「少し贅沢」と聞くと尻込みをされるかたもおられるかも知れませんが、何も無理に高級な住宅を建てていただこうと思っているわけではありません。最近の住宅の品質に対して、あと少し材料を吟味して選定し、あと少し手を加えて、いい家を建てていただいて長く住んでいただきたいと考えているのです。「200年」は無理でも、子や孫の代まで住み続けてゆけるようにと、できる範囲での「少し贅沢」を注ぎ込んで家づくりをしていただきたいのです。
最近、若い方から「木材を多く使った住宅を設計して欲しい」とご注文いただくことが多くなってきました。「でも、いろいろと制約が多くなって自由な設計ができなくなってしまうのでは」と心配されます。これ、実は全く逆なんですね。最近の雑誌などでデザインされている住宅はほとんどが「木の家」と言える程たくさんの木を使った家づくりをしているんです。在来工法であっても最近では、昔よりも強度が格段に強く設計できること、自由な空間の設計にも対応できること、そして人にやさしいことなどの理由で、昔の工法のような心配は少しもいらなくなっています。 自然を守り、地球にやさしい家づくりをすることが、ひいては子や孫の時代の環境を守っていくことにつながっていくのだと改めて考えさせられました。体に優しく自然な味わいの木にぬくもりを感じるのは、シニア世代だけでなく若い方にも共通の世代を超えた感覚なのですね。
リフォームに対しても考え方は同じです。介護や医療を考えたリフォームはもちろんのこと、ご夫婦で末永く暮らしていくためには、お互いの趣味に合った空間づくりや演出も大切です。「居心地のいい空間」が家族みんなの居場所になるのですから。