伊勢湾マリンフェスタ (2日目)

2010.08.22



    さて、前日に引き続き、伊勢湾マリンフェスタ2日目です。昨日は三重県四日市港での護衛艦しらねの体験航海でしたが、本
   日は同じく三重県四日市港と愛知県名古屋港での艦艇一般公開です。いままで見る機会が少なかった支援船を含めて10隻
   以上が公開されると言う事で、宿泊先のホテルを早朝に出発して一路四日市港を目指します。
    近鉄霞ヶ浦駅前から出ているシャトルバスに乗り込み、しばらく走って霞ヶ浦南埠頭に到着。空は薄雲りで、まだ9時だという
   のに気温はかなり上がっています。すでに沢山の人達が埠頭に押し寄せ、手荷物検査のテントの前には長蛇の列が。うーん、
   これは待たされそうだなあ。
    するとここで横須賀音楽隊が登場し、この暑い中見事な演奏を披露してくれました。ああ、こういうのがあると待ち時間の気が
   紛れますね。指揮者の方が、いかにも軍楽隊!という感じのがっしりした人だったのが印象的。


    とりあえず手荷物検査を通過し、人の流れに乗ってDDH181護衛艦ひゅうがに向かいます。二週間ほど前に見たばかりの艦
   ですが、やっぱり自然に足が向いてしまいますね。改めて見ても強烈な存在感です。
    敦賀での一般公開と同じく、右舷のサイドランプから艦内へ入る…前に、埠頭に居た隊員さんにこの出入り口の正式名称を聞
   いてみました。
    「一応私らは、舷側歩板(げんそくほばん)って呼んでますね。まあ、サイドランプでも十分意味は通じますよ。おおすみ型輸送艦
   みたいに大型車両は通れませんが、ジープ程度ならここから出入り出来ます。強度云々じゃなくて、入口の大きさの制限だけな
   んですけど」


    格納庫に入り、一度エレベーターが上下している所を見学してから飛行甲板に上がります。まだ朝イチと言う事で人も少なく、
   実に広々しています。うーん、あいかわらず卸し金のような、凶悪そうな甲板です。傍にいた隊員さんに転倒すると酷い事にな
   りそうですね
と言うと、
    「かなり擦り剥いてしまいそうですね。一応甲板では絶対に走るな、と厳命されてますよ」
    確かにこの甲板だと、艦上体育で走るのにもちょっとした覚悟が必要だろうなあ。


    中身の抜かれたドンガラのSH−60Jも展示してありましたが、操縦席のドアに『First Air Boss K.OKUYAMA』と言う
   マーキングが。今の飛行隊長が奥山さんという方らしく、記念碑的な意味で名前を入れてみたそうです。エアボスって言い方が
   米軍の空母みたいでカッコイイですね。


    今回は敦賀の時と違い後部のエレベーターも稼働していたので、エレベーターと安全ピンの動きも、改めて確認する事が出来
   ました。格納庫から上がって来たエレベーターは一旦飛行甲板よりも20pほど高い位置で停止し、その後突き出たピンの上に
   乗る形で飛行甲板とツライチの位置まで降りて来ます。
逆に飛行甲板から格納庫に降りる時は、そのままではエレベーターの重
   量がかかってピンが収納出来ないので、、一旦飛行甲板よりも20pほど高い位置まで持ちあがり、荷重が抜けたピンを収納し
   てから改めてエレベーターが格納庫へ降りて行く、
という仕組みです。なるほど、シンプルな構造なんですね。前回の敦賀での一
   般公開で見た時は、ちょっとこの仕組みを勘違いしていたので、この場にて訂正します。


