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角形電池の充電器と放電器の製作

充電器の裏に書いている仕様

充電器:GPPB02PSE

上:17R8H 8.4V/170mAh
下:30R7H 7.2V/300mAh

 以前から下記の角形電池006P型)の充電タイプ(一番左の写真)(価格はGP17R8H500円前後、GP30R7H800円)を購入していて、ハンディーテスターなどに使っていました。最近家の中ではめっきりお目見えすることが少なくなっています。角形電池以外にも単二電池単一電池も出番が少なくなっています。省エネがうたわれるご時勢ですから仕方ないかもしれません。しかし、物を大切にする今の時代だからこそ、昔活躍した製品を大事に長く使うと言う考えからも、これらの角形電池の需要もすぐにはなくならないと思い、今回この電池の充電器を製作する事を思いつきました。まず市販されている角形電池の充電器を探してみましたが、すぐに見つけることができず、いつか秋葉に出かけた時に偶然見つけたのが下の(左から2枚目の写真)もので、本家GP社製です。(価格は2,800円:2009年4月現在の秋月電子価格)充電電流が1個で20mA2個で10mA/1個となっていて、数十時間と言う長い時間をかけて充電するものでした。
 なんとか急速に充電できないかと考えていたところ、何と急速充電できるキットが売られていました。栃木県にある
(合)トリニティと言う会社に「006P型専用急速充電器キットVer2」と言う製品がりました。価格は3,800円です。その他あれこれ探していたところ、秋葉の秋月電子で売られていたジャンク扱いの基板があるのを思い出し、なんとなく充電器用の基板であることは知っていて、価格も2枚100円とリーズナブルなので、それを使えるか検証して見ました。

メモ1:
 ニッケル水素電池は通常0.1ItA電流16時間、すなわち160%(完全充電)充電することで100%の容量を取り出しています。これは、充電エネルギーが@活物質を充電状態へ変換する反応Aガス発生などの副反応などに使用されるためです。充電エネルギーは充電初期から中期にかけてはほどんど@の反応に使用されますが、充電終期では電池が満充電状態となるため、Aの反応が主体となります。ここでItAとは充電電流(または放電電流)の大きさを表すもので、電池の定格容量を表した数値の倍数に、Itと電流の単位を付けたものです。例えば、定格容量1600mAhの電池の場合、0.1ItAは0.1×1600=160mAに相当します。充電効率は電池の種類、充電電流の大きさ、過充電率、周囲温度によって変化します。[Panasonicの資料より
メモ2:
 急速充電方式(回路)には、-儼検出方式儺/冲検出方式タイマー回路温度検出回路過電圧検出回路などで構成される。-儼検出は、電池が満充電状態にあるときの電池電圧の低下(-儼)は、ニッケル水素電池でおよそ10〜20mV程度と非常に小さく、その低下電圧を検出する方式である。低下分は充電電流が小さいほど少なくなる傾向にあり、電池温度によっても変化する。儺/冲検出方式は、急速充電した時の単位時間当たりの温度上昇率が高くなる満充電時の現象を検出する方式である。一般的には1℃/minで満充電と判断される。どちらも詳細は電池メーカーの仕様を確認する事。

 注目すべき数値はいくつもあるのですが、とりわけ今回の改造で必要なのは、充電電流充電最大電圧である。どのくらい充電電流を流せば良いかを検討したところ、電池寿命などを考慮し、今回は「0.5C」を基準に考え、今回の改造では充電電流を約70mA〜110mAを可変できることを考えました。
 次に
充電電圧について、GP30R7Hが元々6セル構造なので、現状の定数をそのまま採用し、GP17R8Hについてのみ、充電における終止電圧検出回路の定数を変えることとした。なお、その定数はスイッチにより切り替える方式とした。

GP17R8H
データによると充電(最大充電電圧:10.5V/17mA)については、通常充電は17mAで16時間(20℃)、急速充電85mA(0.5C)〜170mA(1C)、-儼=0〜35mV、0.5〜0.9Cの充電で0.8℃/mini、1Cの充電で0.8〜1℃/minとあり、放電(終止電圧:7Vまでの時間)については、17mA(0.1C)では約11.6時間、34mA(0.2C)で約5.2時間、85mA(0.5C)では約2.1時間、170mA(1C)では約57分、340mA(2C)では約28分、510mA(3C)では約17分と言うデータが載っていました。また一年間の漏れ電流は最大17mAとなっています。
GP30R7H
データによると充電(最大充電電圧:9V/30mA)については、通常充電は30mAで16時間(20℃)、急速充電150mA(0.5C)〜300mA(1C)、-儼=0〜30mV0.5〜0.9Cの充電で0.8℃/mini1Cの充電で0.8〜1℃/minとあり、放電(終止電圧:6Vまでの時間)については、30mA(0.1C)では約11.5時間、60mA(0.2C)で約5.2時間、150mA(0.5C)では約2.1時間、300mA(1C)では約57分、600mA(2C)では約28分、900mA(3C)では約17.5分と言うデータが載っていました。また一年間の漏れ電流は最大30mAとなっています。

