2009築城基地航空祭

2009.11.29



      と言う訳で、私の2009シーズン最後のイベントとなる築城基地航空祭を見に、福岡県は築上町へ行ってきました。
      前日土曜日の夕方に大阪南港発のフェリーに乗り、昨年と同じく新門司港に向けて出発です。明日の天気予報は曇り一
     時雨、降水確率は50%。
昨年の感動的な快晴には程遠いみたいですが、取り敢えず雨さえなければ上々、と言ったコンデ
     ィションです。
      翌早朝に新門司港に入港し、小倉へ移動。小倉からは築城行きの臨時便『築城エアショー号』乗り込みます。
      新田原(しんでんばる、です。にゅうたばるに非ず)のあたりから空は明るくなり、薄雲はかかっていますがキレイな青空が
     見えて来ました。おお、いけるよ!
      基地内で先に待っていた地元のYさんと合流し、開門時刻をひたすら待ちます。しばらくするとF−15、F−2、T−4によ
     るオープニングフライトが始まり、エプロンではセレモニーが始まった模様。そしていよいよエプロンに突入です!
      遠くに見えるブルーインパルス5番機前を目指してひたすら走ります。沢山の人が途中でリタイアするのを尻目に、何とか
     5番機前の最前列にYさんと転がり込みます。荒い呼吸の中、何故か墾田永年私財法という言葉が脳裏に浮かびました。
      私も大概息が上がっていますが、Yさんのダメージはそれ以上で、もはや一歩も動けない模様。普段は車移動ばかりと言
     っていたので、相当無理をしたみたいです。全く子供もいると言うのに、このおとっつあんはもう…。
      落ち着いた所でエプロンを見渡します。目の前には、朝日を浴びてキラキラと輝くブルーインパルスT−4。


      その後はYさんと交代で基地内巡り。空いているうちにトイレを済ませ、屋台広場へ向かいます。さすが築城基地航空祭、
     イベントの人出に合わせて屋台の数も凄い事になっています。どの屋台も朝からいいニオイを漂わせていて、雰囲気はも
     う完全にお祭りだなあ。
      5番機前最前列に戻る頃には、救難隊の展示が始まっていました。洋上迷彩のUH−60Jが、現場に駆けつけたメディッ
     クと要救助者を救助ホイストで牽引していました。続いては陸自から来たAH−1Sコブラが登場。冬の青空をバックにして、
     縦横無尽の機動飛行を見せつけます。


      その後は間髪入れずに、新田原から参加のケロケロF−4が上空を飛び回り始めました。やっぱり重量感のある機体で
     すねえ。F−4のフライトを拝めるのも、あと数年のうちなんだろうなあ。空は少し雲が出て来ましたが、場所によってはキレ
     イな青空をバックにしてF−4のフライトが楽しめました。


      そしていよいよF−15が離陸準備。今年の小松は参加し損なったので、ちょっとワクワクです。先ずは1機目が離陸。強
     烈な排気音、そして力強くシャープな機動飛行が堪りませんね。F−15は会場正面に戻ってきて、派手にベイパーを引きつ
     つガバッと背中を見せてすっ飛んで行きます。空はいよいよ曇り始めてきましたが、これを見るだけでも日ごろのストレスが
     吹っ飛んでしまいます。


      続いて2機のF−15によるフォーメーションテイクオフ。丁度機首を上げたあたりで地上展示機に重なってしまったのは
     ちょっと残念でした。3機のF−15は代わる代わるエプロン上空に飛来しては、派手にアフターバーナーを焚いて急旋回、
     急上昇を繰り返します。その都度に、内臓を揺さぶるような排気音がエプロンを直撃。ああっ、これぞ航空祭です!