    艦尾からは、真後ろに停泊しているDDH143護衛艦しらねが見えます。しらね自体もかなり大型の艦艇ですが、ひゅうがの飛
   行甲板にいるとそのしらねを見下ろす形になる
んだから凄い話だなあ。
    艦橋や艦内の公開はされておらず、その後は格納庫内をひとまわりしてから上陸。埠頭に出ると、丁度業務車が乗りつけたと
   ころで、車内からはアタッシェケースを下げた海将さんが出て来て颯爽とひゅうがに乗り込んで行きました。その後から大きなバ
   ッグを抱えたWAVEが、よたよたとラッタルを上がっていく様子が危なっかしいなあ。秘書みたいな役割なのでしょうか。
    しらねでも一般公開が行われていましたが昨日の体験航海で散々見たのでパス。陸自の車輛展示の方に向かいますが、主に
   愛知県春日井駐屯地三重県久居駐屯地からの参加で、内容なかなか盛り沢山。給水車、81式自走架柱橋、野外手術システ
   ム、浄水セット、野外洗濯セット2型、73式大型&中型トラック、野外炊具1号(改)、1d水タンクトレーラー、
という豪華な顔ぶれ
   でした。


    埠頭のテント群では、子供向けのぬり絵コーナー制服試着、ゲームコーナーなどが充実していて、なかなかの賑わいぶりで
   す。各艦自慢のカレーレシピも沢山置いてあり、参考までに一部ずつ頂きました。
    その後はシャトルバスに乗って南埠頭を出発。支援船が停泊している北埠頭へ向かいます。こちらでも手荷物検査で時間を
   喰いましたが、まずはAMS4305多用途支援艦えんしゅうから。静岡県御前崎から愛知県伊良子岬にかけての遠州灘から艦
   名を取っていて、今回が地元へのお披露目を兼ねたご当地初公開との事。
    まずは舷梯を上がりますが、この舷梯が普段斜め45度で固定して使用する舷梯らしく、これをほぼ水平の角度で使用してい
   るので歩板の角度が全然合わず、なかなかにスリルとサスペンスに満ちた乗艦となりました。


    えんしゅうの隣には、昨日ひゅうがとしらねの出入港支援で大活躍していたタグボートが三隻目刺しになっていて、何だか昨日
   の大仕事の後の疲れを癒している様に見えました。やっぱりカワイイなあ、タグボートは。

    しかしこれ、海自のタグボートですよね。この近くに海自の基地ってあったっけ?傍にいた幹部の方に聞いてみると、どうやら
   横須賀からやって来たとの事。ええええ、横須賀からあの小さな船でやって来たの?幹部の方も笑いながら
    「四日市の曳船をチャーターすれば、その分地元に使用料が落ちるんですけどねー」
    まあ、そもそも予算が苦しいんだから自前の船を使い倒すというのは全く持って正しいと思いますが、それにしても横須賀から
   ここまでって大変だったんじゃないのかなあ。


    その後たまたまタグボートの甲板にいた乗組員の方にお話を伺う事が出来ましたが、どうやら本当に横須賀から来たみたいで
   なんだかんだで丸一日位かかったそうです。そもそもタグボートって港の周囲で働く船なので、丸一日の長期航海(?)って出来た
   んでしょうか。
    「一応ベッドはありますので、泊まる事は出来ますよ。ただ、食事の設備が全くありませんので、食事の時間の度に別の艦に横
   付けして、手渡しで乗組員のご飯を分けて貰ってます」

    うーん、その様子を想像すると、何とものどかな光景だなあ。まあしょっちゅうある事では無さそうなので、職場のみんなとの社
   員旅行みたいな感覚で結構楽しいのかもしれませんね。それにしても、この型の船だと揺れなかったのかなあ。
    「うーん、揺れると言えば揺れますが、昨日はずっと穏やかでしたよ」
    明日はひゅうがとしらねの出港支援を行った後、三隻そろって横須賀に帰るとの事。こういう小さな支援船の働きがあってこそ、
   昨日の素晴らしい体験航海があったというもの。
頭が下がる思いです。


