2022、6、21(火)
  先日の6月第1火曜日、神戸新聞夕刊に載った「絵本ファーム74」。こんなに長く担当させていただけるとは……、感謝です。思い起せば元気だった頃の夫にこの企画のことを話し、初めての神戸新聞の掲載に喜びいさんで伝え、彼の入院中には病院にパソコンを持ち込み、そして彼がなくなって早や5年……。連載期間はもう5年以上になりました。
 「絵本ファーム」を書くことは、好きな世界なので、なんせか! 楽しい。好きなことが仕事となるって何という感謝でしょう! たった一つでもいい。好きなことがあって、それに関連する仕事につくことが出来れば、生き方自体も元気になる気がします。ふと、今、求められている「働き方改革」という言葉が心を過ぎりました。

 「絵本ファーム74」を出してきた理由は、ほんとうは「嬉しかったこと」を書きたかったのです! 掲載文中に、6月はプール開きで「近くの小学校のプールから、久しく聞けなかった子どもたちの歓声もきこえてくることでしょう」と書いているのですが、まさにそのとおり、プールから賑やかな子どもたちの歓声がしました。
 フェンスの向こうで、男の子4,5人がこちらをむいて、タオルをかけています。そのほうを向きながら歩いていると、中のひとりが勢いよく手をふってくれました。隣の子も嬉しそうに手をふってくれます。わたしも嬉しくて大きく手をふりました。
―ああ、きっと嬉しくて仕方がないのでしょう! 2年ぶりのプール開放なのですから!

 普通、当たり前、当然、日常と思っていたことが、どんなに大事な嬉しい感謝するものかとしみじみ感した一瞬でした。



2022、6、13(月)
 私は英語に興味があったことから、早い時点で英文タイプ(古い!)を打っていたのですね。そのおかげというか苦労なくワープロ、パソコンを使うようになった気がします。だから、その延長上としてスマフォも考えていたようです。いえ、パソコンの諸々も教えてもらえれば何とかなるとたかをくくっていました! そんな甘い考え、とんでもないことだと、最近になってつくづく思います。
 理由は二つ。
 私は重要なことを忘れていたようです。
 ひとつは、パソコン、スマフォ、タブレットの中に含んでいる仕組みのものすごい優秀さ。それはものすごい複雑で広く大きく楽しく、そしてものすごい怖さや危険がある……だろうということ。
 もうひとつは、使う私がそれなりの年を取っていること。今までの概念や思考のものすごい変換を、瞬時にするなんてことは……もう無理です。

 先日、友人がスマフォを見せながら言いました。
「何度かメールしたんだけど、届かなかったみたい……」
「私、スマファ、見ないから。じゃ、今度はパソコンに送ってみて」
 きちんとチェックしているパソコンメールですが、彼女からのメールはきていません。
 私も念のため、送りましたが、もどってきました。スマフォからスマフォでないと通じないのかな?
 ま、何かあったら、電話をしてくれるでしょう! 手紙をくれるでしょう!
 アナログはいいなあ、気楽やったなあ……。
 最近の心境です。



2022、6、1(水)
 先日の日曜日、娘とその息子と3人、つまり3世代が姫路の太陽公園へ行ってきました。
 20代の孫の運転です。50代の娘が助手席、70代後半の私は後部席。目的地に着くまでいろいろな話が飛び出しました。世代の違いの会話、続出! 20代も50代も70代も自己主張をしっかりするので、噛み合わなかったり、驚いたり、笑い合ったり面白い。

 そもそも行先はふたりにまかしていたので、太陽公園は初めて聞く観光地でした。以前夫と出かけた時と違う発見や、面白いことが多くあって楽しかったのですが、最も印象に残っているのが……、
「よくもまあ、こんなに若者たちがいるものだ! 格好いい子たち、カップルたちがいっぱいだあ!」
 帰りに寄った喫茶店もまた若い人たちばかりです。ということで元気をもらい、若返った思いの一日でした。
 威勢のいい若者をみているだけで嬉しくなってしまう年頃の私です。
 もし、またドライブの機会があったら、
 行先をこれからも子や孫にきめてもらいましょう! 
 


