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高電圧専科・雷・インパルス


高電圧専科雷Impulse

■ 雷の発生原理 (※ウィキペディアフリー百科事典より)

 上空地面の間に電位差が生じた場合の放電により起きる、とされる。雷を発生させる雲を雷雲 と呼ぶ。雲内での放電を雲間放電 (cloud to cloud lightning; CC; inter cloud lightning; IC; cloud flash;CF)、
雷雲から地面への放電を対地雷 (cloud to ground lightning; CG) と呼ぶ。対地雷には、 上向きと下向き、正極性 (+CG) と負極性 (-CG) の分類があるから、対地雷は結局4種類ある。
ただし、近年(1980代〜)では、レッドスプライト等の雷雲上空の発光現象も発見されている(中間圏発光現象)。

 雷雲の発生

 地表で大気が暖められることなどにより発生した上昇気流は、湿度 が高いほど低層から飽和水蒸気量を超えて水蒸気が発生して となり、気流の規模が大きいほど高空にかけて発達する。この水蒸気は高空に達すると氷結して水滴あられ の結晶となり、上昇気流にあおられながら互いに激しくぶつかり合って摩擦されたり砕けたりすることで、静電気が生じる。この時、雲の上層には正の電荷が蓄積され、下層には 負の電荷が蓄積される。
 急激な上昇気流により低層から高空まで形成される雷雲は主に積乱雲などで構成され、熱雷 (俗に夏雷)と呼ばれる。同じ積乱雲でも寒冷前線上などに発生する場合、また温暖前線などで同様の原理が発生した場合の雷は、界雷と呼ばれる。上昇気流が台風 などによる場合は、渦雷(うずらい)と呼ばれる。




 稲  妻

 上層下層電位差が拡大して空気の絶縁の限界値を超えると、電子が放出され、放出された電子は空気中にある 気体原子と衝突してこれを電離させる。電離によって生じた陽イオンは、電子とは逆に向かって突進し新たな電子を叩き出す。この2次電子が更なる電子雪崩 を引き起こし、持続的な放電現象となって下層へ向って稲妻が飛んでいく。
 また、下層の負電荷が蓄積されると、今度は地上では正の電荷静電誘導により誘起される。この両者の間でも、電位差がある一定を越えると放電が起きる。これらの放電は、大気中を走る強い光の束として観測される。これは日本では稲妻と呼ばれ、 地上との間の放電を特に落雷と呼ぶ。1回の放電量は数万〜数十万アンペア電圧は1〜10億ボルト、電力量換算で平均約900ギガワット(=100ワット電球90億個分相当)に及ぶが、 時間にすると1/1000秒程度でしかない。この間を細かく分けると、落雷(負極性の雷)においては、雷雲から最初に伸びる光の弱い先駆放電(ステップリーダー)、 大地側から迎えるように伸びるストリーマー(線条・先行放電)、両者が結合して大量の電荷が本格的に先駆放電路に流入する主雷撃、の3段階に大別され、電位差が中和されるまで放電が続く。
 主な夏雷は電子は雲から地表に、電流は地表から雲に流れる(電流を参照)。 冬雷の場合は、その性質上これとは逆に電子は地表から雲に、電流は雲から地表に流れる。

 雷  鳴

 稲妻の通り道となった部分の空気は温度2万から3万℃にも達し、急激に膨張して、周囲に対して真空状態 となる。この時の衝撃波と周囲から再び冷たい空気が流れ込む際の振動とによって轟音が発生する。これを日本では 雷鳴と呼んでいる。

■ 雷の対策 (※ウィキペディアフリー百科事典より)

 雷は、大気中に発生する現象としては必ずしも大きな大気の撹乱を伴わないため、詳細な予報は困難であり、天気予報などにおいても予測の範囲内で注意を呼びかける(雷注意報)などにとどまっている。電力会社各社は、独自に雷雲や落雷の観測システムを持っている。

 近くに建物や自動車がある場合

 雷対策として最も確実なのは、雷注意報が出ているときは野外に出ないことである。出ざるを得ない場合、または出てしまった場合は、遠くで雷雲が見えたら室内(あるいは停止し窓を締め切った自動車内など)に逃げ込む。雷雲は速く発達するからである。雷鳴が聞えてからでは遅い。