    後甲板からえんしゅうの艦橋に上がりますが、艦橋後部の旗甲板がスノコ状になっていました。あれ?昨年乗ったひうちも、こ
   んなスノコ甲板だったっけ?初めて見る様な気がしますが、どういう意味があるんだろう。傍らにいた隊員さんに尋ねてみますが、
   この隊員さんにとっては極々当たり前の甲板形状だったらしく、虚を突かれたような表情で
    「あ、本当ですね、そう言えば何でスノコになってるんだろ」
    もしかしたら波を被る事を想定しているのかもしれませんが、こんなウイングの高さまで波を被る事ってそうあるとも思えません。
   やっぱり他の艦に比べると重心が明らかに高いので、復元力を保つために艦橋を少しでも軽くしているんだろうか。
    どうやらこのえんしゅうは建造されて間もない艦らしく、艦橋内のあちこちが凄く新しくなっています。操作パネルも液晶画面が
   多用され、すっきりと纏まっています。操舵手のイスもなんだか物々しい造りで、これは出来るだけ少人数で運用できる様、座り
   心地のいいイスにして長時間連続勤務でも疲労が少ない様になっているのかなあ。


    艦橋後部は標的管制室になっていて、自走式水上標的バラクーダの操作を行う場所だそうです。部屋の中央部に操作パネ
   ルがあり、見晴らしが利くように左右は出窓状になっているので、日当たり良好で快適そうな区画だなあ。
    机の端には眠気覚ましの為かコーヒーセットがあり、今どき角砂糖を使っているのが珍しい。やっぱり少しでもゴミを出さない
   ように、スティックシュガーは使わないんでしょうか。
    ふと見ると、艦内各所に配置されている応急灯が白色LEDになっていました。従来の艦だと豆球なのに、やっぱり新しい艦は
   色々違うなあ。艦内の電源がダウンした時にはこの応急灯が自動的に点灯するらしく、普段でも手元のスイッチ一つで使える
   との事。隊員さんが点灯してくれましたが、流石に白色LEDを60個も使っているので、半端ではない明るさです。


    通路の途中にあった神棚は、よくあるケースの中に押し込められた様な作りではなく、実に開放的でのびやかな神棚でした。
   このあたりは、艦名そのまんまに遠州灘!という感じですね。
    機関室も新しい艦らしく、明るくスッキリとキレイにまとまっています。
    科員食堂はこぢんまりしたもので、10人座ればもう満席。ここでえんしゅう識別帽販売コーナーを発見!一つ購入です。バラ
   クーダが描かれたシンプルなデザインがカッコいいなあ。
    ふと天井を見ると、蛍光灯も見た事の無いタイプになっていました。白色灯と赤色灯が一つのセットになっていて、成程合理
   的です。白色蛍光灯と赤いシリカ球が別々についている艦内風景も、これから先は少なくなっていくんでしょうか。


    科員食堂の缶飲料自動販売機を見ると、なんとドクターペッパーが入っていました。うわあ、懐かしいなあ、まだあったのか。
   記念に一つ購入です。えんしゅうでは人気があるんでしょうか、ドクターペッパー。


    後甲板に出ると、強烈な日差しで視界が真っ白です。それにしても暑いなあ。すぐ横には火災消火時に着用する防火服が展
   示してありましたが、持ってみると物凄く重い。こんなものを着て狭い艦内で消火作業か…大変だなあ。
    しかしこの、自衛艦の甲板が埠頭よりも低いと言うのは、かなり新鮮な光景です。ちょうど下げ潮の時間帯とも重なっているみ
   たいですが、ついさっきまでひゅうがの飛行甲板から埠頭を見下ろしていたので、実に好対照と言えます。


    艦尾は多用途支援艦独特の形状で、艦艇や水上標的を曳航する為のワイヤーケーブルが痛まないよう、つるりと丸く仕上げ
   てありました。スターン・スリップウェイというそうですが、昨日しらねの甲板から見たひゅうがの色気の無いケツに比べれば、何
   というか実に悩ましい曲線美。まさに“おしり”と言う感じです。湧きあがる俺のリビドー!(←誰か俺を止めろ〜)