2022、5、21(土)
 やっとベランダに花が咲き始めました。ゴテチャという育てやすい花です。プランタンに植えた菊にも花芽がつきました。

 夫は樹木医の資格を持っていて、結構ベランダに色々な植木を置いていて、たいてい何かの花が咲いていました。先だって売却した上階の家のベランダでは洗濯物を干さない分、少しスペースが広く空いています。オリーブや藤や梅や椿の木。プランタンにチューリップ、でっかい鉢にカンナやアマリリス、ユリや朝顔、コスモスと、当たり前のように花々が咲いていました。
 
 今はそうはいきません。ご近所さんによく知っている人がおられ、教えてもらったりして、最近、やっと切り花にできる花を咲かせられるようになりました。
 ほっと癒されるひとときです。
 が、花を咲かそうと思ったきっかけは、元のように楽しみたいからではありません。
 つまり、
「お墓参りの花って結構かかるやん! ベランダに咲いたら助かるなあ」
(せこい考え)いえいえ、
「夫はきっと、自分の住んでいた家のベランダの花やったら、喜ぶはずやあ」
(りっぱな考え)から!
という訳です。
               ゴテチャは鮮やかな派手な花と思っていましたが、
                     
                    咲き始めは月見草に似て優雅です。           


2022、5、9(月)
 ベランダに出ると、毎年この頃、ウグイスのそれもたどたどしい鳴き声が聞こえてきます。近くの小学校の校庭の続きがちょっとした林になっていて、鳴き声はそこから聞こえます。
 あっという間に見事な鳴き声に変わっていき、何とも心嬉しくなるのです……。
 が、今年はどうかしら?
 というのも、ウグイスの住み着いているらしいその林にちょっとした変化がありました! 春休み中、大きくなり過ぎた木々が伐採されたのです。校庭に大きなクレーン車がやってきて、何時間もかけて作業をしていました。私としてはそのおかげで、かすかに明石大橋がみえるようになり、大喜び。
 が、それからずっとウグイスのことが気になっていました。あれだけ大きい木だったから、そこに巣をつくっていたかもしれないな。今年はウグイスの鳴き声が聞けないかも……。

 そして、2,3日前、おやっと思う鳴き声、「ケッコ、ケ……」が聞こえてきました。
 今日しっかりと、「ホーケッコ、ケッコ……」との鳴き声を聞きました。
 なんともほっとしたことです。まだ歌い切れていない鳴き声ですが、ちゃんとあの林に住んでいることは確かです。
 ありがとう! 
 「ホーケッコー」「ほう、結構」!!



22、4、30(土)

 突然にシャワートイレの「洗浄強さランプ」が点滅を始めました。そろそろ10年になろうとしていますが、全く異常もなく快適に動いてくれているというのに……。
「なんで?」
 取扱説明書を調べると、チカチカしているのは販売して8年から10年になると起こる「点検時期お知らせ表示」だという。
「そうなんだ……。点検しないといけないのだ」」
 律儀に、書かれている所へ電話をいれると、丁寧な説明と共に、「異常が無いようでしたら、そのまま使ってもらってもいいです」とのこと。ほっとしたものの、チカチカは気になる。「点滅が気になるようでしたら、お伺いして止めることになりますので、出張費共で○円かかります」
「え!そんなに」
 と、いうことで、点滅はそのままにしました。
 上から白色ビニールテープを何重にも貼ると、まるで濃い霧の中の信号のよう。
「ま、これでいいか!」
 疲れた日常のひとこまでした!



2022、4、22(金)
 同年代の友人の中には、重い病気が発覚した人や、心が落ち着かない方や自分が認知症になっているのかしらと不安がられる人などなど、いらっしゃる……。散歩途中やバス中でひょっこり出会った久しぶりの友人が、身体の調子が悪いのよと話される……。どの方も私はよくよくお元気で活躍されていた頃を知っています。年齢を重ねることの”重さ”を感じるこの頃です。
 
 今年も誕生日が過ぎ、◎才になりました。
 誰もが同じように年を重ねる”重さ”の中にいるのだなあと実感した日です。今、こうして好きな児童文学に関わり、「あれも書きたい」「まだあの作品は仕上っていない」と思える自分を大事にしていきたい……。そして、
 ありがとう! 私と関わってくださっている皆さま。
 感謝して、今を生きていきたいと思います!

 ずっと行きたかった「松伯美術館」へ行ってきました。
 週日で、コロナ禍のこともあって、ゆっくり楽しむことができました。庭がとても美しかったです。        
                      
               松伯美術館の庭



2022、4、10(日)
 コロナ禍の長い自粛のなかで、私的なところでも変化がありました。集合住宅の小さなマンションを2軒持っていたのですが、そのうちの1軒の売却が成立しました。 
 かつて、私たちの家族は3世代、5人家族でした。子供が大きくなるにつれて、団地マンションでは部屋数が足りません。うまいぐあいに、上の階が手に入りました。それから30年あまり、とても重宝して暮らすことが出来ました。その子どもたちも独立し、2軒を持っている必要もなくなったという訳です。
 晴れて売却成立となり、ほっとしたところです。お若いご夫婦が入ってくださることになり、見渡すとご近所さんのあちこちで若い方が居住されています。少しずつ世代交代が進んでいるようで、とてもうれしくなります。

 と同時に、わが年齢(私は後期高齢者です)を意識しはじめました。そして「我が処世術」として、どんどん新しい規約がふえていきます!
 ・受け身の対応をしていこう。何に? やりたいと思うことに。
 ・積極的に動こう。何に? おっくうなことに。
 ・ねばならないことを作らない。 何に? すべてのことに。
 まだまだ増えそうだけれど、反対に忘れたり消えていく規約もいっぱいあって……。

 まあ、いいか! 規約をつくったり消したりして今を楽しむことにしましょう!



