2009.03.18
呉から江田島にかけて、一泊二日の車中泊で色々見て来ました。恒例の江田島海軍兵学校は当然として、今回は初め
て訪れるてつのくじら館の他、大戦中の毒ガス製造工場の廃墟が残る大久野島(おおくのしま)や、亀ヶ首射撃試験場跡な
ども見て回ると言う、いつものイベント参加とはちょっと違った濃くて深い遠征です。
深夜0000に自宅のある大阪を出発。途中の高坂PAで仮眠をとり、朝もやの中、西条ICで山陽自動車道を降ります。そこ
から国道375号線を南下して、一時間程で呉市内に到着。アレイからすこじまにて潜水艦を眺めながらの朝食をとった後、
まずは亀ヶ首射撃試験場に向かいます。
倉橋島につながる音戸の瀬戸で朝の渋滞に捕まってしまいましたが、ここは大変風光明媚な場所なので、ゆっくりと景色
を堪能でき、これはこれでおいしい渋滞でありました。
倉橋島と江田島を繋ぐ早瀬大橋の下を通過してしばらく進むと、道が狭くなりどんどん山の中に入って行きます。
峠道の土砂崩れに驚かされつつも海沿いの道をさらに進み、畑と集落を抜けると再び海岸に出ます。ここを左折すると、
山の中に延びて行く細い急な坂道が。ここが亀ヶ首への入口です。
しかしこの坂道、勾配もきついですが、路肩の余裕の無さが怖いなあ。もうバックで引き返せるような道じゃないし、こうな
ったらいける所まで行くのみです。
ふと横を見ると、いつの間にやら結構な高さまで登っていて、海面がはるか下の方でキラキラと光っています。ガードレー
ルも無いので、ちょっとしくじったら崖の下にまっさかさまです。
極度の緊張を強いられつつ狭い坂道を上って行くと、左手に駐車場が見えて来ました。駐車場の脇にある細い道路には、
『旧海軍遺跡 普通自動車進入禁止』とあるので、どうやら間違いなさそう。
さっそく車から降りて準備に取り掛かります。荷物はカメラだけでいいのですが、今から行く場所はとんでもなく不便な場所
らしいので、万が一のことを考えて一日分の食料と水、ライト、燃料をかばんに詰め込みます。途中水没したトンネルを通過
する必要があるので、磯釣り用のブーツに履き替えて。またハブも多い場所なので、脚とブーツの間に新聞を巻いてゲート
ル代わりにします。
さて、ここからは徒歩で出発です。海に下りて行く道路には落葉が堆積していて、見事な荒れ果て様。坂道を下り切った
所には民家があり、その脇を通って海岸に出ますが、道の両脇にはボロボロになった廃車が狛犬の如く鎮座しています。
原形をとどめないまでに朽ち果てていて、これはもう廃車というよりも車の白骨死体です。目の前の海や山がとても美しい
だけに、なんとも異様な禍々しさが漂います。
砂浜はとてもきれいで、海は風が無いせいか、油のようにとろりと凪いでいます。
おお、再びボロボロに朽ちた廃車が。錆びたトタン板でも重ねてあるのかと思いました。一体何なんだココは。象の墓場
なのか?
そして海岸沿いの低い防波堤の裏を歩いて行くと、崖っぷちに穿たれた古いトンネルに突き当たりました。おおお、これ
が話に聞く水浸しの廃トンネルか…。稲川淳二が見たら泣いて喜びそうな、嫌なオーラがメラメラと出ています。岩肌をコ
ンクリで固めただけのそっけない造りですが、それだけに何とも言えない怪しさ。うーん、ここを通って行くのか。流石にち
ょっと、来るものがありました。
中は真っ暗ですが、奥の方には明るい向こう側の入口が見えます。イマイチ距離感が摑めませんが、全長30m位かな?
