2009防府北基地航空祭

2009.05.31


      と言う訳で、昨日の和歌山港での護衛艦ちょうかい一般公開に続き、防府北基地航空祭です。山口県の防府市に所在す
     る防府北基地には第12教育飛行団が置かれ、航空学生を含めた多数のパイロットのタマゴ達が、日々切磋琢磨している
     若々しい気風のある航空基地であります。
      前日はイージス艦ちょうかいの一般公開を早めに切り上げ、所用を片づけて夕方出発。高速道路で土砂降りの雨に見舞
     われましたが、その日は途中のPAで車中泊。翌日まだ日の明けきらないうちに出発し、下松(くだまつ)SAのフードコート
     で朝食です。
      何故か西部劇調の店内
ですが、どういう趣向なんでしょう。馬車での長旅でもイメージしているんでしょうか。と言う事は、
     金髪のおばさんに変に気に入られたり、ヒゲの軍人に食事を奢られそうになったり、店を出ると青いMSがトレーラーに載
     せられていたりするんでしょうか?
それはちょっとヤダなあ。
      朝食にしてはヘビーでしたが、注文した下松ちゃんぽんはとても美味しくて大満足でした。大して期待していなかった食事
     が大当たり!何だかこの遠征は成功しそうな気がします。
      0450、まだ真っ暗な防府東ICで一般道に降ります。そこから15分程で防府北基地の田島門に到着。ここで福岡県から遠
     征してきたYさんと合流です。昨年の築城以来、半年ぶりの再会。広大な原っぱには、既に30台ほどの開門待ちの車が停
     まってていました。
      薄雲がかかった空は徐々に明るさを増し、風はありませんがかなり冷え込んでいます。
      しばらく待って、0730開門。防風林に沿った基地内の外周道路を砂埃をあげて進みます。よく考えたら、車で基地駐屯地
     に乗り入れるのは初めてでした。何かワクワクしますね。
      初めて訪れる防府北基地ですが、走れど走れど滑走路が見えません。相当広いなあ、ここ。何だか静岡県の静浜基地に
     雰囲気が似ています。
      係の人の誘導に従い、滑走路わきの野っ原に駐車。さあ出発です。明け方よりも雲が低い所まで降りていて少々怪しげな
     天候ですが、それでも地上にずらりと並んだT−7初等練習機を見ると、やっぱりワクワクしてきます。ブルーインパルスの
     今年のツアーパッチを購入し、まだスカスカのエプロン最前列に陣取ります。


      しかし予想以上の冷え込みです。もう5月も終わりだと言うのに、長袖シャツでも寒い位。昼近くには気温も上がるでしょう
     が、車で来たんだから上着の一つも持ってくればよかったかも。
      Yさんと交代で荷物の番をしながら、あちこちうろつき回ります。まず目についたのは、でかい冷凍トラックみたいな車輛。
     高射隊の待機車一号&二号でした。コンテナ内の三段ベッドで、最大24人の宿泊、シャワー、洗濯、トイレが賄えるとの事。
     初見の車輛ですが、出動してからの待機時間が長くなる高射隊ならではの装備です。


      すぐそばには定番のペトリオット発射機レーダー車輛が。その向かいには81式短距離地対空誘導弾があり、VADS
     展開していました。まだ開門したばかりで人も少なかったので、VADSに乗り込んでみましょう。うーん、狭い!正面の操作
     パネルは意外にシンプルでしたが、あちこちから伸びるケーブルやいかついフレーム、真正面の照準器がカッコいいなあ。
     これで爆撃のために突っ込んでくる攻撃機と対峙する訳か…。


      トイレを済ませた後、エプロンの地上展示機を見て回ります。赤いT−4中等練習機の隣には、エアロックのピッツがあ
     りました。さらにその隣には、CH−47輸送ヘリ。回転翼機の中では、これが一番好きですね。


