トレッキングレポート2012 2012/8/17更新


有名な廻りブランコ跡


ガンコウランの道を気持ちよく上がっていく
上信国境 毛無峠と小串鉱山跡 2012年8月12日(日)

「信州登山案内人」としての初仕事は、群馬県と長野県の県境にある毛無峠から小串硫黄鉱山跡のトレッキングでした。15人ほどのお客さんを案内させていただきました。以前から懇意にさせていただいていた松本の旅行会社さんの依頼なので顔見知りのお客さんも多いです。

お客さんには中高年の方が多いのですが、山歴の長い人が多く、上高地や乗鞍などの、中信の高原はあらかた歩いてしまっています。北信濃の知られざる山を歩きたい、との意向なので、プランニングから関わらせていただきました。

この小串鉱山跡は、一部の廃墟マニアが熱心に研究してはいますが、山歩きの対象としてはほとんど知られていません。一人だけ破風岳に数年前登り、そのとき眼下に見えた小串鉱山跡をみて、行ってみたいな、と思っていたというお客さんがいました。

小串鉱山は日本の成長を支えた硫黄鉱山の一つで、大正年間から硫黄を採掘していましたが、原油を精製するときの副産物として硫黄が得られるようになってからはその役目を終え、昭和41年に閉山となりました。

最盛期には2000人を超える人々が暮らしており、スーパーや学校などもありました。昭和12年には裏山が突然大崩壊し、女性や子供を含む245人が犠牲になったことは有名です(小串の山津波)。

小中学校跡に残る廻りブランコは有名で、マニアには知られています。
雰囲気的には、慰霊碑があるなどで、お客さんを案内するにはちょっと薄気味悪いかな?と心配しましたが、とても気持ちのいい高原で、お客さんはみな関心を示してくれ、トレッキングを楽しんでいただけたようです。

帰りは高山村蕨温泉「ふれあいの湯」でさっぱりして帰っていただきました。

今後も、こんな知られざる山歩きを紹介していければいいな、と思っています。