阪神基地隊キッズサマーフェスタ2010

2010.07.19



    土曜日の輸送艦おおすみ一般公開、日曜日の小松島港まつりに続いて、本日の海の日は地元阪神基地隊で行われた
   阪神基地隊キッズサマーフェスタに参加してまいりました。二年前に参加した時は掃海艇が二隻のみでしたが、今年は
   衛艦あさゆきの体験航海、輸送艦おおすみの一般公開、さらに救難飛行艇の離着水、
といった具合に実に盛り沢山の内
   容です。
    特に今回は体験航海にも当選しているので、この晴天は嬉しいですね。二年前の観艦式を皮切りに出すハガキ出すハ
   ガキが悉く落選
し、なんかもうお祓いでもした方がいいのかもと弱気になっていたのですが、ようやく長い連敗トンネルを抜
   けたような気がします。

    昨夜は帰宅が遅く3時間位しか寝てないのですが、Hさんと待ち合わせて元気に出発。阪神基地隊前についた時には既
   に凄い行列が出来ていてびっくりです。とりあえず列の最後尾に付きますが、後方にもあっという間に人の列が伸びて、ま
   るで航空祭みたい。
0900の開門時には400人以上は並んでいました。
    金属探知機と手荷物検査をパスし、二年ぶりとなる阪神基地隊に入ります。正面には輸送艦おおすみが巨大な姿を見せ
   ていて、右手には本日乗艦させて頂く護衛艦あさゆきの雄姿が。はつゆき型は昨日見たばかりですが、やっぱりこの型の
   護衛艦が一番好きですね。


    ここでHさんがトイレに行きました。私は折角だから艦内で用を済ませると言うと、
    「なるほど、そういう手もあるんですねえー」
    とHさん。彼はまたひとつ、どうでもいい勉強をしたみたいです。
    護衛艦あさゆきに乗艦。甲板周りは昨日小松島で見たので、先ずは識別帽を探しに行きます。格納庫には売り場は無か
   ったのですが、艦内の科員食堂にてあさゆき識別帽を入手!いい記念になりました。


    ついでに舷門で貰ったパンフレットに来艦記念スタンプを押印しますが、スタンプはロングヘアの女性が目を伏せているデザ
   インです。こりれはまた護衛艦にしては可愛らしいデザインだなあ。『GLITTER VENUS』とありますが、帰ってから調べてみると
   『きらめきのビーナス』という意味でした。以前音響観測艦に女性艦長が誕生したと聞き及んだ事がありますが、将来WAVEか
   ら護衛艦艦長が誕生すれば、やっぱりこの艦になるのかな?
それまであさゆきには現役で頑張ってもらいたいですね。
    科員食堂にあったベコベコに凹んだ年季を感じさせるウォータークーラーの麦茶を一杯頂いて、再び後甲板に戻ります。


    その後はいよいよ出港用意。二隻のタグボートが寄ってきて、長竿の先にペットボトルクーラーを取りつけてあさゆきの乗
   組員に何かを渡していました。どうやら中に紙切れが入っていたようですが、何なんでしょう?するとHさんが
    「作業証明書かなにかじゃないですかね?」
    なるほど、おそらくそれで正解でしょう。


    そしてタグボートは巧みな連携で埠頭からあさゆきを引きはがし、鼻先を押しつけてくるりと回頭させます。出港ラッパが高
   らかに鳴り響き、いよいよ護衛艦あさゆきは出港!輸送艦おおすみに見送られながら、阪神基地隊を後にします。


    抜ける様な青い空に浮かぶ白い雲、強烈な夏の陽射し、背後には六甲の緑の山々。絵に描いた様な艦艇ファンの休日で
   すね。
甲板に立っているだけでも気分がいいのですが、体験航海はたった1時間、さっさと見て回らないとあっという間に終
   わってしまいます。


    再び艦内に入ると、天井の蛍光灯カバーは針金で組んだ格子状。ほど良く錆が浮いているのがいい感じです。新しい艦は
   この部分がプラスチックの透明カバーになっていて、なんか味気ないんですよね。
    食堂、機関室を覗いてからトイレに向かいます。うーん、やはりこの異様に狭苦しいトイレがはつゆき型の味わいです。
   かなみ型やむらさめ型、こんごう型のトイレは余裕があり過ぎて、この味は出ません。
    甲板に出ると、明らかに配置についていない隊員さんがチラホラ居ます。尋ねてみると防大の学生さんで、何と横須賀から
   バスでやってきたとの事。夏休み入りたての三連休と言う事で、東名でかなり渋滞に巻き込まれたそうです。大変だっただろ
   うなあ。
    何となく昨日の三等海尉さんを思い出し、防大は大変ですかと尋ねると、爽やかな笑顔で
    「最初は大変でしたが、もう慣れました(笑)」
    との事。ここで私の中の悪趣味魂がもりもりと頭を持ち上げて、いわゆる“防大の怪談”について探りを入れてみましたが、
   しばらく口ごもった後に
    「うーん、無いですねぇ…」
    しかしその口ごもり具合が『うーん、言ってもいいのかなあ、後で怒られないかなあ…』という躊躇に見えたので、やっぱり
   何かがあるんでしょうか。あってほしいなあ。
    そんなこんなで久しぶりの体験航海を満喫しているうちにあさゆきは反転し、阪神基地隊に向けて帰投を始めます。そろそ
   ろ救難飛行艇が現われる頃ですね。
    右舷に出ると、丁度上空に救難飛行艇の黒い影が見えて来た所でした。お、洋上迷彩のUS−2!初めて見るなあ。
    US−2は神戸港の上空をゆっくりと旋回した後、風向きの関係かなんだか随分遠い所に着水。遥か遠くの防波堤の向こう
   に降りたので、垂直尾翼の一部しか見えません(泣)。このあとの離水に期待するとしましょう。