 まず、この2つ電池の充放電特性について知る必要がります。早速GP社のサイトで調べた所、次のことが分かりました。

 上記のサイトでは、回路図の部品番号位置関係がわかる
資料や自身が改造された内容が詳しく掲載されております。
失礼ながら、この場を借りてお礼申し上げます。
 さて右の写真は
が改造後の写真、が改造前のものです。

http://www010.upp.so-net.ne.jp/nimh/c09_RT001.html

 右写真はジャンク扱いで売られていた充電器?かもしれない
基板!
2枚で何と100円です。「部品取りや勉強にどうぞ!」と
うたって販売されています。Webサイトには親切にも回路図が
掲載されていましたが、定数はほとんど書いていません。従って
勉強するのも自分で
回路解析が必要です。
 そこで、こんな考えをしている方が他にもいると思い、Webサイト
を調べたところ、結構ヒットしました。特に役に立ったのが下記の
ヒロ」さんのサイトです。


 充電のところでR1の抵抗値を少し高めに付けた原因は、詳しくは分かりませんが、最初に電池を終止電圧まで放電しておくと、すぐに充電が完了する現象が見られなくなりました。これらの現象についても後日、調べなおしてみます。
 試験する電池がなく別の電池も試験したいのですが、この電池、
意外と高い値段する事を改めて知りました。今後は実際にハンディーテスターなどに入れて使い勝手を見ていきたいと考えております。もちろん、電池を入手したらその電池についての特性も調べたいと思います。さらにこの基板についてもう少し定数を変更して実験してみたいと考えております。
 今回の実験で分かったことは、50円基板は用途を限定すれば使えるかもしれない基板ですが、期待していた
-儼検出は機会を見て解析を行いたいと思います。ヒロさん、ありがとうございました。

総 評

 そして、先ほど紹介しましたヒロさんのサイトから部品番号配置レイアウト情報を入手して下さい。これからはそれらの資料をもとに説明を致します。

←※この中の商品画像の右側が回路図です。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-01429/

 まずはこの基板の仕様について調べたところ、6セル用の急速充電器だと分かりました。1.5A〜2Aと言う電流を流すことができ、発熱も少ない?とありました。次に手持ちの基板が実際に動作するのか、確認するため電気を入れた所(DC12Vを接続してOKでした)、火を噴くことなく使えそうな感じでした。
 早速回路解析を行いました・・・約70%ほどの解析が終わったろ頃に上記の
ヒロさんのサイトを見つけたので、改造意欲が加速するきっかけになりました。 <(_ _*)> アリガトォ
 正直申し上げて私は、充電式電池(
ニッケル水素電池など)について素人に近く、最近Web情報などで勉強を始めたばかりです。従ってこれから申し上げる内容も間違いや勘違い等もあるかと思います。もし、これを見て真似をされる方は自己責任にて行った下さい。事故や故障など当方は一切責任をもちませんのでご了承ください。