2022、3、29(火)
 「まん防」解除と同時に、子や孫たちが泊まりにきてくれました。
 久しぶりに神戸北野異人館界隈へ出かけました。驚くほど整備されていて、そしておしゃれな若者たちが沢山! とても嬉しくなりました。「神戸トリックアート不思議な領事館」なるものに入ったのですが、写真に写すと何とも奇妙に……。本当はここに私たちの写真を入れたいところなのですが、どうも私の腕ではてこずりそう(時間がかかりそう)なので、やめておきます。
 ああ、なんと世の中の文明の進歩の早さよ。孫にみせてもらったスマファの写真では、まるで生きているように、立体的で、動き回って……。
 維新か文化革命か? 感心しきり、文明についていくのに懸命!の一週間でした。

 さて、落ち着いた今日、やっと「こども本の森神戸」の来館予約、いえ、予約抽選に申し込みました。早く気楽に行けるようになるといいのになあ。児童文学の仲間たちと一緒に、お目当ての本をふらふら、楽しくさがしたいものです。



2022、3、18(金)
 来週に「まん延防止等重点措置」という長い文字の長い期間の規制もやっと解除となります。
 久しぶりに、入れ替わり立ち代わり、子や孫たちが姿を見せてくれることになっています。あれこれ準備をするのも楽しく待ち遠しい……。
 と言うのに、ふと思ってしまいます。みんなが元気で、顔と顔とを見合わせて語り合うことも、笑うことも、一緒に食事をすることも、もしかしたら、私自身がこうしておしゃべりしていることも、決して当たり前の普通のことではないのかなあと……。
 
 ウクライナでの今もなお続く惨事、また起こってしまった東北での大きな地震、収まっていないコロナ禍状況などなど、どれもこれも、私には全く想像も出来ないことでした。そして、ある時突然、この私たちにも降りかかってくるかもしれません……。

 久しぶりにCOOPの共同購入で顔を合わせたご近所さんたち。早速の「井戸端会議」で、いろいろおしゃべりをし、不安な諸々のことも話題になりました。
 そして最後の〆の言葉は、
「今日、ただ今を元気に楽しく頑張ろう!」。
 誠にたくましい、ご近所おば―さんたちでした! 
 今をしっかり生きていきましょう!
 


2022、3、5(土)
 みなさん、お変わりございませんか?
 心沈むことが多く、一生懸命、上を向いて歩こうと頑張っている感じ。けれど、すぐにうつむいてしまいそう……。長引くコロナ禍やウクライナの信じられない悲惨な状況や、私的には辛いニュースがとびこんできたりして……。

 そんな中でも、嬉しいことがありました。
 久しぶりに、新刊が出ましたので、報告いたします。
 既刊「おによろし」の姉妹編的な作品、
   「おにしずく」です。
 沢山の人、特に子どもたちが喜んで読んでくれますように……。

 「おによろし」「鬼の助」が共に電子書籍化されました。
 沢山の人、特に若い人たちが喜んで読んでくれますように……。




2022、2、22(月)
 ネットをよく使う関係で、パソコンでのセキュリティは業者にお願いして、結構いろいろと見張ってもらっています。ずいぶん長い付き合いです。そして、最近ふと気がついたのですが、削除メールの数がとても多い! 
 削除したメールの通知がくるので、なんとなく気になって覗いてみました。
   ・Amazon支払い方法を更新してください。
   ・(最終警告)ジャックスカードからの緊急の連絡。
   ・お客様のアカウントの問題が発生しました。
といった内容のメールが何通も……。
「え? これがウイルスメール?」
 もし、対策を講じてなかったら、きっと私はどれかを開いていたにちがいありません……。
(そういえばもう、ずいぶん昔、夫がパソコンウイルスで大変な目にあったことを思いだしました)
 ああ、桑原桑原(クワバラクワバラ=怖い怖い)!
 コロナウイルスと比例して、パソコンウイルスも増えているのでしょうか?
 お互いに、気を引き締めてすごしましょう!
 


