銀盤比較 Vol.4

『過去のない男』 国内盤 VS フランス盤


 
作品解説

「アイロニーに満ちたキャプラ」と言われるフィンランドの映画作家・アキ・カウリスマキのオフビート感覚に溢れた心温まる愛のドラマ。2002年のカンヌ映画祭で自身初となるパルムドール、カウリスマキ映画の常連カティ・オウティネンが主演女優賞のダブル受賞に輝いた。

ジャケット紹介

国内盤アメリカ盤イギリス盤フランス盤

仕様、その他のデータ
[国内盤]

・アミューズソフト販売株式会社
・Region 2 - NTSC
・本編1:37:00
・音声:ドルビーデジタル/フィンランド語2ch/日本語2ch
・画面仕様:16:9 ビスタサイズ
・チャプター数:15
・字幕:日本語/吹き替え用
・片面・2層
・発売日:2003/9/26
[特典]
・カティ・オウティネン インタビュー(約9分)
・マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカLIVE IN TOKYO
・日本触媒CM〜アキ・カウリスマキ編
・ヘルシンキ・ロケMAP(静止画)
・オリジナル予告編・日本版予告編
・TVスポット


*オリジナル・デザイン・カード一枚封入
[フランス盤]

・arte Video
・Region 2 - PAL
・本編1:32:24
・音声:ドルビーデジタル/フィンランド語2ch/仏語2ch
・画面仕様:16:9 ビスタサイズ
・チャプター数:15
・字幕:仏語
・片面・2層
・発売日:2003/5/20
[特典]
・カンヌ映画祭での会見映像(約18分)
・映画評論家Philippe Azouryによる作品紹介(約14分)
・予告編
・短編2本


メニュー画面比較



仏盤メニュー画面(左上)、仏盤チャプター画面(左中)、仏盤セットアップ画面(左下)、国内盤メニュー画面(右上)、国内盤チャプター画面(右中)、国内盤セットアップ画面(右下)


平均ビットレート比較

[国内盤]

[フランス盤]


画面比較

上が国内盤、下がフランス盤

まず目に付くのが色味の違いです。仏盤は色温度が低いので赤味の強い画になっています。また仏盤の方ややソフトフォーカスですね。

上が国内盤、下がフランス盤

国内盤は非常にコントラストが強めなので、画調も明るくなり、一見全体の情報量は多く感じますが、そのせいで輪郭が強調され、S/Nの悪さが目立って画面が汚らしく見えるという弊害があります。これは国内盤には顕著な傾向と言えます。

上が国内盤、下がフランス盤

国内盤の方が肌の色味は自然な感じがします。しかし高コントラストのせいでアンニッキ・タハティの皺が過度に強調されている感も否めません(笑)。仏盤のマイクの渋いメタリック感が良いです。

上が国内盤、下がフランス盤

如何に国内盤のコントラストが高いかが良く分かる画像です。国内盤は全体が白っぽくなってしまい、フラットな味気ない画に見えます。


総評

ちょっと画像比較では伝わりにくいのですが、画質は明らかに仏盤の方が優れていると言えます。国内盤はとにかくコントラストが高すぎるのがマイナス。S/Nはどちらも同じような感じなのに国内盤の方が汚らしく見えるのもそのせいです。それと全体の画の雰囲気の違い。これは言葉では説明しにくいのですが、国内盤は荒れ肌、仏盤はモチ肌とでも言いましょうか。国内盤は妙にカサカサした感じの画ですが、仏盤はしっとりと艶やかフィルムライクな画なんです。ホームシアターがだいぶ普及したとはいえ、まだまだ国内メーカーはモニターライクな画作りをしているということなのでしょうか。ただ国内盤も特典内容の充実ぶりは素晴らしいですし、吹替え音声も収録とかなり気合の入ったDVDです。要するにコアなファンは2枚ともゲットすべし!というのが結論なんですね(笑)。

[国内盤]

画質: 
音質: 
特典: 

[フランス盤]

画質:  
音質: 
特典: 


 

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