    続いて武器操方展示。艦首の76o速射砲がぐるぐると回り、砲身を高く上げています。このけたたましい非常ベルの音が
   緊張感を醸し出しているなあ。次は後甲板のシースパロー発射機。これも巨大な発射機をぐるぐると軽快に動かしています。
    その間にもUS−2は艦の遥か前方まで進んでいき、くるりと反転。いよいよこちらに向けて水上滑走かとワクワクしながら
   待ちますが、なかなか動いてくれません。
    それに合わせてあさゆきも行き足を止めていますが、どうやら救難飛行艇や護衛艦を珍しがったヨットやプレジャーボート
   が近づいている
らしく、なかなか離水出来ない模様。


    結局US−2はプロペラを回しながら、水上滑走であさゆきとすれ違って行きました。あああ、残念。飛ぶ所を是非見たか
   ったなあ…。しかしすれ違う時にはコックピット上部のハッチを開放し、乗組員の人が身を乗り出してこちらに手を振ってい
   ました。
海の日に阪神基地隊を訪れた子供達へのサービスは怠らないようで、立派だなあ。


    そしてあっという間の1時間が過ぎ、あさゆきは阪神基地隊に入港。甲板では舫い作業が始まり、ボラートに舫綱を素早く
   巻き付けて行く動作が実にキビキビとプロっぽく、カッコ良かったです。


    いやー、かれこれ2年ぶりの体験航海、楽しかったなあ。しかしUS−2の離水待ちでかなり時間を食ったようで、1130入
   港の筈が既に12時前。何だか浦島太郎になったような気分であります。
    ああ腹が減ったとぼやきつつHさんと2人で屋台広場に向かいますが、ここがもう凄い行列になっていてびっくり。海軍カレ
   −の屋台には200人近い人の列が出来ていて、なかなか進んでいません。
なんとか焼きそばは買う事が出来ましたが、や
   っぱり人気が出てきているんですねえ、自衛隊のイベントって。ちょっと複雑な気もしないではないですが、多くの人に自衛隊
   の存在意義を知ってもらうという意味では、いい事なんでしょう。
    そしてこの焼きそばがかなりの出来で、いかにも荒っぽく作った男の味の屋台焼きそばでした。具は豚肉、タマネギ、ニン
   ジン、青ネギ、もやし、キャベツとかなりの豪華版。ソースの焦げた匂いも香ばしく、さりげなく入れられた天カスのコクと相ま
   って実に力強い味わいになっています。200円なので量は控えめですが、多くの人に行きわたらせるにはこの量がベストで
   しょう。昨日の小松島の塩焼きそばとは真反対に位置する、力づくで乱暴に作った美味さが溢れた、見事な焼きそばでした。


    その後は輸送艦おおすみに向かいますが、ここも凄い人出です。格納庫、LCACと見て回った所で、午後から仕事がある
   Hさんはタイムアウト。屋台でのタイムロスが痛かったですが、これは仕方ありませんね。
    その後私は、午後からの体験航海に出るあさゆきを見送ります。朝よりもさらに強烈になった夏の日差しを浴びて、あさゆ
   きは出港。埠頭では同年代と思われる若い隊員さん達が、テキパキと舫い作業をこなしています。沢山の隊員さん達の働き
   のお陰で、とても内容の充実したお祭りとなった阪神基地隊キッズサマーフェスタでした。あまりに充実しすぎていたので、
   てを楽しむには私が3人必要
な位です。私1号は体験航海へ、私2号は一般公開へ、私3号は屋台へ…といった具合に(笑)。


    暑さでヘロヘロになったオトーサン達があちこちで見られましたが、それとは対照的に子供達は楽しそうに走り回っていま
   す。この中から将来の先任伍長艦長、もしかしたら阪神基地隊司令が出るのかもしれません。いや、是非そうであって欲
   しいなあ。
    最後はこの三連戦の疲れも出てフラフラになってしまいましたが、来年もぜひ参加したいですね。阪神基地隊並びに護衛
   艦あさゆき、輸送艦おおすみの皆様、この暑い中御苦労さまでした。




トップページに戻る
イベントレポート目次に戻る