2022、2、9(水)
 久しぶりに日差しがたっぷりの神戸になっています。
 気がついたのですが、あまり日が強くなると小鳥たちの声が聞かれなくなる感じがします。このあたりは六甲山系に連なる地形からか、野鳥がたくさん。近くの「しあわせの村」へも野鳥観察で来られる方も多いらしい。というわけかどうか、この頃、散歩コースの中でさえ、珍しい小鳥に出会い、かわいい声をよく聞きます。
 私は暖かい昼間歩いているのですが、昨日までは風も冷たく寒い日が続いていました。今日は風もなく日差しもしっかり届いています。鳥のほうの”心地よい”気温は人間と比べてたいぶ低いのかもしれません。いや、もっと違う理由があるのかも?
 とにかく、今日は心地よい散歩で、いつもよりちょっと距離を伸ばしました。



2022、1、30(日)
 みなさん、いかがお過ごしでしょうか? 
 新しい年もはや一か月をすぎようとしています。不自由さを感じながらの毎日。仕事をされている方は大変でしょう。家でゆっくりできる私でさえ気持ちが重くなります。早くコロナ禍が収束してほしいものです。
 とはいえ、毎日、それなりにすることがあって、元気に過ごしています。

 今日新聞を読んでいて、うれしい記事に出会いました。
 「教育の急激なデジタル化の問題を考える」ONLINEシンポジュームの報告が載っていました。 その中である先生がこんな発言をされています。
「いかに紙を大事にするかです。ポイントは紙の持つ質感や情報量を軽視しないこと。デジタル化すれば、抜け落ちる情報があると考え、使い分ける。基本は、紙が《主》、デジタルは《従》ということを明確にしたい……」
 もちろん「デジタルと紙の良いところ取り」が大事とされながらですが……。、
 とにかく、紙の時代に育った私は思わず手をたたいていました。
 この先生のように明確に答えられないものの、私も「紙が主」であり、「デジタルは従」としての「児童文学」を創作したいと願っています。



2022、1、18(火)
 1月17日は私たちにとって忘れられない日、阪神淡路大震災が起こった日です。昨日、午前の5時46分と午後の5時46分、テレビに写る東遊園地のみなさんと一緒に黙祷……。もう27年も経ったのですね。多くの方々が犠牲になられ、多くの方々が辛いその後を過ごされてきていることを思うにつれ、生かされた今を感謝してきちんと生きていきたい……。そんな思いにかられる一日でした。

 この頃つくづく思うことに、何処にでもデジタル化がすすんでいるなあ!
 高齢の私ですが、たまたま早い時点からパソコン、ネットを使っていたので、なんとなくデジタル化に慣れていってるという安易な気分でした。
 が、コロナ禍に入って、すごいスピードを上げて進むデジタル化に「わおー!」です。
 たまたま、家の通信関係を整理したせいもあるのですが、まず電話。そしてテレビ。そのすごい選択枝の多さに驚くばかりです。
 このたび、電子書籍出版をしていただくことになり、そのやりとりはメール。ほんの数年前なら何人もの方と顔を合わせたり、声をきいたり、郵送したり……。
 ああ、やっぱり「すごいなあ」と感嘆しきりの昨今です。 



2022、1、7(金)
 最後の客人、孫のひとりが帰り、私はまたのんびり一人生活になりました。やりたいことがあるのですが、自分の規律を守って「午前中は仕事」にします。こうして健康でおれるのも規律を守っているからなんて自負しながら……。
 と、のほほんとした思いを綴っていこうとしたのは、1月の4日のことでした。
 アップしようとしたのに、その後、気になることが動き出し、ここへ来るどころではなくなりました。
(私の性格上、いや、年齢を経るにつれて、集中できるのは一つのことだけのようです。トホホ)

 本日! やっとのことで、電話やネットのこんがらがった状態を一本化することができました。
 かつては家族が多く、その上夫も早くからネットを使い、義母への部屋へも電話をいれていたりして、狭い家に配線がいっぱい巡らされていました。ここのところの整理はややこしくて後回しになっていたのです。が、昨年暮れの夫の没5周年記念後、子どもたちと共に見直しをし、動き出しました。そして暮れを越し、新年早々、諸々の工事が入ったというわけです。変更通知や連絡通知も終わりました。何の不都合もなく電話も使えます。
 ああ、ほっとすると同時に、一抹の寂しさがあるのはどうしてかしら……。
 いえいえ、快適になった電話状況の中、規律を守っていきましょう!
 今年も、自分の好きなことをいっぱいしたいのですから。



2022、1、1(土)
   明けましておめでとうございます。
       本年もよろしくお願いいたします。

                       畑中弘子