      野外売店広場は、開門したばかりとあってまだ閑散としています。エアロックのブースでピッツのDVDを購入。後でサニー
     さんにサインして貰おうかなあ。
      エプロンに戻ると、最前列にはまだ空きが沢山ありました。実にいいですね、こんなのんびりした航空祭も。
      しばらくするとオープニングセレモニーが始まりました。音楽隊儀仗隊が整然と行進し、基地司令らしき空将と、何故か
     陸将の人が正面に立っています。傍にはやけにカワイイWAFがいるなあと思ったら、司令から一日基地司令のタスキをか
     けられていました。
      「ミス山口か何かの人でしょ」
      と、Yさん。ああ、道理でなんか制服が今ひとつ似合ってないと思いました。
      記念式典はあっという間に終了。陸自に比べるとかなり短いですね。まあ、こういうのは短ければ短いほどいいでしょう。
      その後はオープニングフライト。OH−6D観測ヘリとUH−1J多用途ヘリが二機ずつ、そしてこの基地のメインと言うべき
     T−7初等練習機が四機編隊で基地上空を航過飛行。上空は雲がかかってかなり暗いですが、やっぱりプロペラ機は優雅
     でいいなあ。


      お、T−7がタッチアンドゴーです。ゆっくりのんびりとした上昇がいいですねえ。さっきからかなり低い所を大胆に飛んでい
     ますが、静浜基地と違って周囲に民家が少ないので、高度を思い切って下げる事が出来るみたいです。お陰で非力なエン
     ジンでも、迫力あるフライトが楽しめますね。
      まだ0900を回った所ですが、なかなか気温が上がりません。こんなに喉の乾かない航空祭は初めてです。
      T−7の10機編隊を皮切りに、救難隊のUH−60J救難ヘリ、U−125A救難捜索機。さらには見たこと無い民間機みた
     いなT−400基本操縦練習機、巨大でド迫力のC−1輸送機が続々と続きます。


      さらに赤い塗装のT−4四機編隊が進入してきました。ブルーインパルスと違ってお腹が白いので、イルカというよりもペン
     ギンの様であります。何にしてもカワイイ奴め(笑)。

      そして築城基地からリモートのF−15が四機編隊でやってきました。おおお、流石に排気音が全然違います!
      以上で航過飛行は終了。上空を舞っていた航空機が次々と着陸を始めます。T−7のランディングを流して撮影しようと思
     いましたが、軽量級のT−7は着陸してもあっという間に減速してしまい、目の前まで来た時は完全にタキシング状態でした。
     


      この辺りで空が明るくなり、雲の切れ間からは太陽が覗き始めました。T−7のキャノピーが時折キラリと輝いています。次
     のエアロックまで30分の小休止。その間に何処まで天候が回復するかな?
      エプロンでは大きな集音マイクと荷物を担いだエアロックのスタッフが準備を始め、そこにサニーさんと隊員さんが来て最
     終の打ち合わせをしています。しかしサニーさんはスリムだなあ。


      そしていよいよエアロックの曲技飛行開始です。観客の声援を受けながら、目の前をピッツが通過して行きました。うーん、
     やっぱり地上展示よりも、動いている方がピッツらしくてカッコイイ。どんどん高揚感が増していきます
      バリバリとエンジン音を響かせ、しばしランウェイのエンドにとどまった後、ピッツはするすると加速。あっという間のテイク
     オフです。文字通り、風に乗るような優雅さ。その後は素直な運動性能を感じさせる急上昇で、曇天の防府の空を駆け上が
     ります。


      そして元気いっぱいのフルアクロ開始!上空を暴れ回るピッツが、何とも楽しそう。ああ、やっぱりここまで見に来てよか
     ったなあ…。途中から空も明るくなり、ピッツのキャノピーがキラリと煌めいているのがファインダー越しに見えます。
      いや、実にすばらしいアクロでした。そして、無事に終わって何よりです。


      エアロックの興奮が冷めやらぬうちに、航空学生によるドリルが始まりました。ドリルについては正直あまり興味が無く、
     まあ珍しいから一度見てみようかと言う程度でしたが、これはなかなか凄いですね。40人近い航空学生が、文字通り一糸
     乱れぬ演技を次々とこなしていきます。
      今日の展示の為に相当な時間を費やして練習に明け暮れたのだと思いますが、これはこれでパイロットにとっては必要
     な訓練なのでしょう。チームワークもそうですが、この複雑で沢山の動きを覚える事が出来ないと、パイロットには向いてな
     いんだろうなあ。私なら絶対にムリ!と、自信を持って言えます。最後は空包発射で終了。見事なドリル展示に、会場から
     割れんばかりの拍手が贈られました。お見事!