そして、下は水が無く地面がむき出しになっていました。あれ?年中水浸しと聞いていたのですが。
舗装されず、土がむき出しのトンネル内には、よく見るとコンクリートブロックや廃材、吹きだまった枯れ葉がそこかしこに
散らばっています。普通の靴でも歩ける状態でしたが、まあこの先のハブ対策もあるので、長靴は必須ですね。
戦時中のトンネルにしては壁面は痛んでおらず、かなりしっかりした造り。そして真っ暗なトンネルを抜けて向こう側へ。外
がとても明るく感じます。ほんの30m程でしたが、トンネルを抜けた瞬間に何故か戦時中にタイムスリップしてしまったかの
ような感覚に囚われました。目の前にあるのは凪いだ海、古い防波堤、鬱蒼と茂る木々。60年前から変わったものは、何
一つ見当たりそうにありません。
違う。トンネルをくぐる前とは、何かが違う気がします。強いて言えば、空気が違うとでも言えばイイのでしょうか。今このト
ンネルを引き返しても、2009年の3月18日に戻る事が出来るのか?何とも言えない寒い不安を感じました。
海沿いの防波堤の上を意味も無く音をたてないように歩いて行くと、右手に防火水槽の様なコンクリートのプールがありま
した。こんな海のそばに防火水槽?飲料水用の雨水でも溜めていたのでしょうか。
下草をかき分けつつ近づいて見ると、中から二羽の鴨みたいな海鳥が大きな羽音を立てて飛び出してきて、心臓が停止
しそうになりました。水槽は意外に囲いが高く、私の身長では中を覗き込む事が出来ません。というより、はっきり言って中
を見るのが怖いです。腐乱死体が浮いていても全然おかしくない雰囲気ですし。しかしこれが、自分でも悪趣味極まりない
とは思うんですが、何故か覗いてみたいんですね(笑)。
取り敢えず腕を伸ばしてデジカメで撮影して見ると、中は一面アオコが浮いた水溜りになっていました。うぬぬ、これはこ
れで不気味だなあ。資料の建物配置図を見てみると、この水槽みたいなのは事務所宿舎に当たるみたいです。建物自体
はとっくに崩壊していまい、土台のコンクリだけが残ったのでしょうか。しかし、それにしては何かが不自然だなあ。何と言う
か、古い病院が朽ち果てて、その跡に死体洗い用のプールだけが残ってしまったかのような感じでした。
ふと思いついて携帯を出してみると、アンテナが二本立っていました。ああ、よかった、これなら万が一の時にも救助が呼
べる。てっきり電波も届かない場所なのかと思いましたが。
道に沿って、今度は鬱蒼とした山の中に分け入ります。しばらく歩くと、完全に木々の中に埋まってしまったかのような四
角い廃屋が見えて来ました。兵員食堂跡です。これもなかなか強烈な物件です。
恐る恐る中に足を踏み入れると、中はほぼがらんどうで頑丈そうな柱が何本も立っています。何だか小学校の分校みた
いな雰囲気ですが、あちこちの壁面が黒いのは何かを焼いた跡なのでしょうか。出入り口や窓は割れて無くなっていて、ぱ
っと見はスカスカな印象ですが、何か別の空気が沈殿して溜まっているような、一種独特な雰囲気。首筋にじっとりと浮いた
汗が、急に冷えて行きます。
壁の一角には、耐火レンガが崩れた跡が。ここで煮炊きをしていたのでしょう。高床式のベッドらしきものもありましたが、
人が寝るにしては小さいし、形も正方形です。帳場か何かがあったようにも見えますが、天蓋の部分にはボロボロになった
布地が引っかかっていて、これがまた怖い。
ドキドキしながら兵員食堂を出ると、足元には何故かみかんが転がっています。皮をむけば食べれそうなみかんで、つい
最近持ち込まれた模様。周囲には比較的新しい足跡もありました。誰が来たんだろう。ブービートラップだったら嫌なので、
すぐにその場から離れます。
落ち葉を乱した足跡は、さらに茂みの奥の方へ続いています。跡を追うように私も山の中に入って行きますが、山の上の