      そして何度も何度も上空を飛びまわったF−15ですが、1機だけが急に降りて来ました。あれ?と思いましたが、残る2
     機もコンバットブレイクを披露して着陸です。今年の築城は盛りだくさんの超過密スケジュールなので、割り当てられた時
     間も短かったのでしょうか。


      そして後から降りて来た2機は、そのまま再発進&スクランブル展示へ。武器小隊と整備小隊が待ち受けるエプロンに、
     2機のF−15が入ってきます。ギアに車止めを噛ました後は、すぐに隊員さん達が取りついて、対空ミサイルバルカン砲
     の機銃弾を装填
して行きます。かなり近い位置で見ていたので、現場の緊迫感がそのまま伝わって来るよう。


      最後はパイロット自身が機体各部を点検し、機付員が引きぬいた対空ミサイルのリボンを高く掲げます。そして戦線復帰
     の準備が整ったF−15は、甲高い排気音を響かせながら滑走路に向かって行きました。うーん、これほど近くで見たのは
     初めてだったので、非常に見応えがありました。
      続いてF−2の2機編隊による機動飛行展示です。ああ、築城はやっぱりF−2ですね!雲で真っ白になってしまった上空
     を、派手なベイパーを引きながらの急上昇です。アフターバーナーが真っ赤に煌めいていて、キレイだなあ。


      一機が左手方向から高度を下げつつ着陸コースに侵入。お、もう降りるのかと思ったら、そこから一気に出力を上げての
     タッチアンドゴーを披露。その後は放たれた矢の如きハイレートクライム。軽量ボディと強力なエンジンという組み合わせの、
     F-2ならではの高機動です。いやー、遠征してきた甲斐があったなあ(泣)。


      そして黄色も鮮やかなドラッグシュートを引きながらの着陸。築城はエプロンからタキシングの距離が近いのがいいですね
     え。
キャノピーの中でパイロットが手を振る様子がはっきりと見えます。


      その後は45分間の小休止。ここでとうとう降ってきました、雨が…。しかし雨はこの一瞬だけでホッとしたのですが、空模
     様は確実におかしくなってきています。果たして最後まで持ってくれるのやら…。
      さて、今のうちに地上展示機を見て歩きましょう。救難機回転翼機、RF−4、練習機などがずらりと揃っていますが、
     やっぱりF−2の前は凄い人混み。尾翼の記念塗装も鮮やかで、沢山の人が群がって撮影していました。展示してある機
     体のすぐそばまで寄れると言うのも、築城のいい所ですね。


      その後はトイレを済ませ、5番機前に戻ります。ココで何と、午後から予定されていたF−2×4機とF−15×5機による混
     成機動飛行が中止
になったとの事。ああああ、やっぱり天候か…。そしてブルーインパルスが1300からに前倒しになるとの
     事でした
。ああ、よかった。ブルーインパルスまで中止になったらどうしようかと思いました。雲がかなり低い所まで降りてき
     ているので垂直系は無理っぽいですが、もう飛んでいる所を見ることが出来るだけでも有り難いです。
      そしてF−2の2機編隊による、対地射爆撃展示が始まりました。このF−2ですが、いつもの胴体下では無く両翼下に2
     本の増槽をつけているのが珍しいなあ。それだけで別の機体に見えるのが不思議です。F−15に比べると、増槽に対する
     機体のサイズが小さいので、何だかフロート付きの飛行艇みたいなシルエットになりますね。


      空はいよいよ暗くなってきました。その分アフターバーナーがキレイに見えてお得ではありますが、洋上迷彩のF−2が
     真っ黒に潰れてしまいます。この辺は痛し痒しかなあ。


      続いてはT−7の4機編隊による編隊飛行。プロペラ機ならではの、まったりと穏やかで優雅な飛行です。ああ、いいなあ、
     こういう飛行機。今回はエアロックが参加していないので、なおさらこういうフライトが貴重です。
      あれ?さっきT−7が低空をパスした時、後席の人がこちらをカメラで撮影していたように見えました。一瞬のことだったの
     でよく見えませんでしたが、後で画像を確認して見るとやっぱり撮影されてました(笑)。


      地上では、ブルーインパルスのT−4に取りついた機付員たちが、実に和やかな感じで機体のチェックを行っています。
      そこに会場左手から、ヘルメットを下げたパイロットたちがぞろぞろとやってきました。その様子が、
      「あ、どーもどーも」
      と言う感じだったので拍子抜け。あれ?ウォークダウンは無し?子供達の歓声に笑顔で手を振り返すパイロットや機付員
     は微笑ましいのですが、何か思っていたのと違うような…。