      そしてこの辺りから空はさらに明るさを増し。雲の間から青空が見え始めました。気温もぐんと上がり、ようやく航空祭らし
     くなってきました。

      ここでしばしのお昼休みに入ります。しかしいいですね、防府北基地。殺伐としてなくて。実にのんびりまったりと飛行機を
     楽しむ事が出来ます。Yさんと交代で、再び基地内を歩き回ります。


      午後一番の機動飛行は、築城からリモートのF−2です。ランウェイ右手から進入してきたF−2は、目の前で一気に急上
     昇。翼端とストレーキから真っ白なベイパーを引きながら、あっという間に天空高くに消えて行きます。その後もF−2は晴れ
     た空をバックに、ぎゅんぎゅん飛び回ります。よく見ると垂直尾翼に鎌を持った死神のペイントが。戦競の特別塗装機かな?
      エプロン真正面でガバッと背中を見せたF−2のキャノピーの中で、エメラルドグリーンのHUDがキラリと光っていました。


      続いてUH−1JOH−6Dが離陸。火災消火の訓練展示らしく、エプロンには燃え上がる発煙筒がもうもうと煙を上げて
     います。そこにバスケットを吊るしたUH−1Jが接近し、火災現場上空で放水。見事に消火成功です。
      全開にしたカーゴドアからは、隊員さんが身を乗り出して手を振っています。よく見るとパイロットも。流石に余裕だなあ。


      続いて新田原からリモートの、F−4二機編隊による機動飛行。ますます青みを増した空に、ライトゴーストグレーのF−4が
     映えます。実にカッコイイ。しかし、日本の空をファントムが飛ぶのももうあとわずかでしょう。後継機が何になるのかはまだ
     はっきりしませんが、最後まで事故に気をつけて頑張ってもらいたいものです。


      さて、ブルーインパルスを前にして、ここで10分間の休憩です。メモリーカードも換えたしバッテリーも十分。
      そして四機のT−4が、会場左手後方からファンブレイクで進入!おおお、来た!キャノピーと翼端が、太陽の光を浴びて
     キラキラと光っています。上空は風も無く、バーティカルキューピッドのスモークもきれいに残ります。


      以上、ブルーインパルスの演目は全て終了。リモートなので、帰って来たT−4を拍手で迎える事が出来ないのが残念…
     と思っていたら、6機のT−4はそれぞれ工夫を凝らし、ロールやインバーテッドで基地上空を通過して行きました。最後の
     最後まで楽しませてくれるなあ。リモートにはリモートの良さがありますね。
      と言う訳で、防府北基地航空祭は終了です。楽しかったなあ。祭の余韻を味わいながら、だらだらと支度を整えて駐車場
     へ向かおう…あ、サニーさんにサインを貰うのを忘れていました。エアロックのブースに向かいます。
      サニーさんは快くDVDにサインしてくれて、ロック岩崎氏を彷彿とさせる力強い握手。有難うございます。また見に来ます!
      駐車場でYさんとまたの再会を約束し、出発です。正門まではかなりの渋滞で、結局外に出るまで40分を要しましたが、
     これは仕方ないですね。
      途中の宮島SAで仮眠をとり、2300前には自宅に帰りつきました。初参加の防府北基地でしたが、とても気に入りましたね。
     来年も都合がつけば、是非参加したいと思いました。


      あと、エアロックのDVDですが、パッケージ外側のビニール部分にマジックでサインして貰ったので、あっというまにサイン
     が消えてしまいました…orz
俺のバカ!また次の機会に、カバー写真の所にサインし直して貰う事にします。




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