方でガサガサと何かが歩く音がします。だ、誰かいるのか?人じゃなく動物みたいな感じですが、こちらが耳を澄ませても
しんと静まり返ったまま。自分の交感神経が、バリバリと音を立てて緊張して行くのが分かります。
よく考えたら、水や食料は持ってきても、武器になるようなものはありません。持ってるカメラは役に立ちそうにないし…。
木々の葉は落ちていますが、それでも生い茂った枝や残った葉が多く、視界は全然利きません。恐怖と好奇心と、不思議
な歓喜が入り混じったこの感覚は、一体何なんでしょう。
さらに茂みを奥に進んでいくと、完全に緑に飲み込まれた赤レンガ造りの背の高い建物が見えて来ました。うおおおおお、
全身にブツブツと鳥肌が…。これは怖い!しかしここは、本当に日本なんでしょうか(泣)。第一次世界大戦中に爆撃され、
そのまま燃えて朽ち果てた山の中の教会、といった雰囲気です。
地図を確認すると、爆破試験場の事務室でした。死体です。これは、紛れも無く建物の死体です。ツタで覆われた赤レン
ガは痛み、屋根は崩れ落ち、床も腐り果てて落ち葉とシダで埋め尽くされています。壮絶な滅びの光景。音楽が聞こえて来
るような、恐怖と美しさを湛えた光景です。
すぐそばには井戸がありました。蓋のつもりなのか苔生した丸太が並べられていますが、そのすき間から中を覗くと、深
さ5m程の枯れ井戸でした。
赤レンガの廃墟の中に入ってみます。巨大な白骨死体に抱かれるような気分ですが、不思議とリラックス出来ます。枯れ
た木々の茶色、シダの緑、レンガの赤。どれ一つとっても、くすんで色鮮やかとは言えない色彩です。こんな場所で、心がと
ても安らぐのはなんでなんだろうなあ。
二棟連なった事務室廃墟の向こうには、山をくりぬくようにして作られた測定室。途中まで作って止めたトンネルというよ
りは、作ったものの中から何かが出てこないように埋めてしまったトンネルと言った雰囲気です。この中で爆破試験を行っ
たのでしょうか。隣の事務室ほど痛んではいませんが、巨大な焼場のような佇まいです。うーん、ホラーすぎる…。
ここから先は行けそうにないので、一旦海岸に引き返します。
ああ、明るいなあ。あの森の中の廃墟を見た後だと、目の前の海が実に生命感にあふれて見えます。そう、やっぱりあの
場所は“死んでいた”んだなあ。周囲には緑は幾らでもありましたが、生命感は全く感じませんでしたし。
ちょっとホッとしつつ海岸沿いを進んでいくと、船着き場の突堤に行き当たりました。海はとてもキレイなグリーンで、豊か
な生物圏を成している模様。突堤の表面は長年の風雨と潮に晒されてボロボロですが、船から艦砲を揚陸した場所らしく、
相当頑丈につくられていて崩れそうな気配は微塵もありません。
突堤の向こうは、キレイな砂浜になっています。
船着き場のすぐ横には、射座になっていたコンクリートの土台が、背の高い草に埋もれていました。あれ?何かどこかで
見た風景だなあ…と思ったら、ヨコハマ買い出し紀行の風景そのまんまでした。
空がすかーっと広がっています。風は完全に止んで、鳥の鳴き声一つ聞こえません。今いるこの世界は、本当に2009年
の3月18日なんでしょうか…。
茂みの中には、またしてもボロボロになった軽トラが枯れ草に埋もれてしまっています。何かもう慣れてしまったのか、全
く違和感がありません。
こんな場所にも人の歩いた跡がケモノ道のように続いていて、道なりに進んでいくと『地下弾丸破裂試験槽』の看板が。見
ると、10m四方位の大きさで地面を深くくり抜いていて、周囲は1m近いぶ厚さのコンクリ(…というか、この場合はベトンと言
う方が雰囲気がありますね)で塗り固めてあります。文字通り、この中で弾丸を爆発させて威力を分析していたのでしょう。コ
ンクリ壁の一角が崩落していたので、そこから中へ降りてみます。
