コンデンサーのページ Ⅰ
左記の構造(平行平板)における静電容量 C は・・・
[F]
ε0 :真空誘電率 8.854187818×10-12 [F/m]
εr :物質の比誘電率
左記の構造(同軸構造)における静電容量 C は・・・
d:同軸の内径
D:同軸の外形
[F]
真空中の光速は・・・ 2.99792458×108 [m/S] ※ これは1秒間に地球7周半に相当する!
真空中の誘電率ε0は・・・
色々な誘電体はこの真空中の誘電率に対する比誘電率として表されているので、誘電体の比誘電率を[ε r ]とすると、誘電体の誘電率[ ε ]は・・・
ε=ε0 × εrとなる。
ε (イプシロン)はコンデンサの極板間の物質によって決まる値で、「誘電率」と呼ばれる。
誘電率が最小の状態は真空で、通常、真空の誘電率はε0
で表されます。また空気の誘電率は真空の誘電率よりも若干大きいですが、真空の誘電率とほぼ等しいので、「空気誘電率
」をε0 と書かれることはしばしあります。
上記の平行平板の静電容量の公式から、ε
( ε = ε0 × εr )の値が大きいほど、静電容量が大きくなることになる。
誘電体 | 比誘電率 |
空気 | 1 |
各種プラスチック フィルム |
2~3 |
マイカ | 6~8 |
酸化アルミニウム | 8~10 |
セラミックス 低誘電率材 |
10~100 |
セラミックス 高誘電率材 |
1000~20000 |
コンデンサ内での電気エネルギー損失の度合いを表す数値であり、タンデルタ [tanδ
] と呼ばれている。
理想的なコンデンサは外部から与えられた電荷を損失なく蓄え、そして損失なく放出することであるが、実際のコンデンサは
電極の抵抗成分や電極間の漏れ電流、
誘電体の構成分子の熱振動による抵抗(誘電損)などが存在し、電荷をやり取りする際にエネルギー損が生じる。この損失は
高周波交流を加えた時に顕著になる。実際のコンデンサには寄生抵抗
Rpが存在し、この寄生抵抗
Rpを等価直列抵抗(ESR)と呼ばれている。
理想的なコンデンサ場合
実際のコンデンサの場合
δ を「損失角」と呼ぶ
誘電正接(tanδ)の数値は小さければ小さいほどよく、コンデンサの高周波特性を大きく決定付ける。また tanδの値は、周波数と温度に大きく依存し、周波数が高いほど大きくなり 温度が低いほど(一般的な室温20℃に近いほど)低くなる。
単位 DC[V]
第一文字→ | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
第二文字↓ | |||||
A | 1 | 10 | 100 | 1000 | 10000 |
B | 1.25 | 12.5 | 125 | 1250 | 12500 |
C | 1.6 | 16 | 160 | 1600 | 16000 |
D | 2 | 20 | 200 | 2000 | 20000 |
E | 2.5 | 25 | 250 | 2500 | 25000 |
F | 3.15 | 31.5 | 315 | 3150 | 31500 |
G | 4 | 40 | 400 | 4000 | 40000 |
H | 5 | 50 | 500 | 5000 | 50000 |
J | 6.3 | 63 | 630 | 6300 | 63000 |
K | 8 | 80 | 800 | 8000 | 80000 |
電圧は全て直流[DC]です
例・1:あるコンデンサの表示が
2E
101Jとなっていれば、定格電圧は250Vで容量100pF、誤差±5%となる。
例・2:あるコンデンサの表示が
1C
100μFKとなっていれば、定格電圧は16Vで容量100μF、誤差は±10%となる。
※ 詳細はJISハンドブックを参照のこと。
㈱村田製作所様・資料より
class | 温度特性記号 | 温度範囲 (℃) |
基準温度 (℃) |
静電容量変化率または温度係数 |
class1 種類1 |
CH | -55~125 | 20 | 0±60ppm/ºC |
COG | 25 | 0±30ppm/ºC | ||
SL | 20~85 | 20 | +350~-1000 ppm/ºC | |
class2 種類2 |
B | -25~85 | ±10% | |
X5R | 25 | ±15% | ||
X6S | -55~105 | ±22% | ||
R | -55~125 | 20 | ±15% | |
X7R | 25 | |||
F | -25~85 | 20 | +30~-80% | |
Y5V | -30~85 | 25 | +22~-82% | |
Z5U | +10~85 | - | +10~-56% |
Class1のコンデンサは、温度補償用コンデンサとも呼ばれ、静電容量の温度による変化が比較的直線的で、また損失も小さいという特徴があります。
容量範囲は1pF以下の微小容量域から1µF前後の高容量域まであり、あらゆる用途に使用されます。特に100pF以下の微小容量品は、高周波回路でのマッチングやカップリング用途に使用されます。
Class2のコンデンサは、強誘電体であるチタン酸バリウム(BaTiO3)を主原料とした高誘電率の誘電体を使用しています。
Class1のコンデンサに比べると静電容量の温度変化は大きく損失も大きくなりますが、100µFまでの大容量が得られるため、カップリング回路やデカップリング回路、平滑回路などで多く使われます。
セラミックコンデンサメーカや実装機メーカ、およびセットメーカ間での話し合いのもとで、積層セラミックコンデンサのサイズが標準化してきました。
サイズの標準化により、基板アセンブリ時における実装効率の向上も積層セラミックコンデンサの普及の一因になりました。標準のサイズを表2に示します。写真1には各サイズ別の比較を示します。
各サイズ別構成比率の年度別推移をグラフにしたものが図3です。1990年代前半までは2012サイズがもっとも多く使われていましたが、それ以降は1608サイズにシフトし、
近年ではさらに小型の1005サイズが多く使われるようになりました。また、超小型の0603サイズ、0402サイズも商品化され、小型化へのシフトが急速に進行しているのが見て取れます。
㈱村田製作所様・資料より
サイズ記号 | 長さ(mm) | 幅(mm) |
0402 | 0.4 | 0.2 |
0603 | 0.6 | 0.3 |
1005 | 1.0 | 0.5 |
1608 | 1.6 | 0.8 |
2012 | 2.0 | 1.25 |
3216 | 3.2 | 1.6 |
3225 | 3.2 | 2.5 |
4532 | 4.5 | 3.2 |
5750 | 5.7 | 5.0 |