改造の実行と準備

 改造に先立ち、手元に回路図と資料を用意して下さい。回路図のありかは下記のサイトです。

改造後

改造前

 初めに行った改造は充電電流を変えることです。改造前では秋月電子の類似製品資料(※1)から充電電流は1.3A(1.6A)〜2A(2.5A)ほど可変できるとなっています。回路図を調べると、この値はKA75002Pin(エラーアンプ1の反転入力)と16Pin(エラーアンプ2の非反転入力)に接続される基準電圧と比較されます。ちなみにこの基準電圧の値は約3.2V〜5Vまで可変できるようになっています。
 また検出される電流は、
RT-001(ハイブリッドIC)に内蔵する8Pin、9Pin、5Pinで構成する反転アンプに入り、そこにはR11R13による130倍のゲインをもって検出されます。従って、検出抵抗(回路図ではR10に相当)がどのくらいかを逆算すると、(5V/2A)/130=19mΩまたは(5V/2.5A)/130=15.4mΩと言うことになる。二つの数字があるのは製品として2種類あるようです??ちなみに下限値を逆算すると、3.2V/(19mΩ×130)=1.3Aまたは3.2V/(15.4mΩ×130)=1.6Aとなります。
 最初はこの
基準電圧を単に可変すれば対応できると考えたのですが、130倍ものゲインがあるのか、検出電流を70〜110mAにするにはかなり電圧を下げなければできず、KA7500のICの特性からPWMのパルス幅が確保できず、異常な発信状態になり、事実上700mAくらいまでしか下がりませんでした・・・と言うかこの時点で回路図を詳細に認識していなかったのが正直なところです。(お恥ずかしい (;^◇^;)ゝ イヤァ)  そこでヒロさんのサイトを見つけ、基準設定値(電圧)と検出電流値をオリジナル基板の値と合わせることにしました。
 そもそもなぜ
130倍に増幅をさせるのかを考えると、例えば2A3Vで検出する様な回路の場合、3V/2A=1.5Ωの抵抗が必要になります。その電力は2A×2A×1.5Ω=6Wにもなり、発熱の原因になります。恐らくこの発熱について考慮したものと考えます。
 今回検出する電流はオリジナルに比べざっくり
1/20なのでゲインをさらに上げなければなりません。しかし安定動作やノイズ等を考慮すれば得策ではありません。手持ちの部品に面実装用電力抵抗1.2Ω/2Wがあったのでこれを使うことにします。
 充電電流の上限値を
110mA×1.2Ω=0.132Vとし、5V/0.132V=38倍のゲインにすれば、実現できそうです。この時の下限値は、(3.2V/38)/1.2Ω=70mAとなり、ちょうどそれらしい値になったので、この抵抗をR10の位置に取り換えます。
 改造前の基板には
R10のところにジャンパー線の様なものが載っていましたので、両端を切って、取り付けました。発熱は0.11A×0.11A×1.2Ω=12.5mWとほとんど無視できる値です。

充電電流

具体的な改造内容

 少し見にくいですが丸印の二つの抵抗を交換しています。手持ちに面実装部品がなかったので1/8Wのリードタイプの抵抗を取り付けています。詳しい位置はヒロさんの情報を見て下さい。
  なお、今回の改造で、GP17R8Hについては約0.5Cでの充電電流に設定できそうですが、GP30R7Hについては、110mA流しても0.367Cの充電電流にしかなりません。どちらに重きを置くかによりますが、私はこのままで
OKと言うことにしました。改造の必要がある場合は、上記を参考に手を加えて下さい。今回の実験ではVRを廻し充電電流80mAに設定しました。

 見にくいと思いますが、写真中央下のD2のすぐ右となりのジャンパー線を切って、面実装抵抗を取り付けた所です。ちなみにこの面実装抵抗は、秋葉原の鈴商さんで売っていました。
 さて次は、検出回路の定数を変えなければなりません。現行の
130倍のゲインを38倍にします。手持ちの抵抗を調べたところ39kΩがありましたので、R13R16を130kΩ39kΩに交換しました。これでゲインは39倍になります。

※1
 秋月電子通商から販売されている「秋月電子キット取扱説明書・回路図集CD-R版 Ver3」と言う資料の中にありました。詳細は購入して確認して下さい。かなりの回路集が載っていて、結構勉強になり、300円とリーズナブルです。私は昔からのキットを多く持っているので、付属する資料の整理(紙を捨て、電子媒体に変更)をするため購入しました。

 さて充電電圧について検討します。この基板の充電電圧は、秋月電子通商の回路図にもある「満充電検出」ラインの電圧を監視しているようです。さらに、ヒロさんの情報にもありましたが、ZD4(10V)も過充電を監視していて、ZD4の両端が10Vを超えると、充電を停止する回路があります。今回、GP17R8Hはデータにもありますよう、充電電圧の最大値が10.5Vにもなり、このZD4が動作してしまいます。取ってしまえば問題ないのですが、最悪の保護のため、ZD4を12Vツェナーダイオードに交換しました。

 ※ 左写真の丸印のダイオードを交換する

 実際に制御している電圧について回路図を覗いてみます。電池は
6セル7.2V)を想定します。満充電検出はR1とR2の分圧値により決まっているようで、CD-Rの資料によるとR1をそれぞれ、316kΩ313kΩ300kΩ287kΩ274kΩのケースがあると書いてあり、さらに100kΩ程度にすれば電池1本でも充電ができることも書いてありました。それらを計算すると満充電検出ラインの電圧はR2150kΩなので、1/3.10671/3.08671/31/2.91331/2.8267と言う減衰比になります。
 例えば
6セル電池のGP30R7Hの場合、終止電圧は9Vとして計算すると、2.897V2.916V3V3.089V3.184Vと言う値に相当します。私の手元の基板に取り付いていたR1の抵抗は267kΩでした。この値だと、満充電検出ラインの電圧は6セル電池で、1/2.78の減衰比、3.237Vに相当します。
 さてこの電圧は何と比較しているのでしょうか?それは
RT-001と言うハイブリッドICの中身の仕組みで、残念ながら情報がありません。とりあえず、3.237Vを基準に考えたいと思います。回路ではRT-001の電圧が既定値以上になれば、RT-0017PinHiになり、Q4をONにし、「B」ラインの電位が上がり、KA75004Pin(デッドタイムコントロール端子)の電圧が上がり、発信が停止するようになっています。
 