    ふと見るとこの炎天下の甲板で、小柄なカワイイWAVEが先程の異様に重い防火服を着てトコトコ歩いていました。おまけに
   酸素ボンベまで背負ってるし。撮影させて下さいとお願いすると、ビシッと直立不動の姿勢になるのが実に自衛隊の人だなあ。
   いや、でも伊丹駐屯地の人達はそうでもなかったか(笑)。
    是非HPで画像を使用したいのですがと話すと、快くOKを頂きました。目線は入れた方がいいですかと尋ねると、
    「ええ、別に構いませんよ、私でよかったら」


    ああ、いい人です。当HPは、自衛官の皆様のご厚意によって成り立っております。休暇で上陸の時にでも見てくれたら嬉しい
   なあ。
    その後は例の危なっかしいラッタルを降りて上陸。いやー、やっぱり支援船は面白いです。
    次はMSO302掃海艦つしまです。隣に停泊している掃海艇に比べると、基準排水量で倍近いだけあって流石に大きいなあ。
   前甲板の20o機関砲を見た後は、左舷に回って艦橋に上がります。


    艦橋内部も掃海艇に比べると随分と余裕があり、横の長さが印象的。海図台や機器類の棚、各種マニュアル類を収納してい
   る本棚等が悉く木製
なのも、掃海作業に当たる艦艇ならではです。
    端っこの方にはCDラジカセが置いてあり、よく見ると『音響管制機器 艦橋命令44号』というタグがついていました。うーん、た
   かがラジカセにものものしい名前がついてるんだなあ(笑)。
    ふと見ると安全守則の貼り紙が。何だか普段の自分について思い当たるところが多々あり、ちょっと気をつけよう(笑)。


    後甲板には例によって掃海器具やクレーン、ケーブル類が所狭しと並んでいて、これ一隻で実に多様な任務をこなしている模
   様です。
    次は隣に停泊しているMSC682掃海艇のとじまへ。艦橋に上がると、ああ、やっぱりこれ位狭いと掃海艇らしいなあ。操作パ
   ネルのあちこちに『機器が作動中ですので、触らないでください』という注意書きがありますが、どれもモデルさんのピンナップを
   使用しているのが男の職場っぽいですね。MAMORのグラビアか何かかな?


    それにしても、こういうのって女性の視点から見たらどうなんでしょう。仮に女性自衛官ばかりの艦艇があったとして、そこに木
   村拓哉や小栗旬のピンナップがべたべた貼ってあったら、やっぱり私としては小さな声で「とほほ」と言わざるを得ないような気
   がしますが(笑)。
    後甲板に回ると、自走式機雷処分具PAP104がありましたが、腹の部分に極太明朝体で『初号機』とありました(笑)。うーん
   惜しい。色が違います。


    次はASE6101試験艦くりはまに乗艦です。しかし試験艦って一体何をする艦なんでしょう。舷門に居た隊員さんに尋ねてみ
   ると、どうやら新しく出来た艦や定期補修を終えたばかりの艦が、ちゃんと予定通りの性能を持っているかどうかをチェックする
   為の艦だそうです。成程、試験艦というよりも文字通り試験官なんですね。


    艦橋に上がって何気なく海図台を眺めていると、傍にいた隊員さんがGPSと三角定規を使って艦の位置を特定する作業を
   見せてくれました。それよりも気になったのが、海図台の隅っこにあったくりはまステッカー。やけに可愛らしいデザインですが、
   デザインされているのは栗の実なのかな?