 野外の場合

 45度以上に見上げる高さの木がある位置は、木が避雷針の役割を果たしてくれるので安全とされる。ただし、幹や枝などの2m以内にまで近づくと木に落ちた雷に側撃雷が発生する可能性があり危険なので、適度に離れている必要はある。
 雷が近い場合、走って逃げたからといって落雷を避けられるとは限らない。雷雲が発生させる電位差は広範囲にわたるからである。運良く直撃を避けられて、落雷地点が多少離れていても、地面に落ちた雷は、ある程度の距離ならば地表を伝わってきて、 人は強い衝撃波を受ける。この時、足を開いていると「片脚>胴体>反対の脚」と体内を電流が流れ感電する可能性が高くなるので、脚は閉じているほうが良いとされている。更に、身をできる限り小さくして座ると効果はあるとされている。

 避雷針

 落雷の原理として、地上と上空との電位差から生じることが分かっている。このことを活かして、適切な位置に避雷針を設置して空中放電し、あらかじめ地上と上空との電位差を軽減するという処置がとられる。建築基準法33条では、 「高さ20メートルをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。」としている。
 なお、避雷針には保護範囲というものがあり、その範囲の外にあるものまでは保護することはできない。一般的な目安としては、避雷針の先端を(水平から)45度の以上の角度で仰げる範囲(の円錐形の空間)に入れば安全だとされていた。 しかしながら最近の研究の物理的見地から見た通常の避雷針の保護角は、回転球体法により求められるラッパのような形状の保護角でしかなく、この形状よりはみ出る45度以上の円錐状部分では雷の保護はできない。 しかしながら、国会議事堂や、その他文化財のように長い形状の建物、高い形状の建物の場合、棟上げ導体などを使用し、広い保護範囲を得る事が行われている。また、雷ストリーマを発生させ、45度の角度よりもはるかに高い保護角を持つようにした避雷針なども開発されている。 したがって、通常の避雷針をビル等に設置した場合、設置位置などによっては、避雷針ではなく建物の角に落雷することもある。

 雷サージ対策

 家庭などにおいて、雷サージによる家電製品やPC等の故障を防ぐためには、雷の時は電源ケーブルや電話線をコンセントから抜いておく事が望ましい。また、同被害を軽減するために、サージプロテクタというコンセント型の器具も販売されている。(同器具の詳細については、避雷器の項参照)

 雷ストリーマによる誘雷

 雷ストリーマによる誘雷に適した形状(小形放電電極と下部集電電極)をした避雷針などに、予め、別途回路により雷ストリーマを発生させておき、雷を誘導する方法である。

 レーザー誘雷

雷雲に向けて強力なパルスレーザーを当てて稲妻の通り道となるプラズマを発生させ、稲妻を安全な場所へ誘導することが可能である事が実験で実証されている。送電線鉄塔への落雷が原因の停電を防止する手段として期待されている。

 ロケットによる誘雷、消雷

 ロケットに電線を繋げて打ち上げ、雲の上下に生じた電位差を電線を通じて放電する事により落雷を防ぐ。電線は放電によって蒸発する。

 落雷実験

 電力中央研究所の塩原実験場には国内では最大級の12MVのインパル電圧発生装置(人工雷発生装置)(1.8MWSのエネルギーをもつ)があり、 また多くの大学でも超高圧の発生装置を所有しており、中でも日本工業大学の超高圧放電研究センターでは300万ボルトインパルス電圧発生装置による人工的な落雷実験が行われている。

■ 雷の情報

(財)電力中央研究所<雷の不思議 PDFファイル> https://criepi.denken.or.jp/research/pamphlet/light_201603.pdf

気象庁(国土交通省) 雷について https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder0-0.html

音羽電機工業梶@雷の知識 https://www.otowadenki.co.jp/knowledge/

潟Tンコーシャ 雷対策の基本 https://www.sankosha.co.jp/basic-lightning-protection/

ウィキペディアフリー百科事典 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B7

雷総合研究所 https://ameblo.jp/xseed/entry-10006185444.html