GP30R7H6セルを使う場合、このままの時定数で使えそうですが、GP17R8H(終止電圧10.5V)を使う場合を検証します。R2150kΩ)を固定した時、R1をいくつにすれば、3.237Vが得られるか!です。
[(150kΩ×10.5V)−(150kΩ×3.237V)]/3.237V=336.56kΩになります。抵抗E24系列では330kΩ6.8kΩの直列接続で実現できそうです。従って、GP30R7Hの時は現行の267kΩとし、GP17R8Hの時は336.8kΩとすることにします。これをスイッチで切り替えできるように改造します。

充電電圧

 小さくすると見にくいので大きな写真にしました。左の写真で、赤と黒線は電池端子に配線するものです。黄色と水色は右の写真のように、2回路2接点のスライドスイッチに配線し、上の抵抗2本が6セル用として200kΩ+68kΩ(合計268kΩ)で、下が7セル用として330kΩ+7.5kΩ(合計337.5kΩ)が取り付いています。計算では336.8kΩを予定していたのですが、実際に充電したところ、最初の1回目の充電で、なぜかすぐに充電完了の検出をしてしまったので、検出電圧を3.231Vとしました。(※この原因は別にあるように思えます)

 充電についてはヒロさんのサイトにもあります様に、-儼を検出しているとも思えないような動作をしています。これは恐らく、RT-001ハイブリッドICに要因があるように思えます。現に回路のR17R18が取り付いておらず、この辺りが怪しいとにらんでいます。放電特性グラフから今回、この電池の場合、約0.3Cの放電電流で、ざっくり逆算して約114mAhと言う電池になりました。定格とは33%の特性になっています。また簡単ではないがGP社の近いデータ(0.2C5.2時間)と比較しても、首をかしげたくなる内容になりました・・・と言うか、本当に満充電されているかも疑問である。

放電特性グラフを拡大します!
充電特性グラフを拡大します!

 実際に充放電をした試験内容をご紹介します。試験を行った電池はGP17R8Hで、上記の放電器で7Vまで放電させます。この時、7Vになってからすぐに接続を外すと、電池は再び復帰を始めます。これは内部で化学反応?が続き、復帰しているかのように見え、実際には少しですがパワーが溜まっているようです。ある程度放置して電圧の上昇が収まった時点で再び放電器にかけると、しばらくはパワーを出しますがすぐに電圧降下します。
 とりあえず放電完了とし、そこから充電と放電を行いそれぞれのデータ
を取ってみました。

実際の充放電試験

 回路図のVRは終止電圧決めます。M51945電圧デテクタ用のICで、検出基準電圧1.25Vで、2V〜15Vの範囲で検出が可能です。詳しくは潟泣lサステクノロジー社のデータシートを参照して下さい。ICそのものの動作電圧も2V〜17Vと範囲が広く、たまたま鈴商で買っていたのを思い出し、使いました。この回路の欠点は、動作モニターのLEDです。部品をケチリ、LEDのドライブを省略したため、終止電圧検出後もこのLEDに電流が流れ、過放電になります。事実、GP17R8Hの電池を1個を過放電してしまい、充電特性が劣化したのを確認しました。あとで改良したいと思います。下の写真を見てわかるように手抜きをして空中配線をしています。ICはSOCパッケージなので、変換基板を使っています。この回路では、GP17R8Hを想定し、終止電圧を約7Vに設定しています。VRを回せば、G30R7Hにも対応できそうです。放電電流は放熱事情も踏まえ50mAに固定しています。無理に多く流す必要はなく、これで十分です。

 充電のことばかり考えていたのですが、放電のことも考えなければなりません。何かすぐに出来る良いものはないかとWebを探していたところやはり秋月電子通商ニッカドニッケル水素両電池対応、1本〜12本できる放電キットなるものが1,200円で売られていました。これを買うか同じものを作るかすればいいのですが、回路図を入手したら結構部品を使っているのでやめました。回路の基本は「定電流回路」で、トランジスター2本で構成するオーソドックスなものです。特に部品が多いのは終止電圧の検出方法です。秋月のキットはオペアンプを使っています。手持ち部品を使って何とかならないかと考えて下記の回路を作りました。

放電について