F-V変換(周波数−電圧変換)IC AD-650JNの評価レポート
VF変換器のページでもアナウンスしましたが、VF変換器の性能が良好だったので、今度はFV変換を実験してみました。
使ったICは、VF変換器と同じメーカーのアナログデバイス社の「AD650JN」と言うVF変換器でもあり、FV変換器にもなるすぐれたICです。このICは、とある筋から入手しました。 (゚ー゚*?)オヨ?
価格は2008年の情報では$11.05です。日本ではマルツパーツさんで\6,300 w( ̄Д ̄;)wワオッ!! 、RSコンポーネンツさんで\2,230円もしています??早速情報から調べてみました。詳しくは下記のサイトからです!
細かい事はデータシートをご覧ください。
AD650JNデータシートのありか↓英文ですけど ヾ(ーー )ォィ
http://www.analog.com/UploadedFiles/Data_Sheets/AD650.pdf
↑ブロックダイアグラム
このICの大半は、VF変換として利用されるのが多いようで、FV変換としてはあまり率先して利用されていないようです。?(゚_。)?(。_゚)? しかし、データシートにはFV変換の回路も載っていたので、今回実験に踏みきりました。その回路が下の図です。
FV変換器の回路図はこれしか載っていませんでした。なんとなくですが、わかるような?分からないような? とりあえず、この回路で実験してみるか!?でも定数が書いていないものがいくつかあります。それはカットアンドトライでやってみますか!FV変換についての説明があまり載っていません(と言うか英文を理解できないのが正直のところです ポリポリ (・・*)ゞ) でしたので・・・はい! |
上の回路で8Pinと9Pinの部分にあるC、R、Dはよく理解できないので、単に9PinにCカップルした微分パルスを入れることにしました。あとで見たのですが、8Pinは入力に同期したパルス出力されていることが分かりました。それにしても上の回路は何をしようとしているのでしょうか
?(・_・)......ン? ただ微分パルスを入れるとマイナス方向にも電圧が発生しますので、GNDと9Pin間にダイオードを入れて、マイナスに振れる電圧を0.6V以下にならないようクランプしてやりました。実際に使う場合は9Pin直に入力するのではなく、
前段にバッファアンプなどをかまし、入力等のノイズ対策を施して、このICに入れてやることが賢明です。
次に、1Pinと3Pinですが、こちらはゲインと直流を作り出すための積分器です。入力インピーダンスが2MΩと結構高く、データシートには1mAの入力電流になるよう推奨しています。
実験ではR1=10kΩ、R3=10kΩのVRで調整してみました。実使用ではこのあとにバッファアンプを入れると良いでしょう!この出力で電流をとることはやめた方がいいでしょう!一方、積分器用のCINTは扱う周波数と変換後の直流のリップルに
依存した駆け引きになります。実験では0.1μFを付けてみました。VF変換の時もそうですが、低リークの低誘電体のものを使用し、ICのすぐそばに配置する事は同じでした。また、回路図にあるCOS
は、データシートのFig9図とFig10図のグラフより決め、実験では47pFを取り付けました。(周波数を500kHzとしたかったためです。)
このICを設計する支援プログラムがアナログデバイスのWebサイトにありました。以下にURLを紹介しておきます。
https://www.analog.com/en/design-center/interactive-design-tools/ad650.html
実際の実験実際の実験ですが、入出力を決めなければなりません。とりあえず、VF変換の出力を接続する前提で、入力周波数は500kHzとし、出力は5V/FULL とします。電源は残念ながら単電源では動作しないので、±15Vの電源で駆動させることにしました。
早速ブレードボードに組み込んでみました。 → いつものようにあまり綺麗とは言えませんが、(;^◇^;)ゝ イヤァ ちょっと見にくいですが簡単に!、2個のVRは、上がオフセット用20kΩ、下がゲイン用です。 重要なところは下のVRのすぐ右の青いコンデンサーが積分用CINTで、そのすぐ右の茶色いのがCOSです。見掛け上、この二つの部品はICすぐそばにあります。 右上にあるR、D、Cは、入力の微分パルス形成部品です。
それではいつものように、入力にPGからパルスを入れます。+5Vpで、周波数を最大の500kHzから徐々に下げていき、1/100の5kHzまで下げて、FV変換した電圧を見ていきます。
f=500kHz、VOUT=5V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。CH1の波形が少しうねっているのは、プローブの接触がおかしく、揺れているだけで、電圧は安定しています。
f=200kHz、VOUT=2V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。
f=100kHz、VOUT=1V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。
f=50kHz、VOUT=0.5V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。若干ですが、1/10ともなるとCH1にリップらしきものが見え始めます。
f=10kHz、VOUT=0.1V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。1/50ともなるとCH1にリップらしきものが顕著に見え始めますが、まだまだ!
f=5kHz、VOUT=0.05V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧が非常に安定しています。1/100ともなるとCH1にリップらしきものが顕著に見えます!このあたりが限界か!?
ちなみにさらに低しくて、f=1kHz、VOUT=0.01V、CH1は出力電圧波形を参考までに載せています。電圧は変動なく安定しています。1/500ともなるとCH1にリップが顕著に見えます!平均値 として表示する分には使えそうです!?
総 評 このICもAD654JNと同様、驚きの結果になりました! オオーw(*゚o゚*)w かなり幅広い周波数でもきれいに変換しています。電圧が非常に安定しているのには驚きです。ICそのものはちょっと高価ですが、製品化価値は十分ありそうです。
次は、VF変換器に光ファイバーを接続して、
光受信機を接続してこのFV変換器に入れてみたいと思います。いかなる結果になるか非常に楽しみです。もし、これがうまくいくようであれば、商品化を考えてみたいと思います。