内部の壁面はボロボロになっていますが、中はに植物が生い茂り、ぱっと見は何とも不思議な庭園のようになっています。
そこかしこに転がっているコンクリの塊が、計算して配置された庭石に様に見えます。
さらに藪をこいで進んでいくと、四国側に面した海に出ました。全く人気のない砂浜が続いていて、どこかの無人島に流れ
ついたかのような風景。
ここで引き返し、今度は先ほどの廃墟があった森の中に、別の方向から分け入ってみます。しばらく木々の枝を掻き分け
つつ進んでいくと、山肌にくり抜かれた背の低いトンネルがありました。地図で確認すると、トロッコ用のトンネルの模様。
どれどれと中を覗いてみると、向こう側の入口から人の脚が2本ぶら下がっていて、腰を抜かしそうになりました。よく見る
と太い木の枝が2本垂れ下がっていただけでしたが、流石にこの場所で見るとショッキングとしか言いようがありません。
トンネル内部には、椎茸栽培のものらしきホダ木がずらりと立て掛けられています。さっきの民家の人なのかな?随分前
から放置したままに見えますが。
そのトンネルを抜けた所にはもうひとつトンネルがありましたが、こちらは出口付近が土砂崩れで埋まっていました。
しかし地図には建物がたくさん記入されていますが、そのほとんどは土に帰ってしまったのか、跡方もありません。もしか
したらこの強烈な藪の中に埋もれているのかもしれませんが、流石にその中まで踏み込む装備も根性もありません。
あっという間の2時間が過ぎて、そろそろ戻るとしましょう。今日は温かい3月に春の日だったのでまだマシでしたが、これ
が夜中だったり台風の中だったりすると、さらに強烈な風景になるんだろうなあ。いつか機会があれば、テントと寝袋を持っ
て来てみたいなあ。
藪の中、さほど方向を誤ることなく海沿いの道に出ました。ここに来て初めて、潮の香りを感じる事ができて一寸びっくり。
そんな事にすら気付かないほど、この場所の風景と空気に呑まれてしまっていたのでしょう。
2時間前に通った道をたどって駐車場に戻ると、ちゃんと車がありました。ああ良かった。マジでタイムスリップしていたら
どうしようかと思いました(笑)。
崖っぷちの狭い急斜面を、慎重に降りて行きます。ちょっと間違えれば車ごと真っ逆さまです。
朝通った集落に差し掛かると何人かの住人の姿が目に入りましたが、通り過ぎた後バックミラーで確認すると、全員が
全員、じっとこちらを見ていて何だか怖かったです。
そこからは一路、江田島海軍兵学校へ移動です。途中で『農業生産法人 ナッパーランド』という素敵でイカしたネーミン
グのビニールハウス群を発見しました。
江田島湾に差し掛かると、遠くの方に沖止めしている護衛艦が見えて来ました。駐車スペースがあったので車を止め、早
速撮影です。ハルナンバーは111。艦名は分かりませんが、たかなみ型だったっけ?その奥の艦は良く見えませんが、4
ケタのハルナンバーと艦の大きさから見て、練習艦かしまでしょう。さらにもう一隻見えますが、はつゆき型かあさぎり型か
な?
海軍兵学校を目指しながら昼食を摂れる店を探しますが、なかなか良さそうな店がありません。あ、美味しそうな店だなと
思っても駐車スペースが無かったり。ここまで来て吉野家と言うのも何だしなあ。
そうこうしているうちに、江田島海軍兵学校に到着です。取り敢えず中に車を置かせて貰って、見学時間まではまだ間が
あるので外に出てお食事どころを探してみよう。しかし以前来た時にはいくつか開いていた店が、軒並み閉まっていたなあ。
正門の警備詰所で見学手続きをしていると、当直の海士さんが
「お食事はお済みですか?よかったら、厚生センター内に食堂がありますよ」
ああ、そういえば、売店の横にレストランがあったのを忘れていました。よし、昼食はそこにしよう!
