて、発着便と重なりそうなので上空待機せざる
   を得ない模様。あああ、こんな時についてない…。
    6機のT−4ももどかしげに上空を回って時間を潰していますが、そうこうしている間にも左手からは、黒い雲が迫って来ま
   す。うああああ、これはもう駄目か?
    悪天候にもめげず、T−4はかっちりと整ったダーティーターンを6機そろって披露です。頑張れ〜!


    しかし、ここでとうとうこの後の飛行展示中止の放送が。あああ、終わった…。会場からは大きなため息が聞こえましたが、
   それでも最後に5番機と6番機が意地を見せるかのように低空をパス。最後までプロ根性を見せてくれたブルーインパルス
   には感謝です。それにしても天候が恨めしいなあ。直前まではまさにTUBEが聴こえて来そうな晴天だったのに。


    とは言え、ブルーインパルス初体験のHさんにとっては衝撃的なフライトだった模様で、
    「いやー、凄かったですねえ!カメラが全然追いつきませんでした(笑)」
    との事。本当は晴天の下で初めてのブルーインパルスに度肝を抜かれてほしかったのですが、これは秋の小松の前フリ
   と言う事にしておきましょう。秋の北陸の高い空の下でのフルアクロ!考えただけでも今からワクワクです。
    帰り支度をしていると、地元らしい人の良さそうなオジサンがニコニコしながら声をかけてきました。
    「どう?いいの撮れた?」
    「いやー、残念な天気だったので、イマイチでした」

    駐車場から国道に出るまでがもう凄まじい渋滞でしたが、それだけこのイベントを楽しみにしてきた人達が多かったのでし
   ょう。ちょっと残念でしたが、やっぱりブルーインパルスはいいなあ。
    その後は私の趣味である地元スーパー巡りなどをしつつ香川県屋島に移動し、讃岐うどんの有名店わら家で夕食です。
   ょうゆうどんと天ぷら
を注文しましたが、やっぱり美味しいですね、本場で食べる讃岐うどんは。大阪で言えば道頓堀でかに
   道楽に入るような観光客丸出しコース
ですが、機会があればまた赤坂宮武にも行ってみたいものです。

    帰りは高松自動車道と阪神高速で何度か渋滞に巻き込まれ、大阪市内の自宅に帰りついたのは2330。明日は再びHさん
   とバディを組んで阪神基地隊キッズサマーフェスタに参加です。
早く寝なきゃ。



    前回は5年前に潜水艦特別公開で訪れた小松島港まつりでしたが、今回はブルーインパルスのお陰で非常にお祭りとして
   盛り上がりました。
ちなみに私が参加した日曜日は予行日で、本番が行われた翌祝日は素晴らしい天侯の下で飛行展示が
   行われたそうですが、この辺りは私の普段の行いのせいでしょうか(笑)。とりあえず小松まではいい子にしていようと、心に
   固く固く誓いました。


後席のパイロットが手を振っていました♪



小松島西高校商業科の生徒さん達の画像ですが、
生徒さん達並びに引率の先生に掲載許可を頂いております。
この場を借りて、篤くお礼申し上げます。
御馳走様でした。次回も是非食べに行きますね!




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