    「そうなんですよ、艦名の由来は横須賀の久里浜からなんですけど、まあクリ繋がりと言う事でこうなりました(笑)」
    よく見ると『CLEAN BEACH FOREVER!!』とも書いてあり、久里浜クリーンな浜を掛けている模様です。うーん、
   戦闘艦ではまず無いこのセンス!何だかこの艦が好きになってしまいそう(笑)。
    しかしこのステッカーはカワイイなあ。是非一枚欲しかったのですが、残念ながらグッズの販売は行っていないとの事。
    「ちなみに乗組員の帽子も、こんな具合なんですよ」
    うわあ、これも欲しかったなあ(笑)。折角なので撮影だけさせて貰いました。


    次は隣に停泊しているASY91特務艇はしだてに乗艦です。しかし、ぱっと見では自衛艦とは思えない外観だなあ。どう見て
   も、お金持ちが持ってる地味目のクルーザーみたいです。まあそもそもが国内外のVIPを迎える為の迎賓艇として作られたの
   で、それも当然と言えば当然ではあります。


    艦橋に上がると、やっぱりここも雰囲気が全然違うなあ。しかし後ろを振り向くとちゃんと赤青の艇長席があるのが妙な感じ。


    トップに出ると、ここもお洒落な遊覧船みたいになっています。チャコールのデッキは広々と開放的で、半円状のベンチシート
   に座っていると実にイイ気分。いいなあ、こういう艦艇で体験航海に出ると言うのも楽しそうだなあ。艦中央への階段(ラッタル
   に非ず)を降りて行くと、立派な船上パーティーが出来そうなデッキが広がっていました。


    ちなみにこの特務艇はしだて、迎賓艇としての用途以外にも災害派遣時の医療支援や給食支援、指揮通信機能も充実して
   いて、いざという時にはこのデッキに仮設ベッドをずらりと並べて医療船としても大活躍するそうです。
    最後はLCU2002輸送艇2号。これはこの間敦賀で乗艦したゆら型輸送艇と同じ用途で、基本性能はそのままにより小型
   化した艦艇です。


    後甲板から艦中央にある車輛甲板に回ると、バウドアーが開いていて道板が突き出ていました。なるほど、こうして埠頭に接
   岸したり砂浜に乗り上げたりするのか。画像では見た事がありますが、やっぱりこの艦首がスカッと開いているというのは面白
   いなあ。安全ロープの手前に立ってみると、すぐ足もとに海面があるのがヘンな感じです。


    以上で霞ヶ浦北埠頭での一般公開は終了。いやー、実に見応えがありました。支援船中心のラインナップと言う事で、珍しい
   艦艇ばかりでした。
    時刻は1300、ちょっと長居してしまったので、急いで名古屋港へ移動です。
    JR霞ヶ浦駅から1時間少々で名古屋港ガーデン埠頭に到着。目の前には、砕氷艦しらせの見上げる様な巨体が聳え立って
   います。艦首に回ると、その向こうに隠れていたMST463掃海母艦うらがの艦首が見えましたが、こうして並べてみると対照的
   な艦首だなあ。海面を切り裂く様なうらが艦首に比べると、しらせの艦首はまるで艦尾みたいな丸っこさ。


    なるほど、この丸っこい艦首で南極海の氷原に突進して乗り上げ、艦の自重でぶ厚い氷を砕いて進んでいくのか。理屈では
   理解できますが、この巨大な艦が南極海の氷を砕いて進んでいく様子がちょっと想像できません。
    舷梯にかかっているバナーには、『ICEBREAKER SHIRASE』とあります。成程、砕氷艦を英語で言えばアイスブレーカー
   か。何だかめちゃくちゃ強そうですね、アイスブレーカー。


    時間も押しているので急いで知らせに乗り込みますが、昨日から乗っていた自衛艦と比べると、ラッタルが広くて傾斜が緩や
   か
なのが非常に違和感を感じました。感覚的には、大型カーフェリーにでも乗っている様な気分です。
    広大な飛行甲板には、スノーモービル南極の岩、大型輸送ヘリが展示してありました。そのCH−101大型輸送ヘリですが、
   過酷な南極での物資輸送に当たるだけあって流石にでかくて頑丈そう。CH−47の胴体にSH−60Jの機首を取りつけたみた
   いに見えます。


    格納庫内では南極に関するいろいろな展示があり、その中でもインパクトが強かったのが実物大の皇帝ペンギンの模型です。
   身長が私の脇の高さ位まであってビックリ。皇帝ペンギンって、こんなに大きかったの?成程、その名に恥じない見事な寛録と
   言えます。