見学の集合場所は、厚生センターのホールになっていました。以前使用していた木造隊舎の待合室は、もう使っていない
模様。石油ストーブの香りがしていい具合に古びていて、雰囲気あったのになあ。恐らく老朽化が激しく取り壊し寸前だった
のでしょうが、ちょっと残念でした。
駐車場に車を入れて、厚生センターへ移動。気温は随分上がり、暑いぐらいです。隊員の方がキビキビと歩いていますが、
余所の基地駐屯地に比べてもそのキビキビ度が断然高いのが印象的。これも江田島の伝統と空気のなせる業でしょう。何
かが違うんですよねえ、ここはいつ来ても。
厚生センターのレストランに到着。横の売店には何度も来ましたが、レストランを利用するのは初めてです。入り口の横に
食品サンプルがずらりと並んでいるのは、何だか昔バーサマにつれて行ってもらったデパート最上階の食堂を思い出させま
す。
へー、思ったよりも色々あるんだなあ。アルコール類も出しているようで、酒の肴類も充実しています。さて、何を食べよう。
大きな海老フライと鶏唐揚げ、焼肉が乗ったスタミナ定食800円がとても美味しそう。これはビールの似合う、大人のお子様
ランチですな。旗がないので神田一等空尉には不評でしょうけど。
いろいろあってかなり迷いましたが、カツカレーとサラダに決定。金曜じゃないけど、まあその辺はあまり追求しないと言う
事で。
店内はなかなか洒落ていて落ち着いた雰囲気。お客さんの多くは見学者らしき団体さんで、生ビールのジョッキを片手に
盛り上がっています。社員旅行っぽい雰囲気ですが、酔って見学すると言う点に、違和感が拭えません。余計なお世話の
ような気がしますが。
ふと見ると、冷蔵ケースの中には地酒があり、グラスも結構洒落たものを使っています。お、地ビールもあるんですね。銘
柄は『HEIWA』。この場所にふさわしい名前かもしれませんが、個人的には『旭日』とか『波濤』にして欲しかったなあ。
席についてしばらくすると、カツカレー&サラダが到着。ほほう、これは美味しそうなカレーです。いわゆる黄色いカレーで
はなく、褐色がかった獰猛そうなカレー。立ち上る香りも実に食欲をそそります。
先ずは一口。おお、これ、美味いよ!スパイスはしっかりと自己主張していますが、炒めタマネギのどっしりした旨みと甘
みがイイ感じにそれらを受け止めています。そこらのカレー専門店よりはるかに美味しいなあ。
トンカツはしっかり熱々で、サクサクに揚げてあります。味は特にどうと言う事の無いトンカツですが、逆にカレーの美味さ
と喧嘩せず、これはこれでいい仕事です。カレーもカツも上出来すぎると、かえって重ったるくなりがちですからね。
しかしこのカレー、業務用のものではなく、ここでイチから仕込んでいるのでしょうか。出来あいのものとは思えませんが。
福神漬の代わりに、キュウリの漬物がついているのはちょっと謎。これはあまり合いませんね。
一方サラダは、ごくごく普通のもの。まあこんなものでしょう。それより、割り箸が気持ちいいほどパッキリと割れたのが好
印象です。海軍魂らしいスマートさを感じました。
それにしても、先ほどから忙しげに走り回っている店員さんの運ぶ定食類が、どれもとても美味しそう。いいなあ、こんなレ
ストランが近くにあればなあ。
店の名前は『レストラン江田島』でした。そのまんまですね。
1300の集合時間まではかなり間があるので、売店の方を覗いてみます。潜水艦モナカやみかん餅などのお土産を眺めて
いると、店員さんと海軍カレーを持ったオジサンの会話が耳に入ってきました。
「ああ、これ、このカレーなら、あそこのレストランのよりも美味しいですよ!」
マジか?まあ自分の店の売り物を不味いとは言わないでしょうが、これは聞き捨てなりません。と言う訳で、店員さんお勧
めの海軍カレーを買って帰る事にします。
そして1300、厚生センターのホールに行くと、案内役らしき海自OBの方が挨拶を始めていました。ああ、今日は前回のE
さんじゃなかったのか。
その後は大講堂、幹部候補生学校、教育参考館と見て回ります。2日後に行われる幹部候補生たちの卒業式の準備の
ため表桟橋の見学が無かったのは残念ですが、校舎の前で分隊ごとに記念撮影をしている幹部候補生の姿を見る事が
出来ました。
ああ、そうか!さっき江田島湾に沖止めしていたのは、遠洋航海に出る練習艦隊だったんですね!半年間というの長い
長い航海なりますが、実習幹部の方たちにはひと皮もふた皮もむけて貰って、沢山経験を積んで元気に帰ってきてほしい
と思います。
その後は警衛所で見学者バッジを返却し、江田島海軍兵学校を出発。江田島湾をぐるっと走り、『シーサイドのうみ』という
温泉入浴施設で汗を流します。露天風呂からはカキの養殖筏が浮いた穏やかな江田島湾が一望でき、早い時間と言う事も
あって空いた風呂は実に快適。亀ヶ首での何とも言えない緊張と疲れが、どんどん湯の中に溶けだしていくようです。
その後は海の見える人気のない入江近くで車中泊。夕焼けを眺めながら途中のコンビニで買った広島風つけ麺でビール
を飲み、いい気分で寝袋に潜り込みます。亀ヶ首の夢を見たら嫌だなあ…いや、そうでもないな…と思いながら、眠りにつき
ました。
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