ねえ



ねえねえねえ

アンタは気付かなくていいんです。
俺のこの気持ち。
アンタは気付かないで。

最初はアンタっていう釈然としない存在が嫌いでした
俺って自分で言うのもなんだけどハッキリしないことが嫌いだから
あの時親父が死んでアンタはその敵を手打ちにした。
俺はもちろん納得なんてしなかった
膨れ上がる不信感
きらいきらいきらい

でもアンタは笑ったんだ
そんな俺にむかって

いつのまにか惹かれてかれて

すきすきすき
おかしいだろう?
アンタは俺の主でみなの主
そんなアンタの存在にまた納得いかない
だって俺のもんにはならないだろ?
だから気付かないで
スキスキスキ
夜のアンタは怖くて綺麗で頼もしくておそろしい
だからどこまでもついていくと決めた
昼のアンタはどこまでも優しくて頼りなさそうにみえてその実強くておそろしい
だからその隣を歩きたいと望んだ
キライキライキライ
俺のもんにならないから
俺のものなんかにならないで

ねえねえねえ
抱きしめたいくらい
離したくないくらい
誰にも見せたくないくらい

すきですよ
きだから

ねえねえねえ
こんな子供じみた感情しか生み出せない



ねえ



end?