    隊員さんにお話を伺うと、実物よりもちょっとだけ太めに作ってあるとの事ですが、それでもこんなのがくちばしで攻撃して来た
   ら堪らんなあ。
カワイイことはカワイイのですが、私的にはちょっと怒らせたくないペンギン第一位ですね。
    じっくりとしらせを見て回りたかったのですが、霞ヶ浦北埠頭での一般公開で予想外に時間を食ってしまったので、この辺りで
   隣に停泊しているMST463掃海母艦うらがに移動します。初めて乗艦するうらがはかなり大きく、甲板のあちこちに巨大なケー
   ブルのドラムやクレーンがあり、普通の護衛艦とは随分雰囲気が違います。


    後甲板にはK−13係維式機雷が展示してあり、巨大な丸い体からトゲトゲが突き出ているその姿は、まさに絵に描いた様な
   機雷です。


    艦橋構造物の後方にはごつい再加圧タンクがあり、掃海作業中に潜水病にかかってしまったダイバーを迅速に治療出来る様
   になっているとの事。
    艦首へのラッタル入り口に行くと、なんと艦橋までは45分待ち!残念ですが、帰りの電車の時間が近いのでまたのお楽しみ
   にしましょう。
    と言う訳で、再びしらせへ。右舷から艦橋に上がると、おおお、すごく広い!というか、すごく長い艦橋です。こんごう型の艦橋
   なら、優に4つ位並びそう。ここで説明してくれた隊員さんによると、しらせの艦橋は新幹線一両分に匹敵し、26mもあるとの事。
   これで天井が高ければ、キャッチボールぐらいは普通に出来そうな長さです。


    また、航行中はこの艦橋には6〜8人位しか居ないそうです。うーん、新幹線の車両に6〜8人!JRだったら大赤字ですね。
    ここで気付いたのですが、床には緑色のクッション材が敷き詰められていて、歩いていても凄くラクチン。これが護衛艦だと床
   はカチンコチンなので、結構足腰に来るそうですが。
    「ああ、そういえばそうですね。でもこれは可燃材なので、護衛艦で使うのは多分無理でしょうね」
    なるほど、納得です。
    艦橋から艦内へ降りて行く通路の前には、ペンギンをデザインしたカワイイ足ふきマットがありました。


    観測隊公室。テーブルとイスがずらりと並んだ様子は科員食堂そのものですが、テーブルにはクロスが掛けられ、イスも座り
   心地が良さそう。護衛艦の士官室をグッと広くした感じですね。
    観測隊員寝室は2人一組の士官室風。ソファーがある分、こちらの方がゆったりして見えますね。また、区画によってはベッド
   サイドに丸窓がついている部屋もあり、なかなか快適そうです。


    さて、そろそろタイムアウト。本当は護衛艦こんごう護衛艦しらゆきにも乗艦したかったのですが、帰りの近鉄特急の時間を
   考えるとそろそろでしょう。名古屋港ガーデン埠頭を後にしますが、いやあ、流石にくたびれました。



    この夏の海自イベント7連発の締めくくりには相応しい、いままでに例が無い位に充実した2日間でした。土日あわせて見学で
   きた艦艇は合計10隻。ひゅうがとの体験航海も含めて、もう言う事無しのお腹いっぱい。毎年あるイベントではありませんが、
   機会があればぜひ次回も参加したいと思います。
    さて、この後は約一か月のインターバルをおいて、10月からはいよいよイベントシーズン終盤戦に入ります。目玉は何と言っ
   ても小松基地航空祭ですが、それ以外にも初参加予定の金沢駐屯地福知山駐屯地、締め括りはあの強烈な姫路駐屯地と、
   見逃せないイベントが目白押しです。
    9月中はややヒマになりますが、残暑の厳しい季節ですし、戦闘糧食でも食べて英気を養おうと思います。



しらせ後部作業甲板から見た護衛艦こんごう。見たかったなあ(泣)




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