      その後パイロットたちは思い出したように会場左手に集合し、そこからおもむろにウォークダウン開始。ああ、やっぱりや
     るんですね。しかし、何だかいまさら感が拭えないなあ。さっきのどーもどーもは何だったんでしょうか。
      パイロットたちは下半身を包むGスーツを手早く装着し、コックピットに滑り込んでエンジンスタート。先程まで昼寝を決め
     込んでいたT−4が、いきなり目を覚まし始めた様です。
6機のT−4が唸りを上げる中、機付員とパイロットはテキパキと
     機体のチェックを進めて行きます。


      そしてパイロットは手動でキャノピーをクローズ。同時に主脚灯が点灯し、車輪止めを外すと、エンジンの排気音が一段と
     甲高くなります。T−4の後ろの景色がユラユラと揺らめいているのが、いよいよ感を増しています。
      1番機から順番にタキシング。すぐ目の前を通って行くのが感激です。上空は灰色の雲が低く垂れこめていますが、ここ
     まで来たら、後はもうアクシデントの無いように頑張ってほしいなあ。


      一直線に並んだT−4は、まるでペンギンの行進の様に滑走路を目指してタキシング。カワイイなあ。
      そして先ずは1〜4番機によるダイヤモンドテイクオフ。続いて、5、6番機もテイクオフ。ここはちょっと欲張って流して見ま
     す。とにかく水平に気をつけて、と。


      そこからは曇天にも負けず、ブルーインパルスは元気いっぱいのフライトを展開です。凄い!やっぱりこれを見るだけでも
     はるばる遠征してきた甲斐があったと言うものです。曇天にがっくりしていた自分がバカみたいです。こんなにも素晴らしい
     じゃないか、ブルーインパルスは…。


      そして最後はコークスクリューで締めて、あっという間の50分が終了。そして今にも降り出しそうな空の下、全力のショーを
     無事に終えた6機のT−4が、キレイな隊列を組んで帰ってきました。なんかもう、一機一機にご苦労様と声を掛けてあげたい
     気分ですね。
よくぞやってくれました!


      エプロンには、お祭りが終わったの『ああ、終わった終わった』感が漂っています。特に築城はシーズン最終戦になる人が
     多いのか、感慨深いものがありますね。今年の私のイベント参加もこれで終了です。
      ブルーインパルスのパイロット達が、沢山の子供達に囲まれてサイン攻めにあっていたのがとてもいい光景でした。

      後から知ったのですが、なにやら今日の航空祭で飛んだ飛行機の尾翼の一部が落下して、大騒ぎになっていたとの事。
     全く気付かなかったので驚いたのですが、午後から行われるプログラムの一部が中止になっていたのはそう言う訳だった
     みたいです。幸い怪我人は無く、機動飛行を見ていた人も殆ど誰も気づかなかった位でした。後から画像を見てみると、確
     かに途中で一機だけ降りて来たF−15の水平尾翼に欠損が。何にせよ、パイロットや観客、近隣住民に被害が出なかった
     のは何よりでした。
原因の追及と再発防止に関しては、これまで以上にしっかりと行って貰いたいと思います。


      大阪までの帰路は、行きと同じく船便を用意しましたが、週末の2割引だったので帰りは思い切って個室を予約しました。
     室内はビジネスホテルのシングルをぐっとコンパクトにした感じで、潜水艦の艦長室とレイアウトが似ていました。何だかと
     てもお得な感じです。


      さて、後は来年の4月まで、約5ヵ月間のシーズンオフです。今年は仕事の独立などが重なり、あっという間の1年でしたが、
     予想以上の数のイベントに参加する事が出来て大満足でした。昨年のYさんに続いて富山県の艦長さん、SAA水兵さん
     との新たな縁もありましたし、来年に繋がるいいシーズンだったと思います。さあ、帰ったら仕事に精を出しましょう!来年の
     遠征費用を捻出しなきゃ!
      
      そして無事大阪に到着。北九州で携帯を落としてしまった事に気付きました。結局出て来ませんでした…orz




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