光ファイバー用融着接続機用高周波高圧電源の試作
お久しぶりです。U。・x・)ノ チワン! 6月23日ぶりです!
今日のテーマはちょっと重い内容になります・・・それは・・・5月6日に「高電圧専科」のページに載せた「
直流高圧電源の製作T」の中で触れました、とある会社から高電圧の電源試作(製作)依頼が発端です。
最終的に分かった内容が首記タイトルにもあります、「融着接続機用高周波高圧電源」と言うことでした。早速色々な情報をあさり、試作することに成功しましたので、
レポートいたします。なお今回は、とある会社からの依頼なので、回路図等の公開は控えさせて頂きます。あくまでも参考となる情報として、とどめて下さい。決して真似して作ろうなどと思わないで下さい。
高電圧を扱うため、非常に危険です。
さて、そもそも融着接続機とは何か?・・・・実は私も詳しくわかりませんでしたので、とりあえず有名メーカーの製品が分かるリンクを紹介します。
古川電気工業且ミ http://www.furukawa.co.jp/fitel/fusion/smenu_top.html
住友電気工業且ミ http://www.optigate.jp/products/fusion/index.html
潟tジクラ社 http://www.fujikura.co.jp/products/tele/o_f_splicers/index.html
さて、上記の製品に組み込まれている高周波高圧電源についての情報は、ほとんど皆無に近いほど入手できない状況でした。強いてそれらしい情報としては 特許関連の情報がありました。検索のキーワードとして、「光ファイバー」、「融着接続機」、「 高電圧」の3つくらいでそれらしい資料が分かるサイトが見つかります。ここではサイト紹介を控えさせて頂きます。
試作ですのでブロックごとに製作しました。まず一番上が高電圧発生部です。小さいですが、右端に
高周波の昇圧トランスが見えます。真中がコックロフトです。
左側は「ないしょ!」(・_・?) です。
(これがキーワードになります!)
次に右下のBOXは制御部で、発振部
とドライブです。高周波の昇圧トランスをドライブする回路と、検出回路
および制御回路が詰まっています。量産時の回路の大きさは、面実装部品などを使いもっと小さくする予定です。
次に左下の小さなBOXですが、これは今回、私としては初体験の驚き回路でした。と言っても単なるDC-DCコンバータですが小さいながら、
とある海外メーカーの評価基板をちょこっと改造し、可変出力電源としたものです。電流は最大3Aまで流すことが出来、
その時の熱も思ったより低かったのにビックリです。手で触れるくらいで、ちょっと熱いかなぁーくらいでした。
高電圧部があり危険なので、プラスチック容器に入れてみました。
全体としては以上の構成ですが、実はおおちゃくして、2種類の直流電源が必要になってしまっています。もちろん量産時は一つの単電源で済ます予定です。
今回の試作機の特徴は強いて言うと、約7W〜26Wを可変できることにあります。上記に紹介した大手メーカーの機器は、
バッテリー駆動を前提としており、できるだけ電力を食わない効率のよい高周波高圧電源が仕組まれております。その要因もあり、
電源パワーは10W以下のものが殆どです。
今回試作製作するに当たり一番悩ましいのが、昇圧用高周波トランスをどうするかでした。( ̄へ ̄|||) ウーム 色々な会社に当たったところ、
個人の私などはほとんど相手にして頂けませんでした。唯一、対応して頂けたのは埼玉県にあるトランスメーカーでした。本当にうれしかったです。ありがとうございました。
(※ 申し訳ありませんが、現段階ではこのトランスメーカーは紹介できませんが、後日、何かの形でご紹介いたします。)
さて、実際に使用した高周波トランスはと言うと、
5月6日に「高電圧専科」のページに載せた「直流高圧電源の製作T」の中で使用したトランスをちょこっと改造して使いました。
改造と言っても余計な巻き線を取り去り、1−コモン2巻きのプライマリーの巻き線を、単独の巻き線に配置換えしただけです。入力インダクター値がわりとあるので、
ドライブする電圧が当初の予定電圧(DC12V)の約1.7倍の電圧が必要になりました。さらにセカンダリー電圧が欲しい電圧より低いので、
コッククロフトで昇圧することにしました。
実際の放電状態を下記に載せておきます。違いが分かりにくいかと思いますが、左側は約7W消費した時の放電状態です。 右側は約26W消費した時の放電です。高圧なのでカメラを近付けるには限界でした。(゚ー゚;Aアセアセ 明らかに中央の放電の光り方が違いました。
さて、実際の検出と制御はどうなっているか・・・・下記の波形を見て下さい。
左が約7W消費した時の検出波形です。右が約26W消費した時の検出波形です。この検出波形は この後の回路で細工して(※詳細は割愛)、制御ICの検出信号として入力しています。制御に使用しているICはオーソドックスなPWM制御ICですが、実際は パルス幅制御はしていません。何故なら、放電現象として最初に起こるグロー放電時に、 かなりのノイズとして回路が暴れます。もっと言うと、この間の制御が非常に難しい!!できたとしてもかなりわずかな期間での制御で、とても安定制御が出来る物ではありません! (※ 私の技術がないのかもしれません!?)・・・この後さらにパワーを上げていくとアーク放電に移行します。これでやっと安定波形になります。 その時の検出波形が上記の波形です。制御方式としては「定電流制御」と言った方が正解です。(※ 波形のゼロ位置が合っていないのは、オシロのキャリブレーション未実施のため)
光ファイバーを熔かしてみる上記は仕上がり外径φ0.2のファイバーで、左側は熔かす前の状態。右は熔かした後。先端が丸くなっている!
上記は仕上がり外径φ0.37のファイバーで、左側は熔かす前の状態。右は熔かした後。 先端が丸くなっている!
まとめ今回はとある会社の依頼とあり、ビジネス性があるので、定量的な情報は割愛させて頂きました。また、回路図についても割愛させて頂きました。(*- -)(*_ _)ペコリ ただこう言う電源の存在に、私自身も驚いており、まさに最前線にある光ファイバー業界で、使われていること自身驚きです。色々と勉強になることばかりです!・・・おしまい!